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印刷2019/09/05 00:00

プレイレポート

“横スクロール型ローグライクRPG”「ヴァンブレイス:コールドソウル」プレイレポート。外界と遮断された極寒の世界を舞台に描かれる重厚なファンタジー

 2019年8月29日,コーラス・ワールドワイドはローグライクRPG「ヴァンブレイス:コールドソウル」PS4 / Xbox One / Nintendo Switch版を発売した。

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 本作は5月にSteam版が配信開始となっていたが,ローカライズされていなかったため,「面白そうだけど,英語か……」と,指をくわえて見ている状態だった人も多いのではないだろうか。今回のコンシューマ機版発売に合わせてSteam版もローカライズされるらしい(関連記事)ので,コンシューマ機版を楽しみにしていた人と,Steam版をウィッシュリストに入れていた人の両方に向けて,プレイレポートをお送りしたい。


サイドビューで展開する,ローグライク要素を持ったダンジョンRPG


 舞台となるアイセネアは,“幻影王”と呼ばれる者がかけた呪いにより,周囲を氷壁で囲まれた都市だ。この氷壁に触れた人間は即死してしまうため,中から外に出ることも,外から中に入ることもできず,外界と遮断されている。アイセネア内で生き残った人々は,地下に作られた街・デイルアーチを拠点に,氷漬けとなった都市内に残る物資を漁る生活をしていた。

 そんな,外からは入れないはずのアイセネアに外界から侵入してきたのが,プレイヤーキャラクターとなる「イヴェリア・リリック」という女性だ。亡くなった父に託された腕甲(ヴァンブレイス)には小さな氷壁なら消す力があり,リリックはそれを使うことでアイセネアに入ることができたのだ。

登山用装備とピッケル片手に,たくましく山を登って侵入してきたリリックさん。ちなみに,戦闘でもリリックの武器はピッケル。登山系装備のゲームヒロインという新種の誕生である
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 外からの来訪者ということでデイルアーチの人たちに怪しまれるリリックだったが,ほぼ同時期に,牢につながれていた魔女イザベルが牢を抜け出すという事件が起きる。イザベルは幻影王の腹心の1人であり,デイルアーチの場所を幻影王に知られれば,街の人々全員が危機に晒される。リリックはデイルアーチの人々と協力し,イザベルを追跡することになる……というのが本作のストーリーだ。

序盤,牢越しに話す機会があるイザベル。1年以上も口を聞かなかったとされる彼女は,初対面のリリックに対してよく分からないことを話すが……
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 さて,長々とストーリーを語ったのも,この世界設定がゲームシステムと密接に関わっているからだ。
 ゲームの基本的な流れは,地下のデイルアーチを拠点として,地上の凍りついたアイセネアを探索し,得られた物資を持って帰還する。この繰り返しで物資を溜め,新たなアイテムを作ったり,それを仲間に装備させてパーティを強化したりしていく。

地上は見下ろし型のマップで移動し,枝分かれした道を選んで,次のゾーンに向かう。ゾーン内は横スクロールのサイドビュー画面となる
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サイドビュー画面では木箱や宝箱を発見することがあり,解錠に成功すると物資が得られる。ミニイベントや戦闘が発生することも
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 しかし,極寒の世界という設定上,常に「寒さ」とも戦うことになるため,悠長に探索をしてもいられない。ゾーン内は複数のエリアで区分けされていて,エリア移動ごとに「活力」が失われていき,これが0になると戦闘不能。街へ強制帰還となるのだ。

ゾーン内のマップ。このマップでは,左下から始まり,右下がゴールとなる
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画面下に表示されているパーティメンバーの,赤いゲージが体力,黄色いゲージが活力。体力は戦闘や罠によって減っていく
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 1つのゾーンを踏破して次へ行くには,だいたい5〜6回のエリア移動を行うことになる。ただしこれはスムーズに行けた場合の最短回数であり,道を間違えて同じ場所を行ったり来たりしていると,どんどん活力が失われていく。

