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「ATI Radeon HD 5550」レビュー。HD 5570の下位モデルは,1万円以下のGPU市場に新たな価値をもたらすか
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印刷2010/04/03 10:00

レビュー

HD 5570の下位モデルは,1万円以下の市場で輝けるか

SAPPHIRE HD 5550 1GB DDR3 HDMI

Text by 宮崎真一


SAPPHIRE HD 5550 1GB DDR3 HDMI(国内製品名:SAPPHIRE HD 5550 1G DDR3 PCI-E HDMI/DVI-I/VGA)
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:9000〜1万円(※2010年4月3日現在)
ATI Radeon HD 5600/5500
 AMDからの正式発表がない,いわゆる「Silent Launch」で,複数のカードベンダーから,「ATI Radeon HD 5550」(以下,HD 5550)を搭載したカードが登場している。

 モデルナンバーからして,エントリー市場向けGPU「ATI Radeon HD 5570」(以下,HD 5570)の“下”に収まるGPUであることは明らかだが,実際のところ,どういった特徴を持ったGPUで,そして,1万円以下のグラフィックスカード市場においては,どのように位置づけられるべきGPUなのだろうか。
 今回は,Sapphire Technology(以下,Sapphire)の販売代理店であるアスクから貸し出しを受けた「SAPPHIRE HD 5550 1GB DDR3 HDMI」(国内製品名:SAPPHIRE HD 5550 1G DDR3 PCI-E HDMI/DVI-I/VGA,以下 SAPPHIRE HD 5550)の検証を通じて,これらのポイントについて考えてみたい。

外部給電コネクタなし,1スロット仕様のSAPPHIRE HD 5550
ATI Radeon HD 5600/5500 ATI Radeon HD 5600/5500


HD 5570比でSIMD Engineを1基削減

メモリ周りの仕様には注意が必要


RedwoodコアとなるHD 5550 GPU
ATI Radeon HD 5600/5500
 2010年4月3日時点で,AMDの公式WebサイトにHD 5550のスペック情報は用意されていない。そのため,(とくにクロックアップモデルなどとは謳われていない)SAPPHIRE HD 5550が,リファレンススペックに準拠しているという前提で話を進めていくが,まず,汎用シェーダプロセッサ「Stream Processing Unit」(以下,SP)数は320基。SP数からして,HD 5550は,HD 5570と同じ「Redwood」コアを採用したものと考えていいだろう。
 400SP構成となるHD 5570において,SPは5基で一つの「Thread Processor」を構成。さらにそれが16基(=80SP)集まって1基の「SIMD Engine」を構成していた。つまり,SIMD Engine数でいえば,HD 5570は5基搭載することになるが,HD 5550はそれから1基(=80SP)減った4 SIMD Engineという構成になっているわけだ。

アスクが公開しているSAPPHIRE HD 5550シリーズのスペック。DDR2メモリ搭載モデルともども,最大消費電力は40Wとされる(※サムネイルをクリックすると,文字の判読が可能なサイズの画像を別ウインドウで表示します)
ATI Radeon HD 5600/5500
 SIMD Engine 1基当たり,4基相当のテクスチャユニットが組みこまれる関係上,HD 5550のテクスチャユニットは16基(相当)。一方,レンダーバックエンド(Render Back-End,以下便宜的にROPと表記)数は,HD 5570から変わらず8基となる。
 メモリクロックはDDR3搭載製品で1.6GHz相当(実クロック800MHz),DDR2で最大800MHz相当(実クロック最大400MHz)。アスクによれば,最大消費電力は40Wとのことで,HD 5570からは若干下がっている。

 表1は,そんなHD 5550のスペックを,HD 5570や,ローエンドGPU「ATI Radeon HD 5450」(以下,HD 5450),そして競合のエントリーGPU「GeForce GT 220」(以下,GT 220)と比較できるようまとめたものだ。

