2024年3月29日,天空は,AYANEOが開発する携帯型ゲームPC「
AYANEO Flip」シリーズを5月下旬に発売すると発表した。本体に2つのディスプレイ備えた「
AYANEO Flip DS」と,ゲームパッドと物理キーボードを搭載した「
AYANEO Flip KB」をラインナップしており,税込の販売代理店想定売価は,順に
18万6780円,
17万9300円となっている。なお,先行予約価格として,AYANEO Flip DSを
16万9800円,AYANEO Flip KBを
16万3000円で購入できるキャンペーンも実施するという。
AYANEO Flip DS(左)とAYANEO Flip KB(右)
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AYANEO Flipシリーズは,いずれも7インチサイズで,ディスプレイに解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート120HzのIPS型液晶ディスプレイを搭載したPCだ。公称本体サイズと公称本体重量はどちらも同じで,180(W)×102(D)×29.8(H)mmの約650gとなっている。
7インチサイズのディスプレイを搭載する
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まずは,一般的なクラムシェル型PCに近いAYANEO Flip KBから紹介しよう。AYANEO Flip KBに搭載する物理キーボードは,10キーレスの英語配列で,ファンクションキーも搭載しているのがポイントだ。筐体の横幅が小さいこともあり,キートップは小さめだが,両手の親指で押下する分には,極端な打ちにくさは感じない。
AYANEO Flip KB
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AYANEO Flip KBのキーボード。キートップは少し縦長だ
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キーボードの左右に備えるゲームパッドは,既存のAYANEO製品と変わらず,左奥に左アナログスティック,右手前に右アナログスティックを備えたXbox風レイアウトだ。ただし,既存製品と比べて,各キーのサイズは小さめでストロークも浅めなので,押下感は異なる。アナログスティックの軸も少し短めという印象だ。
ボタン類は,既存製品と比べて薄めでストロークが浅い
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電源ボタン(左)と光学式タッチセンサー(右)
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キーボードの上側左端には,音量調整ボタンとメニューボタンが,右側には指紋センサー内蔵の電源ボタンに加えて,マウスポインターを操作できる光学式のタッチセンサーを備えている。
一方のAYANEO Flip DSは,既存の携帯型ゲームPCにはないサブディスプレイという大きな特徴を備えた製品だ。このサブディスプレイは,3.5インチサイズで,解像度960×640ドットのIPS液晶パネルを採用しており,主にAYANEO独自の統合設定ソフトウェア「AYA SPACE 2.0」の画面を表示する。
AYANEO Flip DS
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AYANEO Flip DSには,3.5インチサイズのサブディスプレイを搭載する
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ただし,Windowsのディスプレイ設定を見ると,単純なデュアルディスプレイとして認識されており,Webブラウザやゲームなどのアプリケーションも表示も可能となっている。たとえば,ゲームのプレイ中にWebブラウザで攻略サイトや動画を見たり,別のゲームもプレイしたりすることもできるのだ。とはいえ,サブディスプレイの解像度は,960×640ドットなので,文字主体のWebページやSNSは,見にくいかもしれない。
ディスプレイ設定を確認すると,デュアルディスプレイとして認識されている
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メインディスプレイとサブディスプレイで,それぞれ異なるゲームを表示できる
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サブディスプレイを使わないときは,画面を消灯してバッテリー消費を抑えられるとのこと。また,AYANEO Flip DSから外部ディスプレイへの画面出力も可能で,その場合は3画面出力になるそうだ。
左から音量調整ボタン,メニューボタン,Dual-Screen Keys
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ゲームパッド部分やキーボード以外のボタンは,AYANEO Flip KBとほぼ共通だが,AYANEO Flip DSには,メニューボタンの右隣にサブディスプレイ側にAYA SPACE 2.0を表示したり,画面を消灯したりする[Dual-Screen Keys]というボタンを備える。
AYANEO Flip KBとAYANEO Flip DSの搭載CPUは,携帯型ゲームPCでは採用例ではごく一般的な「Ryzen 7 7840U」で,天空によると同CPUを搭載したほかの製品と比べて,遜色ない性能を有するという。メインメモリ容量は32GB,内蔵ストレージ容量は2TBだ。
なお,より新しい世代の「Ryzen 7 8840U」を搭載したモデルも用意しており,こちらの販売予定については改めて発表するという。
AYANEO Flipシリーズでは,筐体に厚みがあるため,通常の冷却ファンに加えて,これまでは採用できなかった大型のベイパーチャンバーを,冷却機構に採用できたという。動作音も静かで,筐体に触れていても熱さは感じなかった。CPUのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は最大28Wまで設定できる。
冷却機構として,ベイパーチャンバーを採用する
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そのほかにもAYANEO Flip KBとAYANEO Flip DS共通の要素としては,インタフェース類が挙げられる。上側面にUSB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-C,Oculink,microSDカードスロットが並ぶ。下側面には,3.5mmミニピンヘッドセット端子を搭載する。
上側面。中央付近にmicroSDカードスロットがあり,排気孔の上にUSB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-C,Oculinkが並ぶ
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下側面の左側に3.5mmミニピンヘッドセット端子を搭載する
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Oculinkは,外付けGPUボックスの接続に使われることが多い。ただ,AYANEOの製品ライナップにはない。現時点では,他社製品の利用を想定しているが,AYANEOによると「現在,外付けGPUボックスを開発中」とのことだ。こちらについては続報を待ちたい。