 また,エリアの移動は活力が減るだけでなく,「恐怖値」というものが上昇し,これが一定値を越えると,“シェイド”と呼ばれる悪霊のような敵が出現しやすくなる。シェイドは,ほかの敵と比べると強いので,できるだけ恐怖値は抑えて進みたいところだ。

恐怖値は,画面左下の「ガイストメーター」で常にチェックできる。メーターの赤いラインまで達すると,画面に緑色の霧がかかり始め,シェイドとの戦闘が発生しやすい。恐怖値は,ゾーンを1つ抜けるとリセットされる
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 気を付けたいのが,マップ上で見る位置関係と,サイドビュー画面の実際のつながりだ。以下の画像を見てほしい。

中央あたりのエリアにリリックのマークが出ているが,これが現在位置を示している
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 現在位置から上と右に道が伸びているが,エリア内に点線があるのが分かるだろうか。これがサイドビュー画面での進行方向を示していて,つまりマップ上で縦型になっているこのエリアは,サイドビュー画面では90度回して考えなければならない。エリアごとにあるビンの形のようなマークの逆三角形の部分が,サイドビュー画面での上方向を示しているのだ。

画像を回転させてみた。つまり,先に進むには,サイドビュー画面で赤い矢印の方向に進むべき
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これが実際の,そのエリアでのサイドビュー画面。赤い矢印で描き加えてみたが,画面右端から右へ抜ける道とは別に,その手前に,下へ抜ける道もある。マップの回転を意識していないと,サイドビュー画面では右へ進んだのに,マップ上では上に進んでいて「え,なんで!?」と混乱することになる
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 このマップの見方を把握しておかないと,「先へ進みたいのに,なぜか戻ってしまっていた」なんてこともあり,無駄な移動によってシェイドが出現,戦闘で余計な負傷を……ということにもなる。
 これは探索において結構重要な部分だと思うのだが,なぜかチュートリアルでは解説されない。マップのマークにしても,自分で気付く必要がある。

 また,探索できるエリアは地形こそ変化しないが,発生するミニイベントや,敵・宝箱の配置は毎回変わる。プレイヤーの経験がモノをいう点や,訪れる度に変化する何かがある点は,まさにローグライクの真骨頂と言えるだろう。

ミニイベントの種類はさまざまで,テーブルトークRPGを想起させる作り。同じイベントで同じ選択をしても,結果が同じとは限らない
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シンプルだが奥深い戦闘。
しかし,最善は“戦わない”こと!?


 探索が失敗する原因としては,大きく分けると「活力の減少による強制帰還」か「戦闘での全滅」の2つ。物語を進めるには,1回の探索で複数のゾーンを踏破して奥地まで行く必要があり,結構な長期戦となる。つまり,戦闘での負傷具合が重要になってくる。

戦闘画面。左が自分たちのパーティ,右が敵パーティで,最大4対4となる
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 一見すると,RPGのターン制バトルをサイドビューで行っているだけに見えるが,実際のところは,かなりシミュレーションゲーム寄りの作り。というのも,戦闘に勝っても経験値のようなものはなく,仲間たちは成長もしないのだ。つまり,「ザコ戦」と呼べるような余裕ある戦いは一切なく,全力で負傷を抑えて勝つ必要がある。

 画面中央下部にはターンが回ってくる順が表示されているので,どの敵を先に攻撃するかの目安にしていく。
 画面左下のアイコンは,キャラクターのとれる行動を示したもの。なんとなくは分かると思うが,十字キーの左を押すことで「人物情報」が確認可能。これを見れば,各アイコンがどういう行動なのかが分かる。

アイコンの効果をすべて暗記するのは,なかなか大変。人物情報はマメにチェックすることになるだろう
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 各キャラは「妙技」と呼ばれる強力な攻撃を持っており,妙技の発動には,攻撃やガードが成功するごとに溜まる「妙技ゲージ」を消費する。妙技ゲージは,攻撃やガードが成功したりすると,1ずつ増えていく。

