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2012年度のFEZは“より快適なプレイ環境を提供する”ことが目標。「半歩」禁止宣言も飛び出したFEZプロデューサーインタビュー
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印刷2012/04/13 16:11

インタビュー

2012年度のFEZは“より快適なプレイ環境を提供する”ことが目標。「半歩」禁止宣言も飛び出したFEZプロデューサーインタビュー

 既報のとおり,オンラインアクションRPG「ファンタジーアース ゼロ」(以下,FEZ)では,2012年3月30日に大型アップデート「クロニクルズ」が実施された(関連記事)。このアップデートでは,8つの新たな戦争ルールを組み込んだ新コンテンツ「五大砦統一戦」が実装されている。この新コンテンツと,メインコンテンツたる従来の戦争を最大限に機能させるため,FEZでは2012年1月にワールド統合を実施し,7ワールドを3ワールドに集約(ハンゲーム運用のZワールドは対象外)したわけだが,一連の試みはFEZプロジェクトチームにとって,そしてプレイヤーにとってどうだったのか。その結果と,「半歩」問題への取り組みを含む2012年度のFEZの展開について,2人のプロデューサーに聞いてみた。

スクウェア・エニックス 第二オンライン事業部 プロデューサー 李 潤玉氏(左)と,ゲームポット オンラインゲーム事業部 FEZチーム プロデューサー 林 ひかる氏(右)

「ファンタジーアース ゼロ」公式サイト



ワールド統合後はプレイヤー数/戦争発生数ともに増加


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回は,2012年度におけるFEZの展開をお聞きしたいと思うのですが,その前に2012年1月からこれまでに行われた施策の結果や所感などについて教えてください。大きなところでは,ワールド統合とクロニクルズの実装が行われましたが,いかがでしょうか。

林 ひかる氏(以下,林氏):
 率直に申しますと,ワールド統合に関しては大成功と言っていい結果となりました。一番の問題だったワールドごとの人口格差が大きく改善され,それに伴い,ゲームのメインコンテンツとなる「戦争」の発生数も増加しました。現在は,ワールドや時間帯を問わず,コンテンツを楽しめるような状況となっています。
 これは数字にも表れており,ワールド統合以降は,お客様の数も数千人単位で増加する流れとなりました。

李 潤玉氏(以下,李氏):
 FEZの月別プレイヤー数では,この2012年2月が歴代第2位,そして2012年1月が第3位なんです。正直,これまで見たことのないような数字だったので目を疑いました。ちなみに最多記録の第1位は2011年7月で,イベント「ヴィラーノフェスティバル 100万人突破スペシャル」など,さまざまなキャンペーンを実施した月です。
 結果として,2011年度は年間プレイヤー数も最多を記録しました。

4Gamer:
 FEZはサービス開始から,もう6年以上経っていますが,未だにアクティブプレイヤー数が増え続けているというのはすごいことですね。

李氏:
 2011年度は全般にユニークユーザー数の推移が好調だったのですが,ワールド統合後の伸びが決め手となりました。戦争の発生数も,本当にすごいことになっていて。

林氏:
 ワールド統合前には,また特定のワールドに人口が集中してしまうのではないかといった懸念もありましたが,現状,そういった傾向はまったく見られません。日別で見ても月別で見ても,人口/戦争発生数ともに各ワールドが横並びの数字を示しており,「ここまで綺麗に揃うものなのか」と驚くばかりです。

李氏:
 一番心配していたのは,旧Felixワールドをそのまま移行した「Kether」でしたが,最初の数日こそ落ち込んだものの,すぐにほかのワールドと並ぶ結果となりました。

林氏:
 ……実は人口格差が発生した時のために,ワールド移住キャンペーンや人口オートバランサー(自動で人口を調整するシステム)の投入準備を水面下で進めていたのですが,ありがたいことに実施には至らなかったというわけです。そのおかげで,別の施策に注力できるようになりました。

4Gamer:
 ワールド統合後に好調となった理由をどう分析していますか?

