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[TGS 2011]Razerの共同設立者「Razerguy」インタビュー。アーケードスティックとRazerそのものについて聞いてきた
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印刷2011/09/18 14:06

インタビュー

[TGS 2011]Razerの共同設立者「Razerguy」インタビュー。アーケードスティックとRazerそのものについて聞いてきた

Robert Krakoff氏(Co-Founder and President, Razer)
 東京ゲームショウ2011に出展し,Xbox 360用アーケードスティックを開発中だと発表したり,プロトタイプをプレイアブルな状態で展示していたりするRazer USA。そんな同社の共同設立者兼社長である「Razerguy」ことRobert Krakoff(ロバート・クラコフ)氏が来日し,報道関係者の個別インタビューに答えていた。4Gamerでもスロットを確保し,意外と知られていないRazerというブランドや,アーケードスティックについていろいろ聞いてきたので,ここにお届けしたい。

 昔からのRazerファンはもちろん,今回のアーケードスティックでRazerのことが気になり始めたという人も必読だ。

関連記事:[TGS 2011]Razer,Xbox 360用アーケードスティックを開発中と発表。プロトタイプのβテスター500名を募集開始

関連記事:[TGS 2011]格闘ゲーマーの必需品になるか? Razerが開発中のXbox 360用アーケードスティック,直撮りムービーを掲載



謎に包まれた「Razerの正体」に迫る


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。最初は,いろいろ謎に包まれていると我々は思っているんですが,Razerという会社についてお聞きしたいと思います。
 そもそも,Min-Liang TanさんとRobertさんは,どういう経緯でRazerを立ち上げたのでしょうか。

Razerguy:
 1990年代初頭,私はゲームデベロッパで,マーケティングプランを考える仕事をしていました。
 個人的に,1980年代はコンソールゲームをメインにプレイしていたのですが,1990年代に入ると,自分のなかでPCのFPSが大きな存在となり,また,市場としても最も成長していると気づいたのです。そして,「FPSをプレイするのには,より速く操作できるマウスやキーボードが必要だ」とも。

4Gamer:
 それがそもそもの動機というわけですね。

Razerguy:
Razer公式サイトにある年表より。企業としてのRazerが立ち上がったのは1998年のことだ
Razer
 ええ。当時の私は,普段からゲームプレイに使っているマウスやキーボードに腹を立てていました。
 ゲームで使う前提に立つと,マウスやキーボードの精密性や安定性はもっと高くなければならない。少なくとも,ゲーム用のマウスは絶対に必要だという確信に至ったのです。

 そして,’90年代の終わり頃に,我々は精密性や安定性を追求した,ゲーマーのためのマウスの開発をスタートし,そして,Razerという会社の設立に至りました。ゲーマーしか雇わない,ゲーマーのための会社。つまり(コーポレートキャッチコピーでもある)「For Gamers. By Gamers」というわけです。

4Gamer:
 ちなみに「Razer」というのはどういう意味なのですか。

Razerguy:
 カミソリから来ています。鋭く(edge),尖った(sharp)イメージですね。ただ,商標の都合もあって(笑),「o」を「e」に変更しました。

4Gamer:
 我々の記憶が確かなら,Razerのコピーライト表記は,あるとき突然「Razer」から「Razer USA」になりましたよね。昔はRazerだったと記憶しているのですが。
 なんとなくシンガポールの会社だったようなイメージがあるのですけれども,これは本社機能をシンガポールから北米に移したときに,社名も変更したということでいいのでしょうか。

Razerguy:
 いえ,(公式サイトにも書かれているとおり)もともとサンディエゴで設立した会社ですよ。シンガポールの会社というイメージがあるとしたら,シンガポールのオフィスが,Razerの拠点のなかで最大のもので,かつ,ロジスティクスや製品開発部門が集中しているからではないかと思います。

4Gamer:
 ではいま「Razer USA」と名乗っているのはなぜなのでしょう。東京ゲームショウ2011の出展社名も「Razer USA Ltd.」ですよね。

Razerguy:
 厳密にいうと,会社名は「Razer Ltd.」ですね。しかし,米国にある企業だということで,「Razer USA」を名乗っている次第です。同じようにシンガポールオフィスは「Razer Asia Pacific」を名乗っています。

4Gamer:
 なるほど。そういうことだったのですね。長年の疑問が解けました。
 ところで,今回はこうしてRobertさんにインタビューを受けていただいてますが,最近はFacebookなどで,共同設立者であるMin-Liang Tanさんが表に出てくることが増えてきているように思います。広報担当が入れ替わったとか,そういう理由があるのですか。

Razerguy:
 いえ,そうではないのです。実のところ,2人の間では,Min-Liang Tanがアジア担当,私がそのほかの地区担当ということになっているのですけれども,彼は相当な恥ずかしがり屋で(笑)。これまであまり表に出たがらなかったのです。
 ただ,会社が大きくなり,担当をきちんと分けようという話にあらためてなって,ようやく彼が表に出てくるようになったんですよ。我々は2人とも,歴としたRazerの共同設立者であり,メディア担当でもあります。

