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夏のホラー特集:ついに「Prey」が帰ってきた。地球を遠く離れた宇宙ステーションで起きた惨劇の謎を暴け
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印刷2017/05/27 12:00

プレイレポート

夏のホラー特集:ついに「Prey」が帰ってきた。地球を遠く離れた宇宙ステーションで起きた惨劇の謎を暴け

 2017年5月18日,ベセスダ・ソフトワークス/ゼニマックス・アジアから,新作「Prey」PC/PlayStation 4/Xbox One)がリリースされた。2006年に発売された同名作品のいわゆるリブートとかリ・イマジネーションとか,そういう感じの作品だが,物語的なつながりなどはとくにないので,前作「Prey」を未プレイでも,本作「Prey」は問題なくプレイできる。というわけで,夏のホラー特集第2弾は,そんな発売されたばかりの「Prey」をピックアップしてみたい。

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「Prey」公式サイト


 さて,2006年版「Prey」は,アメリカ先住民族の主人公トミーがエイリアンにさらわれた恋人を追って,彼らの宇宙船に乗り込んでいくという内容で,大ヒットを記録したというわけではなかったが,バイオレンス度の高さやヌルヌル感いっぱいのグラフィックス,そして特徴的なゲームシステムなどで,コアゲーマーの話題を集めた。
 シリーズの新たなパブリッシャとなったBethesda Softworksが「Prey 2」を発表したのは,2011年にユタ州で行われた自社イベントでのこと。開発は2006年版「Prey」と同じくHuman Head Studiosが担当し,2011年4月19日に掲載したレポートでもお伝えしたように,エイリアンの母星を舞台に,バウンティハンターの主人公がパルクールを駆使してミッションをこなしていくという内容だった。
 しかし,翌2012年に開発延期が発表され,2014年には開発のキャンセルが報道されてしまう。筆者は2006年の「Prey」を割と楽しく遊んだクチなので,ああ,Preyをプレイしたかったなあと残念がった。ところが2016年6月,E3 2016の同社カンファレンスで電撃的にこの「Prey」の制作発表が行われ,かくして,実に11年の歳月を経て「Prey」が復活することになったわけだ。

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 2017年版「Prey」の開発は,フランスに本拠を置くデベロッパでゼニマックス傘下のArkane Studiosが担当した。ゲームシステムのユニークさで高い評価を得た「Dishonored」「Dishonored 2」で日本のプレイヤーにもよく知られている。


帰ってきた「Prey」は,宇宙空間の恐怖がテーマ


 新たな「Prey」は2006年版と同様,シングルプレイ専用のFPSになった。ゲームの背景は2035年だが,2016年10月19日に掲載した記事でもお伝えしたとおり,ゲームの歴史は我々の知っている歴史とはちょっと異なっている。ケネディ大統領は暗殺を生きのび,1950年代以降,アメリカとソ連は協力して宇宙開発に乗り出している。こうした歴史は,ゲームのいろいろなところで見たり読んだりでき,物語のちょっとしたスパイスになっている。なるほど,ケネディは2013年まで生きてたのか。
 主人公の名前はモーガン・ユウで(女性キャラクターも選べる),舞台は軌道上に浮かぶ巨大な宇宙ステーション「タロスI」だ。宇宙ステーションの場面までには,ちょっとした仕掛けがあって,筆者は軽くビックリした。詳しくは書けないが「地球だと思っていたのにぃ」,みたいな。

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 へんてこな実験の途中で事故が起き,次にモーガンが気づいたとき,タロスIの内部は,廃墟のようなありさまで,あちらこちらに死屍累々という,悲惨な状況に。どうすればいいのか? と思ったときに聞こえてきたのが,ジャニュアリーと名乗る謎の人物の声だ。その声に従ってモーガンは,巨大なタロスIの内部を行ったり来たりしつつ,ここで何が起きたのかという謎を追い,災害をこれ以上広げないために活躍していくことになる。

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 敵は「ティフォン」と呼ばれるクリーチャーで,「ミミック」とか「シストイド」とか「ファントム」とか,大小,いろいろな種類がいるが,いずれも粘液状の物質を寄せ集めたような気色の悪いヤツらだ。制作発表時のティザームービーからも分かるように,ミミックはコップだとか椅子だのに化けることができ,うっかり手に取ると襲われたりするからやっかい。動きも気持ち悪くて,いきなり出てこられるとかなりビックリする。ゲームの序盤,武器が揃わないうちに数が出てくるとなかなかの強敵になるが,一匹だけならレンチで殴り倒せる。
 どうやらティフォンは黒い微粒子によって構成されているようで,その微粒子は並行世界からやってきた,といった設定があるらしく,それ以外にもゲームの設定はハードSFっぽくて興味深い。この不気味な連中がそもそもなんであるのか,という点もストーリーの重要なポイントになる。

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 ゲームを進めていくと,意外な事実が次々に明らかになっていき,そのあたりの見せ方が非常にうまい。というわけで,ゲームの中心となるのは探索モノ集めだ。
 ロッカーや机の引き出し,さらにはゴミ箱などにはさまざまなアイテムが入っている。武器や銃弾,医療キット,スーツのリペアキットなど,ゲームの進行にとても役に立つアイテムが手に入ることもあるが,それ以外にも,丸めたちり紙やバナナの皮,吸いさしの葉巻,壊れた電子回路など,これはいったい何の役に立つのだ? というものもたくさん手に入り,インベントリはたちまち一杯になってしまう。


