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ペーパークラフトのジオラマ世界で展開するマレーシア生まれのホラーゲーム。「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」試遊レポ[TGS2024]
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印刷2024/09/29 21:16

プレイレポート

ペーパークラフトのジオラマ世界で展開するマレーシア生まれのホラーゲーム。「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」試遊レポ[TGS2024]

画像集 No.001のサムネイル画像 / ペーパークラフトのジオラマ世界で展開するマレーシア生まれのホラーゲーム。「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」試遊レポ[TGS2024]

 ホラーゲームは,インディーゲームにおける巨大ジャンルの1つだ。国内だけを見ても,RPG Makerを用いたホラーゲームの傑作は枚挙にいとまがないし,近年では「8番出口」が世界的な影響を及ぼすまでに至った。同作のような一人称視点のホラーゲームは傑作がいくつも存在するし,ジャンルを“ホラーテイスト”まで広げれば,さらに多くの作品があるだろう。

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 マレーシアのCellar Vault Gamesが制作する「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch)もインディー系ホラーゲームのひとつで,2024年9月5日にリリースされている。

 だが本作は,普通のホラーゲームとはちょっと違ったテイストを有している。いったいどんなゲームなのか,東京ゲームショウ2024のインディーゲームコーナーに出展されていたので,ざっくりとレポートしよう。


複数言語が飛び交うマレーシアにようこそ


 本作最大の特徴となるのは,ペーパークラフトで作られたジオラマのようなグラフィックスだろう。ゲーム世界は3Dで表現されているが,キャラクターから背景までゲーム内のすべてのオブジェクトは紙のような板ポリゴンで描かれている。
 ゲームジャンルとしてはアクション・アドベンチャーに属するもので,プレイヤーは主人公を操ってさまざまな怪異に遭遇し,問題を解決していく。

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 プレイを始めると,まず独特のアートスタイルに目を奪われるが,話を進めていくと世界観やテキストが丁寧に,そしてしっかりと描かれていることに気が付く。
 物語の舞台は「今から少し昔のマレーシア」で,日本人の目から見てもどことなくノスタルジーを感じる世界だ。力強い経済発展と猥雑感を同時に感じられる町並みは,昭和を知るプレイヤーにとっては懐かしさのど真ん中ではないだろうか。

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とにかくゲーム内の雰囲気が良い

 なおマレーシアは,公用語となるマレー語のほかに英語と中国語を使用する人が多い。そしてこれは,ゲームテキストに直接反映されている。
 主人公である6歳の少女ティンの家では,主に英語と中国語が使われているため,ほかのキャラクターからマレー語で話しかけられると「カタカナ表記されたマレー語」でテキストが表示されるのだ。これ以外にも,ゲーム中では英語・中国語・マレー語が入り交じる会話があちこちで飛び交うこととなる。

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 とはいえ,テキストを読んでもわけがわからなくなるといった事態には陥らない。翻訳が丁寧に行われており,日本人にとって汲み取りにくいニュアンスやわかりにくい単語は,随時注釈が付与されているからだ。
 複数の言語が入り混じったテキストはとても趣深く,プレイヤーを一気に「あの時代のマレーシア」へと引き込んでいく。

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活発な少女ティンの大冒険


 もうひとつ興味深いのは,3D画面の現代的なゲームでありながら,カメラを動かすことができないという点だ。ペーパークラフトで表現された世界にとって,フリーカメラはフィットしないからであろう。
 だがプレイしてみると,「カメラが自由に動かせない」という不満を抱くことは少ない。レベルデザインが丁寧であるし,カメラが自動で追従するため,カメラを回せなくてもゲームの進行に支障をきたさないのだ。

 また,主人公の移動速度がかなり早めに設定されているのも素晴らしい。ホラーゲームは主人公の移動速度が遅めなゲームが多いが,本作の主人公は大変にキビキビと歩いてくれる。これは主人公が幼い少女という設定とマッチしており,移動させているだけでも活発な少女であることが感じられる。

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主人公の移動に従い,カメラは自動で角度を変える

 ホラーゲームとして見た場合も、本作はなかなか興味深い設定を有している。
 主人公ティンは幽霊が見えるという不思議な体質で,幼い頃に出会った幽霊シウはティンの親友だ。そのため,彼女にとって幽霊が必ずしも恐ろしいだけの存在ではない。
 しかしながら幽霊が見えない大人たちにとってみると,ティンはイマジナリーフレンドと会話し続ける,ちょっと変わった子供に見える。この小さなへだたりは,やがて決定的なすれ違いにもなりかねない。

 本作にあえて1つだけひっかかりを感じた点を挙げるとすれば,物語がとても丁寧に作られているがゆえに,本当に「怪異」と呼べるものに遭遇するまで結構なプレイ時間が必要になる,ということだろうか。
 ティンの親友となる幽霊シウとは非常に早い段階で出会うのだが,シウはとてもフレンドリーな幽霊なため,ぶっちゃけるとまったく怖くないし,なんなら怪異と認識できない。
 このあたりは趣味が分かれる部分だが,「とにかくテンポよく怖い体験がしたい」というプレイヤー向けのゲームとは言い難いのである。

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出会ったときは困り顔をしていた幽霊シウだが,ティンと仲良くなった結果ニッコニコの良い笑顔を見せるようになる

 とはいえ,物語を主体としたゲームでこの手の好みの差が出るのは仕方のないことだ。一風変わったホラーゲームを探しているゲーマーにも,あるいはマレーシアならではのゲームを遊んでみたいゲーマーにも,「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」を積極的にオススメしたい。


「Paper Ghost Stories: Third Eye Open」公式サイト

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