チュートリアルを確認すると,「防御」は良いことばかりのように書いてあるが,さりげなく活力が1減ることが画像で示唆されている……
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 RPGでいうところのMPのようなものはないため,戦闘は常に全力で戦ってOKだが,この妙技ゲージだけは戦闘が終わっても維持される。あとちょっとで倒せるというときは,あえて妙技を温存することも考えたほうがいいだろう。無論,そうして倒すのが少し遅れた結果,意外なダメージを食らってしまう可能性もあるが……。

 また,攻撃手段と敵の種類には相性がある。これはメニュー画面から選べるチュートリアルで確認できるが,冒険を有利に進めるためには必須の知識なので,しっかりチェックしておきたい。

それぞれの敵に何かしら効果的な攻撃手段が用意されているが,シェイドには弱点がなく,その分だけ強敵となっている
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 戦闘に勝つと多少のアイテムは手に入るが,成長システムがない以上,戦いは避けられるなら避けたほうがいい。戦闘は逃走も可能で,ターンごとに1人ずつではあるが,確実に逃げられる仕様となっている。危ないと思ったら,積極的に逃走を試みるといいだろう。

 ただし,敵が出現したポイントから逃げても,少し戻るため,同じポイントに進むと敵はまた出現する。ゾーン内のマップは基本的に最短ルートを目指して移動すると思うが,戦いたくない敵を避けるためには,あえて迂回するルートをとるのもひとつの手だ。
 体力も活力も限界で,「このままでは仲間が死んでしまうー!」というときは,潔くデイルアーチへ帰還するといいだろう。次回の探索はまた最初のゾーンからになってしまうが,入手したアイテムを失わずに戻ることができるのは大きなメリットだ。

戦闘中でなければ,メニューからいつでもデイルアーチへ帰還できる。仲間の命とアイテムを守れ!
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 また,戦闘中はR2ボタンを押し続けている間は高速化する。何度もダンジョンに潜り,何度も戦闘を重ねることになるので,この高速化機能を知っているのと知らないのとでは大違いだ。筆者は,この原稿を書き終えようかという頃に気付いた。「こういうことをチュートリアルで教えてくれよ!」と思ってチュートリアルを再確認していたら,下の画面写真にある右の「画像のみ」で,さりげなく示唆されていたことに気付いた。文字で書けー! うわーん!

さりげなさすぎる! 気付くかー!
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冒険は旅立つ前から始まっている!
リーダーとしての資質が問われる,編成の醍醐味


 仲間が持つさまざまな技能と,4人という人数制限。どういう技能を持った者たちをどういう組み合わせにするかで,冒険の成否がほとんど決まると言ってもいい。

 仲間は,デイルアーチの「傭兵掲示板」で募ることができる。それぞれ,冒険に役立つ異なる技能を持っており,編成には頭を悩ませることになるだろう。

掲示板には,雇用可能な者たちが「志願者」という形で掲載されている。最初は4人の中からしか選べないが,ゲームが進むと人数が増えたり,今までにいなかったタイプの傭兵も出現する。ラインナップは,街に戻ってくるたびに変化する
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 雇用の目安にするのは,張り紙の下に記載されているマークと数字だ。剣のマークは「闘技」で戦闘能力,鍵のマークは「技巧」で物資の回収能力,星のマークは「商才」で商人との交渉力,目のマークは「知覚」で罠の回避力,テントのマークは「監視」で野営時の回復量に,それぞれ影響を与える。

 なかでも必須と言えるのは,「知覚」と「監視」が高いキャラクター。ダンジョン内には数多くの罠が待ち構えるが,「知覚」が高いとこれらを回避できることが多い。

罠でダメージを受けると,体力・活力が減ったり,時には状態異常になることも。状態異常は専用の回復アイテムを持っていないと治療できないので,受けてしまうと厄介だ
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 探索中,休息が可能な野営ポイントがあり,体力と活力が回復できるチャンスがあるのだが,その回復量や成功率は「監視」の値に左右される。運良く戦闘の発生回数が少なく進めた場合でも,寒さによって,エリア移動ごとに確実に「活力」は減っていく。活力の回復手段は,回復アイテムを使うか,野営での回復チャンスしかないので非常に重要だ。

