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インテルの“神様”が絶好調だったPC DIY Expo in Nagoya詳報
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印刷2010/07/05 11:03

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インテルの“神様”が絶好調だったPC DIY Expo in Nagoya詳報

大雨だったが,客足は途切れなかった本イベント。写真は,講師の説明を受けながら自作できるコーナーの様子
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 第一報をお届けしているように,2010年7月3日,名古屋市の大須地区で,自作PCとPCパーツをテーマにしたイベント「PC DIY Expo in Nagoya」が開催された。
 当日,現地はあいにくの大雨で,展示会場の出足こそやや鈍めだったものの,事前登録制を敷いていたセッションは満席。本稿では,“神様”こと天野伸彦氏が絶好調だったインテルのセッションを中心に,会場の様子なども交えながら,詳報をお届けしたい。

PC DIY Expo in Nagoya,NVIDIAセッションレポート



KシリーズにおけるOCのポイントを神様が解説


天野伸彦氏(インテル 技術本部 インテル・アーキテクチャー・エバンジェリスト)
画像集#003のサムネイル/インテルの“神様”が絶好調だったPC DIY Expo in Nagoya詳報
 NVIDIA,日本AMD,マイクロソフトと続いたPC DIY Expo in Nagoyaにおけるセッションのトリとなったインテルのセッションだが,天野氏は絶好調。冒頭,「今日はお目付け役のAさんがいませんので」と,広報担当者が不在であることを示唆しつつ,予定されていた30分という時間を大きく超過,約70分もしゃべり続けていた。
 そのテーマは,ロードマップと,Core i7&i5 Kシリーズ(以下,Kシリーズ),そしてマルチスレッドに関するオマケという3本立て。そのなかでもとくに面白かったのが,倍率ロックフリーであるKシリーズのオーバークロックに関する話題だった。

 CPUコアの倍率やパワーコントールユニットの各種リミッター,そしてDDR3メモリのクロックや電圧のリミッターが外れているのが,Kシリーズの特徴だ。

まずはKシリーズの概要をおさらい。「Core i7-875K/2.93GHz」「Core i5-655K/3.20GHz」が用意されているKシリーズは,動作倍率とパワーコントロールユニット,DDR3メモリコントローラのリミッターが外されているプロセッサと位置づけられる
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 Kシリーズでは,動作倍率を変更するほかに,「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)の上限値を変更することでもオーバークロック設定を行えるが,今回天野氏が示したのはTurbo Boostを使って行うほうだ。

KシリーズにおけるTurbo Boost値のオーバークロックは「Turbo Limitを調節して行う」と天野氏
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TDC以上の電流が流れるとTurbo Boostの発動が抑えられる。ただ,Kシリーズの動作環境においては,電流を測るIMONがマザーボード側にあるというのがクセモノという
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 Turbo Boostの効き方は,CPUの電流と電圧,温度で制御されていると,Intelは以前からアナウンスしてきた。天野氏によると,そのなかで微妙な位置に置かれているのが電流,より正確にいえばTDC(Thermal Design Current,熱設計電流)とのことだ。「電流(I)を検出するIMON(IMONitor,電流モニター)はCPUの外,マザーボード側にあるが,IMONが実際より小さな値を返すマザーボードがある。IMONが小さな値を返せば,それだけTurbo Boostが効き,ベンチマークの成績が上がるから」と,天野氏は指摘する。

Intel製マザーボード用のカスタマイズツール「Intel Desktop Control Center」を使ったオーバークロックの実演と,ツール自体の説明も行われた
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 「Turbo Boostの効きがよくなるなら別に問題ないのでは?」と思うかもしれないが,オーバークロック設定時は,これが問題になるケースがあるというのが,天野氏の見解だ。「IMONが“嘘”の値を返してクロックが上がり,発熱が大きくなると,サーマルプロテクションが機能して,逆にクロックを抑えてしまう」ことがあるとのことである。マザーボードによってTurbo Boostの効き方が変わると感じていた人はいると思うが,それは,このIMONによるところが大きいようだ。
 天野氏は,「Intelの資料だと,IMONについては勝手にしろと書いてある」と,IMONの精度がマザーボードベンダー側の自由裁量に任されていることも明らかにしていた。

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 ちなみに,「イスラエルの開発チームはIMONがCPUの外にあるのが気に入らないようで,次の世代のCPUではIMONがCPUの中に入る。ただ,もう一方(=オレゴンの開発チーム)は,IMONは外にあったほうがいいという考えなので,次次世代のCPUだと,IMONはCPUの外に置かれることになりそう。IMONが出たり入ったりすることになる(笑)」と,天野氏はIMONの将来を予想していた。「設計チームごとの考え方の違いが面白い」とは天野氏の弁だ。

 残る二つの話題は基本的に,公開資料に基づいた紹介がなされた。
 まずロードマップだが,デスクトップPC向けは「クロックが高い製品が出たりすることはあるかもしれないが」と前置きしつつ,2010年いっぱいは,いまの製品ラインアップが維持されると説明する。

