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最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた
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印刷2020/06/02 00:00

インタビュー

最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた

 日本を代表するプロゲーマーとして活動を続ける梅原大吾氏――通称・ウメハラ。4月3日に発表されたTeam Mildom Beastとしての再始動は,Twitchの同業他社であるMildomがスポンサーということもあり,業界全体に大きな波紋を広げた。
 発表時に行ったインタビューでは,新たなプラットフォームでのチャレンジに対して複雑な心持ちを語ったウメハラ氏だが,約1か月の活動でどのように心境が変化したのか。今回4Gamerでは,Discordを介してウメハラ氏にインタビューをする機会を得た。インタビューでは現在の心境以外にも,自粛期間中の活動内容や目的,今後の活動についても聞いたので,ぜひ読み進めてほしい。

※記事中の写真は4月1日に実施したインタビュー時のものを使用しています
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Team BeastはCygamesからMildomへ。渦中のウメハラ氏に聞く,その決断と2020年のプロゲーマー事情

 2017年から約3年,Cygames Beastを率いて活動してきたウメハラ氏だが,このスポンサー契約の終了が報じられたのが2020年3月のこと。その同チームに本日(4月3日),新たなスポンサーとして「Mildom」が名乗りをあげた。この決断に渦中のウメハラ氏は何を思うのか,話を聞いた。

[2020/04/03 15:01]


自分の魅力を出していけばファンはかならず付いてきてくれる


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。前回インタビューしたのがおよそ1か月前,現在はTwitchとMildomで並行して活動していますが,手応えや反響はいかがですか。

TwitchMildom
画像(004)最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた
ウメハラ氏:
 Twitchでの活動はこれまでと変わらずといった感じですが,始動したばかりのMildomは,これまでにやらなかったようなゲームをソロプレイしたり,知り合いの配信者を呼んで一緒にプレイしたりして,毎日の配信を楽しくやっていますし,データでも良い結果が出ています。出だしにもかかわらず企画によっては従来のTwitchよりも視聴者数が多く,成功の手応えを感じています。

4Gamer:
 ウメハラさんの配信を自分もよく見ているのですが,「ストリートファイターV」をTwitchで,それ以外のタイトルをMildomで,といった使い分けなのでしょうか。

ウメハラ氏:
 Twitchでは海外の人が見そうな内容を配信していこうと考えているので結果的にそうなっています。海外視聴者が見やすい夕方まではTwitchで,その後,国内の人が見やすい夜はMildomに移るようにしています。

4Gamer:
 前回のインタビューでは,Mildomで配信していくことについてコミュニティにどう受け止められるか不安とおっしゃっていました。

ウメハラ氏:
 スタートした時点ではそういった気持ちが強かったのは間違いありません。だから最初から気合いを入れて配信に臨みましたし,Discordで友人らを呼んでゲームをするなど,新しい試みをどんどん取り入れていきました。結果,視聴者の反応がすごくよくて内心ホッとしています。プラットフォームが変わっても,自分の魅力を出していけばファンは付いてきてくれるんだと分かりました。コミュニティがどう思ってくれるのかという,最初に感じていた不安や焦りはもう無くなっています。

4Gamer:
 自分も配信を楽しませてもらっているんですが,これまでと変わらずリラックスして配信に臨んでいるように見えます。

ウメハラ氏:
 ただ,最初の不安からか配信のペースはこれまでにないくらいやっちゃっていますよね。加えて,在宅している方が多いという現状もあって,これまで以上に張り切って。楽しんでやっていますが,休みなく長時間やっているので,さすがに少し疲労感もあります。

4Gamer:
 新型コロナウイルスは,国内のプロゲーマーにとっても大きな影響があると思います。活動内容にどのような変化がありましたか。

ウメハラ氏:
 例年であればとっくに「Capcom Pro Tour」が始まっていて,海外遠征を繰り返している時期になります。それがすべて無くなったというのが一番の変化です。僕たち東京在住の選手は,普段オフラインで集まって練習しているのですが,それも無くなりました。
 これまで自分のようなプロゲーマーは大会のために練習して,大会で上位に残るだけで存在感を出すことができました。人が用意してくれる舞台が無くなった時どうするか。自分たちで作るしかないですよね。これは大変なことではあるんですが,自分の性に合っているのかすごくやりがいを感じています。

