2016年の「テイルズ オブ ベルセリア」以降,コンシューマ機用向けタイトルの情報がなかったので,ファンとしては「待ってました!」という感じだろう。
「テイルズ オブ」シリーズは,1995年に発売されたスーパーファミコン向けソフト「テイルズ オブ ファンタジア」を皮切りにこれまで数々のタイトルを世に打ち出してきた。長く続くシリーズゆえに,それぞれのタイトルごとに固定ファンも多く,読者の中にも思い入れのある作品を持っている人はいるだろう。
かくいう筆者にもシリーズで特に思い入れのあるタイトルがある。それが,2000年に発売されたPlayStation向けソフト「テイルズ オブ エターニア」である。
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発売から18年が経過した今でも,ファンの間ではシリーズの基礎を築いた傑作として語り継がれている本作だが,「テイルズ オブ ファンタジア」や「テイルズ オブ デスティニー」に比べると,近年ではフォーカスされることが少なくなっているように感じられる。
そこで今回は,そんな名作「テイルズ オブ エターニア」を振り返る記事をお届けしたい。一体本作の魅力とは何だったのか,後の作品にどんな影響を与えたタイトルだったのか。当時やり込んでいた「エターニア大好き人間」の筆者が語ってみたい。
「インフェリア」と「セレスティア」,2つの世界を又にかける壮大な物語
まず,本作の基本的な部分をおさらいしていこう。
「テイルズ オブ エターニア」は,「テイルズ オブ」シリーズのマザーシップタイトルの3作目にあたる作品だ。前作「テイルズ オブ デスティニー」に続き,キャラクターデザインはいのまたむつみ氏が担当している。
温かい気候と自然に恵まれた「インフェリア」と,寒く常に暗雲が立ち込める「セレスティア」という2つの大地が「オルバース界面」と呼ばれる境界を挟んで向かい合う世界「エターニア」が舞台となる。
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物語は,「インフェリア」にある片田舎の村「ラシュアン」に暮らす主人公のリッド・ハーシェルと,幼なじみのファラ・エルステッドが,突如として「セレスティア」から落ちてきた謎の少女メルディと出会うところから始まる。幼なじみであるキール・ツァイベルを頼りながら旅を続ける中で,3人はメルディの口から「このままでは,インフェリアとセレスティアが衝突して世界が崩壊してしまう」という衝撃的な事実を聞かされる。
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本作は,前作「テイルズ オブ デスティニー」やPS版「テイルズ オブ ファンタジア」から演出面で大きく進化を遂げている。
特にメインシナリオにボイスがふんだんに付くようになったのは大きな進化と言えるだろう。メインシナリオがフルボイスで進行するのは,今や「テイルズ オブ」シリーズでは当たり前になっているが,実はシナリオ中のボイスが本格的に導入されたのは本作からなのだ(「ファンタジア」「デスティニー」ではほんの一部しか付いていなかった)。
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筆者がボイス付きのシーンで特に印象的だったのは,「セレスティア」へ渡った直後にリッドが色々あって落ち込んでいたファラを気づかうところである。テキストだけ見ると「だいじょうぶか?」と言っているだけなのだが,そのときの声が「リッドは本当にファラを心配しているんだな」と分かるような,優しく語り掛けるような口調なのだ。声優さんは偉大だなあと思ったとともに,シナリオボイスの威力を改めて感じさせられたワンシーンである。
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世界観も非常に良く練り込まれており,身分制度を敷き,王族や貴族の権力を絶対的なものとする「インフェリア」と,実力主義・競争社会で平等でありながらも,常に争いが絶えない「セレスティア」といった異なる世界の価値観や文化の違いがしっかりと描かれていた。
劇中で分かりやすく象徴的なのは,“言語の違い”である。セレスティア人は「インフェリア」では古代語とされている「メルニクス語」を公用語として使用しているのだが,物語の序盤では,これが原因でメルディとまったく言葉が通じない。
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驚くべきことに,この言語はちゃんと翻訳できるようになっていて,ゲーム内に登場するメルニクス語を翻訳していくと,より深くシナリオを理解できるようになる。
