このとき,長野の開発室に足を運ぶ機会もなかなかないということで,「アトリエ」シリーズ最初期からの貴重な資料を見せてもらう機会を得た。美麗なイラスト,チビキャラ製作時のラフスケッチ,ドラマCDの台本など,なかなか表に出てこない宝の山の数々を,フォトレポートで紹介していこう。
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ガストブランドについて紹介しておくと,現在はコーエーテクモゲームスが擁するブランドの1つである。前身となるガストは1993年にPCゲームを作るソフトハウスとして生まれた。初の作品はシミュレーションRPG「アレス王の物語」だ。アニメ的な絵柄のゲームが多い中,「魔物語 愛しのベティ」「実験人形ダミー・オスカー」といった作品で知られる,劇画家の叶 精作氏を起用し,彫りの深い顔をした主人公・アレスが,上半身裸で剣を構えるというパッケージがプレイヤーに強い印象を残した。
そんなガストの転機となったのが,PlayStationへの参入である。1994年に「ファルカタ 〜アストラン・パードマの紋章〜」(以下,ファルカタ)を,1997年には「アトリエ」シリーズの第一作「マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜」(以下,マリーのアトリエ)をリリースしている。
「ファルカタ」はペルシャ的な雰囲気を持つシミュレーションゲームだ。プレイヤーはパーティを率い,探索や戦いをこなしつつ旅をしていく。本作の特徴は,パーティの仲間が人間らしい振る舞いをすること,そしてプレイヤー以外のパーティが同時に冒険していることにある。仲間は単なる駒ではなく,彼らが出してくる提案を受け入れたり,宴会を開くなどで忠誠心を上げたりするとプレイヤーに尽くしてくれるが,そうでないと裏切ることもある。また,ほかのパーティに計略を仕掛けて,メンバーを引き抜いたり,忠誠心を下げたり,金を盗んだりといった妨害工作も可能だ。絵柄こそ初期ガスト的な劇画テイストであるものの,自由度の高いシミュレーションという方向性は「アトリエ」シリーズにも受け継がれているのではないだろうか。
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今回ガストブランドの長野開発室で発掘できたのは,「アトリエ」シリーズ初期作のさまざまな資料となる。桜瀬氏をはじめとする歴代イラストレーターによるイラストから,ソースコードやアイテム表といった開発資料まで,多岐かつ大量であるため,残念ながらすべてを紹介することはできない。「攻略本の執筆班が,世界観について問い合わせを行ったファックス」「ドラマCDの脚本」「ゲーム情報TV番組で,シリーズを紹介できないかという打診」といった資料も残されており,非常に興味深いものがある。さまざまな新規IPが生まれ,人気シリーズとして成長していった,1990年中盤の雰囲気が伝われば幸いだ。なお,原画はビニールのファイルに保存されており,表面に修正を指示するためのパラフィン紙が掛けられている場合がある。資料を守るという観点から,こうした保護は取り除かずに写真を撮影しているので予めご了承いただきたい。
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![]() 「マリーのアトリエ」でミューが「ホッフェンの花」の思い出を語るシーンの原画。PS1の画面で見るのとは違った印象がある |
![]() 「マリーのアトリエ」のエンディング「伝説の二人」。マリーとシアのレベルを上げると,武闘大会で勝利する姿が見られる |
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![]() イラストの中には,パラフィン紙が掛けられたものも |
![]() 「マリーのアトリエ」の「うわさ話」についての仕様がまとめられているファイル |
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![]() 「リリーのアトリエ」のサントラジャケットに使われた,山形伊佐衛門氏のイラスト。本作のコスチュームデザインには,ヨーロッパの民族衣装のテイストが取り入れられているという |
![]() イングリドとヘルミーナの横顔。イングリドは「マリーのアトリエ」で教師として登場した女性で,「リリーのアトリエ」では過去の姿が描かれた |
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![]() 「ユーディーのアトリエ〜グラムナートの錬金術士〜」のグッズセット |
![]() 「ユーディーのアトリエ」のメッセージ原稿 |
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