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右も左も見渡す限りキーボード。トレンドと個性とクラフトマンシップが爆発する「TOKYO KEYBOARD EXPO 2026」に行ってきた
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印刷2026/09/26 12:00

イベント

右も左も見渡す限りキーボード。トレンドと個性とクラフトマンシップが爆発する「TOKYO KEYBOARD EXPO 2026」に行ってきた

 2026年9月23日,東京・TRC 東京流通センターにて,遊舎工房とzFrontierが主催するイベント「TOKYO KEYBOARD EXPO 2026」が開催された。

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 本イベントはその名のとおり,PCユーザーなら毎日のように手に取っている(タイプしている)であろうキーボードをテーマにしたものだ。昨年に続いて2回目の開催となる今回は,国内外から87ものキーボード関連ブランドが出展した。

 今回,4Gamerの担当者から誘いがあって足を運んだところ,文字どおり「右も左も,見渡す限りキーボード」で,会場は埋め尽くされていた。実に興味深い時間を過ごせたので,その模様をレポートしよう。

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温故知新。各ブースを回ってみた


 さて,あらかじめお断りしておくと,本稿で紹介するブースは全体のごく一部に過ぎない。ブース数が非常に多いことに加え,会場は大変な賑わいを見せており,取材のために列へ並んで数十分……なんてこともザラだった。

 そのため,会場を歩き回り,筆者が気になったブースを独断でピックアップした次第だ。時間も限られていたため,何卒ご容赦いただきたい。

・遊舎工房
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 本イベントの主催者の1社であり,秋葉原 末広町に実店舗を構える遊舎工房。9キーの小型マクロパッド「RooKey」や,パステルカラーが特徴的なGMKのキーキャップ「Divinapapaya」を取り扱っていた。

Keychron Valkey Orb
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 とくに来場者の注目を集めていたのが,2026年内にクラウドファンディング開始予定と告知されていた,トラックボール付き無線分割キーボード「Keychron Valkey Orb」(Keychronとの共同開発)。インテリア性と快適な入力体験の両立を目指したプロジェクトとのことで,気になる人は続報に期待しよう。



・Republic of Gamers
ROG Azoth X Gaming Keyboard
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 ASUSTeK Computerのゲーマー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)。あのASUSのブランドだけあって,PCから周辺デバイスまでなんでもそろうROGだが,筆者個人としては「しっかりとメインストリームを展開しつつ,ほかの大手メーカーに先駆けた製品や,実験的な製品も出している」印象を持っている。

ROG Falchion Ace 75 HE Gaming Keyboard
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ROG Azoth Extreme Edition 20 Gaming Keyboard
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 本イベントでは,さまざまなモデルが展示されていたが,なかでも2026年7月3日に発売された,24Kゴールドメッキのネームプレートを備えるROG設立20周年記念モデル「ROG Azoth Extreme Edition 20 Gaming Keyboard」は,とくに目を引く存在だった。



・Wooting
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 今や,eスポーツ向けキーボードのスタンダードのひとつになった感もある「ラピッドトリガー」機能(各社で名称は異なる)を世に知らしめたWooting。そんな同社の新製品「Wooting 80HE+」の実機が展示されていた。

Wooting 80HE+(Lekkerラージノブ搭載モデル)。ダイヤルの回転はとてもスムーズ
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 既存モデル「Wooting 80HE」の進化版にあたり,底打ち感や打鍵感の改善が図られているほか,「Lekkerラージノブ」と呼ばれる,プログラムから動作カスタマイズが可能な多機能ダイヤルが特徴だ。Lekkerラージノブは,Zinc Alloy素材の組み立て済みモデルには標準搭載。ABS素材モデルには別売りで追加できるとのこと。



・REALFORCE
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 東プレのコンピュータ向けキーボードブランド,REALFORCE。「スコスコ」とも称される独特の打鍵感と,非常に高い耐久性が特徴の静電容量無接点方式スイッチで知られている。静電容量無接点方式という言葉に聞きなじみのない方もいるかもしれないが,「ATMに設置されている入力端末のスイッチ」といえば伝わるだろうか。

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RS1 Keyboard / S1UJ11
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 本イベントには既存製品のほか,最新モデル「RS1 Keyboard / S1UJ11」が展示されていた。なんと,「あのREALFORCEが真っ二つになっている」という意欲的な作りで,会場でも多く見られた分割キーボードに分類される製品だ。2026年10月1日の発売開始を目標に,各所と調整を進めているとのこと。



・HHKB
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 「プログラマが理想とするキー配列のキーボード」をルーツに持ち,独自のキー配列でプロフェッショナルからの支持を集めるHHKB。ちなみにHHKBとは,「Happy Hacking Keyboard」の略だ。

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 ブランド30周年記念の限定モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S(押下圧30g)」が展示されていたほか,広島・松葉製作所が手がける木製キーキャップや,「亀甲名栗」技法を用いたパームレストなど,日本のクラフトマンシップを感じさせる製品が並んでいたのも印象的だった。



・CHERRY
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 「CHERRY MX メカニカルスイッチ」で,その名を広く知られるCHERRY。以前と比べると,ゲーマーの間で名前が挙がることは少なくなった印象だが,思い返せば「赤軸! いや銀軸!」と,己の好みで激論を交わしたPCゲーマーも多いのでは?

