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Activision Blizzardの大口株主がMicrosoftとの買収合意に関して同社取締役会及び同社を提訴
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Activision Blizzardを提訴した大口株主は複数名おり,その一人がカイル・ワトソン氏という人物であり,その理由として挙げられているのが,今回の買収合意は取締役員や上級幹部の利益を優先したものであるという言い分だ。これまで指摘されているセクシュアルハラスメント問題や不公平な給与・昇進など,劣悪な労働環境を放置してきた上層部による経営の怠慢さは明らかであるにも関わらず,彼らだけが“金のパラシュート”(※)を与えられて,金銭的利益を得ながら綺麗に手を引いていくとしている。
※一定以上の地位の人物が理由なく解雇された場合,あらかじめ申請されている報酬を受け取ることができる。
これは,2月18日に米国証券取引所(SEC)にActivision Blizzardが提出した文書(外部リンク)を受けて提訴に踏み切られたものだが,コティック氏自身は今回の買収の審査が終了する予定である2023年第2四半期後の退任時には,1500万ドルを受け取ることが明らかになっている。コティック氏の2020年度時点での年俸はベース(年収とボーナス)で463万ドルに達しているほか,買収完了時に手放すとみられる保有株の総数は650万株におよび,その売却分だけでも6億1900万ドル(約712億円)に及ぶ。
Activision Blizzardは,2021年7月にカリフォルニア州政府による提訴でセクシュアルハラスメント問題が浮上するまで1株当たり100ドルを超えるほどであったが,Microsoftは1株95ドルでの買収を最終提案している。それまでの同社を支えてきた(役員でない)株主にとっては,投資に傷を与えたコティック氏ら役員が報酬付きで退任するのは不公平であるというアピールであり,今後この話題が広まれば,集団訴訟に発展したり,SEC(米国証券取引委員会)が買収を認めない可能性も出てきそうだ。
MicrosoftがActivision Blizzardを買収することで合意。買収金額は約7兆8700億円

北米時間2022年1月18日,Microsoftは,Activision Blizzardを買収することで合意したと発表した。買収金額は約7兆8742億円とのことだ。
Activision Blizzard公式Webサイト
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