「火起こし道具」などを装備させておくと,「監視」をさらに上げられる。筆者が最も重視するパラメータだ
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 パラメータとしては確認できないが,傭兵掲示板で雇う際に「携行量に優れる」という表記があるキャラクターがいると,アイテムを持ち運べる量が多くなる。この技能を持ったキャラクターが仲間にいないと,せっかく探索で大量の物資を得ても,十分に持ち歩くことができず,すぐに重量オーバーになる。この「過重」状態になるとさまざまなデメリットが発生するので,そのまま進むのは非常に危険だ。

 また,4人パーティと言っても,主人公であるリリックを含めて4人なので,選べる仲間,選べる技能は実質3つ。宝箱から確実にアイテムを回収するには「技巧」の能力が高いキャラクターが欲しいし,頻繁に発生する戦闘を有利に乗り切るには「闘技」の高いキャラクターも欲しい。
 それに,傭兵掲示板で表示される仲間は街に戻るたびに変化するので,欲しい技能を持った傭兵が必ず仲間にできるとも限らない。あちらを立てればこちらが立たずで,何もかもが万全の状態というのはなかなか作れないようになっている。

チュートリアルでも説明されるが,攻撃手段には射程がある。近距離攻撃のキャラクターばかりでパーティを組むと,後列で何もできなくなってしまうことも……
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 各キャラクターには1つだけ「遺宝」と呼ばれるアイテムを装備させることができる。遺宝は商人から買えることもあるが,探索で得た物資を使って,新たな遺宝を作り出すことも可能だ。

デイルアーチの「工房」では,探索で得られた物資を使って新たなアイテムを作り出すことができる。ゾーンの合間にある「避難所」という場所でも,工房と同じ機能を持った設備があり,ごくまれにゾーン内にあることも
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「ダウジングロッド」を使って作れる「占い棒」。さらに上位の「魔女のロッド」といった具合に,レア度によってアイテム名の色が変わっていく。仲間は成長しないが,より高ランクの遺宝を装備させることで,強化が可能
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 また,物語が進行すると,リリックの能力を上げるためのポイントが得られる。このポイントをどれに割り振るかで,リリックの役割が変わってくる。これは振り直しができないので,よく考えて実行しよう。

ポイントの割り振りは,4人パーティのひとりとして,リリックにどういう役割を担わせるかの選択でもある
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 リリックにはさまざまな衣装も用意されている。自室の衣装だんすを調べることで着替えられるのだが,着替えスロット枠を見る限りでは26種類ほど用意されているようだ。

衣装は,サブクエストで手に入る物もあれば,探索で見つかる物もある
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 なお,筆者の進行具合はまだまだ序盤だと思うが,セクシーな衣装も見つけてしまった。

wao……
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この衣装に着替えると,リリックの目つきが微妙にジト目に変化する。「こんなの着せて満足……?」みたいに呆れられている感じで,とても……いいですね
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 ちなみに言い訳をするわけではないが,これは単なるセクシー衣装ではなく,ある種族の伝統的な装備なのだとか。実際,性能も高い。

衣装は基本的に見た目を変えるだけの物だが,中には「遺宝」でもある物も
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探索中も,この姿になる。しかし,場所が場所だけに寒そうだなぁ……
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公式サイトでダウンロードできるガイドブックpdf(外部リンク)に掲載されているイラスト群。セ,セーラーリリックさん……?
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 上記の特殊な衣装もそうだが,リリックにはポイントの割り振りなど,多少の成長要素がある。しかし,仲間たちは,装備させる遺宝による強化のみ。頼れる仲間になるかどうかは,すべてプレイヤーの手腕にかかっている。

