連載
インディーズゲームの小部屋:Room#69「Phun」
本作は,フリーハンドで描いた図形を,一定の物理法則にしたがって動かすことができるツールで,非商用目的に限り無料で公開されている。厳密にいうと,いわゆる“ゲーム”ではないが,自分が描いた絵が動き出すという面白いツールで,使い方次第でさまざまな遊び方ができる。
言葉で説明するより実際に見てもらったほうが分かりやすいので,今回はさっそくムービーを紹介しよう。多摩地区のピカソと謳われる筆者が,インスピレーションのままに描いた力作をさっそくご覧あれ。
筆者が何を作ったのか分からない人がいるかもしれないが,さしずめ走る風呂桶といったところか。どうしてこんなものを作ってしまったのか,自分でもよく分からないが,まさにこの瞬間,筆者の上に芸術の女神が舞い降りたことは間違いない。見るものを混乱に陥れ,数々の疑問を残しつつ無音で画面外に走り去っていくあたり,侘びサビがあってなかなかのものだと思うが,いかがだろうか。本作ではこんな風に,適当に描いただけの絵が動き出すのだ。
本作のお絵かきフィールドには重力がかかっており,空中に描いたオブジェクトは物理シミュレートの開始と同時に落下してしまう。オブジェクトを空中に固定することもできるが,ムービーではそのため,まず適当に地面を描いている。
風呂桶と水が用意できたら,円ツールを使って適当な大きさの円を描き,車輪の代わりにする。風呂桶と車輪を重ねて配置したら,適当な場所をヒンジで接続しよう。これで,謎の車輪付き風呂桶の完成だが,これだけでは風呂桶は動かない。動かないのが風呂桶の正しい姿ではあるが,車輪をつけた以上,走らせないわけにいかないのが道理というものだ。
今回は非常に単純な図形で例を示したが,本作でできることの大まかなイメージがつかめたら幸いだ。本作の遊び方は,それこそプレイヤー次第で無限に広がるといっていいだろう。作者がYouTubeにアップロードしたトレイラームービーなども参考にしつつ,自分なりのカラクリを作ってみよう。
■「Phun」公式サイト
http://www.phunland.com/wiki/Home■「Phun」日本語解説サイト
http://www.phun.jp/- この記事のURL:
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