※DDR2モデルは最大800MHz相当

HD 5570リファレンスカード
ATI Radeon HD 5600/5500
 以上を踏まえつつ,カードそのものもチェックしておきたい。
 SAPPHIRE HD 5550はLow Profile仕様の製品で,その見た目は,HD 5570のリファレンスカードと瓜二つ。さらにいえば,Sapphire製のHD 5570搭載カード「SAPPHIRE HD 5570 1GB DDR3 PCI-E VGA/DVI/DP」(以下,SAPPHIRE HD 5570)とは,搭載するGPUクーラーも同じもののように見える。
 カード長は実測167mm(※突起部含まず)で,PCI Express用補助電源コネクタを必要としない点もHD 5570と同じだ。

ATI Radeon HD 5600/5500
上下中央がSAPPHIRE HD 5550,下がSAPPHIRE HD 5570で,上がHD 5450カード「SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCI-E VGA/DVI-I/DP」。基本デザインは共通だ
ATI Radeon HD 5600/5500
外部出力インタフェースはDual Link DVI-I×1,HDMI×1,D-Sub 15ピン(アナログRGB)×1。Low ProfileシステムでアナログRGBを用いる場合は,2スロット仕様となる

 ちなみに,GPUクーラーの動作音も,HD 5570と違いが分からない程度。実際,BIOSカスタマイズツールであるTechPowerUp製「Radeon BIOS Editor」(Version 1.25)で冷却ファンの動作設定を確認してみると,SAPPHIRE HD 5550とSAPPHIRE HD 5570とで,その内容はまったく同じだった。

まったく同じなので変わり映えがしないのだが,左がSAPPHIRE HD 5550,右がSAPPHIRE HD 5570のファン回転数制御グラフ
ATI Radeon HD 5600/5500 ATI Radeon HD 5600/5500

 4点ネジ留めされているGPUクーラーを取り外すと,部品の配置などを確認できるが,やはり基板自体はHD 5570と同じもののようだ。
 メモリチップには,Samsung製DDR3の「K4W1G1646E-HC12」(0.12ns品)を採用。これを基板の両面に4枚ずつ,計8枚搭載することで容量1GBを実現している。

GPUクーラーを取り外したところ(左)と,搭載するDDR3メモリチップ
ATI Radeon HD 5600/5500 ATI Radeon HD 5600/5500

CCCから動作クロックを確認したところ
ATI Radeon HD 5600/5500
 さて,先ほどアスクによるスペック表を示したが,そこでSAPPHIRE HD 5570のメモリクロックは1.33GHz相当(実クロック667MHz)となっている。一方,Sapphireの公式Webサイトでは,グローバル版が1.6GHz相当(実クロック800MHz),日本語版が1.33GHz相当で,情報に違いがあったのだが,実際に「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)から確認すると,メモリクロックは1.6GHzだった。グローバル版公式サイトのほうが正しいわけだ。
 なおCCCからは,アイドル時のコアクロックが157MHz,メモリクロックが400MHz相当(実クロック200MHz)へ,それぞれ低下することも確認できる。


描画負荷の低いテスト条件を選択し

エントリー&ローエンドGPUとの比較を実施


 テストに用いたシステムは表2のとおり。表1に示したGPUをテスト対象として用意した,という理解でOKだ。


 なお,この中で,GT 220搭載製品となるGIGABYTE TECHNOLOGY製「GV-N220OC-1GI」は,メーカーレベルのクロックアップがなされているため,今回はテストに当たって,動作クロックをリファレンス相当にまで下げている。

ATI Radeon HD 5600/5500
SAPPHIRE HD 5570 1GB DDR3 PCI-E VGA/DVI/DP
Low Profile仕様でDDR3メモリ搭載のHD 5570
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:9900〜1万1200円(※2010年4月3日現在)
ATI Radeon HD 5600/5500
SAPPHIRE HD 5450 512M DDR3 PCI-E VGA/DVI-I/DP
ファンレスでLow ProfileなHD 5450カード
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:6300〜7100円(※2010年4月3日現在)
ATI Radeon HD 5600/5500
GV-N220OC-1GI
クロックアップ版のGT 220搭載製品
メーカー:GIGABYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:リンクスインターナショナル(販売代理店)
実勢価格:7900〜9500円(※2010年4月3日現在)
ATI Radeon HD 5600/5500
Maximus III Formula
P55チップセット搭載のゲーマー向けボード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:2万5500〜2万9000円(※2010年4月3日現在)

