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「Quick Fire Rapid」シリーズ3製品を試す。いずれも完成度の高いメカニカルキーボードだが,ポイントは赤軸搭載モデルの存在か
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印刷2012/05/26 00:00

レビュー

赤軸,茶軸,黒軸搭載モデルが用意されたメカニカルキーボード

CM Storm Quick Fire Rapid

Text by 米田 聡


Quick Fire Rapid 赤軸
メーカー:Cooler Master
問い合わせ先:エムヴィケー(販売代理店) ユーザーサポート窓口
実勢価格:1万1000円前後(※2012年5月26日現在)
Cooler Master(旧称:CM Storm)
 PCケースなどで知られるCooler Masterのゲーマー向け周辺機器ブランド「CM Storm」から,キーボード第一弾としてCM Storm Quick Fire Rapid(以下,Quick Fire Rapid)シリーズが登場している。
 シリーズのラインナップは「Quick Fire Rapid 赤軸」「Quick Fire Rapid 茶軸」「Quick Fire Rapid 黒軸」の3モデルだ。今回,それらをまとめて試用する機会が得られたので,それぞれのモデルの特徴や使用感をまとめてみたい。


3モデルで異なるメカニカルキースイッチを採用


Quick Fire Rapid 茶軸,Quick Fire Rapid 黒軸
メーカー:Cooler Master
問い合わせ先:エムヴィケー(販売代理店) ユーザーサポート窓口
実勢価格:各1万円前後(※2012年5月26日現在)
Cooler Master(旧称:CM Storm)
 Quick Fire Rapidは,テンキーレスの日本語91キー配列が採用されたメカニカルキーボード製品シリーズだ。テンキーレスということで,筐体サイズなどは気になるところだと思うが,今回はあえて,本シリーズ最大の特徴であるキースイッチから紹介しておきたい。
 というのも――そのものズバリな製品名なのでお気付きかもしれないが,本シリーズには――独ZF Electronics製の定番メカニカルキースイッチである,いわゆる“Cherry赤軸”“Cherry茶軸”“Cherry黒軸”が搭載されているのだ。
 俗にCherryスイッチと呼ばれる「MX Series」スイッチは,「軸」の色によって,押したときの感触が異なる。つまり,CM StormはQuick Fire Rapidというシリーズで,見た目が基本的に同じでありながらもキーを押したときの感触が異なるモデルを,3つ同時に展開しているというわけなのである。
 各スイッチの具体的な違いは下記のとおりとなる。

  • Cherry赤軸(正式型番:MX1A-L)
  • キーの押し具合に応じてバネ圧が強まるタイプ。スイッチのクリック感はない。
  • Cherry茶軸(正式型番:MX1A-G)
  • バネ圧が一定で打鍵音は小さめ。キースイッチの部分に軽いクリック感があり,押したときの感触で入力を確認できる
  • Cherry黒軸(正式型番:MX1A-1)
  • こちらも押し具合でバネ圧が強くなり,スイッチのクリック感もないタイプ。ただし,赤軸よりも押し戻す力は強い

Quick Fire Rapid 赤軸のキートップを外したところ。赤いキースイッチが見える
Cooler Master(旧称:CM Storm)
 スイッチのバネ圧を錘(おもり)でそれぞれ計測してみると,まず赤軸と茶軸は,40g前後で完全にキーが沈み込んだ。50g前後のものが多い一般的PC向けキーボードと比べると,軽めのバネ圧設定と考えていいだろう。
 その一方で,黒軸は50g前後で沈み込みが始まるものの,徐々にバネ圧が強くなる仕様から,完全に沈み込ませるために70gの錘を載せる必要があった。黒軸はバネ圧のぶん,入力時に「しっかり押している感触」があるキースイッチといえる。

