業界動向
「一般財団法人 日本esports促進協会」設立記念式典をレポート。海外のeスポーツ界とのパイプをつなぎ,世界に羽ばたくeスポーツアスリートの育成を目指す
「一般財団法人 日本esports促進協会」公式サイト
日本eスポーツ連合(JeSU)に続くeスポーツ団体の設立ということで,多くの報道陣や関係者が会場となる有明のTFTホール500に集まった。本稿では,発表式典の模様をお届けしよう。
続いて登壇したのは,京都造形芸術大学の丹羽貴大氏だ。同氏が副学長を務める京都造形芸術大学はJEFと共に,eスポーツ文化や技術の成長,人材育成などをどのように推進していくかを考えたいと述べた。
続いて,丹羽氏の盟友で,同校の教員であり弁護士でもある大津卓滋氏が登壇した。そして,eスポーツ文化を日本に根付かせるための努力は,大津氏が委員長を務める「国連の友SDGs技術・人材育成推進委員会」の目標にも合致し,その発展を全力で支持していくと約束した。
JEFの今後の取り組みについても明らかにされた。最大の目的は,eスポーツにおいて日本のスター選手を輩出することだという。選手の経験不足の改善や,選手活動に対する一般認識の向上,そして選手の練習環境の確保といった課題を解決するためにJEFがあるということが強調された。
その目的を達成するため,「国際ネットワーク」「公益事業」「教育」「大会主催」「会員」という5つの項目を柱とした活動を行っていく。海外のeスポーツ協会と提携し,世界基準のレギュレーションの認識や,国際大会への日本選手の派遣,世界規模の大会の企画といった部分に力を入れ,また,日本国内だけでなく,各国の選手のサポートも念頭に置いての活動も視野に入れるという。JEFはすでに上海にeスポーツセンターを確保しており,ここで選手育成を行うと同時に,日本国内にそうした施設を設立することも目標としている。
最後の質疑応答では,JEFの設立経緯についての質問が多かった。JEFの設立は,約3年前,(現在の)JEFのメンバーの1人が中国のeスポーツ団体と話したとき,「アジアでの国際大会を開催しようとしても,日本の窓口がない」と聞かされたことがきっかけだという。そして,国際的なeスポーツの大会に日本選手が参加しやすくなるような環境を作ることが急務だと考えたことが,JEFにつながった。母体となる団体などはなく,個人のつながりで設立されたとのことだ。
同じeスポーツ団体であるJeSUとの関係については,eスポーツの推進という目指すところは同じでありながら,手法や考え方の違いなどにより,この設立に当たって特別なコミュニケーションなどは取っていない。eスポーツのオリンピック種目への認定に向けて,今後は何かしらの形で連携していきたいとのことだった。
壇上では牧村氏と台湾国際eスポーツ協会,そして澳門eスポーツ産業協会代表との調印式が行われて,発表式典は締めくくられた。
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