プレイレポート
[プレイレポ]「FINAL FANTASY VII REBIRTH」グラスランドエリアを探索。広大なフィールドにはミッションやミニゲームが盛りだくさん
リメイク第1作「FINAL FANTASY VII REMAKE」(PS4 / PS5 / PC)にて,魔晄都市ミッドガルを脱出したクラウドたちの冒険は,FFVIIリバースにて広大な世界へとその舞台を広げる。2023年9月の試遊(関連記事)でのジュノンエリアの探索に続いて実施された今回のメディア向け試遊では,CHAPTRE2のグラスランドエリアを4時間以上にわたってプレイできた。同エリアの探索やバトル,前回の試遊では触れられなかった新要素について紹介しよう。
「FINAL FANTASY VII REBIRTH」公式サイト
[インタビュー]「FINAL FANTASY VII REBIRTH」はどのような思いで“広大な世界での冒険”を描いたのか。開発のキーマン3名に話を聞いた
発売まで1か月を切ったスクウェア・エニックスの新作「FINAL FANTASY VII REBIRTH」について,開発のキーパーソン3名に話を聞いた。クラウドたちの広大な世界での冒険を描くFFVIIリメイク第2弾は,どのような思いで作り上げられたのか。
ワールドマップを探索し,情報を収集・解析して「ワールドレポート」を埋めていく
FFVIIの世界により深く触れられるのが,新要素の「ワールドレポート」だ。これは,リメイク第1作から引き続き登場するチャドリーの調査依頼をこなし,各エリアの情報を集めるというもの。依頼内容は,モンスター討伐や旧共和国の通信塔の再起動,特定のスポットの調査,正体不明の物質の回収などさまざまあり,なにに挑むか,どの程度協力するかはプレイヤー次第だ。
新種のマテリアの追加や「バトルシミュレーター」のアップデートによる新たな「バトルコース」の開放など,調査協力によって得られる冒険やバトルへの恩恵もたくさんある。
なにより,さまざまな調査ミッションをこなすことでワールドマップの各エリアの情報精度が高まり,それによって冒険の目的が広がっていく感覚は本作ならではだ。FFVIIの世界をより深く触れられるだけではなく,攻略に有利となる機能も開放されるワールドレポートの各ミッションは,メインストーリーに並ぶ本作のメインコンテンツとなるだろう。
今回の試遊では,「ライフスポット」「召喚獣の祠」「討伐拠点」「モーグリハウス」といったワールドレポートの調査ミッションを確認できた。
ライフスポットは,その土地に流れるライフストリームを解析することで「エリアレポート」を得られる場所だ。このライフスポットの解析を進めることにより,対象のエリアのさらなる調査対象が開放される。
召喚獣の祠は,召喚獣の知識が結晶化したクリスタルがある場所で,解析することにより召喚マテリアを強化できる。道中に生成された「誘導石」を壊したときに放出される光が,召喚獣の祠の場所へと誘ってくれる。
討伐拠点は,珍しいモンスターの棲息地にて,特定の条件を満たしてバトルを勝利するというミッションだ。勝利するとデータの解析が進み,バトルシミュレーターに新たなコースが追加されていく。
モーグリハウスでは,不思議な生き物・モーグリたちの暮らしをのぞき見できるほか,ミニゲーム「モーグリ・コープ」をプレイできる。モーグリの子どもたちのいたずら攻撃を避けながら,彼らをうまくモーグリハウスに追い込むか,捕まえて連れ戻していくというルールで,子どもたち全員をモーグリハウスに連れ戻すとクリア,いたずら攻撃に3回当たると失敗になる。やんちゃな子たちとの遊びは,モーグリ好きにはたまらないものがあるはず。
FFシリーズおなじみのキャラクターであるモーグリたちが暮らすモーグリハウス |
魔法を放ったりバナナの皮を投げたりと,いろいろないたずら攻撃を仕掛けてくるモーグリの子どもたち。厄介だが,しかしかわいい…… |
