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「Diablo III」のシステムが大きく改良。Blizzardのゲームディレクターが公式サイトでβテストの成果を紹介
「Diablo III」公式サイト“System Changes”
冒頭,ウィルソン氏は以下のように述べている。
Diablo IIIを開発するにあたって,我々は「いろいろとゲームシステムに手を加え過ぎている。すでに十分に遊べるゲームなのだから,すぐにリリースしてしまうべきだ」と言われてきました。もちろん,そのような考えも理解できますが,私自身は間違っていると思います。我々の仕事は,ゲームをただリリースすることではありません。これは,Diabloの新作を世に送り出すということなのです。(数年後には)Diablo IIIの発売が遅れたことなど誰も覚えておらず,ただこのゲームが素晴らしい作品であるということだけを記憶しているはずです。
ウィルソン氏は続けて,2011年末から行われているβテストの結果を受けて,いくつかの変更が加えられているという。まとめると,以下のとおりだ。
■Scroll of Identificationの削除
シリーズでおなじみのアイテム,Scroll of Identificationだが,インベントリにスクロールをセットし,調べたいアイテムをクリックするという無駄な操作を行わなくてもすむよう,Scroll of Identificationそのものをゲームから削除した。これにより,Unidentified Itemsをクリックするだけで自動的に判定できるようになった。
■5つめのQuick Slotは,ポーション専用に
これは,Diablo IIIの開発中に何度となく試されてきたことだが,最終的にはポーション専用スロットを常設することになった。
■Mysticの廃止
プレイヤーのキャラバンに随行するアーティザンの1人,Mysticは廃止されることになった。エンチャントメントは,ソケットとジェムの組み合わせでしかなく,Mysticの存在はゲームに大きな変更をもたらさないことがその理由。
■Stone of Recallの復活
戦闘のチート行為に利用される可能性のあるStone of Recallは当初,廃止される予定だったが,問題を回避できるように調整されたために復活することになった。Stone of Recallは,新しいシステムにおいて「Town Portal」と呼ばれる。
■Cauldron of JordanとNephalem Cubeの削除
Town Portalによってたやすく町に戻れるようになったため,アイテムをサルベージするCauldron of JordanやNephalem Cubeは必要なくなった。戦闘終了後に一息つき,町に戻ってアイテム整理を行うことは利点も多い。
■サルベージはBlacksmithが行う
Cauldron of Jordanに変わり,Blacksmithがアイテムのサルベージを行うが,白色で表示されるコモンアイテムは,サルベージできないようになった。当初,ゲーム世界に存在するどのようなアイテムでも,何らかの必要性が感じられるように調整が行われていたが,いちいち拾っていくのは,プレイヤーの負担となるため,そのようになった。ドロップアイテムの確率調整は,今後も続けていく。
■コアアトリビュートを単純化
プレイヤーキャラクターのコアアトリビュート(属性)が簡素化され,Strength(Barbarian damageとArmorを統合),Dexterity(Demon Hunter damageとMonk damage,そしてDodgeを統合),Intellect(Wizard damageとWitch Doctor damage,そしてHealth from globesを統合),Vitality(Health)の4つになった。また,Defense,Attack,Precisionは削除された。
このアトリビュートの統合/削除は,不必要なアイテムを軽減することが目的で,自分のキャラクタークラスに合うものかどうかの識別を簡単にするための処置でもある。アイテムのステータスを特定のクラスに適応させることで,アイテムが重複することを避けるとともに,よりクリーンで使い勝手の良いアイテム生成システムとした。
■キャラクターのステータスはインベントリUIに表示
Cauldron of JordanとNephalem Cubeを廃止し,Town Portalをスキルパネルに設置したことにより,キャラクターのステータスをインベントリUIに直接表示できるようになった。これにより,アイテムを装備するたび,一目で効果が認識できる。
以上,かなりの変更が加えられているようで,こうなると「2012年前半」という発売予定日に影響がでるのかどうかが心配になる。冒頭にもあるように,ウィルソン氏の「(数年後には)Diablo IIIの発売が遅れたことなど誰も覚えておらず,ただこのゲームが素晴らしい作品であるということだけを記憶しているはずです」というメッセージも,ひょっとしたら発売が遅延することを指しているのかもしれない。
もっとも,この記事では何度も「Interation」(変更を重ねながらゲームを開発すること)という言葉が繰り返されており,小さなチームによる小回りのきいた開発が行われている様子がうかがえる。今回明らかにされた変更点は,すでにゲームに実装されたものと,まだされていないものがあるようだが,とりあえず,βテスターの今後の評価に注目したいところだ。
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