林氏:
 もともとFEZは,潜在的なお客様が多いタイトルです。それはイベントやキャンペーンを実施するとプレイヤー数が一時的に増えますが,イベントが終了すると盛り上がりが冷めやすいというところに表れていました。
 それでは,なぜ続けて遊んでもらえないのかというと,やはりワールドごとの人口格差が大きな理由の一つであろうと,以前から想定しておりました。それがワールド統合で大幅に解消された結果を見て,やはり想定どおりだったかと感じています。

李氏:
 全般には,ワールドごとのアクティブプレイヤー数や各ワールドの持つ文化の差に捕われすぎず,ワールド自体の新旧や休眠プレイヤー数,ワールド統合後の復帰プレイヤー数の見込みなどをトータルで考えて,バランスを図ったのが功を奏したのではないでしょうか。

4Gamer:
 実際のプレイヤーの声はどうでしょう。まあ数字が好調ですから,全般に高評価ということだと思いますけれど。

林氏:
 もちろん,お客様から「これまでのワールド文化が損なわれてしまった」というご意見をいただくこともあります。しかし,以前からお話しているように,我々としてはしばらく一緒に遊ぶことで,また新しい文化を築いていただきたいという狙いもあるんです。
 ともあれ,現在,好調にプレイヤー数が推移しているというところで,ようやく新しい文化の構築,ひいてはFEZを今後さらに発展させていくうえでの土台ができたと言えます。

李氏:
 本当は,もう少し早くワールド統合を実施できたらよかったんですけれど,下準備に時間がかかってしまって……。でも,そのおかげでワールド統合時のメンテナンスも,きちんと告知した時間内に収めることができました。
 2012年度は,この土台から新たな施策を展開していきます。

4Gamer:
 さて,好調だというお話の一方で,ワールド統合に伴って一部プレイヤーのアイテムがロストするという事態も発生していたようですが。

林氏:
 ええ,アイテムロストが発生したのは事実です。しかしこの件は,正確に言うとワールド統合前から発生しており,直接的な関連はなかったことが判明しています。タイミング的に,ワールド統合が原因だと思われてしまうのは仕方のないことですが,この場を借りて,そうではないことを表明させてください。
 とはいえ,アイテムロスト自体は大きな問題ですので,あらためてお詫び申し上げます。対応に関しては,別途告知をしているとおり,2012年3月のメンテナンスをもって完了いたしました。

4Gamer:
 なるほど。一とおり収束したわけですね。

林氏:
 ただ,今なお数名のお客様から,アイテムがロストしたという報告をいただいております。これに関しては別の原因があると思われますので,現在調査している最中です。こちらは原因の特定ができ次第,個別にご連絡を差し上げたり,公式の告知を行ったりといった対応をいたします。
 そのため,未然に防ぐということはなかなか難しいのですが,今後もしアイテムロストが発生するようであれば,可能な限り迅速に対応いたします。またお客様に対しては,ロストしたアイテムを再びお渡ししたり,場合によっては別のアイテムで補填させていただくというケースもあります。


8つの新ルールを一挙に投入!

大型アップデート「クロニクルズ」のアレコレ


4Gamer:
 それでは,2012年3月末に実装されたばかりのクロニクルズについて教えてください。

ファンタジーアース ゼロ
林氏:
 クロニクルズは,FEZの世界観をテーマに,新しい戦争のルールやマップ,そしてNPCを用意するというアップデートです。
 その中でもメインとなるのが,五大砦統一戦に配した8つの新戦争ルールです。8つそれぞれに特徴を持たせており,霧が立ち込めて視界が悪いマップや,領域に特化した戦争,対人要素を強化した戦争,クリスタルにスポットを当てた戦争,自国の砦を守ったり相手の砦に攻め込んだりと国家間の争いを強化した戦争などがあります。
 そこに新しいNPCが登場し,各国家ごとに統一を目指すというストーリーを織り交ぜています。

4Gamer:
 実装されてから日が浅いので何とも言えないかもしれませんが,プレイヤーの反応はどうでしょう?

林氏:
 実装後最初の週末で,マッチングがうまく機能しないという現象が発生し,満足に遊んでいただけないという状況に陥っていました。FEZでは1年振りの大型アップデートですから,大きなご期待を寄せていただいたお客様も大勢いらっしゃって,GMに「参加させてほしい」「これでは評価もできない」と伝えてくださった方もいました。

4Gamer:
 というと,実際にクロニクルズを遊べたプレイヤーはまだ少ないんですか?

