2年ぶりに東京ゲームショウへ戻ってきたRazerは,7ホールの7-N07にブース出展し,国内未発表製品などを中心に展示しているのだが,その一角にある小部屋を,LEDイルミネーション機能「
Razer Chroma 」(以下,Chroma)のデモ用に確保していた。
Razerブース(左)と,その一角にあった小部屋(右)。中に室内照明はない
中にあったのは,「
Razer DeathAdder Elite 」と「
Razer Firefly 」,「
BlackWidow Chroma V2 」を中心とした環境だ。別途,Chromaのハードウェア開発キットがサポートするLEDテープライト4本によるイルミメーションと,Royal Philips Electronics傘下のPhilips Lighting(以下,Philips)が展開するIoT照明「Hue」を組み合わせることによって,部屋全体のライティングをコントロールしようというコンセプトになっている。
暗い室内でChromaを活用しながらゲームをプレイする例
部屋全体のChroma効果(音声なし)
ディスプレイの背面側にはChroma対応のLEDテープライトが貼ってあり,デモに使われた「Overwatch」の場合,Razer製デバイスともども,これらが選択したキャラクターやゲームの進行状況に応じて時々刻々と色を変える
このデモでRazerが訴えたいことは2つ。1つは,デモに使っていたHueとの連携である。
Hueは「ZigBee」という無線通信プロトコルに基づく照明操作用の規格「ZigBee Light Link」を用いて,対応する照明を制御する仕様になっている。通信を司る「Hue Bridge」(Hueブリッジ)と複数の「Hue light」(Hueランプ)の間を無線通信することにより,スマートフォンなどのいわゆるスマートデバイスから照明を制御できるのだが,このHueシステムが今後,Chromaをサポートするのだという。すでにRazer側の準備は完了しており,12月にはHue側のアップデートも完了見込みだそうだ。
Razerによると,Chroma自体が制御できるLEDテープライトの数は最大4だが,Hueは事実上制限がない――ZigBeeの仕様上は最大6万5536――ため,Hueを組み合わせれば,室内ライティングのトータルコーディネートが可能になるとのこと。デモルームでは机の底面側に「Hue Lightstrip Plus」(Hueライトリボン),床の上に「Hue Go」が置いてあった。
机の底面側に貼ってあるHue Lightstrip Plusがユーザーの足を適宜照らす
こちらは床に置いてあったHue Go。これもゲームの進行に合わせて光っていた
Facebookを開くとChromaはライティングの色を紫に変えた
もう1つは,非ゲーム用途におけるChromaの活用だ。具体的には,「RazerのWebサイトを開いたらライティングは緑に,Facebookを開いたら紫に,YouTubeを開いたら赤にする」といったことができる。さらに,YouTubeビデオ再生時は,キーボードのメインキー部を使って周波数帯ごとの音量をリアルタイムに表示しつつ,ファンクションキー部を使って「どれくらい再生が進んだか」を示せるようになるという。
RazerのWebサイトを開くとご覧のとおり(左)。右はYouTubeを開いたところで,キーボードのファンクションキー部に注目すると,再生状況に連動しているのが分かる
Razerによると,こちらの機能は「まもなく」の実装予定。かつて「ゲーマー向けデバイスはオモチャじゃないんだから光らせない」と言われていた頃から一貫してLEDライティングにこだわってきたRazerの,Chromaに向けた本気度が窺えるデモだったと言えそうだ。
複数のRazer製デバイスをすでに持っているなら,本気で“秘密基地”の構築を始めてみるのもアリかもしれない。
国内未発表のBasiliskとWolverine,そして貴重な新型Blade Proも展示中
冒頭でも触れたとおり,Razerはブースで,国内未発表のワイヤードマウス新製品「
Razer Basilisk 」(以下,Basilisk)と,PCおよびXbox One対応のワイヤードゲームパッド「
Razer Wolverine Ultimate 」(以下,Wolverine Ultimate)を展示していた。
国内発売済みながら展示機がなかったというノートPC「Razer Blade Pro V2」(以下,Blade Pro V2)の,貴重な展示機もあったので,このあたりが気になる人はRazerブースに立ち寄ってみるといいだろう。
Wolverine Ultimate。ショルダー部に追加のバンパーボタンが2個,底面には追加のトリガーボタンが4個,D-Padと右アナログスティックの手前にはヘッドセットの音量やマイクミュートなどを行うためのボタンが4個追加となったルックスが目を惹く。製品概要は8月25日掲載の記事 を参照してもらえればと思うが,追加情報をお伝えしておくと,背面のスライドスイッチは[LT/RT]の深さを2段階で変更するためのものだった。背面の4ボタンは着脱不可である
Blade Pro V2。ノートPC向け「GeForce GTX 1080」と,17.3インチ,解像度3840 × 2160ドットIGZO(IPS)パネルを採用する製品だ。キーボードは英語配列で,日本語配列の設定はなし。そんなキーボードの右には大型のタッチパッドを備えるデザインも特徴と言えるだろう。直販ページ における価格はストレージ容量512GBモデルが44万9800円(税込48万5784円),同1TBモデルが49万9800円(税込53万9784円)