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[E3 2005#056]「Black&White 2」新リードデザイナー,ロン・ミラー氏インタビュー
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印刷2005/05/20 20:54

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[E3 2005#056]「Black&White 2」新リードデザイナー,ロン・ミラー氏インタビュー

B&W2の新リードデザイナー,ロン・ミラー氏
 生粋のアメリカ人ロン・ミラー(Ron Miller)氏が,イギリスの大御所ピーター・モリニュー(Peter Molyneux)氏の率いるLionhead Studios社に勧誘されたのは昨年5月ごろ。ミラー氏は,Lionhead Studios社参加に際し,モリニュー氏と数日間にわたって「Black&White」の失敗点,今後取るべき方針を語り合ったのだという。
 モリニュー氏が素直に耳を貸す男,ロン・ミラー氏。彼の経歴を考えればそれも不思議ではない。彼はBlizzard Entertainment社の初期から開発実行部隊として数々の作品に携わり,「WarCraft:Orcs and Humans」や「WarCraft II:Tide of Darkness」,そして「Diablo」や「StarCraft」などのデザインに深く関与してきた男なのである。「Black&White」をよりストラテジックにして,ファンに再度アピールしたいモリニュー氏にとっては,手厳しいながらも心強い忠告だったに違いない。

4gamer.net (以下4G):モリニュー氏は,前々から「Black&White 2」をより戦略的な方向にフォーカスすることで,分かりやすいゲームにすると語っていましたが,それを具現化するためにミラー氏に出番が回ってきたと考えてよろしいのでしょうか?

Ron Miller氏(以下ミラー氏):そうです。「Black&White」には面白い要素もあって,私も随分遊んだのですけれど,納得できない部分もたくさんありました。ピーターと会ったときは,どうすればBlack&Whiteが面白くなったのかをずいぶんと話し合いましたね。

4G:モリニュー氏自身は,どのような形でBlack&White 2の開発に携わっているのですか?

ミラー氏:ご存じのように私が加入するまでは,Lionheadのすべてのプロジェクトに深く関わってきましたが,少なくてもBlack&White 2に関しては現在副デザイナー,もしくはプロデューサーのような立場になって,私がデザインチームを率いています。

4G:Black&White 2を一新させるための方策とは?

ミラー氏:良く言われていることですが,とにかく「どんなゲームなのか」をハッキリさせることですね。前作は,あまりにも幅が広くて,Lionhead側も分かっていなかったのかも知れません。しかし,どういうゲームにすればBlack&Whiteの下地の良さが生きてくるのかを考えると,やはり戦略的な要素を定式化するのがベストでした。

4G:具体的には,どれくらい"戦略的"になっているのでしょう?

ミラー氏:選択している種族で戦闘に対する強度が違っていたりします。ノースは好戦的で良い戦士集団ですが,他の種族なら礼拝での効果が高いとか,収穫率が高いとかですね。もっとも,どんな方向に文明を成長させるのかで随分と異なります。平和で友好的な文明であれば近くのノースの部落から移住してきたりしますし,逆に戦闘でノースを支配して無理やり戦闘に駆り出したりできますから。兵士は剣や弓など異なる兵科でユニットを作成できますし,それぞれの手段を組み合わせて,隊列やフォーメーションを作ることも可能です。

4G:GDCでは,インタフェースを完全になくすというこだわりも捨てるとモリニュー氏は話していましたが?

ミラー氏:そうです。建設などでインタフェースからコマンドすることが可能になり,このように(実際に画面で表示させながら)画面の下にパレットを登場させてアイコンのクリックで建設や設定をできるようにしました。

4G:私は,前作でクリーチャーを育てるのが苦手だったのです。

ミラー氏:クリーチャーは何を考えているのか良く分からなかったですからね。Black &White 2では,しばらくオブジェクトに神の手カーソルを置いたままにしておくと,ある程度のオプションが表示されます。例えば,クリーチャーの指示として人間にカーソルを当てると,「つまみ上げる」とか「食べる」という選択肢が表示されて,それをクリックするわけです。

4G:なるほど。クリーチャーは何種類に増えたのでしょう。

ミラー氏:増えたのではなく減ったのです。4種類しか登場しません。サル,ウシ,ライオン,トラですね。幾つもいても意味がないと判断しましたので。もっとも,キャラクターに使用している技術はファーテクスチャのように最新のものですよ。

4G:プレイヤーが発動できるエピックミラクルも4種類でしたね。

ミラー氏:そうです。えーっと,火山と地震,台風とセイレーンですね。

4G:セイレーンというのは?

ミラー氏:巨大なセイレーンを出現させて,その歌声で周囲の人間を魅了し,プレイヤーの文明に引き入れるのです。4つの中では唯一アライメントをイーヴルにしないミラクルですね。

4G:ミラクルは,マップ上どの地域でも発生させることができるのですか?

ミラー氏:いえ,デモのように実際に敵の町で火山を作り出してしまうと,完全に破壊してしまってバランスどころじゃなくなりますからね。一応,プレイヤーの文明のインフルーエンス(影響圏内)の中だけに設定しています。エピックミラクルにはほかのミラクルで対抗できるようにもします。火山から噴出する溶岩には雨のミラクルを何度も使って消火活動するとか。実際に,ゲームの後半では敵の文明がエピックミラクルをプレイヤーに仕掛けてくる局面もあるのですよ。

4G:最後ですが,オンラインモードについては?

ミラー氏:とりあえず,本作ではシングルプレイヤーモードを完全に遊べる状態に持っていくことを念頭に置いています。その後のことは未定なんですけど。


 とくにストラテジーゲームの開発を中心として,連戦練磨のミラー氏だけに,Black&Whiteのデザインには腰が出てきたようだ。彼の強力なリーダーシップで,締め切りに弱いLionhead Studios社の連中をきっかりとまとめていただきたいところだ。 (奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Black & White 2

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