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4基のGPUでゲームの8画面出力が可能に。「ATI Catalyst 8.1」リリース
リリースノートには「複数のグラフィックスカードによる,OpenGLのハードウェアアクセラレーションを提供する」(This feature provides for hardware accelerated OpenGL rendering across multiple graphics adapters.)とあり,DirectX環境はサポートされないようにも読み取れる。しかしAMDの関係者は4Gamerに対して「DirectX環境で8画面レンダリングに対応しているのはFSXしかないため,“AMDが提供しているOpenGLデモで利用できる”という意味であのように表記した」と説明する。(さすがに試せてはいないが)複数のディスプレイ環境でFSXをプレイしている人には朗報かもしれない。
なお,MultiView対応GPUはATI Radeon HD 3000/2000シリーズおよびATI Radeon X1300〜1950シリーズだ。
このほか,恒例のバグフィックスは以下のとおり。今回もゲームに関連した部分を中心にお知らせしたい。
●ATI Catalyst 8.1で解決した主な問題(Windows XP)
- 「Call of Juarez」「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」「TimeShift」をプレイすると,画面表示が断続的に乱れたりする問題
- トリプルバッファリングを有効化し,さらにアンチエイリアシング設定を8x AAに,解像度を2560×1600ドットに指定して「Enemy Territory: Quake Wars」のVersion 1.2をプレイすると,画面がちらつく問題
- 「Tianji」(※「天機Online」のことと思われる)でゲームにログインすると,「function buttons」が機能せず,「setting window」も開かない問題
- Apple製の30インチディスプレイを利用している環境で「World of Warcraft」(のクライアントを二つ起動して)二つのウインドウを立ち上げ,それらを切り替えると,ゲーム画面の描画が正常に行われない問題
- 特定の解像度で,画面のスケーリング機能が正常に動作しない問題
- 「Automated Clock Configuration Utility」を実行すると,画面が真っ暗になってOSがハングアップする問題
- 「ATI Radeon 9500/9600/9700」搭載環境で,時折ATI Catalyst Control Centerを起動できないことがある問題
●ATI Catalyst 8.1で解決した主な問題(Windows Vista)
- 「BioShock」をプレイすると,インゲームのカットシーン(リアルタイムムービー)で画面がちらつく問題
- 「ATI Radeon HD 3800」シリーズのCrossFire構成時に「Half-Life 2: Episode Two」をプレイすると,ゲームが不正終了する問題
- 解像度が2048×1536ドットに指定されているとき,「F.E.A.R.」を実行してインゲームのアンチエイリアシング設定を有効化すると,画面がまっ暗になる問題
- 「Lightsmark 2007」を実行すると,ロボットのキャラクターが正常に描画されない問題
- アンチエイリアシングを有効化した状態で「The Elder Scrolls IV: Oblivion」を実行し,デスクトップとの間でタスク切り替えを行うと,画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に,16x異方性フィルタリングを適用して「The Elder Scrolls IV: Oblivion」を実行し,ゲーム側のグラフィックス設定を最高にすると,画面がちらつく問題
- 「The Elder Scrolls IV: Oblivion」を実行後,一度最小化してから復帰させると,ゲームが不正終了し,画面表示がおかしくなる問題
- 解像度1280×768ドット,16x異方性フィルタリング適用時に「World in Conflict」を起動できない問題
- 「ATI Radeon X1200/1250/1270」を内蔵するグラフィックス機能統合型チップセット搭載環境で,クローンモードあるいは拡張デスクトップモードによるデュアルディスプレイ環境を構築すると,画面表示がおかしくなる問題
- ATI OverDriveのボタンが,押せてはいけない局面でも押せてしまう問題
- 日本語版ATI Catalyst Control Centerで,「LCD Overview」のフォントサイズが適切でなかった問題(※ATI Catalyst 7.12と比較する限り,「LCD Overview」はLCD OverDriveのことを差しているように思われる)
- ATI OverDriveの“アンロック警告”メッセージの頭がカットされている問題
- 64bit版Windows Vistaで,S3ステートから復帰すると,ディスプレイが点滅を繰り返すようになる問題
このほかビデオ再生周りのバグもいくつか潰されており,全体としては手堅い月例アップデートといった印象。ATI Radeonを利用しているなら,ひとまずアップデートしておくのが正解ではなかろうか。自己責任となるドライバの導入処理を成功させるための方法は,不定期連載「PCゲームのお作法」第11回と第13回で解説しているので,興味のある人は参照してほしい。
ところで,ゲームの8画面出力と併せて発表された,最大4枚のグラフィックスカードによるCrossFire環境「CrossFire X」がどうなったのか気になる読者は少なくないだろう。この点について前出の関係者は,「βドライバが2008年1月下旬に(パートナーやレビュワー向けに)リリースされ,問題がなければATI Catalyst 8.2で実装される」と,近々の登場を予告する。CrossFire Xを試す気満々の人達は,あと少しの辛抱だ。
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AMD Software
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