パッケージ
1666: Amsterdam公式サイトへ
レビューを書く
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のインタビュー

メディアパートナー

印刷2026/08/27 19:17

インタビュー

15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 gamescom 2026のOpening Night Liveに合わせてアーリーアクセス版の配信が始まった「1666: Amsterdam」は,「アサシン クリード」の生みの親として知られるパトリス・デジーレ(Patrice Désilets)氏率いるPanache Digital Gamesの最新作だ。

 本作にはどこか,「こんなアサシン クリードもあったかもしれない」と思わせるところがある。
 デジーレ氏が10年以上温め続けてきた渾身の一作について,その狙いと今後の計画を聞いた。

画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 すでに遊んでいる人もいるだろうが,「1666: Amsterdam」は333年ごとに世界の均衡が揺らぐという設定のもと,17世紀に黄金時代を迎えていたアムステルダムを舞台とするアクションアドベンチャーだ。

 プレイヤーは,古の知識を代々受け継いできた魔女の一団「ザインダリス」(Zaindaris)に育てられ,“コレクター”の宿命を負った女性ノア・ブルックリンとなる。

 日中は市民の顔をして街に紛れる悪魔“オリジナルズ”(The Originals)の正体を暴いて印を付け,満月の夜「エスバット」(Esbat)に本来の姿を現した彼らと対峙し,かつて貸し与えられた力を取り立てていくという流れだ。

画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 この「1666: Amsterdam」が紆余曲折を経てきたプロジェクトであることは,多くのゲーマーが知るところだろう。
 「Prince of Persia: The Sands of Time」(2003年)のディレクターを務めたデジーレ氏は,同作の続編企画から発展させる形で,滑らかなパルクールアクションにこだわった初代「アサシン クリード」(2007年)を生み出す。

 だが2010年6月,より大きな創作の自由を求めて13年在籍したUbisoftを離れ,1年のブランクを経て2011年にTHQのモントリオールスタジオへ。
 そこでクリエイティブディレクターとして立ち上げたのが,コードネーム“1666”,のちの「1666: Amsterdam」だった。

 ところが2012年12月,THQが破産。競売にかけられた資産のうちTHQ Montrealを買い取ったのがUbisoftだった。
 デジーレ氏は約170名の開発者ごと古巣に戻される形になったが,プロジェクトの主導権をめぐる協議は折り合わず,2013年5月に解雇。“1666”もお蔵入りとなってしまう。

画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 これを受けてデジーレ氏はUbisoftを提訴。並行してインディーズスタジオのPanache Digital Gamesを立ち上げ,2016年4月,訴えの取り下げと引き換えにプロジェクトの権利すべてを取り戻す。

 当時は「Ancestors: The Humankind Odyssey」(2019年)の開発に注力すると表明していたこともあり,そこから10年を要してようやくアーリーアクセス版に漕ぎ着けた,というわけだ。



4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず,「1666: Amsterdam」はシングルプレイヤー専用のアクションアドベンチャーですが,あえてアーリーアクセスという形でリリースしたのはなぜでしょうか。

デジーレ氏:
 よく聞かれるのですが,我々にとっては自然な選択でした。開発チームは「Ancestors: The Humankind Odyssey」の倍ほどとなる70人体制ですが,私が過去に身を置いていた大規模な開発現場と比べれば,まだまだ小さなチームです。

 そこで足りない部分をどう補うのかと考えたときに行き着いたのが,ファンの皆さんの声をしっかりとくみ上げながら作っていくという,インディーだからできる開発の進め方だったわけです。

4Gamer:
 今後はどのように開発を進めていく予定でしょうか。

デジーレ氏:
 目標としては,1年を目途に大きなアップデートを4回,できれば満月の夜に合わせて配信していきたいと考えています。

 作中では満月の夜を「エスバット」(Esbat)と呼んでいて,この夜になると,アムステルダムの街に潜む悪魔的な存在「オリジナルズ」(The Originals)が真の姿を現します。

