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  • セガ
  • 発売日:2009/10/29
  • 価格:7,980円 (税込),ダウンロード版3600円(税込)
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まだ遊んでないバッボーイはいねーか! エロ“バカ”カッコイイ新感覚エンターテイメント「BAYONETTA」のレビューを掲載
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印刷2009/12/28 19:16

レビュー

これを遊ばないアクションゲームファンはバッボーイにもほどがある!

BAYONETTA(ベヨネッタ)


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 セガは10月29日,Xbox 360 / PlayStation 3用ソフト「BAYONETTA」(ベヨネッタ)を発売した。本作は数百年の時を超えて現代に蘇った魔女“ベヨネッタ”と,天使の戦いを描いた“∞クライマックス”アクションゲームだ。四肢に銃火器を装備し,射撃と打撃を同時に駆使して戦う“バレットアーツ”や,自身の髪を触媒にして魔界の住人を召喚する“ウィケッドウィーブ”など,ド派手な演出とアクション性が特徴となっている。
 また,攻撃ボタンを連打するだけで華麗なコンボをキメられる“イージー・オートマチック”モードの存在にも注目。アクションの苦手な人も,本作の魅力である“絶頂感がブッ続く”感覚を存分に味わうことができる。
 本稿では実際にプレイした感想を交えつつ,ゲームの魅力を紹介していこう。

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エロくてカッコよくてたまにバカ

天罰をも恐れぬ我らがベヨ姐様!!


<ストーリー>


 20年前,ほの暗き湖底に沈む棺の中から,一人の女が蘇った。自分の素性も,そして名前さえも思い出せないその女の体には,ただ一つだけ,失われた過去の謎を解く記憶が刻まれていた。それは,獰猛な魔獣を操って天よりの使いを葬り去る恐るべき“魔女の力”だった……。
 数百年の時を超え現代に蘇った魔女ベヨネッタは,僅かに残る記憶の手がかりを手繰り寄せるうちに,ヨーロッパの辺境「ヴィグリッド」へと辿り着く。彼女を阻止せんと襲いくる無数の天使達。彼女の過去を呼び覚ます数奇なる出会い。その先で彼女を待ちうけているものとは……?

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 上記のストーリーだけ見れば,かなりシリアスな印象を受ける本作。べヨネッタの敵として登場する天使達のデザインも斬新で,グロテスクでありながらどこか神秘的な美しさも孕んでおり,神々しい。べヨネッタはそんな天使達を「デビルメイクライ」のダンテも顔負けのスタイリッシュ・アクションでバッタバッタとなぎ倒していくわけだが……“カッコいい”だけじゃ終わらないのがBAYONETTAである。
 さすが“魔女”と言うべきか,べヨネッタ……いや,あえて「姐さん」と呼ぶことにしよう。ベヨ姐さんは仮にも天からの使いを相手に,「あんた達を狩る理由わかる? その顔がムカつくからよ!」と言い放ち,オシオキと称してギロチンで首をはね飛ばすわ,チェーンソーで真っ二つにするわ,三角木馬に跨らせるわとやりたい放題。そんな根っからの女王様気質に,筆者を含めた全国のM男もとい「バッボーイ」(悪い子)連中のハートは,鷲掴みを通り越して握り潰されてしまったのである。

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 そんなフリーダムなベヨ姐さんが主人公なのだから,当然ストーリーもシリアス一辺倒になるはずがない。真面目なシーン,例えばボス天使と死闘を演じる場面でも,ベヨ姐さんは遊び心と余裕を忘れず,無駄にトドメの描写がコミカルだったり,ちょくちょく名作ゲームや映画のパロディが差し込まれたりと,毎回プレイヤーの予想の斜め上を行ってくれるのである。イベントムービーが多すぎて,ゲームを楽しむ上でストレスになってしまう作品は多いが,本作に関してはムービーが始まるたびに,「次はどんなバカをやってくれるのか」とワクワクさせられるのだ。
 本当にあらゆる演出が秀逸で,「涙あり笑いあり」という言葉だけでは片付けられない。「エロ“バカ”カッコイイ」という,新体験のエンターテイメントが本作では味わえるはずだ。


一つのゲームに二つのゲーム性

とくに注目してほしい“オカンモード”


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 ここからは本作の戦闘システムについて解説していこうと思うのだが……実は,本作は選択した難度によって著しくゲーム性が変わるのである。基本的にはパンチボタンとキックボタン,そしてパッドを倒す方向の組み合わせによって多彩な必殺技を繰り出し,さまざまな装備やコンボを試行錯誤して敵を倒していくという,格闘ゲームのように骨太なアクションを楽しめるゲームだが,それはノーマルかそれ以上の難度を選択した場合の話。
 冒頭でも書いたように,本作にはイージー・オートマチックという,攻撃ボタンを連打しているだけで自動的に戦ってくれるモードが存在しており,「オカンでもクリアできる」バランシングであることから別名“オカンモード”とまで呼ばれている。難度イージーまたはベリーイージーで選択可能で,アクションが苦手な人への救済措置的な意味合いが強いモードだが,それだけでなく,こっちはこっちでノーマルやハードとはまた違ったゲーム性を持っている。右手だけ,場合によっては足でボタンを連打しているだけでもゲームをガンガン進めて行けるので,面倒なことは一切抜きにして敵を派手にぶっ飛ばす“爽快感”だけを手軽に味わえるのだ。

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 また,本来激しい操作を要求されるアクションゲームでは難しい“ながらプレイ”ができるのも大きなポイント。ご飯を食べながら,酒を飲みながら,漫画を読みながら……それが良いか悪いかは別として,色々と忙しい人,もしくは筆者のようにモノグサなダメ人間にとっては非常に有り難い。
 一つのゲームでまったく違った二つのゲーム性が楽しめると言っても過言ではないので,オカンモードはアクション慣れしたプレイヤーでも,馬鹿にせず一度は触ってみるべきだ。ゲームに不慣れな友達に遊ばせる際にもオススメである。


魔界の名工が製作した装備の数々

華麗かつ残酷に天使共を狩れ!!