さまざまな要素が巧みに絡み合うゲームシステム


 しかし安心してほしい。マップのあちこちにある「リサイクラー」にいらないものを投げ込むと,何種類かの「合成素材」に分解される。その合成素材を今度は「分子成形機」に入れることで,銃弾や医療キット,武器など,さまざまなものを作れるのだ。資源の乏しい宇宙空間で暮らすためにこういう機械が作られたのだろうが,これは便利。モノ集めが楽しくなるので,一家に一台ほしい。ちなみに,分子成形機で何かを作るには,あらかじめその図面を手に入れておかなければならないが,図面もまた探索を重ねることで手に入る。

一家に一台はほしい,「リサイクラー」と「分子形成機」
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こちらがニューロモッド。スキルアップの必需品だ
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 インベントリの容量が少なくて,集めたものの捨てざるを得ない? そういうときには,スーツをパワーアップして,容量を増やそう。そのために必要なのが「ニューロモッド」だ。ニューロモッドはタロスIで研究が進められていた最重要テクノロジーなのだが,ゲーム的には,これを使ってスキルアップが可能になるわけだ。
 最初のうち,スキルには「サイエンティスト」「エンジニア」「セキュリティ」の3種類があり,それぞれツリー状にスキルが配列されており,前のスキルを開放していないと,次のスキルは手に入らないというダンドリ。そして,例えば「修復」のスキルを得れば,壊れたタレットや配電盤などの修理が可能になり,また「医療知識」を手に入れれば,治療キットの効果が高まったりする。

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 ゲームを進めると,やがて「サイコスコープ」が手に入るが,これを使ってティフォンをスキャンすることにより,彼らの能力がスキルツリーに加わる。「モーフィング」のスキルを得れば,モーガンもコップやバナナに化けることができ,普通は入れない場所に入れたりするようにもなるのだ。このスキルを伸ばしていくのにも,ニューロモッドは欠かせない。またスキャンした結果は,データとして残せるので,それぞれのティフォンの弱点などが分かったりする。

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 さらに,マップのあちこちに置いてある本を読んだり,ターミナルにアクセスすることでもさまざまな情報が手に入る。例えば,メールの中に電子ロックを解除するキーコードがさりげなく書いてあったりするので油断ならない。ターミナルを見つけ次第,じゃんじゃん覗いていいきたいところだが,パスワードがかかっているものもある。

 人類が軌道上に作り上げた最も巨大な人工物といわれるタロスIだけに,内部は「ハードウェアラボ」「乗員区画」など,さまざまなエリアに分かれており,お互いが複雑につながっている。1つのエリアは広く,好きなように動けるうえ,一度通ったところに戻ることも可能だ。先に行くには,キーカードが必要だったりするので,完全なオープンワールドというわけではないが,自由度は高いという印象。
 ただ,手に入れたサブミッションをこなそうとして元いた場所に戻ると,取ったアイテムはなくなったままだが,ティフォンが復活していたりするので,気をつけなければならない。
各エリアの相互関係はこんな感じ。筆者はすぐに迷子になる
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主人公の運命を確かめよう


 上記のように,序盤のティフォンはたいしたことはないが,やがて,どうやって倒していいのか見当もつかないような強敵が出現したりするからやっかいだ。ゲームの難度はプレイ中,好きなように変更できるし,そのことによるペナルティもないのだが,たとえイージーにしても手も足も出ない強敵もいる。こういう場合は,逃げるに越したことはないようで,ニューロモッドをたくさん手に入れて,スキルを上げたり,新たに強力なアイテムを手に入れたりして再戦を挑むのがセオリーであるようだ。
 ちなみに,スキルをすべて最高に持って行けるゲームバランスになっているかどうかは不明だ。ニューロモッドは分子成形機でも作れるが,そもそもアイテムの数に限りがあるので,個人的には無理じゃないかと思う。これぞ,といったスキルを伸ばしていくのが良さそうだ。

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 攻略の方法が1つではないのも,「Prey」の面白いところになる。例えば,通れないドアがあったとしよう。これが電気式ロックで閉まっているのなら,まずキーカードやキーコードを探すわけだが,「ハッキング」のスキルを伸ばしてミニゲームをこなし,開けてしまうという手もある。もし重い箱でドアがふさがれているのであれば,「レバレッジ」のスキルを手に入れて,強引に持ち上げてどかしてしまうという方法がある。もちろん,別のルートを探してもいいだろう。
 ストーリーは1つだが,結末に至る道はいくつもあるという雰囲気だ。

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 個人的には探索が好きなので,つい熱中してしまう。とっくに通り過ぎた場所にある金庫のキーコードを先のほうで見つけたら,戻らずにはいられないし,入れないエリアがあれば,なんとか入ろうとあの手この手を使いまくるタイプ。もうね,ティフォンなんかと戦っている場合じゃないのよ。あと少し,もう少し進んでから止めようと思っていても,話がどんどん展開していくので,なかなか止めどきが見つからない。スキルアップや武器のカスタマイズなど,ゲームをクリアするためにいろいろな手段が考えられ,頭を使う。FPSというよりは,RPGにかなり近いプレイ感覚だ。

 恐怖感も高く,異常な現象が起きたり,手も足も出なさそうな巨大ティフォンが目の前に出現すれば,かなりビックリする。音楽の使い方もうまい。全体に,遠い宇宙の孤独感が,真綿で首を絞めるようにじわじわと迫ってくるのだ。

 自分をただの被験者だと思っていたモーガンだが,彼にまつわる本人さえ知らない驚きの真実が次々に明らかになる。タロスIで何が起きたのか,そして彼の身に何が起きているのか。答えはぜひ,あなたの目で確かめてほしい。
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