シリーズ史上初となる本格ライブとなった本公演では,ロックバンドが生み出す重厚なサウンドに乗せて,おなじみのキャスト陣によるカラオケ曲の歌唱や,歴代のバトルBGMなどが披露された。
本稿では,シリーズを牽引する熱き男たちと紅一点が盛り上げた,5月17日の昼公演の模様をレポートする。
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開演直前,ステージに現れたのは,本ライブの盛り上げ役を担当する謎の人物RYO。少しもったいぶりたくなるが,ファンはご存じのとおり,龍が如くスタジオのプロデューサー兼ディレクター兼作詞家の堀井亮佑氏だ。
会場の空気は加熱しはじめ,筆者の付近にいた来場者からは「あの人が神か……」との声も漏れ聞こえてきた。
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そしてスクリーンには「龍が如く」シリーズ各作品の映像が次々に映し出され,「龍が如く0 誓いの場所」の桐生一馬と錦山 彰が現れると,客席からは大きな歓声が沸き起こる。
そこに黒田崇矢さん(桐生一馬役),宇垣秀成さん(真島吾朗役),中谷一博さん(錦山 彰/春日一番役)の3人がステージに登場し,間髪入れず「JUDGEMENT-審判-」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:Hyd Lunch)がスタート。黒田さん(桐生)と中谷さん(錦山)の息の合った力強いツインボーカルが炸裂する。
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ちなみにプレイスポットとしての「カラオケ」は「龍が如く3」から始まった要素であり,今年2月にリリースされた「龍が如く 極3」と,本イベントの“奇縁”を感じさせる。
黒田さんパートの締めくくりは,黒田さん自身が「個人的にどうしてもセットリストに入れたかった」と語る「絶望頂プライド」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:青木千紘)。「俺は東城会四代目 桐生一馬だ!」という魂の叫びとともに,曲が始まる。
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サイドで盛り上げるRYOのデスボイスも「どうかしている」クオリティで,盛り上げ役どころか完全に出演者のひとり。普段の業務のかたわら,いったいどれほどの練習を重ねたというのか……!
ハプニングも笑いに変えるベテランキャストの絆
続いてステージに降臨したのは,“嶋野の狂犬”こと真島吾朗を演じる宇垣秀成さんだ。
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曲はゲーム内の船団編成時のBGMとしてもプレイヤーの耳に焼き付いている「ゴロー海賊団のテーマ」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:福田有理)からスタート。「実は歌が苦手」というお約束のネタで客席を笑わせつつも,「36.5℃の太陽」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:吉田沙織)「真島建設社歌」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:福田有理)と続いていき,その後宇垣さんが客席へと降りていくサプライズ! 至近距離でのファンサービスに会場は歓喜の渦に包まれた。
続いて熱狂の余韻も冷めやらぬうちに,バンド陣による「龍が如く8」メドレー。山井豊との激闘がスクリーンに映し出され,重厚なサウンドが腹に響く。一方,「龍が如く8」のメインテーマ「Viva La Vida!」ではシリーズらしからぬスタイリッシュさも見せつけた。
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次にバトンを受け取ったのは,現シリーズの名実ともに主役となった春日一番を演じる中谷一博さんだ。
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「悪魔の地獄鍋」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:庄司英徳)を歌い終え,まさに一番そのものが憑依したかのような熱量で語る中谷さんのもとへ,強力な助っ人として向田紗栄子役の上坂すみれさんが加勢。「AWAKE」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:庄司英徳)「harukaze」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:李世)の2曲を披露する。
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さすがはライブステージに定評のある上坂さん,抜群の華やかさで会場の空気を一瞬で持っていった。
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歌唱後の寸劇では,一番と紗栄子の2人が,ステージ上のRYO氏をダンジョン内のスジモン(はぐれプロデューサーといったところか)扱いし始め,あわや狩られる寸前に。そこに,宇垣さん演じる真島が乱入! 「人気投票で毎回1位になる男」としての余裕を見せ,その虚実入り乱れるメタな掛け合いに会場は爆笑に包まれた。
その勢いのまま中谷さんと宇垣さんによる「ご愁傷SUMMER」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:青木千紘)へ突入するが,ここで宇垣さんが痛恨の歌唱ミス。まさに「ご愁傷さま」……。のちのトークで黒田さんから「ライブ初日の夜,ビールを結構飲んでいたらしい」と暴露されてしまう。
また公式の設定なのか中谷さんの解釈かは分からないが,「龍が如く0」で錦が桐生に置き去りにされたシーンの後日談として,中谷さんが「実は6時間駆けて帰っている。途中でトラクターに乗せてもらった」という衝撃の顛末を明かしていた。
続いて披露されたのは,堀井亮佑氏にお子さんが生まれた直後に作詞したという「hands」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:ZENTA)。
黒田さんが情感たっぷりに歌い上げたが,曲の途中の入りをミスしてしまう。歌が終わるとすかさず宇垣さんは「さっきのお返し」とばかりにイジり返し,シリーズでの共演だけでない,2人の長い付き合いがうかがえる最高のリカバリーとなった。ミスすらも極上のエンタメへと変えていくステージだったわけだ。
アンコール後に待っていたあの名曲たち
アンコール後の幕開けを飾ったのは「龍が如く3」の峯義孝戦の曲「FLY」。さらにゲストボーカルのN∀OKI氏(ROTTENGRAFFTY)がステージへ呼び込まれると,「生き様 feat.N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:吉田沙織)を披露。腹の底に響くような圧巻のパフォーマンスで,会場を再点火させる。
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そして締めくくりは,やはりこの2曲だ。まずは宇垣さんによる「24時間シンデレラ」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:ZENTA)。若くてキラキラした歌詞に宇垣さんは本気で恥ずかしそうだったが,歌い終えたあとは「次は隣の東京ドームでやるぞ!」とぶち上げ,会場は割れんばかりの歓声に包まれる。
そして,正真正銘のラストを飾ったのは「ばかみたい」(作詞:堀井亮佑 / 作曲:福山光晴)。黒田さんの哀愁を帯びた歌声に,観客全員が酔いしれていた。
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前日の公演をもとにトークや流れをブラッシュアップし,進化させていたという17日昼のライブ。初のライブイベントとは思えないほどコール&レスポンスの一体感が高かったのは,昨今の“推し活文化”の浸透ゆえ,いや,それだけでは説明しきれないだろう。
サービス精神たっぷりのステージからは,ゲームだけにとどまらず,あらゆる枠を超えた「一級のエンタメ」として,「龍が如く」シリーズ,そして新作「STRANGER THAN HEAVEN」を世界へ届けるという,スタジオの覚悟のようなものも伝わってきた。今後のシリーズ展開,そして次なるステージへの期待が高まる,最高に熱い一日だった。
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