4Gamer:
 会社が大きくなったといえば,最近はそれこそ今回のXbox 360アーケードスティックだったり,ノートPC「Razer Blade」だったりと,当初の「FPS用デバイス」から,事業領域をかなり広げてきていますよね。これはどういった事情によるものなのでしょうか。一般に,非公開企業がこういう動きをするときは,得てして上場を睨んでいたりするものですが。

Razerguy:
 上場目的というよりは,さまざまなプラットフォームに向けて製品を開発していけるだけの規模になり,新しい技術を投入できるようになってきた,ということですね。

4Gamer:
 ちなみにRazer Bladeはいまのところ北米地域でのみ発表されていますが,これをほかの地域,とくに日本で販売する予定はありますか。

Razerguy:
 Razer Bladeは我々にとっても新しく,独自性の強い製品です。もちろん日本やアジア地域でも販売したいと考えていますが,まずは北米で販売して,市場の反応を見てからになると思います。日本での展開は,早くとも2012年以降になるでしょう。


Razerはなぜ「光らせる」のか


4Gamer:
 Razerというと,外観上の特徴が「格好よく光るLED」であることは論を俟(ま)たないと思います。LEDの光らせ方について,何か哲学であるとか,開発上のルールとかいったものはあったりするのでしょうか。

Razerguy:
Razer BlackWidows Ultimate
Razer
 マウスに関して言えば,ライティングは「マウスの飾り」として,なくてはならない“化粧”(cosmetic)です。
 一方,キーボードの場合は,暗い部屋でゲームをプレイする場合に欠かせないガイドということになります。最近のお気に入りは「Razer BlackWidow Ultimate」で,メンブレンスイッチを採用するキーボードだと,どうしてもキーボードベース上にLEDを点在させなければならないのですが,メカニカルスイッチを採用するRazer BlackWidow Ultimateでは,すべてのキースイッチ部にLEDを搭載できるので,暗闇のなかでも十分な光量が得られるようになっています。

 「こう光らせなければならない」という統一的なこだわりがあるわけではなく,製品のカテゴリが持つ必要性に応じて取り入れている次第です。個人的には,光らない「Razer DeathAdder Black Edition」も好きですよ。

青色LEDが埋め込まれているRazer DeathAdder(左)と,“光らない”Razer DeathAdder Black Edition(右)
Razer Razer

4Gamer:
Razer Naga Epic
Razer
 デザイン優先というよりは,機能やマーケティング優先というわけですね。
 それと関連して,最近でこそ「Razer Naga Epic」などのように,LEDの色をユーザーが変更できる製品が出てきましたが,ここ数年,ほとんどのRazer製品でLEDは青が採用されていますよね。一方,Razerのコーポレートカラーは黄緑(と黒)だと思いますが,なぜ青なのでしょうか。

Razerguy:
 これはマーケティングの結果ですね。調査の結果,ゲーマーが青色LEDを好むことが分かったためです。とはいえ,コーポレートカラーも常に意識していて,それは製品ボックスなどに採用しています。ちなみにRazer Bladeでは黄緑を取り入れていますよ。

4Gamer:
 「光るゲーマー向けデバイス」については,何年か前,Razerをほぼ名指しするような形で「ゲーマー向けデバイスが光ることに意味はない」と主張した競合企業がありました。
 ただ,業界の趨勢は光らせる方向にあり,その企業も今年になってついに考えを変え,光る製品を出してきたりしています。個人的に,光るゲーマー向けデバイスというと,Razerがパイオニアではないかと考えていますが,その点について感想はありますか。

Razerguy:
 我々は革新的な商品を提供していく立場にあります。パイオニアとして言えるのは,「他社が我々の製品を後からコピーすることはできますが,オリジナルは我々自身しか作れません」ということですね。
 発表できるギリギリのタイミングまで開発に時間をかけるRazerの体制こそが,Razerをパイオニアたらしめています。


なぜいまアーケードスティックなのか


4Gamer:
 東京ゲームショウ2011で発表されたアーケードスティックについて質問させてください。世界市場ではMad Catz,日本ではHORIといった“支配的な”企業が存在するなかで,あえてRazerがこの市場へ乗り込んでいく理由は何でしょう。

Razerguy:
Razer初となるアーケードスティック(のプロトタイプ)。今のところは「Razer Arcade Stick Prototype」という仮称が与えられている
Razer
 我々が過去に行ったアンケートで,アジア圏のプロゲーマーを中心に,「Razerにアーケードスティックを作ってほしい」という意見がものすごく多かったというのが大きな理由ですね。
 ゲーマーのコミュニティと密接な関係を維持しながら製品を作ってきたRazerとしては,今回もユーザーの意見を反映させるべく,参入を決意したのです。

 いま他社の話が出ましたが,既存の製品を見ていると,「カスタマイズ性という観点で,ユーザーからのフィードバックを100%反映しきれていないのではないか」という疑問も感じている,というのもあります。

