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4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
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印刷2009/06/29 14:13

テストレポート

4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

現在愛用中の「Let’snote R8」。COMPUTEX TAIPEI 2009の会場では,そこかしこで,「そのNetbookはクールだな! いくらで買ったの?」と聞かれた。ちなみに,約3000ドルと返答すると,全員引いてましたが
画像集#002のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 多くの4Gamer読者もそうだろうが,筆者は長らく,PCゲームはデスクトップPCでプレイするものだと認識してきた。これは一にも二にも,デスクトップPCとノートPCでは,熱設計や消費電力の仕様が違いすぎるためだ。「ノートPCの小さな筐体に,ハイエンドのGPUを詰め込むのは物理的に不可能なんだから,ノートPCなんてものは,『x86版Windowsが満足に動作するPDA』として,毎日持ち運べれば,それでいいではないか」という考えの下,シングル/マルチプレイFPSを過不足なく動作させられるスペックはデスクトップPCでのみ目指すことにする一方,ノートPCは,B5以下,1.2kg以下の,いわゆるリアルモバイル機しか購入してこなかったのである。

 ただ,4Gamerで仕事をしていると,国内外へ出張する機会が増えてきて,いきおい,B5サイズ以下のノートPCでは,性能よりむしろ,デスクトップの作業スペース的に厳しくなってきた。
 何度か買い換えながら愛用し続けている“PDA”,Let’snote Rシリーズのディスプレイ解像度は1024×768ドット。これに対して,自宅のゲーム用PCとつながっているメインディスプレイの解像度は2560×1600ドット,会社は2台で1920×1200ドット+1280×1024ドットだ。“1920×1200ドットオーバー”の世界にすっかり慣れてしまった身で,今さら“PDAを一人前のPCとして使う”のは,かなりつらい。
 そこで,かれこれ25年のPC歴で初めて,PCとして使ったときに不満の少ないというか,ゲームも含め,たいていの処理を問題なくこなせるマシンを購入しようということになった次第だ。

 要するに,デスクトップPCとモバイルノートPCをすでに持っている人間が,その間を埋めるべく,もう1台買い足そうという話なので,初めての1台を検討しているような人に,どこまで参考になるのかは分からない。まるでならないんじゃないか,という気がしないでもないが,せっかくなので,購入から検証までレポートしてみたいと思う。


譲れない条件を挙げていくと

選択肢が1製品しか残らなかった件


 購入に当たっての条件は以下のとおり。優先度順に並べたつもりだ。

1.(周辺機器込みで)20万円以下に収まること
 ノートPCは,買ってからいろいろと追加でコストがかかる。ひとまず予算は20万円だが,実際にPC購入代金として利用できるのは最大でも17万円といったところだ。

2.ディスプレイ解像度が1920×1200ドット以上であること
 これは絶対に譲れない。解像度が足りなくてノートPCを買い足す以上,1680×1050ドットあればいいや的な妥協はNGといえよう。

3.単体GPUとしてGeForceを搭載すること
 「ゲームも含め,たいていの処理を問題なくこなせる」ようなノートPCに,単体GPUの搭載は必須となるが,最新ゲームタイトルを動作させる前提で選ぶなら,チョイスすべきはGeForceとなる。公式グラフィックスドライバ「GeForce Driver for Notebooks」が公開され,定期的にアップデートされているからだ。ノートPC用ドライバのアップデート紹介記事を書きやすくなるというメリットも,個人的には結構大きい。
 モデルナンバーは,予算内で,できる限り上位のものを。そういえば,単体GPU搭載のノートPCを購入するのも,人生で初めての経験だったりする。

4.メインメモリを4GB以上搭載できること
 仕事に使う(=Adobe Photoshopを使って画像処理を行う)ことまで考えると,メインメモリは最低でも4GB載せておきたい。理想は8GB以上だが,メモリスロットの数を考えると,さすがに高望みか。