林氏:
 いえ,この問題は,直後のメンテナンスで解消しており,現在は快適に遊んでいただけます。
 実際に遊んでくださった方からは,「いい試みだ」「面白い」というポジティブな感想をいただいています。私もログインしてゲーム内の様子を確認しているのですが,ルールが8つもあるので,人によって面白いと思うポイントが異なるんですよね。あるお客様はこの戦争が面白いとおっしゃるし,また別のお客様は別の戦争がいいとおっしゃいます。「さまざまな要素があるので,やり込めば通常の戦争と同じくらい面白くなるのではないか」というご意見もいただきました。
 その一方では,まだまだ調整の余地があるとも感じましたね。

李氏:
 クロニクルズでは,従来の大型アップデートよりも事前テストの回数が多かったんです。計5回,誰でも参加できるという形でテストを行い,その都度,改善や調整を施してきたのですが,本実装してみると,やはりまだまだ修正すべき部分があります。とくに,テスト回数が多かったわりに,お客様からいただいた指摘を反映し切れなかった点は反省しなければなりません。

4Gamer:
 目立った意見は,どんな内容ですか?

李氏:
 一番は「とにかく分かりにくい」というものでした。最初はルールをどこで見られるのか分からないというところから始まったのですが,実際に確認できるようにしても内容がよく分からないというお客様が多かったんです。そうなると,分からないから怖い,怖いから入らないという連鎖が生じてしまいます。
 とはいえ本実装後には,テストでルールを理解していたお客様が先導してくださったので,非常にありがたかったです。FEZ初期の通常戦争を思い起こさせるような光景でした。

4Gamer:
 ああ,確かに以前は,ベテランプレイヤーが初心者を導くという傾向が強いゲームでした。

李氏:
 実はクロニクルズの戦争は,キャリアーを壊せばいい,領域を取っていけばいい,クリスタルを奪い合えばいいといったように,特別難しいものになっているわけではないんです。ただ,通常戦争に慣れたお客様であるほど複雑に見えてしまうとは思います。
 ですので,まず8つのルールの中から自分が遊びやすいものや好みのものを見つけて,それだけに参戦するという形を取っていただいてもいいと思います。

4Gamer:
 なるほど。必ずしも用意されている戦争を全部こなす必要はない,と。

李氏:
 本音を言えば,全部のルールに一度は触っていただきたいです。FEZの面白さは,プロジェクトチームで1から10まで全部用意することはできません。多くのお客様が遊んでくれるからこそ出せる面白さというものがあるんです。我々の想定していない部分も含めて,そういった面白さがどんどん出てくるでしょうから,それに合わせてチューニングしていくことになります。

林氏:
 言い替えると,我々には「手探りをしてほしい」という思いがあるんです。そのため,プロジェクトチームから遊び方をいろいろ提示してしまうのは,あまりよろしくないんじゃないか,と。
 その裏には,お客様同士のコミュニケーションを活性化したいという狙いがあります。実際,クロニクルズはパーティを組んで参戦する形式を採用していませんので,面識のないプレイヤーさん同士で分からないところを質問する,知っている人が答えるというやり取りが頻繁に行われています。そういったところから,新たなコミュニティが生まれることにも期待しています。分かりにくいというご意見は重々承知していますが,今後はお客様のご要望と我々の狙いのバランスを取りながら調整していきます。

4Gamer:
 なるほど。ルールを分かりやすくし,かつコミュニケーションを阻害しないような改善策は,具体的にどのようなものがあるんでしょう?

林氏:
 アイデアとしては,ユーザーインタフェースや導線の改善があります。実はありがたいことに,お客様からかなり具体的なアイデアをいただいており,どういった形で実現できるか検討したりもしています。

4Gamer:
 そのほか,すでに判明している改善すべきポイントはありますか?

林氏:
 現在は,一部のお客様から「任務戦争」に参戦できないという報告を受けています。これは先ほどお話したマッチングの問題とはまた異なる,かなり限定的な条件下で発生している問題ですが,最優先で修正すべく取り組んでいます。
 実はFEZでは,毎週のメンテナンス時にこういった修正をいくつも施しているんですよ。細かなレベルのものも含めると,数え切れないほど修正してきました。

4Gamer:
 国内開発の強みですね。

林氏:
 ええ。不具合報告を受けたゲームポットが優先度をジャッジし,スクウェア・エニックスさんの判断を仰ぎ,フェニックスソフトさんが修正するという体制が整っています。

李氏:
 三者三様にプレイヤーとしてゲームに参加していますから,ゲーム中にお客様が何か不具合らしき事象に直面したことを知ったら「ちょっと確認して」というアクションもしております。

林氏:
 今回,クロニクルズを実装するにあたっても,さまざまな問題を解決し,不具合が起きたら逐一修正するという形で開発を進めていきました。今後も予期せぬ不具合が出ないとは言い切れませんが,迅速な対応をしていきます。
 ともあれ,クロニクルズはぜひ実際にプレイして,お客様自身が楽しめるポイントを見つけていただきたいですね。

李氏:
 今後は,ストーリー進行以外の目標として,クロニクルズ専用のオフィシャルショップを予定しています。ラインナップを含め,実装のタイミングは検討中ですが,今しばらくお待ちください。

4Gamer:
 そのほか,クロニクルズに関してプレイヤーに伝えておきたいことはありますか?