 ただ,だからといって黒軸を使うには70g以上の力で押さなければならないというわけではない。キースイッチの反応する深さは軸を問わず2mmほどと浅い設定になっており,だいたいストロークの半分ほど押しこんだところで入力が感知される。キーストロークが短いということは,キーを押してから検知するまでの速度が高まるため,素早いキー操作が可能というわけだ。
 この仕様はいずれのモデルでも変わらないので,どれを選ぶかは,重さではなく,純粋にキータッチの好み次第ということになるのである。

 また,キーの反応速度面では,1000Hzのレポートレートもウリの1つとされている。スキャンレートが高ければ,キー検出までのタイムラグも小さくなる。キーの使用感は後ほどお伝えするが,ここは十分なスペックを備えてきたと述べておくべきだろう。

左から赤軸,茶軸,黒軸搭載モデル。ご覧のとおり,軸の色が異なる
Cooler Master(旧称:CM Storm)


テンキーレスのコンパクトな形状ながら,設置感は良好


 キースイッチ以外の仕様は,3製品とも基本的に同じだ。赤軸モデルのみボディカラーが黒となっており,茶軸モデルと黒軸モデルは銀なので,見た目は異なるものの,本体の形状や機能などに違いはない。ちなみに本体とキートップには滑り止め加工が施されており,とくにキートップはザラつきのある一種独特な,それでいて不快さはない感触だ。

Cooler Master(旧称:CM Storm)
赤軸モデルはボディが黒,茶&黒軸モデルはボディが銀色という違いはあるが,そのほかの仕様は変わらない
Cooler Master(旧称:CM Storm)
つや消しで手触りのいい筐体は高級感がある。本体表面とキートップには滑り止め加工が施されている

 キー配列は先に述べたとおり,テンキーレスタイプの日本語91キー仕様だ。テンキーがないだけあって,底面を占めるスペースは実測355(W)×135(D)mmとコンパクト。日本の住宅事情を考えれば,テンキー非搭載のキーボードを使ってでも,マウスを動かすスペースの広さを優先したいというゲーマーは多いだろう。

 搭載されているキーはかな文字の刻印が省略されているので,一見すると英語キー配列のように思えるかもしれないが,繰り返しているとおり実際は標準的な日本語キー配列である。
 一般的な配列とちょっと変わった部分があるとすれば,右[Ctrl]キーの隣,通常なら[コンテキストメニュー]キーなどが配置されているあたりに,[Fn]キーが置かれていることだろう。本製品は,[Fn]キーと[F5]〜[F8]キーを同時に押すとWinodws Media Playerの操作が,[F10]〜[F12]キーと同時に押すとミュートや音量調節の設定が可能なので,片手でこの操作ができるよう,このキー配置になっているのだと思われる。

キー配列は日本語91キーを採用。キートップの印字はレーザー刻印で,消えにくい仕様になっているという。キーピッチは19mmと極めて一般的で,まったくクセがない。なお,この写真では[W/A/S/D]キーが赤いキーに変わっているが,その件は後述する
Cooler Master(旧称:CM Storm)

 左[CTRL]キーと[ALT]キーの間に置かれている,炎のアイコンが描かれたキーは[Windows]キーだ。ゲーマー向けキーボードの場合,[Windows]キーを無効化できる製品は多いが,Quick Fire Rapidの場合は,[Fn]+[F9]の同時押しで有効/無効を切り替えられる。操作が簡単で,かつ,通常使用時に“誤爆”しにくい組み合わせとなっている点は,よく練られている印象だ。

 そのほか,キーまわりのゲーマーに向けた仕様としては,[W/A/S/D]キーに交換用の赤いキートップが用意されていることも挙げられる。上に示した写真では交換後を示したが,赤いキートップは相当に目立つため,暗いところでゲームをプレイするときには目印として使えるだろう。

Cooler Master(旧称:CM Storm)
[Windows]キーを無効化すると,[F9][Caps Lock][Scroll Lock]のキートップに埋め込まれた3つのLEDが点灯し,一目で分かる
Cooler Master(旧称:CM Storm)
交換用キートップを装着。[W/A/S/D]キーがどこにあるのか分かりやすくなる。Cooler Masterのロゴが描かれたキートップも付属する