ただし,物語の核心を突く話を伏せるために,あえてメルニクス語で分かり辛くされている描写などもあるため,初見プレイではあまり深く掘り下げずに遊ぶほうがいいだろう。
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巻き込まれた第三者から物語の当事者へ。主人公「リッド」の成長
「テイルズ オブ エターニア」は,パーティメンバーも魅力的だ。
グイグイとパーティを引っ張っていくが,無鉄砲が玉にキズのファラ,頭は良いが,ちょっとひねくれもののキール,場を和ませるムードメーカーだが,秘密を抱えた不思議少女のメルディ,パーティ随一の常識人で皆のまとめ役だが,消極的なリッドといったように,それぞれが長所と短所を持っており,それを補い合いながら旅をしていく。
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パーティの中でも特に主人公のリッドは,旅を通じて大きく成長している。物語序盤では「何も変わらないのがほんとの幸せ」という考え方を持ち,積極的に物事に関わろうとはしないスタンスを持っている。「こんなおおごとは俺たちの手に余るから,王様に報告してあとは国に任せよう」と語るシーンは有名で,今でも序盤のリッドを象徴するシーンとして,ファンの間ではよく取り上げられることがある。
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いわゆる「巻き込まれ型」主人公であるリッドだが,2つの世界を旅してさまざまな人たちと出会い,変わっていく。受動的だった彼が物語の終盤に「大切な人や世界を守るために自分にしかできないことをやる」と覚悟を決め,「セイファートの試練」に挑む流れは本作屈指の熱い展開だ。試練の内容も相まって,強く印象に残っているファンも多いのではないだろうか。
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「秘奥義」が初登場! 後の作品のベースになったスピーディな戦闘
「テイルズ オブ エターニア」は,ビジュアル面で進化を遂げただけでなく,今やおなじみとなった「テイルズ オブ」シリーズの基礎となるシステムを完成させた作品でもある。
特に戦闘の進化は目覚ましく,通常攻撃を3回まで繋げることが可能になったほか,一部を除き中級・上級魔法(昌霊術)が発動したときに戦闘が停止しなくなった。このシステムの進化は当時衝撃的で,それまでの作品とは一線を画すほどスピーディでアグレッシブな戦闘が楽しめるようになった。
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「秘奥義」が初めて登場したのも大きなトピックと言える。今や「テイルズ オブ」シリーズの「必殺技」として,プレイヤーで知らない人はいないほどに有名になった「秘奥義」だが,本作ではどれも発動条件が隠されていた。かろうじて2周目以降にヒントをくれる人物が登場するが,それもほのめかす程度ではっきりと教えてくれるわけではない。まさに「秘奥義」の名前通り,隠された技だったのだ。
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「秘奥義」の話で避けて通れないのは「ブルー・アース」の話題だろう。「ブルー・アース」は当時,数ある秘奥義の中でも特に発動条件が隠し続けられていた技で,ゲーム中はおろか,公式攻略本などの関連書籍にもその存在が記されていなかった。
発動条件も「特定の条件を満たしてマクスウェルを召喚し,その後決まったコマンドを連続で入力していく」という,偶然ではまず発見できないようなもので,発売からしばらく経ってからインターネット上で初めて見つけられたという経緯を持つ。まさに隠し中の隠し技と言える。
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エターニアの戦闘は今でこそシンプルに映るが,当時は非常に画期的で,それまでのシステムをうまく昇華させた1つの完成型だった。以後「テイルズ オブ」シリーズは,「シンフォニア」や「ジ アビス」「ヴェスペリア」といった3Dグラフィックスベースの戦闘を採用したタイトルと,「デスティニー2」や「リバース」のような一風変わった意欲的な戦闘システムを採用したタイトルへと枝分かれしながら進化していくことになる。
ゲストキャラも大勢登場! 膨大なやりこみ要素の数々