CHERRY XTRFY MX 8.2 PRO TMR 8K
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 代名詞といえるメカニカルスイッチはもちろん,現在流行している磁気式アナログスイッチもラインナップに含めており,ほぼすべてのキーでメカニカル/磁気式スイッチ双方のホットスワップに対応するゲーマー向けキーボード「CHERRY XTRFY MX 8.2 PRO TMR 8K」など,意欲的な製品も展示していた。



・Aula
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 「JIS配列 ゲーミングキーボード」と書かれた幕を掲げていたAula Innovations Technology。高いコストパフォーマンスから,国内でもジワジワと知名度を上げている印象だが(某大型家電量販店でも見かけたことがある),とくに人気なのは,幕にも書かれていた「Aula F」シリーズではないだろうか。

Aula F87 Pro。テンキーレスレイアウトのモデルだ
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 複数のサイズレイアウト,カラフルな配色を展開するほか,日本向けにJIS配列モデルを用意していることも特筆すべき点だろう。ゲーミングキーボードと銘打たれているが,高品質かつ多様なカラーリングのなかから選択したい,ゲーマー以外のユーザー層にもニーズがありそうだと感じた。



・VARO
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 韓国を拠点とするメーカーで,ゲーマー向けのJIS配列モデルを積極的に展開していることでも知られるVARO。展示されていた「VM HE-J」シリーズは,次世代スイッチ「VERY PERI マグネティックスイッチ」搭載モデルと,柔らかな打鍵感を特徴とする「無接点 マグネティックスイッチ」搭載モデルの2種類に大きく分けられる(どちらも磁気式アナログスイッチであることは共通)。それぞれ異なるレイアウトのバリエーションがある。

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 かな表記のないPBTキーキャップ,シンプルなデザイン,一部モデルでは2分割されたスペースキーなど,「分かってる」感がヒシヒシと伝わるプロダクトに心を惹かれる。打鍵感もよく,コストパフォーマンスも光るものがあり,今後の展開にも注目したいメーカーだ。



・Waffree
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 一目で分かるほどの高級感を醸し出していた,金沢エンジニアリングシステムズが手がける「Waffree」。完全ワイヤレス×分割という特徴を持つキーボードで,US配列とJIS配列が用意されている。別売りの専用パームレストもナチュラルな仕上がりで,とても感触が良かった。

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 本体のお値段は,9万9800円(会場限定で9万2000円)と高額。だが,担当者から話を聞いてみると,「さもありなん」と納得してしまう多様なこだわりが詰め込まれていた。作り手側の緻密さと思考をそのまま具現化したかのようなプロダクトを展示しており,とても記憶に残ったブースだ。



・monograph
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 堀口英剛氏が運営するメディア「monograph」。同氏が代表を務めるdripの製品や,トラックボール付き分割キーボード「conductor」製品版の展示に加え,プロトタイプ版の販売が行われていた。

実際にラップトップと比較するとそのサイズがよく分かる
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 会場でも非常に注目を集めていたconductorだが,軽量かつコンパクトで,きわめてシンプルなデザインが特徴的だ。キー数は最低限で,キーキャップにも印字がない。ナチュラルなデザインのなかに,実にスパルタンな仕様が盛り込まれているという二面性が興味深い。



・GATERON
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 磁気式アナログスイッチ「KS-20」でも名を知られるGATERON Electronic Technology。机を埋め尽くすほど大量のスイッチが並べられており,来場者がその感触を試していた。ここまで豊富なスイッチを実際にタイプして比較できる環境もあまりないので,かなり貴重な機会である。

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 なお,キースイッチはその場で購入できたので,筆者も気になっていた磁気式アナログスイッチを試しに手に入れた。「I want to buy some Jade Delta……」などと,怪しい英語でやり取りしたのはいい思い出だ。



・モノミラ
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 広島県に本拠を置き,CAD/CAMの技術を核に,マシニング加工・NCデータ作成・ロボット制御といった事業を行っているモノミラ。ちなみに,現地で配布されていた本イベントのカタログには,「キーキャップをアルミ削り出しで製造する広島のヤバい会社です」と記されていた。ブースでは「アルミ削り出しキーキャップ」を展示・販売していた。