李氏:
 一部,誤解されているお客様がいらっしゃるようなのですが,クロニクルズの砦戦が起きるまでの任務戦争は,通常戦争が起こせない場所で発生する仕様となっていることを,あらためて説明させてください。

林氏:
 同じフィールドでクロニクルズの戦争が発生すると,通常戦争の機会が減るんじゃないかと心配するお客様がいらっしゃるのですが,仕様上,それはありません。やはり通常戦争がFEZのメインコンテンツですから,そこに悪影響が生まれないよう,配慮はしています。


「バンクェット」がついに復活! 決勝大会は

「大感謝祭」と並ぶオフラインイベントに


4Gamer:
 それでは,2012年度のオフラインイベントなどの展開について教えてください。

林氏:
 今年度は,2009年を最後に休止していた「バンクェット」を復活させます。やはりFEZは対戦ゲームですから,対戦する上での目標となるものが必要です。
 それに伴って,オフラインの決勝大会を開催します。今,まさに企画を進行しているところなのですが,おそらく出場するお客様はビックリすると同時に,いい思い出になるんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 それは開催会場が特別という意味ですか?

林氏:
 コンセプトや演出にこだわったオフラインイベントを企画しています。

李氏:
 個人的にも楽しみにしております。

林氏:
 一つ言えることは,決勝まで勝ち進んだお客様を,いかに称えることができるかということを突き詰めました。ぜひ,決勝を目指して頑張っていただきたいです。
 お話できる部分だけ言ってしまうと,とくに“戦う”ということにスポットを当てています。例えば,2011年夏に行った「大感謝祭」とはまったく違うイメージで,純粋にプレイヤースキルに興味のある人達が満足できる内容を目指しているんです。決勝進出が叶わなかったお客様も会場にいらっしゃって,優勝チームのプレイヤースキルや戦術を参考にできるような,そんな感じにしたいんです。

李氏:
 そしてそれとは別に,2012年度も大感謝祭を予定しています。

林氏:
 前回の大感謝祭は大成功を収めることができましたが,今回は我々自身,FEZが対戦ゲームであることを再認識し,そこに特化したものを作り出していこうと考えています。

4Gamer:
 分かりました。
 それでは,そのほか予定しているオフラインイベントはありますか?

林氏:
 2011年度同様,全国6都市で小規模のオフラインイベントを開催します。やはり実際に各都市の会場を回ってみると,全国のお客様のFEZに対する情熱を感じられるんですよね。私自身,全会場でお客様からさまざまなご意見をいただいたのですが,それはもう会社でPCに向かっているのとは全然違う体験で,気づかされることばかりでした。そこで1年だけでは終わらせず,継続的に行うことにしました。
 また2012年度は,バンクェットの復活に合わせて,会場のみで完結する,誰でも参加可能なワンデイトーナメントを開催する予定です。ぜひ練習がてら,このオフラインイベントに参加していただきたいです。

4Gamer:
 定期的に開催していると,どの会場にも現れるプレイヤーが出てくるかもしれませんよ。

林氏:
 実際,そういうお客様もいて,毎回顔を出してくれるお客様はこちらも覚えていますので,本当に嬉しく思います。また仙台会場では,同じコミュニティに所属する大阪と関東,そして北海道のお客様が集まっていたケースが見られました。参加者同士や運営スタッフが実際に会うことで,違った楽しみ方ができるので,リアルでの出会いの場としても続けていきたいですね。

李氏:
 GMウチヤマを追ってくれた広島のお客様もいましたよね。

林氏:
 ああ,「全国オベリスク建築計画」の時ですね。GMウチヤマが中国地方にARオベリスクを建てに行ったのですが,その広島のお客様がそれを聞きつけて,ARオベリスクの形跡を追いかけていったんです。最終的に,GMウチヤマが厳島神社で鹿の角にオベリスクを建てたところで追いついたという(笑)。

4Gamer:
 なんとドラマチックな(笑)。

林氏:
 FEZは,そういった熱狂的なお客様に支えられているんですよね。ありがたいことです。

4Gamer:
 ちなみに今年度の全国で開催するオフラインイベントですが,もう日程などは決まっていますか?