スライドにある「Future」のうち,Sandy Bridgeの部分には2種類のCPUが用意されていると天野氏
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 ただ,そこは“お目付役なし”モード。サーバー向けのプロセッサに関する部分で,次世代マイクロアーキテクチャである「Sandy Bridge」(サンディブリッジ,開発コードネーム)に触れ,「1ソケット向けの『Foxhollow』(フォックスホロウ)プラットフォームを置き換えるSandy Bridgeと,2ソケット以上のSandy Bridgeは別物。開発も別に進められている。Foxhollowを置き換える製品のほうが先に出るだろう」と予告していたことは押さえておきたい。

Horsepowerは,3Dフィールド上においてマルチスレッド動作するAIに操られた馬のデモだ。スレッド数を変えると,処理できる馬の数が増減する
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 もう一つのマルチスレッドに関しては,Intel/インテルがマルチスレッドアプリケーションの開発を後押しし,サンプルや開発ツール,ライブラリをリリースしていていることをアピールし,今回はそのなかから,Intel Software Networkのサイトで公開されている「Horsepower」を紹介した。
 多数のオブジェクトをAIで操るデモというと,AMDがATI Radeon HD 4800シリーズ用として発表した「Froblins」を思い出す読者もいると思うが,HorsepowerはそのCPU版といったところか。
 Intel Software Networkでは,Horsepowerのほかにも,煙のデモ紙吹雪のデモなど,手持ちのPCが持っているマルチスレッド性能をチェックできるとされるデモが公開されているので,試してほしいと天野氏は呼びかけていた。リンク先ではソースコードしか入手できないように見える場合があるが,ソースコードをダウンロードするボタンをクリックすると,遷移先でバイナリを入手可能だ。

Horsepowerのデモを実際に動作させている様子。スレッド数を増減すると描画される馬の数が変わるが,ワイアフレーム表示に切り替えると“描画できなかった馬”も描画されるので,その差でマルチスレッド化の効果が分かるという
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日本AMDやマイクロソフトのセミナーも盛況

会場には未発売の製品も


林 淳二氏(日本AMD マーケティング本部 本部長)。会場後方から見守るNVIDIAの高橋一則氏に関する言及はなく,大人の対応(?)を見せていた
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 序盤でお伝えしたとおり,イベントでは日本AMDとマイクロソフトもセッションを実施。日本AMDの林 淳二氏は,来場した自作PC派のユーザーに向けて,AMDのVISION Blackブランドをアピール。「VISION Blackerになろう」と呼びかけていた。
 マイクロソフトのセッションでは,同社の森 洋孝氏が,ソーシャルネットワーク機能の強化されたWidows Liveを中心にした説明を行っていた。TwitterやFacebookといった,Microsoftとは別のところで発達を続けているソーシャルネットワークのユーザーを,Microsoft陣営に呼び戻そうということなのだろう。

3Dゲーマーを含むハイエンドPCユーザーをターゲットにしたVISION Blackをアピールする林氏。構成するPCを一式揃えても「Core i7-980X Extreme Edition/3.33GHz」より安価とアピールしていたが,「AIT Radeon HD 5670」ではVISION Blackの要件を満たせないような……
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森 洋孝氏(マイクロソフト コンシューマー&オンライン マーケティング統括本部 コンシューマー Windows 本部)は,新しくなったWindows Liveを熱心にアピールしていた
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 このほか会場には,イベント後援企業でもある販売代理店,アスクが扱うPCパーツメーカーの製品や,PCショップの製品が展示されていた。なかには,国内未発売の製品もあったりしたので,それは最後に写真で紹介しておきたい。
 こうしたイベントは東京都内,もっといえば秋葉原で開催されるのが常態化しているが,東京を離れるとのびのびするセッション登壇者もいたりするので,地方開催のイベントも目が離せないといったところだろうか。

国内未発売となる3R SYSTEM製のミドルタワーPCケース。左の写真に写っているのは,ほぼ同型ながら内部ドライブ構造が異なる「L-1200」(左)と「L-300」(右)で,右の写真は前面にファンコントローラを内蔵する「L-1000」だ
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L-1200,L-300,L-1000に共通するのが,盛り上がった天板部に内蔵する2基の120mm排気ファンで,これにより冷却能力を向上させているという。国内発売は決定しているが,時期や価格は未定
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こちらは偏光グラスにより立体視を実現するZalman Tech製ディスプレイ「ZM-M240W」。GPUを問わずに3D立体視体験が可能だとアピールされていた

ZOTAC International製の「Atom D510/1.66GHz」+「ION GPU」(※GT218コア)搭載Nettop「Zbox HD-ID11-J」で,「モンスターハンター フロンティア オンライン」のベンチマークテストを実行するデモ。スコアは芳しくなかったが,システム全体で30Wという低消費電力はなかなかのものだ
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