![]() |
今年は,特撮テレビドラマ「ウルトラマン」の放送開始からちょうど60年にあたるようです。ウルトラマンも還暦なんですね……。
ウルトラマンといえば,昭和,平成,令和という3つの時代を経てなお続く,日本を代表する空想特撮。令和のウルトラマンもかっこいいですが,筆者のようなおっさん世代からすると,やっぱり昭和のウルトラマンの印象が強いわけですよ。
そして,昭和ウルトラマンのボードゲームはいくつもありまして,その中のひとつが今回の「昭和・平成レトロボードゲーム大百科」で紹介する「ウルトラマンゲーム 史上最大の侵略戦」です。
ウルトラマン愛好家ならピンときたかもしれません。そう,“史上最大の侵略”といえば,あの「ウルトラセブン」の48話と49話(最終回)のサブタイトルです。ゴース星人とパンドン,そして改造パンドンがウルトラセブンを苦しめました。
「そうか,あのエピソードをボードゲーム化したのか」と感慨深くなっている人がいるかもしれませんが,まったく違います。というか,ゴース星人どころかパンドンも登場しません。じゃあ,どんなゲームなんだよ!? ということでじっくり見ていきましょう。
なんかいろいろ言いたくなる
ウルトラ兄弟VS.14大怪獣!
![]() |
昭和59年(1984年)にタカラから発売された本作。パッケージのセンターには,スペシウム光線ポーズのウルトラマンと,でっかいタイトル文字が。ウルトラマンの左右には,バルタン星人や,ベムラーと戦うウルトラマン,ギエロン星獣と戦うウルトラセブンが配されていて,とにかく賑やかなパッケージデザインです。
そしてウルトラマンの頭上には「ウルトラ兄弟VS.14大怪獣」の文字が。そう,これがタイトルにある史上最大の侵略戦のようです。たしかに14体の怪獣や星人が一気に侵略してきたら史上最大クラスではありますが,なぜ14……? 微妙に中途半端な数字ですが,そこの深追いはやめておきましょう。
そんな14大怪獣のラインナップは,エレキング,バルタン星人,ベムラー,レッドキング,メフィラス星人,キングジョー,ギエロン星獣,バキシム,ベロクロン,ナース,ヒッポリト星人,ライブキング,アストロモンス,テンペラー星人となっています。
前半は有名どころが顔を揃えていますが,後半はかなり地味な……。特にライブキングは筆者もあまり存じあげない怪獣だったので,調べてみたところ,出身地が多摩川河川敷!? なんと筆者が店を営む京王多摩川のド近所,いわば地元怪獣です! こうなると地味とか言ってごめんなさいというか,親近感が湧くというか……。ちょっと応援したくなってきました。
![]() |
ですが,本当に応援しなきゃいけないのは,それを迎え撃つウルトラ兄弟です。そのメンバーは,ウルトラマン,ウルトラセブン,ウルトラマンエース,ウルトラマンタロウの4人。助っ人としてウルトラマンレオとウルトラマンキングも登場します。
ですが,「帰ってきたウルトラマン」ことウルトラマンジャックや,ゲームの発売時点で“最新”のウルトラ兄弟だったはずのウルトラマン80はいません。
ウルトラマンレオで昭和第2期のシリーズが終了し,その後しばらく時間があいて放送されたのがウルトラマン80なので,第2期までのボードゲームだとすれば,80の不在は納得できなくもないのですが,問題はジャックです。
助っ人はレオとジャックでよかったんじゃないか,いっそ13怪獣にして,1体減ったところにジャックを入れてあげれば……。言い出したらキリがないんですが,きっと大人の事情があるのでしょう。そんなツッコミどころ満載の戦いが始まろうとしています。
![]() |
ルールは簡単,怪獣倒してゴールを目指せ!
ゲーム盤を見ると,基地を思わせるデザインのルーレットが目に入りますが,作りや色使いに(同じタカラの)「人生ゲーム」に似た雰囲気を感じます。ルートの配置もなんとなく人生ゲームです。
![]() |
説明書によると,このゲームは
“ウルトラマンゲーム 史上最大の侵略戦は,怪獣をげきたいしながら,先にゴールインすれば勝つゲームです”(原文ママ)
とのことです。超簡潔ですが,さすがに簡潔すぎるので補足すると,プレイヤーは,科学特捜隊やウルトラ警備隊といったウルトラ隊員のメンバーとなり,すごろくのようにルートを進んでいきます。
道中で「装備カード」「必殺技カード」を集め,怪獣と対面したら,ウルトラ兄弟に変身し,それぞれが持っている技を駆使して倒します。それを繰り返してルートを進み,いち早くゴールしたプレイヤーが勝者となります。
ということで,それを踏まえてプレイの準備へ。まずはルート上にある12か所の「怪獣ゾーン」と呼ばれるマスに怪獣コマをランダムで配置します。怪獣コマは全部で14体なので,余った2体は怪獣カードとともにゲーム盤の横にて待機します。
あとは各プレイヤーが好きな色の隊員コマを選んでスタート位置にセットし,最後に同色の「ダメージピン」を6本ずつプレイヤーに配り終えたら準備完了です。
![]() |
プレイヤーがどのウルトラ兄弟になるかは
スタート後に決定,しかも早いもの勝ち!
