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「Red Experience」は,誰が殺したかではなく,誰がケーキを食べたかを真面目に探す推理デスゲーム[BIC2026]
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印刷2026/08/15 13:23

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「Red Experience」は,誰が殺したかではなく,誰がケーキを食べたかを真面目に探す推理デスゲーム[BIC2026]

 韓国・釜山のインディーゲームイベント「BIC2026」で,多数のキャラクターが登場する推理アドベンチャーゲーム「Red Experience」を試遊した。複数の事件と多数の結末が,最終的に1つの物語へつながっていくというユニークな作品だ。
 個人で本作を開発するClusion Gamesのイ・ジョンホン氏に話を聞くこともできたので,デモ版のプレイレポートと合わせてお伝えしたい。

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 体験したデモ版は,いかにもデスゲームの黒幕といった仮面の女によって集められた6人の男女が,「誰がケーキを食べたのか」という事件を解決するものだった。
 よくあるデスゲーム系だと,殺人事件が起きて「誰が殺したのか」を調べ,議論で犯人を見つけ出すのだが,今回は殺人が起きないまま推理に入ることになる。なんだかだいぶネタっぽい。

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 最初に案内された6人は,まずケーキを食べさせられる。かなりおいしいらしい。
 この屋敷では水しか提供されないので,食べ物を口にするにはケーキを食べるしかなく,それが動機になる。

 1日くらい我慢できるだろうと思うが,事件は起きてしまう。突然キッチンが停電したタイミングで,ケーキが半分くらい食べられたのだ。現場に残されたのは,ケーキの付着したフォークや皿だった。

 どうやって事件を解決するのか。プレイヤーは主人公のホン・スヨンとなり,各キャラクターの証言からアリバイや発言のボロを探し,追い詰めていく。事件を無事解決できれば,屋敷を脱出できる。
 犯人を間違えて指定したら,犯人だけが脱出する。ほかの人の運命は,デスゲームのお約束どおりだ。

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 真剣に推理しているのに,議論の焦点はフォークに付いたクリームや,フォークを皿に置く音がした,などといったこと。
 この温度差が,かなり楽しい。デモ版の題材をケーキにしたのは,気軽に入っていける雰囲気を出したかったからだとイ氏は説明した。

 本作では,フローチャート機能で,ストーリーの分岐を可視化する仕組みが採用されている。
 基本的なルートは,停電の間に誰かがケーキを食べ,証拠を集めて犯人を探すものだが,主人公自身がケーキを食べることもできる。
 自己紹介フェーズで自由にフロアをうろつけるときにキッチンに向かい,ケーキをクリックして,悩む,クリックして悩む,というくだりを続けて,食べてしまうわけだ。

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 インスピレーションの元は,「極限脱出」シリーズだそうで,フローチャート機能などのシステムがそれにあたる。シリーズの中で一番好きなのは「極限脱出 9時間9人9の扉」だとイ氏は話していた。プレイしていると,作風こそかなり異なるが,エッセンスは感じられた。

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 停電が起こることを事前に察知したうえで,暗闇に便乗してケーキを食べ,犯人を別の人物に押しつけるという結末も存在する。
 主人公が悪い側に回るルートで,プレイ感覚がまったく変わる。討論には進むものの,そのままバッドエンドで終わる分岐もあり,デモ版の短い範囲でも複数のルートが用意されていることが確認できた。
 この分岐は製品版でさらに増え,チャート全体では60通りほどになる予定だ。

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 正直,結構ネタ感があって面白かったのだが,イ氏に話を聞くと,このケーキ事件はあくまで全体の一部を切り出したもの。実際は,さまざまな事件が複雑に絡み合うマルチエンディングゲームだ。

 物語の発端は,ある建物で起きた爆発事故で,これに巻き込まれた人物たちが,理由も知らされないままゲームに参加させられる。誰が,何のために自分たちを集めたのだろうか。
 討論を重ねる中,爆発事故のせいで自分たちはここにいると,気づいていくというのが最初のストーリーラインになる。

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 誰が生き残るかでルートが変わり,ケーキ事件だったのが,「マフィアゲーム」(詳細は分からないが何となくシリアスなイメージ)になったりする。ほかにカードゲームなども用意されるが,中心にあるのはあくまで討論だ。
 ケーキ事件のようにコミカルで,少し子どもっぽさもあるルートがある一方,真剣かつ怖い方向へ振り切るルートも用意しているとイ氏は説明した。

 登場するキャラクターは全部で18人だが,ゲーム本編に登場するのは12人だ。1周目は主人公と顔を合わせる前に6人が脱落し,12人でゲームが始まる。2周目以降は主人公の介入によって生存者の顔ぶれが変わり,1周目には見られなかった人物が入れ替わりで加わっていく。
 敵側は現在7人が設定されているが,生存者の組み合わせが変われば,対峙する敵も自動的に変わるという。

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デモ版の主人公以外の生存者5名。日本人や欧米人もいるが,それぞれ母国語でしゃべっているらしい。この空間には謎の翻訳機的な力が働いており,意思疎通できる
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会場でもらったシール。敵は下の個性的な服装のキャラクターたち。右下の1つ真上が,大ボスのようだ
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 ルートごとに明らかになる真実は異なり,それらをすべて集めた先にある1つのルートで,物語の全貌が見えるようにデザインされているとのこと。

 本作はイ氏がほぼ1人で制作を進めている。以前は別のチームでゲーム開発に携わっており,独立してからは本作が最初の作品にあたる。リリースは2027年4月を予定していたが,同年中頃にずれ込む見込みとのことだった。
 この手の作品が好きな筆者としては,ワクワクしてしまう。先が楽しみなタイトルだ。

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