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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第679回「自分の正しさについて考えさせられる『トライアングルストラテジー』」
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印刷2022/04/14 13:30

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第679回「自分の正しさについて考えさせられる『トライアングルストラテジー』」

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著者近影
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 最近,何が正しいのかが分からなくなっている
 自分が完全な人間ではないこと自体は,とうの昔から分かっている。でも,自分の中の“正しさ”に沿って生きているつもりではある。
 では。選択を間違えたことはないのか? あるよ,いっぱい。正しいつもりでケツ断して,でも結果的に正しくなかったのかもしれないってことは? それもあるね。今にして思えば,あの頃の“正しさ”は本当に正しかったのか,分からなくなることは? 大いにある。
 ……とすると,今自分が抱えている“正しさ”は,将来的に正しくなくなるんじゃないか。そう思うと,善悪というものが分からなくなるのですよ。善悪と書くと大げさかもしれない。けども,力こそ正義の時代もあって,力と正義を両方持ってないといけない時代もあって,そしてこの先,正義さえあれば力はなくともよい時代が来るかもしれない状況。そんな中,力で他国を屈服させようとする国が出てきた。国と国とまではいかなくとも,内戦はこれまでだって世界中に数多く発生しているけども。
 まあ,それを言うならそもそも正義ってなんだ? って話なんだけどね。お金だって力だし,その力で屈服させるのはアリなのか? という話になる。そう考えると,何が正しくて何が正しくないのかますます分からなくなる。

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 今週は「トライアングルストラテジー」についてです。スクウェア・エニックス発のシミュレーションRPG(公式には「タクティクスRPG」)。同社のシミュレーションRPGには,これまでも「フロントミッション」「バハムート ラグーン」「ファイナルファンタジータクティクス」といった名作がそろっているんですよ。でも何が凄いって,同じ「シミュレーションRPG」というジャンルなのに,同じようなテイストの作品がないってところ。
 フロントミッションは近未来のメカメカしい世界観で,パーツをセットアップして戦っていく作品。バハムート ラグーンはドラゴンに焦点を当て,ドラゴンを育てながら進めていくタイプ。そしてファイナルファンタジータクティクスはファイナルファンタジーの世界観で,シミュレーションRPGを遊ばせるとこうなりますっていう,ある意味で王道的な作り。
 そういう意味で言うとトライアングルストラテジーは,剣と魔法の世界ではあるけども,モンスターが出てこない人と人の思惑がぶつかり合う戦記物なのです。で,私なりのケツ論から言うと,やはりこれもスクウェア・エニックスの名作シミュレーションRPGの一つになった,という評価でいいんじゃないかと思っております。
 戦記物ということで,ストーリーに重点が置かれた作品になっている。先ほども触れたけど,モンスターなどは出てこず,戦うのは人と人なんですね。それが意味するところを作り手目線で語るならば,「人間を描くにあたって,それぞれの思惑を描かねばならない」ということなんです。言い方を変えると「ファンタジーに逃げられない」とも。
 例えばファンタジーならば,魔王という絶対悪があって,それを倒しに行くというストーリーで済むんですよ。そのベースがあったうえで,違いを出すための切り口を変えたり肉付けしたりすればそれでいい。
 ただ,戦記物となると話は別で。戦記物の物語で一番有名なのはおそらく「三国志」だろうけども,それだって三つの国の思惑がそれぞれ違っていて,戦う理由がそれぞれあるのです。帝を抱えた曹操なら逆賊から漢を守る。劉備なら曹操が私的に扱っている漢王朝の復興。孫権ならば皇帝の証である玉璽を手にした父の正当性の証明と,後期は魏からの独立。いわゆる大義名分ってやつです。
 人と人の戦争,国と国の戦争には「自分の正義のための戦いだ」という大義名分が必要なのね。トライアングルストラテジーもその名の通り,三つの国の争いを描いた物語なのです。もういっそ、「ファンタジー三国志」と言ってもいいんじゃないかしら

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 この物語を描くために,ストーリーパートが若干長く設定されてます。三つの国の思惑を描かなければならないですから。そして,主人公は国の長ではない。一つの国の,三国志で言うところの武将,日本の戦国時代で言う地方豪族にあたる立ち位置で,物語は始まるのです。
 そして,このゲイムの最大のポイントは「ケツ断」。これが物語を動かすことになる。しかし主人公であるプレイヤーに物語の直接の決定権はなく,主要キャラによる投票で進路が決まるのです。二択もしくは三択から,主人公として選びたい選択肢に決まるよう,決定権を持つキャラクターを説得して回る。だから場合によっては,自分の思った選択にならないこともある。でも,自分の本意ではなくとも,そう決まったからにはベストを尽くさなきゃいけない
 ……ね? これだけでも身につまされるでしょ? 現実の世界でも,そういう状況ってあるじゃない。そして何がツラいって,どの選択をしても事態が好転するかどうかが分からないという状況下で,選ばされるってこと。このリアリティが戦記物としての厚みを生んでいるんだろうなと私は思う。
 だから,プレイしながら覚えなきゃいけないことは多いです。気楽な感じでシミュレーションRPGを楽しみたい人は面食らうかも。基本的にはシミュレーションRPGというジャンルを好きな人に向けた作品なのかな,といった印象ね。ただ,遊びごたえという意味ではかなりあるということも明記しておきたい。しっかりと濃厚なシミュレーションRPGを遊びたい人には,この作品を強くオススメいたします。

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 このゲイムを遊んでゲイム内での選択肢を吟味するにあたって,何が正しいのか正しくないのかを考える瞬間はたくさんあります。今このケツ断が正しいのか? 何かを犠牲にして何かを手にする。何を犠牲にする? 何を手にする? そもそも本当に手にすることはできるのか? そんなことは分からない。みんなが欲しいものを,自分だけが手に入れられるケースなんて少ない。じゃあどうする?
 未来の正しさは分からない。でも,今を生きている自分ができることは,今自分が思っている正しさを信じて選択することだけだ。選択をあきらめちゃいけない。もし何もしないとしても,何もしないことを選ぶんだ。他人の正しさではなく,自分の正しさで。時には他人の正しさとのすり合わせが必要な時もある。一方で引いちゃいけないと思う時もある。さて,何を選ぼうか。どう自分の想いを伝えようか。

 ……生きていくって,難しいねえ。でも,選択の連続だしね。なるべく自分らしい選択ができればいいな。そう思った一週間でしたとさ。

今週のハマりゲイム
PC:「METAL DOG
PlayStation 5:「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」追加DLC「海藤正治の事件簿」
Nintendo Switch:「トライアングルストラテジー
iOS:「ロードモバイル
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
男色“ダンディ”ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の4月17日に千葉・2AWスクエア大会「MAX BUMP 2022 TOUR in CHIBA 〜DDT×ONLY WE〜」を,開催します。ディーノ選手は飯野“セクシー”雄貴選手とのタッグで,クリス・ブルックス選手&アントーニオ本多選手と対戦します。先日の後楽園大会でKO-D6人タッグのベルトを失ったディーノ選手は,「房総半島へ傷心旅行に出る。『桃鉄』ならいいカードが手に入るはずだから」と語っていました。
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    トライアングルストラテジー

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