じゃんけんで順番を決めたら,いよいよゲーム開始。まずはルーレットのまわりに配置された「装備・必殺技コース」を進みますが,ここではすべてのプレイヤーが毎回1マスずつ進むルールになっています。
![]() |
そしてその1マス目が「スタート緊急発進」で,ここでルーレットを回して1,3,5が出たら,自分が好きなウルトラ兄弟の「変身カード」「ウルトラカード」,そして変身後のウルトラ兄弟のコマがもらえます。つまりスタート時点では,どのウルトラ兄弟に変身するかが決まっていないわけです。ゲーム開始前にウルトラ兄弟の取り合いで揉めることがない,なかなかよくできたシステムではないでしょうか。
ちなみに1,3,5が出なければ,次の手番で再挑戦。このマスに限り,変身するウルトラ兄弟が決定するまで先に進めません。
![]() |
自分のウルトラ兄弟が決まったら,装備確認コーナーのマスで1,3,5が出れば「装備カード」,必殺技特訓コーナーのマスで2,4が出れば「必殺技カード」をゲットできます。
ここでは,カードが取れても取れなくても1マスずつ進んでいき,「出動!!」のマスまできたら「装備・必殺技コース」は終了。ここからは「対決コース」に突入し,怪獣と戦っていくことになります。
![]() |
いよいよ本番“対決コース”
道中でキングとレオを仲間につけろ!
「対決コース」からは,ルーレットの数字どおりに隊員コマを進めていきます。なお,ルーレットの最小値は1,最大値は6となっており,1と6がそれぞれ1個,2〜5がそれぞれ2個ずつ割り振られています。そして人生ゲームと同じように,止まったマスには何かしら指示が書かれているので,それに従います。
マスに書かれた指示としては,装備カードや必殺技カードをもらう,または失う類のものが多めです。そして,3枚用意されている装備カードをすべて持っていると7マス進めるといった,ゴール到達が目的となるこのゲームではかなり有利になるマスもあります。
さらにプレイヤーをサポートしてくれるマスとして「ウルトラマン●●,ウルトラマン●●のもとへ」というのがあります。このマスに止まると,ウルトラマンキングまたはレオのコマがプレイヤーのもとへやってきて,怪獣との対決の際に,キングなら10ポイントプラス,レオなら5ポイントプラスされ,戦いが有利に。
そして「緊急指令」は,いわゆるアクシデントカード的なものを引くマスです,これについてはカードの種類も多いので,後ほど紹介します。
いよいよ怪獣との対決!
変身して制限時間内に怪獣を倒せ!
さて,そんなマス目がひしめくルートを進んでいくと現れるのが,怪獣が立ちふさがる「対決ゾーン」。このゾーンは4マスで構成されていて,その最初のマス「変身コーナー」に来たら,ルーレットの目が余っていても必ずこのマスで止まります。そして2マス目で立ちふさがる怪獣と対決が始まります。
戦うにあたり,まずはウルトラ兄弟に変身。自分の変身カードを確認し,そこに書かれた数字をルーレットで出せれば変身成功。隊員コマからウルトラ兄弟コマにチェンジし,対決開始です。そして指定の数字が出なければ失敗となり,次の手番で再挑戦となります。
![]() |
変身後の対決では,ほかのプレイヤーに怪獣を担当してもらいます。まずプレイヤーは自分のウルトラカードの裏面にある攻撃表を準備。怪獣担当のプレイヤーは同様に対戦する怪獣カードの裏面にある攻撃表を準備。そして制限時間を計る「ウルトラタイマー」を0秒にセットします。
![]() |
準備が整ったら,プレイヤーであるウルトラ兄弟側からルーレットを回し,その出た数字に対応する攻撃技およびポイントを確認。つづいて怪獣担当もルーレットを回し,同様に攻撃技およびポイントを確認します。
ウルトラ兄弟側のポイントが怪獣のポイントを上回れば攻勢をかけたこととなり,ウルトラ兄弟コマが1マス前進,怪獣コマが1マス後退します。逆に怪獣側が上回れば,怪獣はその場に踏みとどまり,攻撃表に書かれた今回の攻撃技の経過時間(秒数)だけ,ウルトラタイマーを進めます。同点のときは引き分けでそのままです。
対決時,ウルトラマンキングやレオのコマが手元にある場合は,キングなら+10,レオなら+5のポイント加算があるので,忘れずに。
これを数回繰り返し,ウルトラタイマーが1周するまで(3分以内)に,怪獣コマを対決ゾーンから押し出せればウルトラ兄弟の勝利。できなければ怪獣の勝利となり,最初に配ったダメージピンをひとつ失います。さらに変身マスから5マス戻され,隊員コマに戻したうえでプレイ再開となります。