4Gamer:
 ウメハラさんを始め,格闘ゲームで活躍するプロゲーマーの多くが他ジャンルのゲーム配信をして,新しい魅力や意外な側面を見せているように感じています。業界全体がこのような方向性にシフトしたのは何か原因があると思いますか。

ウメハラ氏:
 (格闘)プロゲーマーって格闘ゲームに限らずゲームが大好きなんですよ。自分が格闘ゲームに特化しているほうで,格闘ゲーム専門で遊んでる人って実は少ないくらいです。そんな人たちの集まりですから,大会が無い状況を逆にチャンスと考えて,いろいろなジャンルに挑戦しているんだと思います。

4Gamer:
 プロゲーマーの活動にもさまざまな形があると思うのですが,やはり大きな大会があると格闘ゲームに集中しなければならないといった義務感は生まれるものなのでしょうか。

ウメハラ氏:
 義務ではないんですが,自分をスポンサードしてくれている企業や応援してくれているファンの皆さんのために努力をしようと常々考えています。僕の場合,練習をしないということは絶対にないんですが,仮に大きな大会を前にしてあまり練習せずに負けてしまったら,何をしているんだといった気持ちになるでしょうね。

画像(011)最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた


新しいものを開拓していく,冒険していく楽しさをゲームに求めている


4Gamer:
 ウメハラさんはここ1か月で,「Detroit: Become Human」「洞窟物語」「Undertale」「Project Winter」といった他ジャンルのメジャータイトルをMildomで配信しています。とくに印象に残った作品は何になりますか。

ウメハラ氏:
 最近で一番印象に残ったのは「Undertale」ですね。1人の人間の発想でこんなに面白いものができるんだと知って驚きました。大手メーカーはそれぞれの分野にプロフェッショナルがいて,それぞれ役割を分担してクオリティの高いものを作っているわけじゃないですか。もちろん,そうして作られたゲームもすごく面白いんですが,「Undertale」の作り方はまったく違う。ゲームでもっとも評価されるべき部分,大事な部分はおおもととなるコンセプトなんだということを再確認できました。

4Gamer:
 大絶賛ですね!

ウメハラ氏:
 ゲーム内容が斬新でしたし,音楽も心に残るものが多くてすごく楽しませてもらいました。ほかにこれは掘り出し物だなって思ったのは「Project Winter」。友人ゲーマーを集めてプレイしています。

4Gamer:
 最近の配信ではかなりの比率で「Project Winter」をプレイしていますよね。こういった対人ゲームを遊ぶときにカジュアルに遊ぶか,真剣に攻略を詰めて遊ぶか,人によって変わると思うんですけど,ウメハラさんはどういったスタンスで取り組んでいますか。

ウメハラ氏:
 「いつまで遊ぶかは分からないけど,今のところまったくやめる気はない」っていうくらいのめり込めるゲームじゃないとダメなんですよ。そこは自分の性質を再確認させられた部分ですね。新しいゲームを始めて,確かに最初は新鮮さもあって面白い。ただ,このゲームは今回だけって少しでも感じてしまうと,もう楽しめなくなってしまうんです。

4Gamer:
 継続して遊びたいと思わせる何かが必要ということでしょうか。

ウメハラ氏:
 言葉にするのが難しいですが,アトラクション感覚で遊ぶのでなく,ゲームを追求していく部分に魅力を感じているのかもしれません。新しいものを開拓していく,冒険していく楽しさをゲームに求めているんだと思います。
 そういう意味では「Project Winter」は僕も一緒にプレイしている仲間もまだ上手くないですし,ゲームの底も見えてこない。自分の性質とマッチしているゲームだと感じています。

