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絵画のような厚塗りイラストを違和感なく動かし,爽快感あふれるアクションゲームとして成立させた本作は,多くのゲームファンや開発者を驚かせた。当時の東京ゲームショウ出展時,とある大手メーカーでは開発スタッフに「あれだけは見てこい」と指令が飛んでいた――という逸話があるほどだ(関連記事)。
2013年のPS Vita版を最後に移植が行われてこなかったが,2026年6月に「朧村正怪奇譚」が発表された。オリジナル同様にヴァニラウェアとマーベラスがタッグを組んで手がける本作は,ゲーム本編と各種DLCをまとめて収録したうえで新要素をプラスした最新バージョンになるという。
果たしてどんな内容になったのか――と,詳細が気になっているところで,先行プレイの機会を得た。新要素を中心に確かめてきたので,そこで分かった内容をお届けしていく。
戦闘・探索の両面で変更点がたくさん
バトルはリソース分割で遊びやすく
まずは,基本的なゲーム内容を振り返っておこう。すでに理解している人は読み飛ばしてもかまわない。
「朧村正」は,妖怪がはびこる元禄期の日本を舞台に,2人の主人公「鬼助」と「百姫」が妖刀を巡って旅する姿を描いた2DアクションRPGだ。2人とも同時に3本の刀を装備し,状況に応じてそれらを持ち替えながら戦うことになる。
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特徴的なのは,刀によって異なる「奥義」と,持ち替え時に発動する全画面攻撃「居合斬り」のシステムだ。
刀で敵の攻撃を受け止めたり,奥義を発動したりするには“霊力”が必要で,これが尽きた刀は折れて性能が大幅に下がってしまう。霊力はそれぞれの刀が個別に溜めこむ持つため,折れる前に持ち替えたほうが戦いやすい――が,「仕方なく持ち替える」わけではない。
持ち替え時に発動する居合斬りによって,持ち替え動作自体が攻撃動作につながるため,積極的な持ち替えを戦略に組み込めるのだ。うまく流れを作れば,バリエーション豊富なアクションを次々に繰り出す爽快感を味わえる。
オリジナル版のDLC「元禄怪奇譚」では,主人公がそれぞれ異なる4つの物語が追加された。
驚くべきは,追加されたキャラクター全員がまったく異なるバトルシステムを持っていること。おかげで,鬼助や百姫のストーリーをクリアしたあとでも,新鮮な感覚でバトルを楽しめる。まとめると,合計6人の物語が収録されたのが「朧村正怪奇譚」というわけだ。
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今回の先行プレイでは,ゲーム本編にあたる鬼助編の序盤に触れられた。というわけで,現状で判明している新要素と変更点をスパッとまとめてみよう。
| 「朧村正怪奇譚」 新要素&変更点まとめ |
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|---|---|
| 奥義 | ・刀を使い続けることで奥義を「修得」できる ・修得済みの奥義は付け替え可能 ・付け替え奥義は地上用3枠,空中用3枠 ・刀が本来持つ奥義は引き続き使用可能 |
| 霊力 | ・「霊力」と「霊力上限」に分割 ・霊力は奥義発動時に消費され,通常攻撃で回復 ・霊力上限は防御行動で消費され,納刀中に回復 |
| 居合斬り | ・攻撃や魂獲得で居合ゲージを溜める ・時間経過での再使用はなくなった |
| 装備強化 | ・作成済みの刀や符を強化可能に ・魂や玉鋼などのリソースを消費 |
| 難度 | ・「死狂」を最初から選択可能 |
| 探索や移動 | ・温泉ごとに異なる「効能」を追加 ・地図を使い,駕籠で好きな場所へ移動可能 ・舟で漁などを楽しめる要素が追加 |
| クラシック | ・PS Vita版のゲームシステムを維持 ・グラフィックスのみ高画質化 |
一覧で見ると,かなり多くの要素が変わっているのが分かる。これらのなかでも,特に手触りを大きく変えているのが「奥義」「霊力」「居合斬り」といった戦闘の根幹部分だ。
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最大のポイントは奥義の使いやすさだろう。以前は「霊力」が攻防のリソースを兼ねていたため,奥義を使うほど防御面が薄くなり,防御するほど奥義が使いにくくなるジレンマを抱えていた。これはこれで緊張感があって面白かったが,劣勢を覆すのはやや難しかった。
一方,本作では,奥義用の「霊力」と,防御用の「霊力上限」に分割されたおかげで,気軽に奥義を繰り出せるようになった。通常攻撃の価値が失われたわけではなく,霊力回復のためにはガシガシと通常攻撃を当てる必要があるので,攻めが強いゲーム性自体は変わっていない。
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また,奥義修得システムによって複数(地上3つ,空中3つ)の修得済み奥義をセットできるうえ,装備している刀固有の奥義も使用できるため,立ち回りの自由度が大幅に高まっている。新しい奥義の修得を狙って刀を使い込んでいる間も,汎用性の高い奥義をセットしておけば戦闘で困ることはない。
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居合斬りの仕様変更も,プレイフィールに良い影響をもたらしている。以前は再使用が可能になるまで時間経過を待つ必要があったが,本作では攻撃や魂の獲得で「居合ゲージ」を能動的に溜められる。居合斬りのために時間を稼ぐ必要はなく,むしろ攻撃に転じることが劣勢を覆すカギになっているのだ。
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こうして見ると,今回の変更はいずれも単にプレイヤーを強くするだけのものではない。通常攻撃で霊力を回復し,攻撃で居合ゲージを溜め,そこから再び奥義や居合斬りへとつなげていく“攻めが次の攻撃手段を作る快感”が,より明確になった印象だ。
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続いては探索要素について。こちらは触れられる範囲が限られていたものの,ある程度の変化は感じられた。
明確だったのは移動範囲の変化で,本作ではプレイヤーが自由に動ける範囲が広がっている。ゲーム開始時点ではルートの一部が“封印”されていて,シナリオの進行に応じて解禁されていく仕様は旧来と同じだが,本作では1つの封印で解禁される範囲が広い。
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今回のプレイでは,ルートを間違えて一撃即死の地域に踏み込んでしまった。ただ,マップには順路を示す大雑把なガイドが表示され,道を外れたらすぐに分かるようになっている。敵の強さは地域ごとにハッキリ異なるので,気付かず奥地に踏み込むことはないだろう。
むしろ,難しい地域には,しっかりと得られるものがある。本作では各種装備の強化やアンロックに大量のリソースが必要になるので,ウデに自信のあるプレイヤーが,あえて難しい道を通って素早い成長を目指すのも悪くない。
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総じて,本作は戦闘と探索の両面で自由度が増している。今回は深く触れられなかったが,温泉や料理によるバフ要素,ファストトラベルによる移動移動の快適化も含めて考えれば,かつてよりも大幅に遊びやすくなったと言えるだろう。
「朧村正怪奇譚」の発売日は2027年2月4日(PS5,Switch 2,Switch。SteamのPC版は2月5日配信予定)。かつてのファンはもちろん,今回初めて触れる人にとっても,「朧村正」の魅力を存分に味わえる一本となりそうだ。
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