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Poznań Game Arenaで「303 Squadron: Battle of Britain」をプレイ。ハリケーンを駆って第二次世界大戦の英雄を目指せ
第303コシチュシコ戦闘機中隊は,そんな兵士によって編成された部隊だ。彼らはもともとポーランドの航空兵だったが,祖国が制圧されたことを受け,イギリス空軍の一部として活動を再開し,ドイツ空軍とイギリス空軍の戦い「バトル・オブ・ブリテン」において公認撃墜数126機という戦果を叩き出した。
これはバトル・オブ・ブリテンにおいて傑出したスコアであり,この戦いに参加したドイツ空軍の4.7%が彼らによって撃墜されたことになる。
そんな第二次世界大戦の英雄である第303コシチュシコ戦闘機中隊をテーマとしたフライトシミュレーター「303 Squadron: Battle of Britain」(以下303SQ)が,Poznań Game Arenaに出展されていた。開発しているのはポズナンに本拠地を置くデベロッパのAtomic Jellyだ。
なるほど,これを作るならポーランドのデベロッパだと納得できる同作の魅力を,ざっくりと紹介したい。
空戦シミュレーターであり,歴史シミュレーターでもある
まずは303SQをプレイしている様子の写真や,スクリーンショットを見てもらおう。
……見るからに本格派のフライトシミュレーターである。この手のゲームには「IL-2 Sturmovik: 1946」という鉄板タイトルがあるが,それを思わせるハードコアなノリで,フライトスティックを使えば本格的な操縦が存分に楽しめるだろう。
しかし,303SQはもっとライトなモードも備えている。最も簡単なモードでは,マウスのポイント&クリックで行き先を指定して戦闘機を飛ばすという,ほとんど別のゲームと言っていいほどシンプルな操作でのプレイが可能だ。
実際にポイント&クリックでプレイするかはともかく,さまざまなな操作方法が用意されているというのは素直に嬉しい。何かとハードルが上がりがちな空戦シミュレーターであればなおさらである。
303SQは,あくまで第303コシチュシコ戦闘機中隊の歩んだ道のりを追体験することが目的となっているため,シナリオクリア型のゲームとなっている。
用意されている16のシナリオは,すべて史実を踏まえたもので,地上に降りたときに会話できるグラウンドクルーも史実に則った人々なのだそうだ。このあたりは空戦シミュレーターというより,歴史シミュレーションに近いニュアンスすらある。
そして当然と言えば当然だが,本作においてプレイヤーが搭乗するのは,第303コシチュシコ戦闘機中隊に配備されたハリケーンのみである。
これについて制作者は「バトル・オブ・ブリテンと言うとスピットファイアを思い浮かべる人も多い。またハリケーンはスピットファイアより劣った機体というイメージも根強いが,史実においてバトル・オブ・ブリテンに勝利をもたらしたのはハリケーンだ」と力説していた。
だがその一方で「本作がヒットしたら,追加でスピットファイアに乗れるようにするかもしれない」と話すあたりのバランス感覚は素晴らしい。
303SQは2017年中のリリースを予定している。イギリス空軍といえばスピットファイアだろうと思っていても,第303コシチュシコ戦闘機中隊をプレイできるとなれば話は別,という人はけして少なくないと筆者は信じる。
祖国の英雄をゲーム化するだけあって,ディテールへの拘りは凄まじい。ハリケーンを駆ってバトル・オブ・ブリテンに勝利をもたらす本作を,多くの人が楽しんでほしいものである。
「303 Squadron: Battle of Britain」公式サイト
- 関連タイトル:
303 Squadron: Battle of Britain
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