5.ノングレア(非光沢)液晶パネルを採用すること
 4Gamerの公式見解ではなく,あくまで個人的な意見であるとお断りしてから述べると,なぜグレアパネルなんてものが主流なのか,さっぱり理解できない。静止画や動画の見やすさ,長時間の使用時における目の疲労度の低さ,OSの起動時など,何かの拍子に画面が暗転したとき,くたびれた自分の顔を拝まなくていいことなど,何をとっても,ノングレアパネルのほうが圧倒的に優れている。
 こういうことを述べると,「なら,ノングレアフィルムを貼ればいいじゃない」とよく言われるのだが,iPhone 3G用のノングレアフィルムすらキレイには貼れないのに,ノートPC用のフィルムをキレイに貼るなんてまず無理だ。

6.[Enter]キーの右隣によけいなキーが置かれていない,一般的なJIS配列であること
 FPSプレイヤーとして異端であることは十分に理解しているが,[無変換]キーとATOKがないと満足に日本語を打鍵できないこと,日本語を打鍵できないと仕事にならないことを踏まえるに,JIS配列であることは相当重要である。
 また,某海外PCメーカーの人から,「そんなこと気にするのはおまえだけだ」と笑われたこともあったりするが,[Enter]キーの右に,[Page Up]やら[End]やらといったキーが並ぶ配列も“誤爆”の可能性があるので避けたい。

7.できる限り小型であること
 出張時,ナップザックに入れて,モバイルノートPCやカメラと一緒に飛行機の機内へ持ち込むことを考えると,本体が小型であるに越したことはない。

 CPUやストレージ周り,OSに条件がないのかと思うかもしれないが,まずCPUに関しては,「極端に低いクロックのクアッドコアを掴まされない」ことにだけ気をつけていれば十分だ。ミドルクラス以上のモデルナンバーを持った単体GPUを搭載するPCをしっかり選べば,たいていは,大きな問題のないスペックを持ったCPUがセットになっているからである。
 ストレージについては,1920×1200ドットクラスの液晶パネルを組み合わせた製品なら,必要に応じて換装できるようになっているだろうと,それほど重視しなかった。また,OSは,部屋にごろごろ転がっているので,デバイスドライバさえ用意されているなら,はっきり言ってなんでもいい。むしろ「OSなし」を選べるのが理想である。

パソコン工房のCLG629 TYPE-G販売ページ。到着までは最大で10営業日かかるとされていたが,今回は2日で届いた
画像集#003のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 さて,筆者は今回,COMPUTEX TAIPEI 2009の取材から本格的に使い始めるべく,4月下旬〜5月中旬に,以上の7条件を満たすノートPCを探したのだが,最大のネックはノングレアの1920×1200ドット液晶パネルを搭載するノートの選択肢が極端に少ないことで,国内外の大手も含めていろいろ探してみたものの,ほぼ全滅。結論からいうと,探索時点で選択肢となり得たのは,パソコン工房の「Lesance BTO CLG629 TYPE-G」(以下,CLG629 TYPE-G)だけだった。
 国内外の大手メーカー製PCではない,いわゆるホワイトボックス系ノートPCの場合,製品紹介写真は英語キーボードのままで,日本語キーボードの配列は分からないことが多い。実際,CLG629 TYPE-Gもご多分に漏れなかったが,非光沢パネルの1920×1200ドット液晶ディスプレイ,そして「GeForce GTX 260M」(以下,GTX 260M)を採用する本機は,キーボード以外の6項目が,筆者のニーズと完全に合致していたのだ。これだけ選択肢がないなかで,ほぼ希望どおりのスペックを持つノートPCに出会えるとは,正直,思わなかった。