4Gamer:
 正直なところ,「勝算」のようなものはありますか。

Razerguy:
ちなみに,発表直後の時点で「500人」「200人」と表記が揺れていたβテスターの数は「200人強」が正解とのこと。初出時,募集サイトでは「500人」とされていたが,いまでは「200+人」に書き換わっている
Razer
 初参入ですから,まだなんとも言えません。いま言えることは「βテストによるフィードバックを基にして,今後の戦略を立てていく」ということくらいです。
 ですので――長い時間がかかるかもしれませんが――これからβテストプログラムを通じて,ユーザーの生の声を聞き,ブラッシュアップしたものを最終的な「製品版」として出したいと考えています。

4Gamer:
 βテスターを一般から募集するというのは今回の製品が初めてですよね。マウスやキーボードでも同様のプログラムを行うことはできたのではないかと思いますが,なぜ初参入のアーケードスティックでそれを行おうと考えたのですか。

Razerguy:
Razerのアーケードスティックはカスタマイズの柔軟性が高い方向を目指している。現時点における特徴などは,ブースの担当者に語ってもらったビデオをチェックしてほしい
Razer
 日本の格闘ゲーマーの間には,アーケードスティックのパーツを自分好みに換装したりするカスタマイズの文化があります。そこにある考え方をフィードバックしてもらいたいというのが,我々が「コミュニティβプログラム」と呼ぶ今回のβテストをアーケードスティック製品で用意した理由です。

4Gamer:
 ああ,それでテスター募集ページに,英語だけではなく日本語も併記されていたのですね。日本の格闘ゲーマーに呼びかけていたと。

Razerguy:
 そうですね。我々としても,アーケードスティックの大きな市場は北米と日本にあると考えています。

4Gamer:
 その日本においてですが,アーケードスティックというものは,その名前のとおり,「いかにして低コストでアーケードのプレイ感覚を自宅で再現するか」という方向性で進化しています。究極の解決策は「アーケードの筐体そのもの」であり,ある意味,ゴールが見えている製品ジャンルでもあると思います。
 そのなかで,Razerも他社と同じ方向を目指すのでしょうか。それとも,コンソールならではといった,別の方向性ですか。

Razerguy:
 このタイミングですからはっきりとした回答は差し上げられませんが,日本のアーケードゲームの操作性を再現する方向に進むつもりで私は考えています。

4Gamer:
 RazerはFPSやRTSのプロチームをスポンサードしていますが,格闘ゲームでもプロチームを作る考えはありますか。

Razerguy:
 格闘ゲーム向けの製品を開発する以上,もちろん考えています。

4Gamer:
 では,日本の格闘ゲーマーもTeam Razerの一員になれる可能性があるということですか。

Razerguy:
 もちろんです! 18日のRazerブースで開催する「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」PlayStation 3 / Xbox 360)のイベントへ参加した日本のゲーマーに声をかける可能性もあります。期待していてください。

4Gamer:
 それ以外の手段でTeam Razerを目指そうという格闘ゲーマーがいた場合,どうすればいいですか。

Razerguy:
 Razerzone.com(のβテスター募集ページ)に応募フォームを用意してあるので,経歴や実績を送っていただければ,我々のほうで検討します。自己推薦したい場合も[RECOMMEND / 推薦する]ボタンから応募していただければと思います。
 また,Razerには,日本も含め,全世界で20名ほどのスカウティングマネージャーがいますので,我々がスポンサードしているメジャーな大会やイベントで実績を残してもらえれば,そこでお声がけする場合もあります。

4Gamer:
 FPSやRTSはPCゲームが主体で,かつ,PCゲーム市場があまり大きくないということもあり,日本ではプロゲーマーという文化がほとんど根付いてきませんでしたが,格闘ゲームの盛り上がりで,多少なりとも身近になりつつあります。ぜひRazerには,格闘ゲームやプロゲーマーといったジャンルを盛り上げてほしいですね。

Razerguy:
 私も同じ気持ちです。ぜひ協力させてください。

4Gamer:
 お時間が近づいてきたので,最後に。日本のゲーマー向けてメッセージをお願いします。

Razerguy:
Razer
 今回は,投入予定のアーケードスティック製品を日本のゲーマーの方々にぜひ試していただきたいと考えています。フィードバックと反映,検証の繰り返しがあるため,完成には1年ほどかかると思いますが,来年の東京ゲームショウでは完成形をお見せできると確信しています
 来年もこういった形でみなさんとお会いできることを楽しみにしています。


 ……Robert氏の発言の節々からは,アーケードスティック製品を契機として,日本市場での存在感をより一層増していきたいという姿勢が強く感じられた。PCゲーム用デバイスに始まって,ゲームパッド,そして今度はアーケードスティックと,どんどんと国内のゲーマーから目に付きやすい部分に進出してきたRazerだが,会社の事業規模拡大ともリンクし,今後,日本のゲーマーにとって,ますます存在感を増していくことになりそうだ。

Razer英語公式サイト

Razer日本語公式サイト

Xbox 360用アーケードスティック βテスター募集ページ
(英語,日本語両対応)

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