第15回「ツーポイントミュージアム」
駆け出し学芸員に任されたのはひとつの博物館。しかし、ただ待っているだけでは魅力的な展示物は集まらない。未知の文化財やヘンテコな展示物を求めて、ツーポイント州のはるか彼方へ探検隊を派遣する。危険な冒険の末に持ち帰った発掘物を飾り付け、展示物を持ち去る窃盗団に目を光らせながら、唯一無二の博物館を作り上げるのだ。
人間界のゲームに心奪われた魔王・赤城朱音(あかしろ あかね)。目つきも口調も悪いが実はお嬢様な龍恩寺凛(りゅうおんじ りん)。ボードゲームとミニチュアが大好きな天然ギャル・新山穂香(にいやま ほのか)。――そこは私立四亀学園。放課後の空き教室には,今日も3人の姿があった。
朱音ちゃん最近お肌ツヤツヤだね。いつもの徹夜明けオーラもないし。
たしかに元気そうだな。まさかゲーム断ち? こりゃ明日は槍が降るな。
失礼なやつらじゃな。毎日しっかりゲームしておるし、睡眠もたっぷりとっておるぞ!
なんだ〜、ちょっと健全になっただけか〜。
拍子抜けだな。じゃ、解散ー。
これぃ、待つのじゃ! 「ツーポイントミュージアム」の話を聞くのじゃー!
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ツーポイントってことは、ヘンテコ経営シムシリーズか。
普通に博物館を作る感じじゃないの?
システムは普通に経営シムじゃが、世界観がとにかくヘンテコなのじゃ。
どういうことだってばよう?
1作目の「ツーポイントホスピタル」のときは、出てくる症例も治療もとにかく変だったな。
あれじゃろ、頭がランプになる病に、体から水が溢れる病、貴族になりきってしまう病もあったのう。なんじゃそれというものばかりじゃったな!
だが、それが面白い。
フッフッ、分かっておるのう。2作目の「ツーポイントキャンパス」は日本語未対応で遊んでおらんのだが、ヘンテコなところはシリーズの伝統なのじゃ。
ミュージアムは日本語で遊べるんだな。ありがてぇ。
セガまじありがとうなのじゃ。
セガ、ビッグラブ。
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品川に向かって五体投地してるところ悪いけど、ミュージアムの話をね……。
おっと、そうじゃった! このゲームは学芸員となって、経営危機にある博物館の運営を楽しむ経営シムじゃ。展示物の収集、レイアウト、スタッフの雇用なんかがプレイヤーの仕事じゃな。
ホスピタルのときは病院に来た患者に合わせて施設を拡充していったけど、ミュージアムもそんな感じ?
ちと違うのう。ホスピタルの目的は患者を治療することであり、ニーズを満たし続けるゲームじゃった。
じゃないと死人がでるもんな。
その点ミュージアムの目的はゆるいぞ! “手持ちの展示物で楽しませ金を搾り取る”、これだけじゃ。
おい、言い方。
自由度が高いってこと〜?
うむ。何を展示し、どの種類に特化させるかはプレイヤー次第。館内であれば自由に設置場所も選べるしで、レイアウトの自由度は格段にアップしとるのだ。
まじ!? ホスピタルはテトリスしてる感が強かったもんなー。
わ! 廊下とかエントランスにも展示物を置けるんだね〜。
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ところで展示物の収集はどうするんだ。ショップで購入?
いんや、スタッフを遠征させて発掘するのじゃ。施設の外へ派遣する遊びが加わったんじゃよ。
古代遺跡から発掘! ロマンがあるね。
スタッフを遠征させるってことは、館内が手薄になりそうだけど……。
なるのう。専門家をバンバン派遣しとると、展示物の修復が間に合わなくなるし、アシスタントの数をケチると物販に人を割けず収入減。かといって雇用を増やすと利益が減って……頭が痛いのじゃ。
ロマンだけじゃ博物館は運営できないんだね。
収支のバランスと人員の最適化。いやー、経営シムだねぇ。
しかも、遠征でスタッフが怪我をすることもあって、期待のエースが行方不明になったときは絶望したのじゃ。
えっ。そんな危険なの!?
遠征では何かしらのトラブルが起きる。じゃから、研修でスキルを習得させて回避できるよう準備をせねばならん。スタッフ研修、これ大事。
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ヘンテコさが魅力ってことだけど、展示物はどんなのがある? やっぱり恐竜の骨とか?
定番どころだけではないぞ! 化石や骨以外にも、植物や海洋生物、科学の発明品や呪われた芸術品に超常現象……つまりゴーストやポルターガイストも展示できるのじゃ!
ん? ん?
へ〜、ジャンルが幅広いな。朱音の博物館は何が目玉なんだ?
カッカッカ! これじゃあっ!
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おかしいよ……この世界の人たちどうかしてる……。
あきらめろ。これがツーポイントの世界だ。
DLCで拡張する世界もいいぞ〜。動物の保護を行う「ズージアム」、スタッフの職種をRPGのジョブに見立てた「剣と魔法の宝探し」もあってだな。
それって動物園ってこと!? 「プラネットズー」好きだし、めっちゃやりたい!
「ズージアム」は本編にお試しステージが入っとるから、未導入でもちょこっと遊べるぞい。ワシ的には「剣と魔法の宝探し」がおすすめじゃな。
なになに、パーティを組んで焦げつ国を探索。ジョブ以外にもステータスが設定されてて、ランクが上がると能力値が上昇……これ本当にRPGっぽいな。
固有の展示品もユニークでな。RPGっぽいものが山ほど出てくるんじゃが、なかにはスタッフに装備させられるブーツとかもあっての〜。
装備させるとどうなるんだ?
めっちゃ足が速くなる。
地味ぃ!
足が速いのは正義じゃ! トラブルが起きてもすぐに駆け付けられるスタッフは重宝するのじゃ!
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そうなの?
展示物は劣化するし、泥棒は忍び込んでくるし、幽霊は逃げ出すし、来場者はそこらじゅうを散らかしてまわるしで、小トラブルが常に起き続けるからのう!
な、なんかすごく忙しそうだね。
むしろチルいぞい?
仕事はスタッフ任せだもんな。
ワシらのすべきことは博物館が滞りなく回るようスタッフを配備し、見守ること! 絶え間なく遠征の手配をしとると忙しいが、基本はまったりじゃ。
ツーポイントって経営シムらしくシステムはみっちりしてるけど、要求される管理の水準は低めで結構遊びやすいんだよな。
多少ミスっても、トラブルが起きてもゲームオーバーにはならんしのう。
収益の結果が出るまでボーっと眺めて、マイナスになってそうなら施設と人員を見直す、の繰り返しだもんな。
うむ。やってることは地味じゃし、面白さの瞬間火力も高いわけではない。じゃが、ガチガチに管理しなくても運営できるシステムだからこそ、まったり遊ぶにはちょうどよいのじゃ。
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そういえばお肌ツヤツヤのナゾが解けてないけど?
面白いゲームに出会えてツヤツヤってことじゃないのか。
えーと、な、ツーポイントって基本見守りじゃろ? 収支の結果を待ちながら館内の様子を眺めてると、ついまぶたが重くなって〜……。
寝落ちしてるんだな。
ふふっ、眠れぬ夜のお供にも最適だね。
睡眠導入経営シム「ツーポイントミュージアム」だな。


