 CLG629 TYPE-GのBTO標準構成価格は16万9980円(税込)。メインメモリ容量が2GB×1のところを,2GB×2に変更してプラス4900円すると予算をやや上回るが,本機では「OSなし」が選択可能で,一気にマイナス1万4000円だ。今回は,合計16万880円(税込)となったところで,注文をかけている。
 ちなみに余談ながら,筆者がCLG629 TYPE-Gを購入してからしばらく経って,パソコン工房のゲーマー向けシリーズ「GS」にも,CLG629 TYPE-G相当のラインナップが「Lesance BTO GSN629GW TYPE-G」として追加された。中身は同じなので,今から買うなら,こちらを選んだと思う。


CLEVO「M860TU」ベースとなる

CLG629 TYPE-Gを概観する


CLG629 TYPE-G。CPU,チップセット,無線LANコントローラの要件を満たすので,Centrino 2対応のはずなのだが,OSなしモデルだからか,Centrino 2ロゴシールは貼られていなかった
画像集#004のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 さて,届いたCLG629 TYPE-Gだが,これはノートPCのOEM(Original Equipment Manufacturer,相手先のブランドで製造する企業)であるCLEVOの「M860TU」というシステムをベースとする製品だ。
 M860TUは,パソコン工房のノートPCだけでなく,国内の大小さまざまなメーカーで採用され,実にいろいろなスペックで販売されている。つまりCLG629 TYPE-Gというのは,「GeForce GTX 260M」(以下,GTX 260M)や,解像度1920×1200ドットのノングレア液晶パネルを採用するという,パソコン工房独自の“味付け”がなされたM860TU,というわけである。

CLG629 TYPE-Gの上にLet’snote R8を置いたところ。底面積はざっと2倍大きい
画像集#005のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 懸案のキーボードは,結論からいうと杞憂に終わった。15.4インチサイズの液晶ディスプレイを搭載するノートPCとして見ると,少々窮屈な印象も残るが,少なくとも,[Enter]キーは右端に鎮座している。
 本体サイズは364(W)×269.5(D)×29〜41(W)mm,重量は約3.2kgで,さすがにLet'snote R8と比べると激しく大きく重いものの,手持ちのナップザックにはなんとか入る大きさだ。17インチクラスだと無理だったので,15.4インチクラスで助かった,といったところである。

 外部インタフェースは下に写真で示したとおり。本体サイズを考えると,USB 2.0×3,eSATA/USB 2.0×1というUSBのポート数はやや少ないかもしれない。あと2ポートくらいはあってもよかったのではないかと思う。

画像集#006のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
本体前面。内蔵2chスピーカーシステムとは別に,ヘッドセットに対応するミニピンのサウンド入力端子を用意する。個人的には使い道がないが,4ピンのIEEE 1394ポートも搭載
画像集#007のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
本体背面。DVI-I&HDMIの左に見えるのは排気口だ。USB 2.0ポートの上に置かれているのがeSATA/USB 2.0ポート。その右に見える丸形コネクタは,ACアダプタ用である
画像集#008のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
本体左側面にはDVDスーパーマルチドライブを搭載する。実は,光学ドライブを内蔵するノートPCを買うのも初めてで,OSやらゲームやらのインストールにさっそく使った
画像集#009のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
本体右側面には,ExpressCard 54/34スロット,SD(およびMMC,メモリースティック)リーダー,1000BASE-T LANコネクタ,モデムコネクタ各1と,USB 2.0×2を用意する


CLG629 TYPE-Gというより,GTX 260Mを検証

3DパフォーマンスはGeForce 9600 GT相当か


テスト環境でExperience Indexを実行したところ。個人的には,ほとんど何の参考にもならないと思っているが,気になる人もいると思われるので,ひとまず
画像集#010のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 GTX 260M搭載ノートPCの実機を4Gamerで紹介するのは初めてなので,ひとまずベンチマークテストを行っておこう。
 スペックの確認がてらとなるが,テスト環境としてのCLG629 TYPE-Gが持つシステム構成は表1のとおり。CLG629 TYPE-Gは32bit版のWindows XP/Vistaのみをサポートするため,DirectX 10環境でのパフォーマンスもチェックすべく,今回は32bit版Windows Vista Ultimateをインストールすることにした。グラフィックスドライバとなるGeForce Driver for Notebooksは,原稿執筆時点の最新版が問題なくインストールできたことも付記しておきたい。

