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[COMPUTEX]MSIのグラフィックスカード製品プロダクトマネージャーに聞く,新世代GPU対応と時代を先取りしすぎたアレの話
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印刷2016/06/03 17:35

インタビュー

[COMPUTEX]MSIのグラフィックスカード製品プロダクトマネージャーに聞く,新世代GPU対応と時代を先取りしすぎたアレの話

MSIマルチメディアPM部門ディビジョンIIセクションIプロダクトマネージャーJay Wang氏
 NVIDIAとAMDの双方から新世代GPUが発表されたばかりということもあって,グラフィックスカード関係で盛り上がりを見せたCOMPUTEX TAIPEI 2016。その会場で,MSIのグラフィックスカード,プロダクトマネージャーであるJay Wang(ジェイ・ワン)氏に,2016年のMSI製グラフィックスカード製品の動向や,今後の製品開発方針について聞いてみた。


Pascal世代,Polaris世代の時代を迎え,MSIのグラフィックスカード製品はどう進化する?


4Gamer:
 GPUの世代交代が起こりました。NVIDIAはPascal世代へ,AMDはPolaris世代へと移行します。AMDとNVIDIA,両方のGPUを搭載したグラフィックスカード製品をリリースするMSIとしては,この世代ではどんな工夫やアイデアを製品に盛り込んでいくのでしょうか

Wang氏:
左がTwin Frozr VI,右がTwin Frozr V。1枚おきに特殊形状の羽を入れるTorx Fan構造なのは変わらない一方,形状は変わっている
G Series
 Pascal,Polaris世代のグラフィックスカード製品では,我々は大きく改良したクーリングシステムを採用していきます。

 デュアルファン仕様を採用した弊社独自のGPUクーラー「Twin Frozr」(ツインフローザー)は,新世代GPU対応モデルから,「Twin Frozr VI」へと進化します。これは「Torx Fan 2.0」(トルクスファン2.0)と名付けられた新型の冷却ファンを搭載したものになります。Torx Fan 2.0では,ファンの羽根同士の隙間を小さくしたことで,同じ回転数で比較したときに,より多くの風を放熱フィンへ吹き付けられるようになりました。

こちらも左がTwin Frozr VI,右がTwin Frozr V(※色の違いは照明の加減によるもの)。新型ではヒートパイプが細くなり,数が増えた
G Series
 熱を運ぶヒートパイプでも形状を改良しています。従来は丸形に近い形というか,「丸いヒートパイプを潰したような形」での実装でしたので,GPUの熱を受ける枕との間で熱抵抗が高くなっていました。Twin Frozr VIのヒートパイプではこの部分を改良して熱抵抗を下げ,伝送効率を高めています。また,ヒートパイプの本数自体も増やしていますね。

GPUの熱を受ける部分に寄ったところ。やはり左がTwin Frozr VI,右がTwin Frozr Vだが,枕とヒートパイプのつなぎ目に注目してほしい
G Series G Series

4Gamer:
G Series
ここでは奥がTwin Frozr VI,手前がTwin Frozr V。新世代では赤い爪痕の部分が発光する
G Series
バックプレート。これは「GeForce GTX 1080 GAMING Z 8G」のものだ
 なにやらド派手なクーリングシステムですね。

Wang氏:
 このヒートシンク外装部分に折り込まれた爪痕みたいな赤いオーナメントを見てください。カッコイイでしょう? ここは先代ではただの装飾でしたが,Twin Frozr VIではLEDで赤く光っちゃうんですよ! さらに,裏側も見てください。GeForce GTX 980系ではなかったソリッドなバックプレートがGeForce GTX 1080モデルでははめ込まれます。

4Gamer:
 冷却効率が改善されたということは,逆に言えば,同じ冷却性能を得るのであればファン回転数を下げられるということですよね

Wang氏:
 そうです。さらにいえばGeForce GTX 1080は,「GeForce GTX 980」よりも同一条件で駆動した場合の発熱量が下がっていますから,その傾向は強まっているのです。
 結果的に,GeForce GTX 1080のカードは,トータルな音量で,4dBくらいは低減されていますよ。キャッチコピーは「Play Hard,Stay Silent」(ハードに遊べ。静かなままで)ですよ。カッコいいでしょう?

4Gamer:
 Polarisはどうですか。

Wang氏:
 Polarisについては,月末まで話すことができません(笑)。ただし,このTwin Frozr VIはAMD製GPUにも適用していきますよ。

4Gamer:
 GeForce GTX 1080のほうは,このTwin Frozr VI採用モデルをブースで展示していますね。

Wang氏:
 そうです。すでに5月27日にはFounders EditionのGeForce GTX 1080製品を日本でもリリースしましたが,このあとは,我々のオリジナルデザインのGeForce GTX 1080搭載カードをリリースしていきます。この最新の冷却システムを搭載するものですから,より高いクロックで駆動するモデルになります。

GAMING Z(手前)とGAMING X(奥)の2モデルを発売予定。製品名はNVIDIAの従来製品「GeForce GTX TITAN Z」「GeForce GTX TITAN X」から取ったそうだ。上位モデルとなるGAMING Zでは,バックプレート部に「G Series」バッジが埋め込まれる
G Series G Series