 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション9.0準拠。ただし,エントリーGPUが主役の検証ということもあり,解像度は1024×768/1280×1024/1680×1050ドットの三つに絞り,また,アンチエイリアシングやテクスチャフィルタリングを適用する「高負荷設定」のテストは省略する。また,「Crysis Warhead」「バイオハザード5」は,「標準設定」よりもさらに描画負荷の低い「エントリー設定」でテストを行う。

 もう一つ,CPUには今回,「Core i7-870/2.93GHz」を用いているが,組み合わせるGPUによって,自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の効き具合が異なることを防ぐため,同機能はBIOSから無効化していることも,あらかじめお断りしておきたい。


HD 5570から3D性能が1割減

HD 5450に対しては格の違いを見せる


 では,いつものように,「3DMark06」(Build 1.2.0)の結果から見ていこう。グラフ1は「標準設定」における総合スコアをまとめたものだが,HD 5550のスコアはHD 5570比でほぼ1割減。一方,「Cedar」コアのローエンドGPUたるHD 5450との差は大きく,HD 5500シリーズの面目躍如といったところだ。
 なお,GT 220にはあと一歩で届いていない。


 続いて,3DMark06のデフォルト解像度である1280×1024ドット設定における「Feature Test」の結果を見ていこう。グラフ2は,メモリ周りの性能を見る「Fill Rate」(フィルレート)だが,テクスチャユニット数が減り,さらにメモリクロックも下げられているという制限により,HD 5570とのスコア差は,総合スコア以上となる18〜20%に広がっている。


 グラフ3,4は順に,「Pixel Shader」(ピクセルシェーダ)と「Vertex Shader」(頂点シェーダ)のテスト結果となる。前者はFill Rateと同様,HD 5550とHD 5570の差が開きがちである一方,後者では10%以内に収まっており,とくにVertex Shaderの「Simple」テストではほとんど同じだ。
 ただ,現代的な3Dゲームタイトルの多くがピクセルシェーダ性能を問うことを考えると,実際のゲームプレイにおけるHD 5550とHD 5570のパフォーマンス差は,最大20%程度生じると判断しておくのが妥当だろう。


 Shader Model 3.0ベースで,GPUの汎用演算性能の可能性を見る「Shader Particles」(シェーダパーティクル)と,DirectX 9世代における長いシェーダプログラムの実行性能をチェックする「Perlin Noise」(パーリンノイズ)の結果がグラフ5,6である。ここでも,前者だとスコア差は10%程度,後者だと20%程度になっており,状況によって10〜20%程度の性能差が表れることが推測可能だ。


 実際のゲームタイトルにおける検証に移ろう。グラフ7はCrysis Warheadをエントリー設定で実行した結果だが,ここでのスコア傾向は,おおむね3DMark06を踏襲。とくにHD 5550とHD 5470の間には,80というモデルナンバーの違いでは片付けられない“格の違い”がある。
 なお,GT 220では1280×1024ドット以上で,テスト中にプログラムが強制終了してしまう問題が発生したため,スコアをN/Aとした。


 続いてグラフ8は「Left 4 Dead 2」の結果である。本タイトルにおいて,HD 5550のスコアは,HD 5570比で82〜85%といったところ。踏ん張ってはいるものの,両者の差は,3DMark06で見られたワーストケースに近い。
 とはいえ,HD 5450比で倍以上のスコアを示し,1280×1024ドットで平均60fpsを超えているという点で,エントリーGPUとして十分なのも確かだ。GT 220に対しても,安定的に20%程度高いスコアを示している。


 グラフ9,10は順に,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)と,エントリー設定で実行したバイオハザード5のスコアだが,両者の傾向は3DMark06やCrysis Warheadと同じ。とくに,シェーダプロセッサ数とテクスチャユニット数がスコアを大きく左右する傾向にある本タイトルで,HD 5570比90%のラインで踏みとどまっているのは,評価してよさそうだ。


