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明代の秘密警察を演じるアクションRPG「A Whisper of Fall 錦衣衛」は,やり直しの果てに“誰も死なない答え”へ行き着く[gamescom]
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印刷2026/08/29 12:37

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明代の秘密警察を演じるアクションRPG「A Whisper of Fall 錦衣衛」は,やり直しの果てに“誰も死なない答え”へ行き着く[gamescom]

 アクションRPG「A Whisper of Fall 錦衣衛」PC / PS5)のデモを,ドイツ・ケルンで開催中のgamescom 2026の会場で見せてもらった。開発は中国・成都のChengdu Cangmo,パブリッシャはシンガポールの4Divinityで,対応プラットフォームはPCとPS5。2027年の発売を予定している。会期3日目にあたる8月28日,Chengdu Cangmoのファウンダー兼プロデューサーであるLiu Qiwei氏と,4DivinityのXu Ruqing氏が紹介してくれた。

 タイトルの錦衣衛は,明王朝の皇帝が直属させた特務機関である。英語題ではJinyiweiと綴られ,中国語題は「一盞秋聲:錦衣衛」だ。錦衣衛は,捕縛,尋問,拷問を行い,そのまま判決を下すところまで一貫して行える組織だ。狙う相手は主に高位の官僚で,通常の役所では手の出せない人物を押さえるのが役目だったという。要するに皇帝の汚れ仕事を引き受ける機関である,というのがXu氏の説明だった。

 プレイヤーが演じるのは,その錦衣衛に潜り込んだ二重スパイである。表向きは錦衣衛の一員として任務をこなし,裏では組織そのものをひっくり返そうとしている。善と悪の両側に足を掛けた立場だ。主人公はもともと船頭であり,ある出来事をきっかけに闇市場の内通者として錦衣衛に送り込まれた,という設定になっている。

笠をかぶった主人公。抜き身の刀を提げ,霧のかかった山道に立つ
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 舞台は明王朝の末期だ。王朝の命脈が尽きかけているのに,市井は繁華なまま歌舞に沸いている。

 最初に見せてもらったのは,JinCiという名のサブミッションを収めたトレイラーだった。中国に実在する古い寺廟をモデルにした場所で,標的の屋敷に忍び込んで,あるものを盗み出す。

 入り方はひとつではない。正面から斬り込んでもいいし,見つからないように忍び込んでもいい。門番との会話にも選択肢が用意されているが,一部はロックされている。特定のアイテムを手に入れて初めて開く選択肢だ。

灯りの落ちた屋内に立つ,笠と面覆いの人物。腰に刀を提げ,右手には燭台の火がひとつ
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 プレイヤーは,まず戦って押し入る道を選んだ。乱戦の末に屋敷へ入るが,標的はすでに逃げたあとだった。ここで本作の看板となる仕組みが登場する。時間を巻き戻すrewindだ。

 巻き戻して,今度は夜まで待つ。夜は門番の数が減っており,さらに衛兵の指揮官が持つ通行証を手に入れられた。そこでもう一度巻き戻すと,先ほどまでロックされていた選択肢が開いている。門番に通行証を見せる,という手が使えるようになったからだ。

 そうなると敵はすべて味方の扱いに変わり,屋敷の奥まで素通しになった。標的を暗殺して目当ての品を奪い,さらに巻き戻して,その品を持ったまま任務の始まる前へ帰る。

 ミッションはそこで完了になった。誰も殺されず,誰も傷つかず,標的の品だけが手元に残るという結末だ。

赤い塀に挟まれた石段を上っていく。突き当たりの崖には巨大な磨崖仏が彫られている
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 キモとなるのは「巻き戻してもアイテムだけは戻らない」という点だろう。時間を戻せば世界の側は元の状態に復帰するが,そこで手にした物はプレイヤーが持ったままだ。だからやり直すたびに手札が増えていく。ここが本作のrewindの肝なのだと,Liu氏は何度か念を押していた。

 この能力は英語ではdeductionと呼ばれている。未来を先読みする力という位置づけで,中国語版では小天衍術という名がついていた。

夜の廟。荒れた境内の中央に,笠をかぶった主人公が立っている
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 トレイラーを見たあとは,デモステージを実際に遊ばせてもらった。チュートリアルではないので,最初にひととおりの操作を教わってから始まる。

※試遊はXBOXのコントローラで行われた

 管理する数値は3つある。体力(health)とスタミナ(stamina),そして気(Ki)だ。攻撃を受ければ体力が減る。ガードや回避,攻撃にはスタミナを使い,攻撃していない間に回復していく。スタミナが尽きればガードも回避も利かず,そこからは一方的に殴られる番だ。Kiは戦闘中の良い行動――パリィ,回避,命中,カウンター――をとるたびに溜まっていく。満ちると必殺技を撃てるようになり,Yボタンの長押しでKiを体力に変換することもできた。