4Gamer:
 2種類あるんですね。どういう違いがあるんですか

Wang氏:
写真では分かりにくいが,GAMING Zのバックプレートは光る
G Series
 まずお話ししたいのは,日本でも両方発売するということです。
 先にGAMING Xからですが,こちらはブーストクロックが1.8GHz前後となるモデルで,日本でも6月中には店頭に並ぶと思います。価格は未定です。
 GAMING Zはさらに高クロック駆動を実現したトップエンドモデルになります。こちらの発売日はまだ決めていません。動作クロックもまだ決めかねているところですが,少なくともGAMING Xよりは高いブーストクロック設定になる予定です。先ほど話したバックプレートですが,GAMING ZはRGB LED(※約1677万色から選んで光らせられるLEDのこと)で鮮やかにフルカラー発色します。どんな色にするかはユーザーがカスタマイズできるわけです。
 Polarisカードについては,月末になったらもっと具体的にお話ができるようになりますので,期待していてください。

4Gamer:
 Pascal世代,Polaris世代のグラフィックスカードでも短尺仕様のモデルは出ますか?

Wang氏:
 今は何も申し上げられません。今は,スタンダードな形状でより高性能を目指した製品を投入することに注力しています。

Corsair製の簡易液冷クーラー「Hydro GFX GTX 1080」を搭載する「SEA HAWK」モデルも,MSIは国内市場へ投入予定だ。動作クロックはGAMING Xモデルと同程度になる見込みという
G Series G Series


時代を先取りしすぎた「アレ」はもう出ないの?


4Gamer:
GUS
G Series
 話題を少し変えます。今回のCOMPUTEXではいくつかのメーカーが,ノートPCなどと接続する外付けグラフィックスボックスの製品を参考出品していますよね。MSIは,2012年くらいに同じようなアイデアの外付けGPUボックス製品として「GUS」というものを提案したことがありました(関連記事)。また,2015年にはノートPCのチームから「Gaming Dock」も出てきましたね(関連記事)。
 このタイミングであらためてグラフィックスのチームからGUSプロジェクトを復活させる計画はないのでしょうか。

Wang氏:
Gaming Dock
G Series
 いい質問です(笑)。実は,ノートPCチームが出したGaming Dockは,我々のチームと共同で開発したものなのです。ただ,まだ互換性や動作安定性の面で解決すべき問題があるとも感じています。いずれにせよ,乞うご期待といった感じでしょうか。
 もっとも,次の製品が出てくるとしても,それは我々グラフィックスカード開発チームからではなく,ノートPC製品チームのほうで取り仕切ることにはなると思いますが。

4Gamer:
 Thunderbolt 3の伝送帯域って40Gbps(×2双方向)ですよね。一般的なグラフィックスカードの接続バスであるPCI Express x16はGen3で128Gbps(×2双方向)です。40Gbps(×2双方向)といえば,初代(Gen1)のPCI-Express相当といったところですよね。外付けグラフィックスボックスの製品って,そうした観点から帯域不足になる心配はありませんか。

Wang氏:
 実は我々もその問題は把握していて研究をしているんですよ。
 最もシンプルで確実な解決方法があるのでお教えしましょう,それは外付けGPUボックスと2つのThunderbolt 3コネクタを接続する方法です。いうなればデュアルThunderbolt 3接続です。こうすれば80Gbps(×2双方向)となってPCI-Express x16 Gen2相当になります。

4Gamer:
G Series
 MSIによる「時代を先取りしすぎた製品」といえば,このグラフィックス外付けボックスだけでなく,ノートPC向けグラフィックスボードモジュールであるMXMを,一般的なグラフィックスカード上に実装させたデタッチャブルグラフィックスカードというソリューションを提案したことがありましたね(関連記事)。

Wang氏:
 よく覚えてますね。あれは,面白いアイデアでしたが発売には至りませんでした。いくつかの理由がありますが,最もネックになったのが冷却の問題でした。
 一般的なグラフィックスカードは,GPUにヒートシンクをボルト締めなどで圧着させます。MXM版GPUは,もともとノートPC向けのもので,ノートPCのシャシー設計と深く連動した冷却システムを設計する必要があります。MXMをグラフィックスカードに搭載したとして,これを万能かつ安定的に冷却させる仕組みの実現が困難だったのです。

4Gamer:
 すると製品化は難しそうですね。

Wang氏:
 技術的にはできますし,アイデアとしても面白いんですが(笑),製品化となれば価格(コスト)にも配慮しなくてはいけませんし。

4Gamer:
 そうですね。
 では最後の質問です。今後,グラフィックスカード製品はどんな感じに進化,あるいは変化していくと思いますか。今年はVR(仮想現実)なども盛り上がってきていますので,そのあたりも絡めてコメントをお願いします。

Wang氏:
 昨今,PCゲームが盛り上がってきていると思いませんか。今後,ますます高性能なグラフィックスカード製品に,多くのユーザーの興味が集まるようになっていくと思いますね。
 一方でVRは,市場規模がどのくらいになるかも含め,各社さまざまな見方があって一貫した見解が出てきていません。
 VRについては,我々はどちらかといえば慎重な立場をとっています。しかし「VRもPCゲームの延長にある」と考えれば,今の,我々の主力グラフィックスカード製品で足りない部分というのは何もないと思います。これからもMSIのグラフィックスカード製品にご期待ください。

MSI公式Webサイト(英語)

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