そして,対決時には必殺技を使えます。手元に必殺技カードがあれば,ウルトラタイマーが2分を過ぎた赤いゾーンに突入した際に使用でき,カードに書かれた数字をルーレットで出せば,いくら劣勢だったとしても一気に逆転。怪獣を対決ゾーンの外へ押し出せます。
ピンチからの一発逆転という,これぞウルトラ兄弟らしい勝利といえるでしょう。しかし,指定の数字が出なければ怪獣側の攻撃が成功したことになり,ルーレットで出た数字に対応する攻撃の秒数が経過します。なお,それでもまだ3分経っていなければ,再度必殺技を放てるので,最後まであきらめずに戦いましょう。
![]() |
そんな怪獣バトルを繰り返してルートを進んでいきますが,道中にはいくつもの分岐があり,その都度「ルーレットで奇数が出れば右,偶数が出れば左」といった振り分けがあるため,プレイヤーによって遭遇する怪獣はさまざまです。
なお,怪獣は何度倒しても,新たなプレイヤーが怪獣ゾーンに侵入すれば何事もなかったかのように復活する,たちの悪い仕様です。
さらにプレイヤーを困惑させるのが「緊急指令カードを引く」マス。ということで,最後に緊急指令カードについても紹介しておきましょう。
![]() |
まず「シュワッチ!!」。これはウルトラマンが飛び去る際の掛け声ですが,このカードを引いて,怪獣ゾーンに入ったときに出せば,戦わずして怪獣を飛び越え,3マス先の「ウルトラ兄弟の勝ち」マスに移動できます。いわゆるバトルを不戦勝にできるラッキーカードです。
ラッキーなカードがあれば,当然アンラッキーなカードもあって,「怪獣出現」や「隊長がアブナイ!」といったカードを引くと,先ほどゲーム盤に並べなかった2体の怪獣のどちらかと戦うことになります。
条件を満たして勝てば問題ありませんが,「怪獣出現」で負けると次の手番で再挑戦,勝つまで進めない恐ろしい無限ループとなります。一方,「隊長がアブナイ!」では,負けても先に進めるのですが,ダメージピンを1本失うという,どちらかといえば再挑戦より痛いペナルティがあります。
というのもこのダメージピン,最初に6本持ってスタートしますが,道中で敗北を重ね,すべて失ってしまったら,再び6本持ってスタートからやり直し,という鬼のようなルールが設定されているのです。
![]() |
ほかにも装備カードが補給できるカードや,ウルトラマンキングやレオが立ち去るカードなどがあり,いい塩梅で緊急指令カードに翻弄されますが,そんなチャンスもピンチもすべて乗り越えるのがウルトラ兄弟。戦いの末に待っている,栄光のゴールに1着で飛び込みましょう。
といった感じの「ウルトラマンゲーム 史上最大の侵略戦」は,進行にもバトルにもルーレットが絡む,かなり運の要素が強いゲームとなっています。
ただ,バトルのラスト1分でどの必殺技を出すかはプレイヤーの判断ですし,見事に指定の数字を出せたときの爽快感はかなりのものです。筆者としては,たまにはこういう運ゲーもありかなと思っています。
なお今回の「ウルトラマンゲーム 史上最大の侵略戦」も,筆者が経営している「Book CAFE ヨミヤスミ」のイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」にてプレイできますので,よかったらご参加ください。
![]() |
■■Book CAFE ヨミヤスミ■■
京王線の京王多摩川駅から徒歩6分ほどの場所にあるブックカフェ。1980〜90年代の本や雑誌,漫画に加えて,パソコン雑誌やゲームブックなども揃っています。
毎週末開催されるイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」では,本連載で紹介したものをはじめとしたレトロボードゲームをプレイできますので,下記のイベントサイトでお申し込みのうえ,ぜひご来店ください。
公式サイト:https://sites.google.com/view/yomiyasumi
公式イベントサイト:https://sites.google.com/view/yomiyasumi-8jidayo
公式X:https://x.com/yomiyasumi