 プレイヤーは,普段は市民の一人として暮らしている彼らの正体を調査によって暴き出し,相手ごとに異なる魔術の作法を用いて告発する。つまり,血祭りに上げていくわけです。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

4Gamer:
 毎月ということは,1666年の各月に1人ずつ,つまり12人の敵がいるということでしょうか。

デジーレ氏:
 “月”と言いますが,実際の月の満ち欠けは28日周期なので,1年に13回あり得るということも覚えておいてくださいね(笑)。

 ともかく,アムステルダムの地区ごとにほぼ1人のオリジナルズがいて,彼らとの対峙を1つのチャプターとして描いていくのがストーリーの構成です。
 物語は1月から始まるので,雪も降っていますし,家々の煙突からは煙も立ち上っています。
 地区ごとの街並みの違いもさることながら,1月のアムステルダムと7月のアムステルダムでは,雰囲気もまったく異なるものになっていますよ。

4Gamer:
 なるほど。「333年ごとに何かが起こる」という設定ですから,1999年や1333年,さらには西暦1000年もストーリーに関わってくるように思えます。それぞれの時代が描かれる比重はどのくらいなのでしょうか。

デジーレ氏:
 ご想像のとおり1999年と1333年も少し登場しますが,ほぼ1666年が舞台になると思ってください。
 1999年に描かれるのは1年の最後の数日間で,アーロンの娘であるクリオの物語でもあります。アーロンは現代人ですがザインダリスの儀式によって過去へ飛ばされ,1666年のネコの体に意識を移されることになるわけです。

画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

4Gamer:
 私も事前に,クリオとアーロンがストーリーの核心に関わっていく導入部分をプレイさせてもらいました。古書を開いて父の遺した記憶に触れていくという設定が,「アサシン クリード」のアニムスを彷彿とさせましたね。

デジーレ氏:
 (ニヤリとしながら)僕が作っている以上,仕方ないのかもしれません(笑)。ただ,THQ時代からネコが登場するという設定自体はあったものの,ネコを操作して遊べるというシステムができあがったのは,ほんの2年ほど前のことなんです。

 今のところ,どのタイプのネコを選んでもゲームプレイに違いはありませんが,アーリーアクセスで改良を進めるなかで,要望次第では変えていくかもしれません。

4Gamer:
 実在の歴史上の人物は登場しますか。

デジーレ氏:
 それほど多くはありませんが,何人かは登場します。(オランダ絵画の巨匠として知られる)レンブラントは重要なキャラクターの1人です。
 「夜警」や「瞑想する哲学者」に見られる,光と影の劇的な対比を活かした「明暗法(キアロスクーロ)」からは,「1666: Amsterdam」のアートスタイルも大きなインスピレーションを受けています。

画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

4Gamer:
 確かに。ゲーム中にも夜警のような人たちが出てきますしね(笑)。

デジーレ氏:
 そうなんです。主人公のノアは自分の魔力を使ってさまざまなことができますが,日中にあまり大っぴらにやると市民たちに正体が知られてしまい,警護団と戦うことになります。彼らはかなり手強い相手で,捕まれば牢屋に入れられてしまいます。

4Gamer:
 牢屋に入れられると,どうなるのでしょうか。

デジーレ氏:
 そこから脱出することが大きな目的になります。ネコのアーロンを送り込んで看守の注意を逸らしたり,鍵を探させたりするわけですが,脱出の手順は毎回ランダムに変わります。うまく抜け出せれば,再び街に溶け込んでいくことになります。

4Gamer:
 脱獄がパズルアクションになっているわけですね。では,脱出に失敗すると?