画像集#016のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

NVIDIAコントロールパネルからスペックを確認したところ
画像集#011のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
 GeForce GTX 260Mは,55nmプロセス版G92コアを採用するモバイル向けGPUで,最近「Processor Core」とも呼ばれ始めているStreaming Processor(以下,SP)数は112基。TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は25W,メモリインタフェースは256bitとそれぞれアナウンスされている。搭載するグラフィックスメモリは,GDDR3 1GBだ。

 NVIDIAコントロールパネルによれば,動作クロックはコア550MHz,シェーダ1350MHz,メモリ1600MHz相当(実クロック800MHz)相当なので,同550MHz,1375MHz,1900MHz相当とされるリファレンスクロックと比べると,CLG629 TYPE-Gでは若干低いクロックに設定されていることになる。誤解を恐れずにデスクトップPC向けGPUで喩えるなら,“GeForce 9800 LE”といったところだろうか。

左から順に,本体底面と,底面の蓋を開けたところ。GPU(=MXM)とチップセットからそれぞれヒートパイプが1本ずつ伸び,運ばれた熱はCPUクーラー部に取り付けられたファンで排出されるという,シングルファン仕様になっている
画像集#012のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編 画像集#013のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 パフォーマンスを比較するに当たって用意したデスクトップPCは表2のとおりだ。Core 2 Duo P8700と,動作クロック,容量3MBというL2キャッシュの仕様がともに同じ,「Core 2 Duo E7200/2.53GHz」をベースに,「GeForce 9800 GT」「GeForce 9600 GT」(以下,順に9800 GT,9600 GT)を差したシステムと比較すれば,GTX 260Mの素性にはある程度迫れるのではないか,と考えた次第である。メインメモリの仕様が異なるのは,スケジュールの都合によるものなので,ご容赦いただきたい。

画像集#017のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション7.0準拠。ただし,やはりスケジュールの都合で,今回は「3DMark06」(Build 1.1.0),「Crysis Warhead」,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),「Race Driver: GRID」(以下,GRID)の4タイトルに絞る。また,テスト解像度も,1280×1024/1680×1050/1920×1200ドットの3パターンとした。

画像集#014のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
GF P98GT/512D3/TT
Arctic Cooling製クーラー搭載で静音指向の9800 GTカード
メーカー:GALAXY Microsystems
問い合わせ先:info@galaxytech.jp
実勢価格:1万1000〜1万2000円(2009年6月29日現在)
画像集#015のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
GV-N96TZL-512I
Zalmanクーラー搭載の9600 GTカード
メーカー:GIGABYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:リンクスインターナショナル(販売代理店)
実勢価格:1万500〜1万2000円(2009年6月29日現在)

 さっそくテスト結果を見ていこう。
 グラフ1,2は3DMark06のものだが,CLG629 TYPE-GのGeForce GTX 260Mは,「標準設定」で9600 GTとほぼ同等,高負荷設定で9600 GTより若干低いあたりのスコアに落ち着いている。

画像集#018のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#019のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 その理由を探るべく,3DMark06のFeature Testから,フィルレート(Fill Rate),ピクセルシェーダ(Pixel Shader),頂点シェーダ(Vertex Shader)のテストを行った結果がグラフ3〜5だ。
 今回テストした3基のGPUは,いずれもROPユニットを16基持つが,こうなると,Fill RateのSingle-Texturingでは動作クロックがモノをいうため,GTX 260Mのスコアは一段下になる。Multi-Texturingだと,SP数――というか,SPとセットになるテクスチャユニットの数――も大きく影響するので,9800 GTに一歩及ばないところまで持ち直すわけだ。同じく,テクスチャユニット数がパフォーマンスを左右するPixel Shaderでも,9600 GT以上,9800 GT以下のところに収まっている。
 一方,GPUコアの動作クロックが“効く”Vertex Shaderでは,ご覧のとおりとなった。