4Gamer:
 ゲームを楽しむだけでなく,自身の成長も楽しんでいると。

ウメハラ氏:
 もちろんそれもあるんですが,それ以上に今は周りの仲間と情報を共有して上達していく過程が楽しいですね。「Project Winter」は新しいゲームですし,身内の閉じた世界で楽しめる。まだまだ追及していくことが多くて当分飽きそうにないですね。

4Gamer:
 身内の閉じた世界と聞くと,ゲームセンターのコミュニティに近しいものを感じます。

ウメハラ氏:
 似たような部分はあるかもしれません。今だとインターネットで通じて,すぐにいろいろな人と対戦できたりもしますが,いきなり広い世界に出るんじゃなくて,小さいコミュニティであーでもないこーでもないって議論しながらプレイしていくほうが面白いんじゃないかって思ったりもします。

4Gamer:
 ちなみにウメハラさんは新しいゲームを攻略するときにネットなどで情報は集めるんでしょうか。プレイしているのを見るとあまり調べている気配はありませんが。

ウメハラ氏:
 僕はネットの攻略は全然見ませんね。格闘ゲームの場合はそもそも自分たちが攻略の最前線ですし,競技としてやらない対戦ゲームは,競争でないのであれば攻略していく過程をみんなで楽しみたいんです。

画像(007)最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた


新型コロナウイルスの影響とこれからの活動について


4Gamer:
 新型コロナウイルスの影響で,EVO2020が中止になり,Intel World Openも2021年に延期が決定しました。これらのトピックに対し,何か思うところはありますか。

ウメハラ氏:
 プロを目指している人やプロになりたての選手にとっては苦しいことだと思います。去年プロになったばかりの若手は来年の契約更新がどうなるのかすごく不安に感じているんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 ウメハラさん個人としてはイベントの中止は残念だったりはしませんか。

画像(006)最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた
ウメハラ氏:
 「しょうがない」という気持ちのほうが強いです。もちろん,どうすることもできないとわかっていても,しょうがないと言って整理するのは難しい現実があると思います……。
 ただ,1つだけ言えるのは,大会がなくなった今の状況で何らかのアクションをすることが大切だということ。残念と思うだけでなく,自分に足りない部分を伸ばすチャンスの期間と捉えてほしいと思っています。

4Gamer:
 辛い状況をチャンスに変えてほしいと。

ウメハラ氏:
 そもそも今の格闘ゲームの世界は,EVOやCapcom Cupに優勝しただけでは大きな成功につながることはあまりないんですよ。一時的に注目が集まったり,スポンサーがついたり,お金が入ったりはしますけど,その先で結局大事なのは普段の活動や取り組み,本人のキャラクターなんです。

4Gamer:
 黎明期から活躍しているウメハラさんだからこそ分かることですね。

ウメハラ氏:
 ですから,やることって実は根本的には何も変わってないんです。実力が足りていないと思えばこれまで以上に練習をして,影響力が足りないと思えば配信に力を入れる。本来であればプロツアーが始まっていて,満足に時間を使えない状況ですから,自分に足りない部分を伸ばす期間としてはうってつけですよ。

4Gamer:
 ウメハラさんも大会が無い現状で,これまで以上に配信に力を入れていますよね。5月3日には子どもを支援するための12時間連続番組をBeasTVで配信していました。こちらはどういった経緯で実施することになったのでしょうか。

ウメハラ氏:
 僕の家庭は両親の仲が悪いとか,ひもじい思いをするとか,お金に苦労しているとか,そういった苦労はとくにありませんでした。そんな生活ですから,自分としては「家庭というのは心配事がなくて当たり前」という感覚で生きてきたんです。
 それでも年齢を重ねて大人になってくると,それはまったく当たり前ではなく,本当に厳しい状況の家庭がたくさんあることが分かってくる。家庭の事情でやりたいことができない,妥協せざるを得ない子どもたちがたくさんいるんです。
 プロゲーマーになって活動してきて,実際に厳しい状況にある家庭を見る機会もありまして,いつか自分のやっている活動が実を結んだら,子どもたちのためになることをしたいと考えていたんです。

