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MSI「R9 380 GAMING 4G」をテスト。Radeon R9 380搭載のゲーマー向けグラフィックスカード,そのポテンシャルは?
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印刷2016/04/25 00:00

レビュー

Radeon R9 380搭載のゲーマー向けグラフィックスカード,そのポテンシャルは?

MSI R9 380 GAMING 4G

Text by 宮崎真一


R9 380 GAMING 4G
メーカー:MSI
問い合わせ先:アスク(販売代理店)サポートセンター 03-5215-5652(平日10:00〜12:00および平日13:00〜16:00)
実勢価格:2万9500〜3万3000円程度(※2016年4月25日現在)
G Series
 「G Series」ブランドを旗印に,PCパーツからPC本体まで幅広く製品を展開しているMSI。今回はそんな同社のミドルクラス市場向けグラフィックスカード「R9 380 GAMING 4G」を取り上げたい。
 「Radeon R9 380」(以下,R9 380)搭載カードを主役として検証するのは今回が初めて――いわゆる一斉検証系記事で対象として取り上げたことは何度かある――だが,そのポテンシャルはいかほどか。テストにより明らかにしてみよう。


R9 285のリフレッシュとなる「Antigua PRO」を採用

GPUクーラーは定評あるTwin Frozr V


G Series
R9 380 GPU。パッケージ上の刻印は「215-0877000」だった
G Series
R9 380 GAMING 4Gに採用されていたメモリチップは、「Elpida」刻印入りの「W4032BABG-60-F」(6Gbps品)。チップの仕様からすると,5700MHz相当というGPUの仕様に対し,若干のマージンがある計算だ
 まずは,R9 380がどのようなGPUかをおさらいしておこう。
 R9 380は「Tonga」(トンガ)コアのリフレッシュとなる「Antigua」(アンティグア)コアを採用したGPUの下位モデルで,AMD内における呼び名は「Antigua PRO」。演算ユニット数が28基,シェーダプロセッサ数が1792基で,メモリインタフェースが256bitといった基本スペックは,Tonga世代の「Radeon R9 285」(以下,R9 285)と完全に同じだ。異なるのは,GPUコアのブースト最大クロックが918MHzから970MHzへ,メモリクロックが5500MHz相当から5700MHz相当へ,それぞれ引き上げられていることだけである。R9 380は,事実上のR9 285リブランドモデルという理解でいい。

 そんなR9 380を搭載するR9 380 GAMING 4Gは,MSI独自のユーティリティソフト「Gaming APP」により,3つの動作クロックモードを設定できるようになっている。その名称と具体的なクロック設定は以下のとおりだ。

  • OCモード:GPUコアクロック1000MHz,メモリクロック5800MHz相当
  • ゲーミングモード:GPUコアクロック980MHz,メモリクロック5700MHz相当
  • サイレントモード:GPUコアクロック970MHz,メモリクロック5700MHz相当

OCモード(上)とゲーミングモード(中央),サイレントモード(下)におけるGPUコアクロック表示
G Series
G Series
G Series
 見て分かるとおり,サイレントモードのクロック設定はGPUのリファレンススペックとまったく同じ。ゲーミングモードとOCモードだと,メーカーレベルのクロックアップが適用されるようになっている。ちなみに工場出荷時の設定はゲーミングモードで,Gaming APPを導入しない場合,RE9 380 GAMING 4Gの動作クロック設定はGPUコア980MHz,メモリ5700MHz相当ということになる。

 ただ,テスト開始時に最新だったバージョン5.0.0.29のGaming APPを導入して実行すると,OCモードとサイレントモードでアイドル時にコアクロックとメモリクロックが低下しない状態に陥った。しかも,Gaming APPを終了しても,OSを再起動するまで動作クロックが高いままになってしまうのである。
 MSIにこの現象について確認したところ,「OCモードでアイドル時に動作クロックが低下しないのは仕様」との回答が得られた。ただし,ユーザーから動作クロックの低下を望む声が大きいため,バージョン5.0.0.30でアイドル時にもクロックが下がるよう,処理系を変更したそうだ。