 ガードはLBで,掴み技以外のあらゆる攻撃を受け止められる。掴みはボスの切り札にあたる技で,ガードは効かず回避しか手がない。回避はRBで,空中でも出せる。跳び方と避け方はair styleという枠でひとまとめに管理されていて,2段ジャンプと空中回避が付く型もあれば,回避を3回続けられる型もあった。

 武器と武術(martial arts)の組み合わせも自由度が高い。ひとつの武器に3つまでmartial artsを装備でき,武器そのものも3つまで持てる。単純計算で最大9通りの戦い方を抱えて戦場に出る形になる。

 martial artsひとつにつき通常攻撃と3種の技が紐づいており,ガードを押しながらX,Y,Bでそれぞれ違う技が出た。技の受付時間が長めに取ってあるので,敵の動きを見てから次に何を挟むかを決められる。LTを長押しすれば武器も武術もその場で切り替わり,同じボタンの挙動が丸ごと入れ替わった。

 そのうえでLiu氏が本作のキーワードだと言ったのが,背中である。攻撃には正面と側面と背面の区別があり,側面と背面が弱点になるのは敵もプレイヤーも同じだ。回り込んで側面や背面から斬りつけると,相手のKiが大きく削れ,スタミナも空になる。そうなればガードも回避もされない。パーフェクト回避を決めると相手の背後へ抜けられるので,この2つは地続きになっている。実際にボス戦でLiu氏がやってみせたのも,正面から打ち合うのではなく,横に回り込んでは一発入れるという戦法の繰り返しだった。

谷にせり出した崖の側面を,横向きに走る(上)。垂直の岩壁に取りついた人物と,砂煙を上げて着地した人物(下)
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 移動もひととおり見せてもらった。平らな壁の前でAボタンを2回押すと壁に張りつき,そのまま横に走れる。ゲーム内の平らな壁はすべてこの操作を受け付けるという。左スティックを押し込めばしゃがみに移り,姿勢を低くしたまま近づいて空中から暗殺する手もある。屋根の上を伝っていけば,階下の敵をまるごと迂回できた。

 デモステージの構造も面白かった。プレイヤーと同じ目的地へ向かって,錦衣衛の分隊がNPCとして山を登っている。つまり道中はずっと競走だ。

 到着が遅れると,山賊たちはすでに分隊に討たれたあとになる。早ければ両者が斬り合っている場面に居合わせるし,さらに早ければ分隊は到着していない。時間を消費するのは戦闘だけなので,戦いを避けて進めばそのぶん先着できる。敵と斬り合うか,屋根伝いに素通りするかという判断が,そのまま到着時の光景を変える。

 道の途中には罠も仕掛けてあった。これはプレイヤー側だけの脅威ではなく,敵も同じように引っかかる。中腹の東屋は休憩ポイントで,本来はここでビルドを組み替えられるのだが,デモでは編成が固定されていた。

崖に彫られた巨大な磨崖仏。ふもとには白い花を咲かせた木と,小さな社が並ぶ
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 分隊の隊長を倒せば,分隊の任務はそこで終わる。以降は誰にも邪魔されずに最終ボスと向き合える。そのボスは火の刃を操ることで知られた相手だ。ステージの入口では雑魚2人が,分隊の隊長と最終ボスの力量差を話題にしていた。隊長のほうは火を防ぐ衣をわざわざあつらえてきたらしい。

 実際の戦闘では,第2段階に入ったところでボスが刃に油を塗り,そこから刀が燃え始めた。こちらの武器を削る攻撃も混ぜてくる。倒しきったあと,Liu氏はここで殺すか見逃すかを選べるのだと言った。選択は物語に影響する。もし分隊の隊長をまだ倒していない状態でボスを見逃せば,そのボスが味方について,一緒に分隊の隊長と戦ってくれるそうだ。このサブミッションひとつで,結末は5通りに分かれるという。

炎に包まれた廟。赤い神将像の足元に,笠をかぶった人物が立つ
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 ボスが手に負えないと感じたときの逃げ道も,やはりrewindだった。プレイヤーがそれまで通ってきた道筋はすべて手記に記録されており,そこからrewindポイントを選んで戻れる。戻るのに要るのはfocusの消費だけだ。装備やレベルを整えてから,同じボスに挑み直せばいい。ここが本作の手触りの核心だと,Liu氏は言っていた。

 一方で,操作と仕組みが多すぎることは本人たちも自覚していた。本編は長丁場のRPGなので,要素はひとつずつ順に説明する設計になっている。ただしデモでは全部を一度に説明しなければならず,そのぶん複雑に見えてしまうそうだ。実際,遊び始める前に教わったボタンの組み合わせの数は,短い体験版にしては多かった。

 発売時期は2027年を目標にしているが,具体的な日付はまだ決まっていない。日本語対応については,やりたいと思っている,という答えだった。現時点でSteamのストアページに記載があるのは英語と簡体字,繁体字の3言語である。

Chengdu CangmoのファウンダーでプロデューサーのLiu Qiwei氏(左)と,4DivinityのXu Ruqing氏(右)
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