4Gamer:
 それが今回の配信につながったわけですね。

ウメハラ氏:
 はい。とくに今は新型コロナウイルスの影響で学校は休校になり,仕事も自宅勤務という人が多くいます。自粛期間で子どもたちの逃げ場がこれまで以上になくなっているんです。それこそ学校の給食で飢えを凌いでいる子どもが満足にご飯を食べられないといった状況になっているとも聞いています。そんななかで自分ができることを模索した結果が5月3日のチャリティ配信なんです。

4Gamer:
 結果としてチャリティ配信には多くの視聴者が集まり,目標の1万ドルを見事達成しました。

ウメハラ氏:
 これまでもチャリティ配信をしたことはあるんですが,今回ほどきれいに達成したことはありませんでした。ここであらためてお礼を伝えさせてください。皆様の協力のおかげで1万1732ドルもの募金が集まりました。ご協力本当にありがとうございました。ゲームが子どもたちの役に立ってうれしいです!

画像(010)最初に感じていた不安や焦りはもう無い――Team Mildom Beastとして再始動したウメハラ氏に自粛期間中の活動内容や現在の心境を聞いた

4Gamer:
 集まった1万1732ドルに加えて,BeasTVからも同額を寄付したことで,最終的な募金額は2万3464ドルとなりました。

ウメハラ氏:
 もともと今回のチャリティでは,もし1万ドルの目標額に達成しなかったら足りない分をBeasTVから出そうと考えていたんです。ところが,きれいに目標額を達成できたので,皆さんの厚意に自分も応えるべく,集まった金額と同じ額をBeasTVから出すべきだと思ったんです。

4Gamer:
 あれはほぼアドリブだったんですね。ところでウメハラさんと言えば「カプコンカップ2015」の賞金約730万円を全額寄付したこともありました。こういった活動をする意義についてどう考えていますか。

ウメハラ氏:
 そんなに難しいことは考えていないんですよ。お金ってものすごく便利なシステムだと思うんですけど,本当に必要としている人が持っているとは限りません。努力している人や誠実に生きている人がお金持ちになれるなんてことはまったくないわけです。お金を稼ぐ才能がある人もいますが,運の比重が大きすぎますよね。これがゲームのシステムだったらアップデートが必要なくらいバランスが悪い。

4Gamer:
 ウメハラさんらしい表現ですね。

ウメハラ氏:
 僕自身別に若いころからそんなに中身は変わっていませんし,やっていることも変わらないのに,お金を稼ぐことはできています。本当に理不尽なものなんです。だから今回のように確実に,世の中の役に立つことがあれば寄付することに何も抵抗はありません。

4Gamer:
 今後も今回のようなチャリティ配信をやる予定はありますか。

ウメハラ氏:
 日程は決まっていませんがやるつもりです。慈善活動の支援もできるし,視聴者も楽しめるし,配信側もうれしいですし,みんなが得をする配信だと思っています。

4Gamer:
 そのほか,今後の活動予定について何かあれば聞かせてください。

ウメハラ氏:
 新型コロナウイルスが落ち着いたら,現在延期している「獣道」をやりたいですね。今後もオフラインイベントはとくに力を入れてやっていきたいと考えています。今の期間で配信の選択肢がかなり広がったので,あれもいいな,これもいいなとどんどんアイディアが膨らんでいます。新しいことをやるのは大変ですが,アイディアを実現していきたいと思います。

4Gamer:
 最後に読者やファンにメッセージをお願いします。

ウメハラ氏:
 新型コロナウイルス禍で経済的な打撃を受けている人が多くいらっしゃると思います。僕自身はあまり影響を受けておらず,ありがたいと思う一方で,自分だけいいのかという気持ちが強く,この状況下でもできる配信という活動に,今まで以上に力を入れてがんばっています。自分だけ楽してサボってしまうわけにはいきません。苦しい時期だと思いますが,配信を通じて応援をしていますので,みなさんがんばってください。いつもは「これからも応援してください」って伝えるんですが,今回は僕が皆さんに伝えます。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。今後の活躍,活動に期待しています。

――2020年5月14日収録

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