Gaming APPの右に並んだアイコンから利用できる「LEDコントロール」では,カード側面にある竜とMSIロゴ部の光り方を調整できる。色は白のみだが,点灯/消灯のほか,ゆっくり明滅する「呼吸」,点滅1回を繰り返す「フラッシュ」,点滅2回を繰り返す「ダブルフラッシュ」と,呼吸,フラッシュ,ダブルフラッシュをランダムに実行する「ランダム」を設定可能だ
G Series
 そこで,MSIからバージョン5.0.0.30版Gaming APPの提供を受けて試してみたが,OCモードとサイレントモードを選んだ場合,アイドル時の動作クロックが低下しない問題は変わらず。ただ,設定後にGaming APPを終了させると,動作クロックが低下するようになった。OCモードとサイレントモードの問題は直っていないが,Gaming APPを終了させることにより,ゲーミングモードで正しく動作するようにはなった,ということなのだろう。

 OCモードはともかく,サイレントモードでもアイドル時の動作クロックが低下しないのは明らかに問題であって,早期の改善を期待したいところだ。

Gaming APPの右に並んだアイコンから利用できる「Eye Rest」は,ディスプレイのカラープロファイルを設定する機能で,「アイレストモード」だと全体的に黄色がかった色になり,「ゲーミングモード」だと高コントラスト,「ムービーモード」だと輝度がそれぞれ高くなる。「カスタマイズ」を選べば,赤緑青の3色それぞれに対してガンマや明るさ,コントラストなども調整可能だ
G Series G Series

G Series
 クロックの話が長くなったが,カード自体もチェックしてみよう。
 R9 380 GAMING 4Gの基板長は実測約249mm(※突起部除く)。ただし,GPUクーラー「Twin Frozr V」がカードの後方に同20mm弱はみ出ているため,カード長は同267mmとなる。

Twin Frozr Vクーラーは,カードほぼ全体を覆う。カード背面側も補強板で隠れている
G Series G Series

G Series
 なおこのTwin Frozr Vクーラーだが,マザーボードに取り付けたときの垂直方向にも基板から若干はみ出ており,ヒートパイプに至っては実測約33mmも飛び出している。付け加えると,6ピン×2の補助電源端子も垂直方向を向いての実装となるため,(仮にタワー型PCケースだとして)マザーボードのPCI Express x16端子からPCケースの側板までの間には40mm程度の余裕が必要になるだろう。

G Series
 R9 380 GAMING 4Gが搭載するTwin Frozr Vクーラーは,100mm角相当のファンを2基搭載したモデルで,ファンは「Torx Fan」(トルクスファン)技術により,エッジの傾斜が異なる2枚のブレードを交互に配置した構造になっている。MSIによれば,一般的なファンブレードと比べて,吸気量,エアフローより吸気量が増大し,エアフローも向上しているという。
 アイドル時にファンの回転を停止させる流行りの機能も「Zero Frozr」として搭載している。

GPUクーラーを取り外したところ
G Series
 GPUクーラーの取り外しは自己責任であり,取り外した時点でメーカー保証は受けられなくなる。それをお断りしたうえで,今回はレビューのために取り外してみるが,外すと,GPUクーラー側のヒートパイプが3本で,うち1本が8mm径,2本が6mm径であることが分かる。これらを使って,GPUの熱を放熱フィン部へ運んでいるわけだ。

ファンとGPU側の冷却機構に寄ったところ(左)と,カードの底面カバーを取り外したところ(右)
G Series G Series

 そのヒートシンクを取り外すことで,基板を詳しく見ることができるが,電源部はどうやら7+1+1フェーズ構成のようだ。部品にはMSIが「Military Class」と呼ぶ,米国防総省の定める軍用規格「MIL-STD-810G」に準拠したという高耐久のものを採用しているのがポイントとなる。

エネルギー効率が高く,実装面積が小さい「Hi-C CAP」や,電流容量と電力効率に優れる「SFC」(Super Ferrite Chokes)を搭載。固体コンデンサには10年を超える長寿命のものを採用している
G Series G Series