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 アルミ削り出し……アルマイト処理……。なんとも心をくすぐる響きだが,金属特有の重くも眩しい輝きを放つキーキャップには目を奪われる。展示機にも触れたのだが,とてもヒンヤリして驚いた。キーキャップがヒンヤリしていることなど,人生でほぼ初めての経験であった。



・Namong Art / Sandun Art
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 韓国発のアーティザンキーキャップブランド,Namong ArtとSandun Artが共同で出展していた。アーティザン(職人)の名が示すとおり,これらのキーキャップは作家自らデザインし,手作業で作り上げるのだという。もったいなくてタイピングできない気もする。

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 とても緻密でかわいらしいキーキャップや,IPタイトルとの公式コラボレーションなどが展示されており,実に癒された。使用頻度の少ないキーに配置すれば,机の上の彩りが大きく増しそうだ。日本でも販売してもらえないものだろうか。



・yskLab
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 現地配布のイベントカタログに「廃材を新しいカタチに」と書かれていたので,興味が湧き,足を運んだ。「3Dプリンタを使用した際に排出される廃材」を活用し,キーキャップを制作しているのだそう。

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 その性質上,決まった模様や色がないからこそ生まれる美しさがあり,出会いと別れは隣り合わせである。「この色キレイだなぁ」と迷っていたら,別の誰かのもとへ旅立ってしまうかもしれない。そんな一期一会の部分にも美しさを感じてしまうブースであった。



・Foodie & Key
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 前を通りがかったところ,インパクト絶大なキーキャップを販売していたので立ち寄った。ブース名にあるとおり,フードはもちろん,サメ,アーケードゲーム,タイプすると中の砂がシャカシャカと動く化石をモチーフにしたものなど,とても個性的なキーキャップが並ぶ。

台座と合わせると,飾っておくだけでもかわいらしい
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 スイッチをクリック(カチカチ)できる目印チャーム,いくら軍艦クリッカー(青軸キースイッチ入り)など,キーキャップ以外にもユニークなアイテムが並べられていた。トレンドや最新技術の見本市だけではなく,こうしたハンドメイドの温かなアイテムに出会えるのも,本イベントの魅力のひとつだと感じた次第だ。



・KeyTok
左が快適性を重視したSMILEプロファイルの「GHOST」,右がeスポーツ向けに最適化されたKOLプロファイルの「SHELL」
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 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とのコラボレーションキーキャップが展示されていた(筐体は「IQUNIX EV63 Ghost in the Shell Edition」であることに留意。キーキャップのみ,KeyTokの製品)。もはや何も語ることはない。カッコよすぎる。あのロゴがキーキャップに……!

こちらはROGブースに展示されていた,ROG製品とSHELLを組み合わせたもの
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 2026年6月に「攻殻機動隊」公式グローバルサイトで発表されて以降,筆者もずっと気になっていた製品なのだが,まさか実物をここで見られるとは。執筆時点では,国内での正規販売は確認できないが,KeyTok公式サイトから個人輸入という形で購入できるようだ。


あっという間に時が過ぎたイベント。好奇心を大いに刺激された


 と,ここまで駆け足ではあるが,筆者が回ったブースを紹介してきた。ここまでお読みいただければ分かるかと思うが,出展側と来場者側の距離感が近いのはもちろん,企業だけでなく,サークル・個人で出展しているブースも多い。
 伝わる人が限られるのは承知のうえでのたとえだが,その空気感は「オンリーイベント」に似ているものがある。「キーボードオンリーイベに行ってきました」という具合だ。

恥ずかしながら,REALFORCEがこんな鮮やかなキーキャップを販売しているのは初めて知った
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 実際に会場を回ってみて,とくに多く目についたのは分割キーボードである。また,キーボードとトラックボールの組み合わせも多かった。マウスとキーボードの間を手が行ったり来たりしている時間は意外と長いので,これには納得がいく。

 また,JIS配列を打ち出しているメーカーがあったのも,個人的には意外だった点だ。各出展者に話を聞いてみると,「JIS配列モデルが欲しい」という意見は,ハイエンドやゲーマー向けといったジャンルを問わず,日本国内から多く寄せられるのだという。

一般的に連想される汎用的なキーボードだけでなく,個性の強いキーボードにどんどん出会える。質感の高さにもうっとり
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 筆者はキーボード沼にどっぷりと浸かっている人間ではないが,新たな発見と出会いが続き,ただ歩いて,フラッと立ち寄ってみるだけでも,とても充実した時間を過ごせるイベントだった。ときには日本語が通じず,必死に外国語でやり取りをするのも,リアルイベント感があってよいものである。次の開催にも期待したい。

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