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20代で突き抜ける人と,意識が高いだけで終わる人は何が違うのか。市場価値を高めるために,大学生のうちにすべきこと,捨てるべきこと[IVS2026]
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印刷2026/07/03 15:47

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20代で突き抜ける人と,意識が高いだけで終わる人は何が違うのか。市場価値を高めるために,大学生のうちにすべきこと,捨てるべきこと[IVS2026]

 京都で開催中のスタートアップカンファレンス「IVS2026」で2026年7月2日,セッション「意識高い大学生のままで終わる人、突き抜ける人 〜就活・SNS・ベンチャー・起業のリアル〜」が行われた。

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 登壇者は,モデレーターを務めたTOKUMORI代表取締役の岡見悠平氏,SNSマーケティング企業NAHATOを外部資本に頼らず成長させた安達友基氏,三菱UFJ銀行出身で上場企業・情報戦略テクノロジーの取締役を務める川原翔太氏,京都大学在学中に起業し,社会課題特化のVC「talikiファンド」を率いる中村多伽氏
 就活,長期インターン,SNS発信,起業と選択肢が増えた今,大学生は何に時間を使うべきか。経歴の異なる4人が,会場の学生に向けて語った。


「プラン型」と「DO型」。意識高いだけで終わる人


 自社で毎年数十名規模の新卒採用を行う川原氏は,突き抜けられない人の典型を「プラン型」と「DO型」の2つに分けた。前者は綿密に計画を立てるものの行動に移せない人,後者は行動量こそ多いが,結果を評価せず同じ失敗を繰り返す人を指す。
 指標を先に用意し,評価と課題を次の行動につなげる往復ができるかが分かれ目になるという。

川原氏
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 安達氏は,運気と雰囲気を良く保つこと,過信しないことを挙げた。身に降りかかる問題の大半は自分の認知の外で起きるため,普段の振る舞いが結果を左右するという考えだ。

 中村氏は,プラン型は意識の高い学生にこそ多いと指摘した。思考力があるぶんプライドも高く,泥臭い行動でかっこ悪く見られることを避けてしまう。
 中村氏自身は大学3年時のニューヨーク留学で,京大の名前がまったく通用しない環境に置かれ,プライドが崩れる経験をした。学歴と成功にはほとんど相関がなく,会場でも大学名より,臆せず話しかけて名刺交換し,連絡を続けられる人のほうが有利だと語った。

 一方で川原氏は,採用実務の実情にも触れた。東海大学出身で,三菱UFJ銀行時代には新卒採用を担当していたという。エントリーシートは膨大な数に上り,全てに目を通せないため,実際には学歴による振り分けが行われていたと明かした。
 学歴は勉強してきた事実の証明として機能する。全てではないが,無関係とも言えないという整理だ。


友達が多いか,狂気があるか,土俵を持つか


 若くして伸びる人の共通点について,安達氏は,友達が多く目上から好かれることに尽きると答えた。

安達氏
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 中村氏は,就職と起業で条件が分かれるとの見方を示した。投資先の若手起業家を見ても,人に助けてもらいやすいタイプは伸びやすい。一方,人当たりの良さがなくても,周囲が放っておけないほど突出した個性があれば起業家としては成立する。
 組織に入るなら前者がほぼ必須だが,起業では後者も武器になるという。

 川原氏が挙げたのは,自分の土俵を作れることだった。確実に好かれる層を作って広げ続ければ,人脈も勝ち筋も生まれる。銀行員時代に税理士資格を取得した。税務に詳しい銀行員は少なく,若手のうちから先輩に頼られるポジションを確立できたと振り返った。

 会場から土俵の見つけ方を問う質問が出ると,川原氏は,選択肢は常に目の前にあると答えた。直近1か月のスケジュールを見返し,うまくいったこと・いかなかったことを分析すれば候補は見つかる。
 候補を絞ったら徹底的に勉強する。資格取得の際は働きながら勉強し,睡眠時間を極端に削った時期もあったという。

 中村氏は,逆張りでポジションを取る方法を勧めた。社会課題とVCは本来相性の悪い組み合わせだからこそ,掛け合わせただけで独自の立ち位置になる。複数のラベルを持つことで声のかかる場が増えた経験を語った。


「応援したいおじさん/おばさん」に時間を使うな


 大学生は何に時間を使うべきかというテーマで,中村氏はまず,やらなくてよかったことを挙げた。学生を応援したがる年長の社会人に気に入られようとした時間は無駄だったという。彼らが質の高い出会いや機会を実際に持ってきてくれたことはなく,時間を使う価値のある相手はごく限られていた。