付属品一式。[W/A/S/D]用の赤いキートップとキートップリムーバー,USBケーブル,USB−PS/2変換アダプタ,そして説明書となる
Cooler Master(旧称:CM Storm)
Cooler Master(旧称:CM Storm)
 キーボードをひっくり返して底面を見てみると,4か所に,滑り止め用の横長なゴム足が付いているのが目に留まる。重量はUSBケーブル込みで実測940g,ケーブルなしで同910g。小さめな筐体サイズにしてはずっしりとした重さがあり,ゴム足の存在も相まって,ゲーム中に動いたり,ガタついたりすることはまったくない。

 ちなみに,USBケーブルは完全に取り外しが可能だ。少し珍しいが,底面中央の窪みにUSB Mini-Bコネクタが用意されており,そこにUSB−USB Mini-Bケーブルをつないで,PCと接続する仕様になっている。ケーブルを取り外せると,キーボードを外に持ち運ぶとき,ケーブルをコンパクトにまとめられるので,これはこれでアリだろう。ケーブル自体は細身ながら,布巻きの頑丈な作りになっていて,質感も悪くない。
 加えて,USB−PS/2の変換アダプタも付属しているので,PS/2接続も可能だ。

 やや心配になるのは,USBケーブルがゲーム中に外れてしまわないかという点だが,そこは杞憂だった。底面のUSB Mini-Bコネクタがある部分から,左右と奥の3方向に溝が掘られており,ここにケーブルを固定できるようになっているためだ。溝が3方向に向いているので,PCとキーボードの位置関係に応じて,ケーブルを引き出す場所を変えられるのも嬉しいところである。

Cooler Master(旧称:CM Storm)
キーボード底面にあるUSB Mini-Bコネクタを使ってケーブルを取り付ける仕様となっている
Cooler Master(旧称:CM Storm)
ケーブルは,溝にはめ込んでしまえばゲーム中に抜けることはまずない。引き出しは3方向に可能だ

 また,底面にはチルトスタンドが用意されている。キーボードの高さは手前側で実測20mm,奥側で同35mだが,チルトスタンドを立てた場合は,奥側を42mmまで高くできる。
 Quick Fire Rapidは,キーの表面部分が軽いカーブを描く形になるステップスカルプチャが採用されているが,キートップの高さはおおむね8mm前後となる。つまり,キートップまで含めれば,手前側の高さは28mmほどだ。人によっては,パームレストがあったほうが使いやすい高さかもしれない。

高さはチルトスタンドを立てない状態で手前側が20mm,奥側が35mm。チルトスタンドを立てると奥側が42mmまで持ち上がる
Cooler Master(旧称:CM Storm) Cooler Master(旧称:CM Storm)


同時押し性能はPS/2,USB接続ともに良好。キースイッチは好み次第


 基本仕様を確認したところで,肝心の使い勝手をチェックしていきたい。
 まずはゲーマー向けキーボードの最重要項目である,いわゆる同時押し性能だが,本製品は,Nキーロールオーバーへの対応と,PS/2接続時の全キー同時押し(※USB接続時は最大6キー)対応とが謳われている。

 「4Gamer Keyboard Checker」(Version 1.0.0)を用いて確認したところ,PS/2接続時は売り文句どおり全キーの入力を認識し,かつ全キーの同時入力が可能だった。USB接続時の場合でも,[Shift][Ctrl]といった修飾キーに加えて,さらに6キーまでの同時押しが検出できたので,FPSやTPSであれば,USB接続でもまったく問題なくプレイ可能ということになる。
 音楽ゲームでは,6キー以上を同時に入力したいケースもあるかもしれないが,その場合はPS/2接続を使って対応できる。ゲーム用のキーボードとしては,合格点が与えられるといえよう。

片手で複数のキーをムリヤリ押してみた。画像のとおり,きちんと認識されている
Cooler Master(旧称:CM Storm)