 「ラスト レムナント」でも,HD 5570とHD 5550の力関係は同じ(グラフ11)。ただし,本作はGeForceのほうが高いスコアを示す傾向にあり,実際,HD 5550はGT 220に10%強のスコア差をつけられている。


 最後,グラフ12,13は「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)のDirectX 9モードとDirectX 11モードのスコアだ。ここで興味深いのは,HD 5550とHD 5570のスコア差が,モードにかかわらず10%強のラインにあるところだろう。
 なお,「ATI Radeon HD 5830」のレビュー記事で指摘したとおり,レギュレーション9.0では,DirectX 9モードにおけるGeForceのスコアを正確に取得できないため,今回は色を変えて区別している。



HD 5570と比べて10Wほど消費電力が低いHD 5550

GPUクーラーは変わらないが温度は低めに


 アスクが示しているHD 5550の消費電力は最大40W。HD 5570の公称最大消費電力である42.7Wからはほとんど減っていないが,実際のところはどうなのか。今回も,ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測してみた。
 計測に当たっては,OS起動後30分間放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,各タイトルごとの実行時としている。

前述のRadeon BIOS Editorで,動作クロックテーブルをチェックしたところ。これはSAPPHIRE HD 5550のものだが,SAPPHIRE HD 5570とまったく同じだった
ATI Radeon HD 5600/5500
 その結果をまとめたのがグラフ14で,アプリケーションによるブレはあるものの,3Dゲーム実行時の消費電力で見ると,その差は6〜24W。月々の電気代として“体感”できるかは疑問だが,数字上,10W程度は低いわけだ。HD 5450とほとんど変わらないスコアになっているところもあり,エントリーGPUとして,消費電力は十分に低いと述べて差し支えない。


 SAPPHIRE HD 5570と同じ(と思われる)GPUクーラーを搭載したSAPPHIRE HD 5550だが,GPUコア温度は,消費電力と同様に下がっているのか。「HWMonitor Pro」(Version 1.08)を用いて測定することにした。
 テストに際して,システムは,室温21℃の環境に,バラック状態のまま設置。そして,3DMark06の30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともどもスコアを取得した結果がグラフ15となる。

 端的に述べて,HD 5550のGPU温度は消費電力のスコアを反映したものになっている。少なくとも,実使用に当たって,なにか追加の冷却機構を用意したりすることを考える必要がほとんどないスコアなのは確かだ。
 ちなみに,HD 5450のスコアが高めなのは,今回テストに用いたカードがファンレスモデルだからである。



エントリーモデル最低ラインとしての存在価値はある

一方で微妙な価格設定が課題


製品ボックス
ATI Radeon HD 5600/5500
 HD 5550の3D性能は,HD 5570比で当然低いが,その差は決して致命的なものではない。負荷の低いグラフィックス設定で3Dゲームをプレイしたり,あるいは作りそのものが低負荷のオンラインゲ−ムをプレイしたりするなら,必要十分な性能を持ったGPUだといえる。4GamerではHD 5450を,「ゲーマーが飛びつくようなGPUではない」と切り捨てたが,その意味でHD 5550は,「ゲーム用GPU」の最低ラインとして,相応の価値を持った存在とまとめられるだろう。消費電力がHD 5570比で下がっている点も,評価したいポイントだ。

 ただ,手放しで褒められる存在でもない。その理由は価格だ。SAPPHIRE HD 5550の実勢価格は9000〜1万円程度(※2010年4月3日現在)だが,ほとんど変わらない価格で,各社のHD 5570搭載カードが流通しているのである。また,HD 5550にはDDR2メモリを組み合わせたラインナップが用意されているため,値段だけを見て安易にHD 5550カードに手を出してしまうと,DDR2メモリ搭載モデルで,弱点のメモリ周りがさらに弱くなり,今回得られたスコアには及ばないモデルを“掴まされる”危険もある。

 HD 5550の価値が明確になるのは,DDR3搭載モデルの価格がもう少し下がり,最安値で現在DDR3メモリ採用版GT 220搭載カードと同じ7000円台に突入してからではなかろうか。
  • 関連タイトル:

    ATI Radeon HD 5600/5500

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