いたずら攻撃を回避しながら子どもたちを追いかけ,モーグリハウスに帰してあげよう |
モーグリと同じく,FFシリーズの定番キャラクターとしておなじみなのがチョコボだ。そんなチョコボが,広大なエリアを探索するうえで重要な仲間となることは,前回のジュノンエリアのレポートでも伝えたとおり。今回の試遊では,チョコボに関するさまざまなコンテンツに触れることができた。
まず,メインストーリーを進めていくと,チョコボファームから逃げ出したチョコボを捕獲するイベントが発生した。はぐれたチョコボ・ピコを捕まえるため,草むらに隠れたり,チョコストーンを投げて注意を逸らしたりしてほかチョコボたちの視線を避けながらピコに近づくというミニゲームに挑戦することに。草むらに身体をひそめて近づき,なかなか用心深いチョコボたちの視線をかいくぐりながら近づきピコの捕獲に成功。ともに旅をするチョコボが仲間になった。
チョコボストップという“バス停のチョコボ版”のようなスポットでは,倒れた看板を修復することでファストトラベルのポイントとして開放される。街などの特定の拠点に加えて,チョコボストップをファストトラベルのポイントにすることで,よりスムーズに探索を進められそうだ。チョコボと気ままにフィールドを歩き回りつつ,決まった目的地があるときはファストトラベルを活用するといったように,メインストーリーと探索のどちらを進めるときでも重宝するだろう。
ほかにも,貴重なアイテムを探す「チョコボでお宝探し」や「チョコボで発掘スポット」,タイムアタックレースの「ダッシュ・デ・チョコボ」などがあり,チョコボ関連のコンテンツは充実しているようだった。なお,チョコボとの発掘やチョコボスポットの修復は,ワールドレポートのミッションに含まれている。チョコボとの旅を楽しみつつそれらも進めていくといいだろう。
「チョコボでお宝探し」や「チョコボで発掘スポット」では,チョコボの嗅覚を頼りに穴掘りウサギが埋めたアイテムや貴重なクラフトチップを探し出せる |
タイムアタックレース「ダッシュ・デ・チョコボ」。広大なフィールドを使ったチョコボ関連のコンテンツも盛りだくさん |
このように,さまざまなミッションや達成要素が用意されているFFVIIリバースは,バトルや探索だけではなくミニゲームも充実している。ミニゲーム自体はオリジナル版でも多かったが,本作ではさらに多くの遊びが用意されているとのことだ。
今回の試遊でプレイできたなかでは,「クイーンズ・ブラッド」の作り込みが印象的だった。盤面に交互にカードを置き,横一列の「レーン」ごとに蓄積したパワーを競い合って勝敗を決めるという戦略思考型カードゲームで,最初にルールやカードの特性を覚えるのが大変だが,それらを理解できたとき,冒険を忘れて“いちカードバウター”として街の強者たちとの戦いに明け暮れてしまいそうだ。
仲間の「好感度」や「スキルブック」による強化,「アイテムクラフト」が登場
今回体験できた要素のひとつが,クラウドに対する仲間たちの「好感度」。これは,ゲーム中のクラウドの行動や会話の選択によって仲間たちの好感度が変化し,その変化がメインストーリーに影響を与えるというものだ。好感度が高まった仲間とは,ゲーム進行中に特別なイベントが発生する。オリジナル版をプレイした経験のある人なら,ゴールドソーサーのゴンドライベントを思い起こすことだろう。
そして新要素の「UPGRADE SKILL BOOKS」は,各地の魔導書店にて「スキルブック」を読み解くことにより,仲間の能力強化を図る機能だ。スキルブックを開くと,仲間ごとに「スキルツリー」が記されているので,SP(スキルポイント)を割り振って「スキルコア」を開放していく。SPはバトルのほか,「剣技指南書」などの「スキルブックアイテム」を入手することで獲得できる。
