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インディーズゲームの小部屋:Room#596「Cliff Empire」
有明から青海まで,炎天下の中を行軍して,すっかりヘトヘトの筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第596回は,Lion's Shadeの「Cliff Empire」を紹介する。本作は,放射能の霧に覆われて地表に住めなくなった人類が,人工の高い崖の上に都市を築き上げていくという都市建設シミュレーションだ。途中にほとんど日陰がなくて,あれは本気で大変すぎた……。
10年に及ぶ核戦争によって,地表が厚さ300mの放射能の霧に覆われてしまった地球が本作の舞台。生き残った人々は軌道上のステーションに避難したが,こうした事態を予測していた科学者達は,いつか再び故郷の地で暮らせるよう,地表に人工的な崖を作る技術を生み出していた。そして今,もう一度大地に生命を取り戻すため,人々の入植が開始される……。
ゲームの目的は,人工の高い崖の上に都市を建設し,発展させていくこと。入植の第一歩として,まずは資源を保管するための貯蔵所と,軌道ステーションとの行き来のための発着プラットフォーム,そして入植者が暮らしていくための住宅を用意しよう。しばらくすると入植者がやって来るので,さらに続けて,発電所や水抽出ステーション,農場など,ここでの生活に必要な施設を建設していくのだ。
十分な水や食料,電力などを確保することで都市の評判が上がり,入植者が増えていくが,評判が下がると人が出て行ってしまうため,各資源の需給を見てバランスよく都市を発展させていくことが肝心だ。しかし,ときおり軌道ステーションからの指令として,不足している資源を要求されることがあるのが厄介なところ。期限内に要求を達成できないと罰金を支払わされるが,無理に資源を捻出しようとすれば,こちらの生活に悪影響を与えてしまうのが悩ましい。
また,地表は雷雨や強風など,さまざまな悪天候に見舞われ,これによって火事などの災害が発生したり,風力や太陽光を利用している発電所の能力が落ちたりといったトラブルが発生する。そして,さらに頭が痛いのが,敵艦隊による襲撃だ。敵艦隊は都市をメチャクチャに破壊していくので,ミサイルサイロや迎撃機ステーションなどを用意して,しっかり防御を固めたい……ところだが,資金に余裕がないうちは,なかなかそうもいかずに悔しい思いをすることになるだろう。
ゲームを進めると,崖の上の平地だけでなく,壁面にも施設を建造できるようになり,限られた土地にびっしりと建物が立ち並んだ,近未来的な景観を生み出せるのが本作の大きな魅力だ。ちょっと変わった機能として,一人称視点で風景を楽しめる観光モードが用意されており,自分が作った都市を自由に歩き回れるのも面白い。
ゲームバランスはややシビアだが,やりがいのある都市建設シミュレーションを探している人にオススメしたい本作は,Steamにて1220円で発売中。見たこともないような未来都市に心を魅かれた人は,ぜひどうぞ。
■「Cliff Empire」公式サイト
https://www.lionsshade.com/cliff-empire- 関連タイトル:
Cliff Empire
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