画像集#020のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#021のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#022のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 おおよその傾向が見えたところで,実際のゲームタイトルから,DirectX 10タイトル,Crysis Warheadのスコアを,まずは見てみたい。
 ベンチマークレギュレーション7.0では,Windows Vista環境でのテストに当たって,DirectX 10モード,「Very High」オプションを規定しているが,“9600 GTと9800 GTの間”に置かれるGPUに対して,この設定はやや苦しい。そこで今回は,DirectX 10モードのまま,ゲーム側のグラフィックス設定を「High」に落としたスコアを採用することにした。それがグラフ6,7だ。なお,それぞれグラフをクリックすると,別ウインドウで,レギュレーション7.0完全準拠のスコアも示すようにしてある。
 で,グラフを見てみると,High設定でもテスト対象は見事にどんぐりの背比べ。もう少し高速なCPUと組み合わせれば,多少はフレームレートも上がりそうだが,いずれにせよ,Crysis Warheadを高いグラフィックス設定でプレイするのは厳しい印象だ。

画像集#023のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#024のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 続いては,打って変わって描画負荷が低いFPS,Call of Duty 4。本タイトルは,SP数がパフォーマンスを左右しやすいこともあって,GTX 260Mは安定して9600 GTのスコアを上回っている(グラフ8,9)。

画像集#025のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#026のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編

 グラフ10,11はGRIDのテスト結果だが,「3DMark06と同じような」とも,「Crysis Warheadと同じような」とも言えるスコアになった。GRIDは,CPU性能が比較的効くタイトルだけに,Core 2 Duo P8600や同E7200だと,多少足かせになっている印象を受けるが,1280×1024ドットで快適にプレイできるレベルのフレームレートを維持できているのも確かだ。

画像集#027のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編
画像集#028のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編


エントリーミドルクラスの3D性能に

1920×1200ドット液晶でこの値段なら悪くない


 最後に,CLG629 TYPE-Gの消費電力もチェックしてみよう。OSの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」,3DMark06のGame Testを30分間連続実行し,その間で最も消費電力値が高かった時点を「高負荷時」として,ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」から計測した結果をまとめたのがグラフ12である。テストに当たって,液晶ディスプレイの電源は,オフにならないよう設定している。
 単体グラフィックスカードのスコアはほとんど余興みたいなものなので,CLG629 TYPE-Gのみに注目してもらえればと思うが,さすがにスコアは低めだった。

※9800 GTの消費電力が低めなのは,55nmプロセス版を採用しているためだと思われます
画像集#029のサムネイル/4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(前):GeForce GTX 260Mのパフォーマンス編


 総じて,GeForce GTX 260Mの3D性能については,「得手不得手がありこそすれ,おおむねGeForce 9600 GT相当である」と述べてよさそうだ。“デスクトップPC換算”で,エントリーミドルクラスGPU程度の性能しか持たない製品に,ハイエンドのモデルナンバーが与えられていることの是非はともかくとして,少なくとも,たいていの3Dゲームタイトルが動作はするレベルのパフォーマンスを持つのは確か。それが,十分な広さの液晶ディスプレイとセットになって,A4より一回り大きい程度の底面積で実現されている点には,相当な価値を認めることができそうだ。
 最新世代の3Dゲームエンジンを採用したゲームを,できる限り最高のグラフィックス設定でプレイしたいという夢さえ見なければ,CLG629 TYPE-Gのパフォーマンスとスペックは,主力として十分に応えられるだけのものを持っているともいえる。

 ……以上,この製品を選んだ理由と,パフォーマンスを中心に見てきた。なるべく早く掲載したいと考えている後編では,実際に使い込んでのインプレッションを,もう少し細かく述べるつもりだ。

4Gamer編集者のゲーム用ノートPC購入記(後):熱対策と使い勝手検証,アップグレード編
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