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「VALORANT 2021 CHAMPIONS TOUR」が2021年2月19日よりスタート。それに先駆けて行われたオンライン説明会の模様をレポート
登壇したライアットゲームズCEO 小宮山真司氏によると,同社では「VALORANT」を10年,20年と長きにわたって世代を超え,かつグローバルに展開するeスポーツタイトルにするべく取り組んでいるという。その指針となるのは「健全な競技性の確保」および「プレイヤーと真摯に向き合うこと」,プロのみならずアマチュアも参加できるような「開かれた競技シーン」,そしてプロプレイヤーやプロチームがきちんとマネタイズできる「エコシステムの構築」の4つである。
既報のとおり「VALORANT」では,年間を通じた公式大会「VALORANT 2021 CHAMPIONS TOUR」がグローバルで開催される。まず世界の各地域で1次予選にあたる「VALORANT CHALLENGERS」が開催され,数多くのチームが2次予選の国際戦「VALORANT MASTERS」への進出を目指してしのぎを削ることとなる。そしてMASTERSを勝ち抜くなどの条件を満たしたチームが,国や地域の代表として12月開催予定の「VALORANT CHAMPIONS」にて世界の頂点を懸けて腕を競うわけである。
なお日本からエントリーするチームの場合,CHAMPIONS進出条件は3タイプあり,1つはMASTERS 1〜3を通じて獲得したポイントのランキングで日本1位になること。2つめは,MASTERS 3で優勝すること。そして3つめは,アジア太平洋地域の最終予選で優勝することだ。
3つのうち,いずれか1つの条件を満たせば良いので,日本からは最少でも1チーム,最大で3チームがCHAMPIONSに進出する可能性がある。
続いてCyberZ 取締役 eスポーツ事業管轄 RAGE総合プロデューサー 大友真吾氏が登壇し,eスポーツイベントブランド「RAGE」がVALORANT CHALLENGERS JAPANに取り組む狙いを紹介した。それによると今回の大会では,世界に通用するスター選手やスターチームを日本から輩出するという目標があるとのこと。さらに「VALORANT」をプレイする日本のチームには世界と互角に戦えるポテンシャルがあるとし,「世界を驚かす」をテーマに,日本で開催される大会であっても世界から注目されるものにしたいと意気込みを見せていた。
今回の大会では,「VALORANT」のAPIをうまく活用した配信の演出にこだわるという。具体的には,まずプレイ開始前のマップ選択などの情報をデザイン化し,リアルタイムかつシームレスに視聴者に伝わるようにする。
また試合のスコアもリアルタイムに集計し,視聴者がより観戦に集中できるよう分かりやすく表示。さらに試合の幕間にもコンテンツを用意し,視聴者を飽きさせないようにする。
加えてテレビ朝日で放映している番組「ReAL eSports News」を通じて,参加選手およびチームを応援していく。
また,RAGEのサブスクリプションコンテンツを3月より提供する予定とのこと。このコンテンツは大会の本配信を軸に周辺コンテンツを制作し,さらに大会を盛り上げるというもので,VALORANT CHALLENGERS JAPANも対象となる予定だ。
なお今回の大会は,コロナ禍の影響により当面オンラインでの開催となるが,状況次第でオフライン会場での実施も検討するとのこと。
プレゼン終了後には,質疑応答が行われた。話題はビジネス面などにもおよんだが,本稿ではその中から主にゲーム本編や大会自体にまつわる部分を抜粋して掲載する。
「大会の模様はどのような形でテレビ放映されるのか」という質問には,「ReAL eSports News」を通じて,単なる試合結果の報告ではなく,選手やチームにフィーチャーした形で伝えることを考えているとの回答が行われた。
また「参加チームへの金銭的な支援はあるのか」という質問には,現時点では賞金の提供のみを考えていると答えた。
「『VALORANT』の競技シーンを盛り上げるための今後の施策は」という質問には,1月のエージェント「ヨル」(YORU)実装時に行ったプロモーションのように,日本に根付いた施策を行っていくとした。
関連して,話題がPC以外のプラットフォーム展開におよぶと,現時点での予定はないとの回答が。これは記事の冒頭で記したとおり「VALORANT」を長期にわたって,かつグローバルなeスポーツタイトルとして提供するにあたり,PCがもっとも適したプラットフォームだと捉えていることが理由だ。ただ「PC版しか作らない」ということではなく,広くプレイしてもらえる環境を作っていくことも,今後のミッションになっているとのことである。
「VALORANT」公式サイト
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