 探索からデイルアーチに帰還しても,次の冒険も,その次の冒険も,一度雇った仲間は基本的に同行し続けてくれる。しかし,メンバー入れ替えのために解雇したり,戦闘で死亡してしまうと,それまで。復活の手段はないので,お気に入りの仲間ができたら,失わないように努めたい。
 というのも,愛着のあるキャラクターが永久に消滅してしまうという悲しさだけでなく,死なせてしまうと,その仲間が装備していた物も一緒に消滅してしまうのだ。しかもこのゲームは頻繁にオートセーブが入るので,レアな物資でやっと作った遺宝を装備させた仲間が死亡すると,「ああ〜〜!」と頭を抱えることになるので要注意だ。


氷壁に囲まれた限定的な世界を舞台に描かれる,重厚なファンタジー。大人が腰を据えてじっくり遊べる1作


 デイルアーチは多くの種族が生活している場なので,最初は種族名や人物名などがごっちゃになるかもしれない。しかし,ローカライズが非常に丁寧で,街の人々との会話には世界観を膨らませる内容が多く盛り込まれている。「氷壁に囲まれた世界と,その地下に作られた街」という,このゲームならではの魅力あるファンタジーRPGの世界を堪能できるようになっている。決して派手ではないがリアリティを持った世界観は,昔のファンタジーRPGのゲームブックやテーブルトークRPGに親しんだ層なら,たまらないはずだ。

デイルアーチはそこまで広くない街だが,さまざまな種族が暮らしている。ローカライズの質もだが,世界観の描写は非常にクオリティが高い印象を受ける
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 ゲーム開始から小一時間ほど経った頃は,「面白い……けど,難しいなぁ」という感想が強めで,筆者は何度も倒れていた。
 冒頭でも書いたが,逃げた魔女イザベルを追跡するのが最初の目的で,その探索に向かう最初のステージ「歓楽区」の攻略に何時間もかかっていたのだ。「物資は溜まるが,先に進めん!」という状態が長く続いた。

 しかし,持ち帰った素材からアイテムを作り,仲間の組み合わせを試行錯誤し,ダンジョンマップの見方に気付いて……という風に,プレイしていると着実に進歩が感じられた。戦闘でも,「どうも,コイツを先に倒さないと,敵全体を強化してくるっぽいんだよな……」とかブツブツ言いながら攻撃順を考え,見事に経験を糧にしたプレイになってきていたように思う。
 昨今は間口を広げる意味もあり,何かと親切で低難度のゲームが多い。しかし,本作はプレイヤーがしっかりと考え,最善の選択をした上でなお運が絡む,“かなりガチなゲーム”だと感じる。経験から学ぶことが多く,不親切な部分すら,次第に本作独自の味に見えてくる。

 強いて言えば,文字情報を排除した画面構成になっていることが多い点は少々気になった。分からない要素があれば,その都度,人物情報やチュートリアルをチェックすることになり,何かと二度手間になっているような印象は拭えない。
 しかし,チュートリアルを確認する必要が一切なくなるくらいまで慣れてくると,これが非常におもしろい。目的地に行けそうだったけどギリギリ行けなくてやむなく帰還したときなど,「はー,無念。ここでやめておくか」と電源を切ろうするも,「……もう1回だけ行ってみるか」と,ついつい探索に出てしまう。「いつでも帰還できる」という安心感が高いリトライ性を生み出し,先へ進もうとすれば,単純に歯応えがある。どの登場人物も魅力的に描かれており,ストーリーの先も気になる。ファンタジーRPG的な世界観を使ったゲームで,まだこういう切り口があったかと思わされる良作だ。

 ちなみに,本作はマルチエンディングらしく,序盤から分岐に影響しそうな選択肢が確認できた。「あっちを選んでいたら,どうなるのかな……」と思い,セーブデータを変えて最初から始めてみたところ,なんと1回の探索で最初の目的地に到達した。あ,あの苦労は何だったの! ローグライクって怖い!

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