本編シナリオもなかなかのボリュームだが,豊富なサブイベントや隠し要素があるのも「テイルズ オブ エターニア」の魅力だった。その量たるや近年の「テイルズ オブ」作品に勝るとも劣らず,当時小学生だった筆者のクラスでは「誰が早く隠し要素やサブイベントを見つけられるか」競争が繰り広げられていたほどだ。
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また,やりこみ要素の中には,闘技場のエキシビションマッチで戦える「テイルズ オブ ファンタジア」のクレス&アーチェ,召喚術「デスティニー」で登場する「テイルズ オブ デスティニー」のソーディアンマスターたちなど,過去作からのゲストキャラクターにまつわるものも多く,ファンへのサービス精神にあふれた演出が多数盛り込まれていた。
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特に筆者が驚かされたのは,隠しボス「ゼクンドゥス」の登場だ。このボスは「テイルズ オブ ファンタジア」のラスボスである「ダオス」をモチーフにしており,バトルグラフィックスやボイスは「ダオス」そのまま。
さらに,特定の条件下で「インディグネイション」を使うことにより,「テイルズ オブ ファンタジア」のオープニングシーンを再現したとどめ演出が見られる。「テイルズ オブ ファンタジア」のプレイヤーなら必見と言い切ってもいいぐらいカッコ良く,こういった細やかなところまでファンが喜ぶ演出取り入れる開発チームの熱意には脱帽するしかない。
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「テイルズ オブ エターニア」は,シリーズ初期の総決算的な作品。20周年に向けて今後の動きにも期待!
「テイルズ オブ エターニア」は,まさにシリーズ初期の集大成と言える作品だった。 丁寧に作られた世界観や秀逸なシナリオ,後のシリーズの基礎となったシステム,そして豊富すぎるサブイベントは,当時小学生だった筆者に強烈なインパクトを残し,周囲の友達にも片っ端から勧めまくっていた。自分の中ではベスト3に入るRPGで,今でも思い出しては引っ張り出してやりなおすほど思い入れがある。これほど熱中したタイトルは人生でも数えるほどしかない。
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一方で,公式攻略本にある設定資料のかなり重要なキャラクターの設定が,ゲーム中で描かれていないことがたびたびあるのは少し気になる点だ。確かにそういった複雑な設定をあえてシナリオに盛り込まず,ひたすら4人のメインキャラクターを中心にしたことで,話が分かりやすくなっている側面もあるが,もったいなくも感じる。
また,4人以外のパーティメンバーであるフォッグとチャット関連のイベントが,軒並みサブイベントで終わっているのも筆者としては少し寂しい。
「テイルズ オブ エターニア」は,初代PlayStaitonで発売されたオリジナル版以外には,2005年にPSPで移植版が出たのみに留まっており,「テイルズ オブ」シリーズ初期の3作では唯一リメイクが行われていないタイトルでもある。今後リメイクの機会があるなら,レイスやフォッグ,チャットといったパーティメンバーの掘り下げや,設定資料集でしか語られなかったエピソードを盛り込んでほしいところだ。
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本作は現在,PlayStation StoreにてPSP版が配信されており,PS Vitaでもプレイ可能だ。最新のシリーズに比べると多少システム面で古さを感じるものの,今でも十分遊べるほどの完成度を誇っているので,まだプレイしたことのない人はぜひプレイしてほしい。
また,約2年後の2020年11月にはオリジナル版の発売から20年を迎える。20周年のアニバーサリーイヤーに向けても何らかの動きがあることに期待したいところだ。
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![[E3 2018]この冬,「テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER」がリリース。PS4,Xbox One,PC(Steam),Nintendo Switch向けに](/games/088/G008881/20180611018/TN/001.jpg)



















































