デジーレ氏:
 脱出に失敗して再び捕まると「あり得ない記憶」として,古書を解読しているクリオの側に異変が生じます。

画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 1666年のパートには,ときおり3つの特殊能力から1つを選ぶという,ローグライト的な仕組みがあります。
 失敗した場合は,その能力を選び直すところからプレイし直すことになるわけです。獲得した能力自体はノアのものとして残りますが,そのうえで改めて別のアプローチで謎解きに挑んでいく,という作りです。

4Gamer:
 調査とアクションの比率は,どのくらいを想定しているのでしょうか。

デジーレ氏:
 それはプレイヤー次第ですね。ノアが魔術を駆使して運河の水面を歩いて近道をしたり,警護団を相手に派手な立ち回りを演じたりすることもできますし,アーロンの能力を使ってステルス寄りに進めることもできます。

 どう遊ぶかはプレイヤーが決めることで,我々に求められるのは,そのどれもを受け止められるだけの土台をしっかり作っておくことだと考えています。これは「Ancestors: The Humankind Odyssey」で学んだことですね。

4Gamer:
 なるほど。魔術が大きなテーマではありますが,そこに史実や歴史が絡むことで知的な興味が湧いてくる。そこがデジーレ作品の本質とも言えそうですね。

デジーレ氏:
 ありがとうございます。「アサシン クリード」も「Ancestors: The Humankind Odyssey」もそうですが,やはり「我々は今,どうしてここにいるのか」ということに興味を覚えるんです。

 私の先祖は16世紀の半ばにフランスからカナダ東部へ移り住んだのですが,そうやって自分の歴史やルーツを辿ってみたいという願望は,誰にでもあるはずでしょう。そこに,歴史の裏側を描くようなフィクションを織り交ぜているわけです。

4Gamer:
 ああ,「アサシン クリード」はシリーズごとに異なる時代へ飛びましたが,「1666」シリーズがあるとすれば……1666年という年代を固定したまま,世界各地の魔女とオリジナルズの戦いを描いていくわけですね!

デジーレ氏:
 気付いちゃいましたか(笑)。そういうことです。魔女狩りはヨーロッパからアメリカ大陸にも伝わりましたし,そうした逸話は世界中にありますからね。

4Gamer:
 17世紀のオランダというと日本とのつながりも深いですが,日本を舞台にした展開もあり得ると?

デジーレ氏:
 今はもちろん「1666: Amsterdam」に集中していて,具体的な今後の展開まで構想しているわけではありません。ただ,チームメンバーの1人が昨年,日本を訪れた際に出島まで足を延ばしていましてね。我々もつながりは感じているんです。

画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

4Gamer:
 ほほう。どさくさ紛れに聞いてしまいますが,「アサシン クリード」は古くから日本を舞台にするというウワサがありました。あれはどの程度,信ぴょう性のある話だったのでしょう。

デジーレ氏:
 私の中では,考えていた舞台の1つではありましたよ。ただ,シリーズの初期にしか関わっていないので,そこまで具体的に計画されていたわけでもないのですが。

4Gamer:
 デジーレさん自身が日本に来る予定は?

デジーレ氏:
 1年後,PCのアーリーアクセス版が正式リリースを迎えるタイミングで,家庭用ゲーム機向けにも出したいと考えているんです。その頃はちょうど東京ゲームショウの時期ですよね。久しぶりに日本へ行って,日本のゲーマーの皆さんと交流したり,意見を聞いてみたりできればと思っています。

4Gamer:
 その日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

「1666: Amsterdam」を開発中のPanache Digital Gamesを率いるパトリス・デジーレ氏
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 15年越しの悲願作「1666: Amsterdam」,“アサクリ”生みの親デジーレ氏が語る復活の経緯と1年間の計画[gamescom]

 “アサクリ”の生みの親であるデジーレ氏,渾身の一作となる「1666: Amsterdam」は,現在SteamおよびEpic Games Storeにて,リリース記念セールとして10%オフで販売中だ。


 今後1年をかけて4回の大型アップデートが予定されており,コンテンツはまだまだ増えていく。エピソードを追うようにじっくりと遊びながら,この壮大な世界が完成していく過程を味わってみてはいかがだろうか。

  • 関連タイトル:

    1666: Amsterdam

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:08月26日〜08月27日