スキルコアを開放すると,仲間のパラメータが上昇し,新たなアビリティや仲間と協力して発動させる「連携アビリティ」や「連携アクション」などを習得できる。「パーティレベル」を上げれば,スキルブック自体のレベルが上がって新たなスキルコアが追加され,さらに仲間との連携を強化することが可能だ。パーティレベルは,一緒に大きな困難を乗り越えたり,困っている人々の依頼を解決したりして,仲間達との絆を深めることによって上がっていく。
スキルコアを開放すると,隣り合うスキルコアが開放可能になる。なお,スキルコアはいつでもリセット可能で,消費したSPもすべて戻ってくるので自由に振り直しできる |
魔導書店出張所(クラウドの右側にある機械)でもスキルコアを開放できる |
FFVIIリバースのバトルで重要な要素となっているのが仲間との共闘。ともに戦った仲間との信頼や絆がストーリー本編の展開上でも重要となるのは,オリジナル版のプレイヤーかつFFVIIリバースが“「忘らるる都」でのイベントが終わるまで”を描くことを知っている人であれば,「なるほど」と納得がいくはず。そのメインストーリーを追ううえでも,ゲームシステムがとても効果的に機能していることが感じられた。
また細かいところだと,パーティ編成を最大3つまで用意し,それを切り替えながらゲームを進められるところはけっこうありがたかった。
実際に本作をプレイして好感触だったのが,オープンワールドスタイルのワールドマップを思うままに探索することにより,「FFVII」の世界観やさまざまな設定,それらに基づく情報が次々に開示されていくところだ。オリジナル版の「FFVII」は,伏線が張り巡らされたストーリーや個性的なキャラクターが織りなすドラマが最大の魅力だが,今回あらためて本作のワールドマップを自分自身で探索し,膨大な情報に触れることにより,“この緻密に作られた世界や設定があってこそ,「FFVII」の重厚な物語が生まれたのだ”と再認識できた。
今回は探索がメインで,ストーリーに関しては深く触れることはできなかったためあまり言及できないが,イベントシーンや会話の場面で,キャラクターたちが言葉ではなく,そのときどきの感情をちょっとした表情や仕草でも的確に表現しているところが印象的だった。とくにティファやエアリス,そしてセフィロスの3人は,ストーリーの展開上という理由もあれども,リメイク第1作よりも確実に魅力を増しているように感じた。
2023年9月のインタビューでも語られているとおり(関連記事),本作では「忘らるる都」でのイベントまでの物語が描かれる。物語の構成や巡ることになるロケーションの順番がオリジナル版とは異なるということで,どのような形で世界を周り,そして「FFVII」の大きな展開となる忘らるる都の出来事に向かっていくのか。それらがどう描かれるのかが楽しみだ。
さて,リメイクの2作目と聞くと,「話が途中からだと,リメイク第1作かオリジナル版をプレイしていないと楽しめないのでは……」と思う人もいるかもしれない。しかしそこは安心してほしい。リメイク第1作は言わば「FFVII」の壮大なプロローグといった作品で,本編はこのFFVIIリバースのスタート地点から始まると言っても過言ではない。クラウドたちが広大な世界へと旅立つ“ちょうどいい区切り”となっているので,今から「FFVII」を始めようという人にもオススメできる。
本作にはリメイク第1作のあらすじが収録されており,それを見てゲームを始めても十分に楽しめるだろう。FFVIIリバースを楽しんでからリメイク1作目をプレイし,自身の目であらためて始まりの物語を体験するのもありだ。ともあれ,本作からリメイクプロジェクトに触れても,「FFVII」の世界をしっかりと楽しめる環境が整っていることは伝えておきたい。
発売日が近づき,さらに注目度が高まるFFVIIリバース。オリジナル版をプレイした人も,リメイクプロジェクトで初めてFFVIIに触れた人も,ぜひ本作でクラウドたちの物語の続きを追ってほしい。
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