 お次はQuick Fire Rapid最大の特徴となる,赤軸,茶軸,黒軸のキースイッチを見ていこう。正直に言えば「バネの強さとクリック感の有無で好きなものを選ぶ」のがベストな気はするが,あえて筆者の好みでどれがゲームに向いているかを述べるとすれば,赤軸が良いのではないかと思う。
 筆者は今回,「Battlefield 3」と「Enemy Territory: Quake Wars」で3機種を使い比べてみたが,赤軸はバネ圧が軽いぶん押しやすく,操作速度の向上につながっている印象なのである。

Cooler Master(旧称:CM Storm)
 先に述べたとおり,茶軸のバネ圧も同程度に軽いが,それでも赤軸に軍配を挙げたのは,茶軸のクリック感がメカニカルスイッチ特有のものなので,赤軸のほうがクセのない印象を受けたからだ。もちろん,メカニカルスイッチのキーボードに慣れていて,スイッチを押した感触がほしいという人であれば,茶軸もおすすめできる。
 なお,クリック感があるといっても,大きな音がするわけではないので,操作時の音を気にする必要はない。強いていうなら,バネ圧が軽い茶軸,赤軸のキーは簡単に底付きするため,そのときに軽い音がする程度だ。
 一方,バネ圧が高い黒軸は,底付きしにくいぶん指への衝撃が少なく,打鍵音も小さい。キーを力強く押すタイプの人には黒軸もアリだろう。

 ちなみに,後述するとした「1000Hzのレポートレートによる入力検知速度の速さ」は,とくに体感できなかった。これはスペック的にイマイチという話ではなく,キーのバネ圧の強さや,キースイッチが浅い位置で反応する仕様によって,キーの反応速度が速く感じられるためだ。果たして,この操作感の良さがキースイッチによるものなのか,高レポートレートの効果なのかは分からないが,いずれにせよキーの反応に不満はない。


完成度の高いQuick Fire Rapid。ライバルはMajestouchか


Cooler Master(旧称:CM Storm)
Cooler Master(旧称:CM Storm)
 以上,Quick Fire Rapidシリーズをテストしてきた。端的にまとめるなら,飾った特別な機能はないものの,総じて完成度の高いメカニカルキーボードだということになると思われる。性能面でおすすめできない点はまったく見当たらないので,あとは似たような他社製品との比較次第ということになる。

 直接のライバルとなるのは,メカニカルスイッチ採用キーボードの雄,ダイヤテックが展開するFILCOブランドのゲーマー向けキーボード「Majestouch 2 Camouflage」シリーズとなるだろうか。このシリーズは,キースイッチが異なる複数のモデルが用意されているだけでなく,同時押し性能も同程度で,[Windows]キーの無効化機能や交換用キートップも用意されている。ここまでバッティングする部分が多いと,かなり悩ましい。

 そんななかで大きな違いとなるのは,Quick Fire Rapidに,Majestouch 2 Camouflageでは用意されない赤軸搭載モデルがあることだろう(Majestouchファミリー全体を見れば赤軸搭載モデルがないわけではない)。上で述べたとおり,赤軸はゲーム用途に向いたキースイッチのように感じられるので,ここは大きなポイントだ。
 また,Majestouch 2 Camouflageテンキーレスモデルの実勢価格は,2012年5月26日時点で1万1000円前後。対してQuick Fire Rapidは,赤軸モデルの実勢価格はMajestouch 2 Camouflageと同程度だが,茶軸,黒軸モデルは1万円前後と,若干安い。価格を考えれば,今のところ茶軸や黒軸でもQuick Fire Rapidが有利である。
 もっともMajestouch 2 Camouflageには“青軸”搭載モデルがあるので,青軸派の人だとMajestouch 2 Camouflageに軍配を上げることになると思われるが。

 ともあれ,いずれのモデルを選んだとしても,満足度は高いはずである。Quick Fire Rapidの登場でメカニカルキーボードの選択肢がさらに増えたという点は,大いに歓迎したいところだ。


「Quick Fire Rapid」シリーズ製品情報ページ

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    Cooler Master(旧称:CM Storm)

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