R9 380X&GTX 960との比較を実施

テストにFar Cry PrimalとFallout 4を追加


 テストのセットアップに入ろう。
 今回,比較対象には,R9 380の上位モデルである「Radeon R9 380X」(以下,R9 380X)と,価格帯的にR9 380の対抗馬と述べておおむね差し支えない「GeForce GTX 960」(以下,GTX 960)を用意した。ただ,今回入手したR9 380XおよびGTX 960カードはいずれもメーカーレベルのクロックアップモデルとなるため,今回はMSI製オーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.2.0)で,リファレンスレベルにまで動作クロックを引き下げて使用している点をあらかじめお断りしておきたい。

R9 380 GAMING 4Gの外部出力インタフェースはDisplayPort×1,Dual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,HDMI(1.4 Type A)×1
G Series
 主役となるR9 380 GAMING 4Gは,3つの動作モードすべてでテストを行い,グラフ中は( )書きで動作モードを付記する。なお,前述のとおり,サイレントモードの動作クロックはリファレンススペックとまったく同じなので,R9 380 GAMING 4GのサイレントモードをR9 380のリファレンス設定時と読み替えてもらっても差し支えない。

 テストに用いたグラフィックスドライバは,Radeonの2製品が「Radeon Software Crimson Editon 16.4.1 Hotfix」,GeForceが「GeForce 364.72 Driver」。いずれもテスト開始時点の最新版だ。それ以外のテスト環境は表のとおりとなる。


 テスト方法だが,「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)は,4Gamerのベンチマークレギュレーション17.0準拠。今回はそれに加えて,レギュレーション18世代を先取りする形で「Far Cry Primal」と「Fallout 4」のテストを追加することにした。

 Far Cry Primalのテストにあたっては,ゲーム側に用意されたベンチマーク機能を利用。グラフィックス設定は,描画負荷が低めの「ノーマル」と,最も高い「最高」を選択している。ベンチマークモードにスコアのブレがほとんどないことから,スコアは,テスト条件ごとに1回のみ実行し,その結果を採用する。

 対するFallout 4では,武装ヘリ「ベルチバード」に乗るシーンで,1分間の平均フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得することになる。グラフィックス設定は「中」と「ウルトラ」の2パターンだ。

 なお,テスト解像度は,R9 380というGPUの立ち位置を鑑み,1920×1080ドットと2560×1440ドットを使用した。


クロックアップの効果はさほど大きくない

性能はほぼ順当にGTX 960超え


 テスト結果を順に見ていきたい。
 グラフ1は3DMark(Version 2.0.1979)の結果となる。4月25日時点の3DMark最新版はバージョン2.0.2067だが(関連記事),1つ古いのは純粋に,テスト開始タイミングの都合だ。

 さて,そのスコアだが,R9 380 GAMING 4Gの標準設定となるゲーミングモードを見てみると,対R9 380Xでは約96%,対GTX 960では107〜110%程度というスコアを示している。一方,OCモード,サイレントモードはいずれも,ゲーミングモードと比べて有意なスコア差があるとはいえない。


 グラフ2,3はFar Cry Primalの結果だ。Far Cry Primalでは,Gaming APPにある3モードのスコア差が3DMarkよりもさらに縮まっており,ほとんど横並びである。描画負荷が高い状況だと,Gaming APP側のクロックアップ設定程度では,焼け石に水ということなのだろう。
 ただ,競合製品との比較だと,256bitメモリインタフェースを持つR9 380 GAMING 4Gは,同128bitのGTX 960に対して3〜13%程度高いスコアを示しており,メモリ周りの高い基礎スペックが持つメリットを遺憾なく発揮できてもいる。


 Fallout 4の結果がグラフ4,5だが,一言でまとめると,そのスコア傾向はFar Cry Primalと似た印象だ。Gaming APPにある3モードを切り替えても得られるフレームレートに大した違いはなく,デフォルトのゲーミングモードで動作するR9 380 GAMING 4Gは,対R9 380Xで96〜98%程度,対GTX 960で102〜112%程度のスコアを示した。