敵の攻撃を紙一重で回避すると“ウィッチタイム”が発動し,しばらく時間の流れがスローになる。戦闘を有利に運べるほか,水上を走ったりできるので謎解きで使う機会も多い
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 さて,前述のようにベヨ姐さんは打撃や銃撃を駆使して戦うわけだが,そのほかに魔力を消費することで“魔導術”と呼ばれる技も使用できる。髪の毛に魔界の住人を宿らせて攻撃するウィケッドウィーブ,月光を浴びることで魔導力を高め,壁面を歩く“ウィッチウォーク”,かつて魔女狩りに使われた拷問具で天使を責め殺すという,ブラックジョークが効いた“トーチャーアタック”,そして,ボスに対してのみ使用できる“大魔獣召喚”などがそうだ。
 その中でも,とくにトーチャーアタック(トーチャンアタックではない)はバリエーションが豊富で見ていて楽しい。数々の拷問具を楽しそうに使いこなすドSなベヨ姐さんの姿に,色々な意味でキュンキュンすること間違いなしだ。

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トーチャーアタックでは敵をアイアン・メイデン(中世に実在した拷問具)に叩き込んだり,ギロチンで首を落としたりと演出が非常に派手だ
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大量の魔力を消費し,獰猛な魔界の暴れ者を呼び出す大魔獣召喚。ボス戦最大の見せ場だ

 本作には銃のほかにも刀や爪,ムチなど多彩な武器が登場するが,最初からその全てを使用できるわけではない。ストーリーを進めて行く過程で“天使の歌声”という割れたレコードのようなアイテムを集め,それをべヨ姐さんの協力者である魔界の名工「ロダン」に渡すことで武器を製作してもらえるのだ。なお,ベヨ姐さんは両手両足に武器を装備できるが,その組み合わせによって出せる技やコンボのパターンも変わってくる。装備は2セットまで設定することができ,戦闘中いつでも切り替えられるので,敵に合わせて臨機応変な戦い方をすることが可能だ。

製作作業で血まみれになりながらも余裕を見せるロダン。初めて作成された武器は無料でもらえるが,武器の種類によってはその後有料で複製品が売り出される場合もある
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 また,ロダンは武器のほかにアクセサリーや消費アイテム,“テクニック”も扱っており,天使の生命力が結晶化した“ヘイロウ”と呼ばれるレアメタルと引き換えに,それらを提供してくれる。アクセサリーは同時に二つまで装備可能で,魔界から使い魔を召喚したり分身を生み出したりと,その効果はさまざまだ。消費アイテムは体力や魔力を回復するものが主だが,ロダンから購入する以外にもフィールドなどで獲得できる“調合アイテム”を用いて,自ら作り出すこともできる。
 そして,テクニックを購入すればベヨ姐さんが新たな技を使えるようになる。購入前に試すことも可能なので,自分の戦い方に合ってるかどうか良く吟味しよう。

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 さらには,入手困難なレア物を扱っている“掘り出し物”という項目もある。初期状態では何も表示されておらず,特定武器の入手などで商品が増えて行く仕組みだ。なんと,とある条件を満たせば,ベヨ姐さんのコスプレ衣装もここで購入できる。年を考えるとかなりキッツイのもあるが,熟女スキーにはたまらないはずだ(?)。


この魅力に触れないのは絶対に損!

こだわりと遊び心が満載の傑作


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 コアなアクションゲーマーも納得の作りこまれた戦闘システムと,オカンでもクリアできてしまうイージー・オートマチックモードの共存。アクションゲームとしては最高峰の完成度で,さらにストーリーも面白い。開発者のこだわりと遊び心が「これでもか!」というほどに詰まった作品だ。
 ベヨ姐さんのキャラクター性に関しては,とにかく異常なまでの情熱が込められており,一挙手一投足,すべての動きがセクシーでスタイリッシュなのに驚かされる。たまにやり過ぎてギャグになっているが,それがまた素敵なのだ。ボーカル曲を積極的に取り入れたBGMも素晴らしく,ベヨ姐さんのアクションとピッタリでプレイヤーの気分を最大限まで盛り上げてくれる。
 今までにあまりいなかったタイプの主人公なので,ちょっと身構えてしまう人もいるかもしれない。しかし,ベヨ姐さんの魅力に触れずに人生を終えるのは絶対に損だ,と筆者は断言できる。まだ「BAYONETTA」を一度もプレイしていないというバッボーイは,アクションゲームの得手不得手を問わず,眼鏡属性の有無を問わず,熟女が好きとか嫌いとかも考えずに,一度は本作をプレイしてほしい。

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