中村氏
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 逆にやってよかったこととして,会社の看板なしに1円でも稼いだ経験を挙げた。稼ぐ大変さと必要な能力を体感していれば,就職しても起業しても差が出るという。

 川原氏は,大手の看板が営業面で持つ力を認めつつ,業界研究には時間をかけなくていいとの見方を示した。学生時代に調べた内容と入社後に分かる実態は大きく違う。時間を割くべきは自己分析で,どんな人といるときに力を発揮できるかを把握し,誰と働くかで会社を選ぶことを勧めた。

 会場からは,寄ってくる大人の見極め方を問う質問が出た。川原氏が挙げた基準は実績で,金を取らず,むしろ金や客を持ってくる人かどうか,頼み事を1か月以内に実行してくれるかで判断するという。
 中村氏は,実際にお願いしてみることを勧めた。拘束時間の長さではなく,求めるものにコミットしてくれるかを見ればいい。安達氏は,過去に複数回の詐欺被害に遭った経験に触れ,騙されるまで見抜けないものだと述べるにとどめた。


起業か就職か,大企業かベンチャーか


 後半のテーマは進路選択だった。安達氏は,本人の欲のあり方次第だとし,起業か就職かを人に尋ねる段階なら就職を勧めると答えた。市場が拡大しない日本では参入余地が狭まっており,一度就職してスキルを得てから起業する人のほうが成功率は上がっているとの実感も語った。

 川原氏は,大企業への入社は結果的に成功だったが,要因は最初に仕えた上司との相性だったと振り返った。配属は運に左右されるため,一緒に働く人で選びたいならベンチャーに分があるという見方だ。
 自社の面接では,地位・名誉・金・安定・自由のうち一番強い欲を聞き,自由を選ぶ人には起業を,そうでない人には就職を勧めていると明かした。

 中村氏は,内定を辞退して起業した。起業のスキルを学ぶための就職であれば,起業したほうが早いというのが理由だ。ただし,出身企業の知名度が信用に直結する領域があることも認めた。VCを含む金融業界はその典型で,看板が効く領域を目指すなら大手を経由する合理性があるという。
 川原氏が,権威は持っている人に参画してもらえば借りられると応じると,中村氏も,自分が看板を持つ必要は必ずしもないと補足した。

 大企業とベンチャーの違いについて,川原氏は,社会人としての能力を1から10のメーターに例えた。大企業では研修や指示によって3程度までは自動的に身につくが,飛び級はできず,成果を出しても給料にはほとんど反映されない。
 ベンチャーは自分から仕事を取りに行く必要があるものの,AIで情報収集が容易になった現在は早く成長でき,1年目で5年目の社員より稼ぐことも可能だとした。

 安達氏は環境選びの軸として,大手かベンチャーかではなく,伸びている会社かどうかを見ることを勧めた。

 学生起業ならではのメリットを問う質問には,中村氏が,学生で若いという理由で誰もが話を聞いてくれたことは確かな利点だったと答えた。安達氏は,退路がないため必死にならざるを得ないことを挙げ,岡見氏は,学生は現時点の実力ではなく伸びしろで評価されやすいと補足した。

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 起業家育成の活動が成果につながらないという学生の相談には,川原氏が,目的の不在を原因として挙げた。欲と目的があって初めて,起業か就職かという手段の議論が成り立つ。目的がないのであれば,就職して安定を取るほうがいいと述べた。
 中村氏は,行動せざるを得ないと思えたのは自分の未熟さを痛感したときだったと振り返り,そうした経験の機会を持つことを勧めた。


周りに流されないために


 最後のテーマは,周囲に流されないための意思決定基準だった。

 川原氏は,昔から自分が正しいと考えるタイプだと話した。正しさを証明するために勉強と実行を欠かさない。周囲の助言に正解はほとんどなく,結果が出るまで誰にも分からない。
 だからこそ,やりたいと思った判断は曲げず,判断を正解にするために学び,実行し続けてほしいと会場に伝えた。

 安達氏は逆に,自分は流されるタイプだと述べた。信用できると思った人を選び,その人の話を聞く。合わなければ別の人を探す。判断基準を情報ではなく人に置くやり方だ。

 中村氏は,悔しさや許せない現実への反発を原動力にしてきたと語った。ただし怒りのままでは解決に至らず,自分も周囲も消耗する。感情を大切にしながら,解決策を考え抜いてほしいと呼びかけた。

 締めくくりに岡見氏は,インプットは行動につなげなければ意味がないと述べた。学んだことをメモに残す,SNSで宣言するといった形で,やらざるを得ない状況を自分で作ってみてはと鼓舞し,セッションは終了した。

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