 第2世代MaxwellベースのGeForceが優勢となるFFXIV蒼天のイシュガルド ベンチの結果がグラフ6,7だが,果たしてR9 380 GAMING 4Gは,GTX 960の後塵を拝した。ただそれでも,「最高品質」の解像度1920×1080ドットで,スクウェア・エニックスによる指標の最高水準「非常に快適」の基準となるスコア7000を超えており,ゲームプレイにあたってGTX 960との違いを感じることはまずないだろう。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
G Series
G Series


動作モードによる消費電力の違いもわずか

Twin Frozr Vの冷却性能と静音性はさすがに高い


G Series
 R9 380 GAMING 4Gの消費電力はどの程度なのか,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してみたい。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定して,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果はグラフ8のとおり。本稿の序盤で紹介したとおり,おそらくGaming APPの問題で,R9 380 GAMING 4GはOCおよびサイレントモードによって,アイドル時の消費電力が下がらない。なので,デフォルト設定となるゲーミングモードでのスコアを見ていくことになるが,3Dアプリケーション実行時における3モードの消費電力差は最大でも5Wなので,性能と同じく,消費電力面でも,3モードの違いは無視していいだろう。
 GTX 960と比べると28〜45W程度高いが,これはもう,現行世代のRadeonが抱える宿命のようなものである。


 続いてGPUの温度からTwin Frozr Vの冷却能力を推し測っておこう。今回は「GPU-Z」(Version 0.8.7)を用い,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」としつつ,アイドル時ともども,GPU温度をスコアとして取得することにした。
 テスト時の室温は24℃で,システムはケースに組み込まない,いわゆるバラックの状態に置いてテストを行っているが,その結果がグラフ9だ。カードごとに温度センサーの位置は異なり,もちろん搭載されるクーラーも異なるため,横並びの比較に意味がないことは注意してほしいが,R9 380 GAMING 4Gのゲーミングモードは,アイドル時にファンの回転が止まることもあって,GPU温度は50℃と,かなり高めに出た。
 ただ,一方の高負荷時は63℃で,十分に低いといえるレベルにある。冷却性能が際立つとまでは言えないものの,申し分のない性能はあると評していいように思う。


 そんなTwin Frozr Vの動作音も気になるところだ。ここでは,カードに正対し30cm離れた場所にマイクを設置して,アイドル状態で1分間放置してから,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを4分間実行したときの動作音を録音したサウンドファイルを以下のとおり用意したので,聞いてみてほしい。
 最初の1分間は,ファンの回転が停止しているため,聞こえるのはCPUクーラーなどのそれ以外の環境音だ。そして,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを実行してから20秒後(ファイル冒頭から80秒後)からファンが回り始めるが,その動作音はかなり静か。FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチが進んでも動作音が大きくなったりしていないので,Twin Frozr Vの静音性は高いと言っていいだろう。

SOUND PLAYER:このブラウザは未対応です。PCをご利用ください。
※再生できない場合は,Waveファイルをダウンロードのうえ,手元のメディアプレイヤーで再生してみてください。


Gaming APPを使うメリットは(ほぼ)ないが

3万円前後で買えるカードとしては魅力的


製品ボックス
G Series
 R9 380 GAMING 4Gは,GTX 960をほとんどの場面で上回る性能を示した。実勢価格は2万9500〜3万3000円程度(※2016年4月25日現在)で,同2万2000〜2万9000円程度のGTX 960搭載カードと比べるとやや高いものの,3万円前後で購入できるカードとしては相応に魅力的と言っていいと思う。

 懸念はGaming APPの挙動がおかしいところだが,OCモードとサイレントモードのベンチマークスコアがゲーミングモードのそれとほとんど変わらない以上,ひとまず,Gaming APPは使わないというのは,十分な解決策となる。Gaming APPの追加機能を使いたい場合は,MSIによるGaming APPのアップデートを待つことになるはずである。

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MSIのR9 380 GAMING 4G製品情報ページ

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    G Series

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