林氏:
 2012年4月29日に名古屋,続いて5月に大阪での開催が決まっています。別途,詳細な情報を公開しますので,ぜひご参加ください。


全面禁止化される「半歩」。目視確認に加え

システム的な規制も検討中


4Gamer:
 それではセンシティブな話ですけれども,やはり聞いておかなければならないのが,いわゆる「半歩」のことです。2012年度,プロジェクトチームとして新たな姿勢で半歩問題に取り組む──つまり禁止にすると事前にうかがったのですが。

林氏:
 半歩は,ゲームの仕様を利用して,一方的に有利な状況を作り出すというテクニックです。以前,あらゆる手段を尽くして調査し,また当時の状況を鑑みた結果,プロジェクトチームとしては公式に「仕様である」と告知をしました。ただしそのときは,同時に「使ってはいけない」という旨も記していたんです。
 ところが,その禁止の文言がさまざまな解釈ができるような表記で,結果,「半歩を使ってもいい」と捕らえるお客様もいました。これは我々に落ち度があり,告知の仕方がよくなかったと受け止めています。

4Gamer:
 なるほど。今回,あらためて半歩を禁止にする理由は何でしょう?

林氏:
 今では半歩を応用したさまざまなテクニックが編み出されており,戦争における公平性が著しく欠如している状態が頻繁に見られるようになってしまいました。
 もともとFEZは競技性の高い対戦ゲームであることをウリにしていますから,そういった不公平な状況が続くとお客様のモチベーションも下がってしまいます。実際,この1年間はそういった理由から離脱してしまうお客様も目立ちました。

4Gamer:
 半歩が問題化してから数年経っていますから,非常に腰の重い対応だという感想を抱くプレイヤーも出て来そうですが。

林氏:
 そうですね。半歩はシステム的に感知できませんから,具体的にどうやって取り締まるかについて,慎重な議論を重ねる必要がありました。プロジェクトチームとしては,結論の出ていない情報をお客様に開示するわけにはいきませんから,結果として対応する気がないと見られてもおかしくなかったと思います。また並行してワールド統合の案件も進めていましたから,なかなか半歩問題への本格的な取り組みは難しかったんです。
 しかし2012年度は,“お客様に快適なプレイ環境を提供する”ことを目標に,あらためて半歩を取り締まることにしたんです。

4Gamer:
 具体的に,どうやって取り締まるのですか?

林氏:
 まずは運営体制を強化します。GMコール対応時間の拡張および対応人員の増加を行い,お客様からいただいた情報を元に取り締まっていきます。半歩の使用が著しいお客様に関しては,厳しい対応を取らざるを得ない状況になるかもしれません。
 また今年度はバンクェットを開催しますが,その中での半歩使用は全面禁止です。審判の数を増員し,また判断基準もプロジェクトチームにすべて従っていただくこととなります。状況によっては失格や,チームとしての出場権を剥奪することもあり得ます。

4Gamer:
 プレイヤーからの情報提供にしろ,バンクェットの審判にしろ,基本的には目視による判断ですよね。システム的な対応は,やはり無理なんですか?

李氏:
 現在,システム面からの見直しを図っています。この件に関しては,さらに専門の調査会社にも依頼し,半歩のみならずセキュリティホールなどの洗い出しと,修正/改善を行う予定もあります。
 ただ,FEZがアクション性のあるゲームであるという点から,半歩に関してはシステム的な対応は難しいかもしれません。そこでますは,運営面から取締りを始めるということになったんです。

林氏:
 例えシステム的な対応が難しくとも,半歩禁止の方針は変わりません。お客様の中には「直せないなら仕様だろう」「仕様なら使っても構わないだろう」とおっしゃる方もいるかもしれませんが,やはり競技性を保つという意味で,やってはいけない行為です。運営面では,そのスタンスを貫きます。
 ……実を言うと,人員強化とシステム面の見直しには,数千万円規模の予算を投じているんですよ。

李氏:
 それだけプロジェクトチームが本気で取り組んでいるということなんです。

林氏:
 また,SNSなどで半歩のやり方を紹介することなども,流布と見なして取り締まっていきます。これは「半歩のやり方を説明して注意を促す」という但し書きがあっても取り締りの対象となります。
 その一方で,過去,半歩を行っていたお客様に関しては,今のところ取り締まりは考えていません。こうしてプロジェクトチームとして半歩禁止を宣言したタイミングから取り締まりを開始します。


2011年度と同じ運営/開発体制でさらなる飛躍を目指す


4Gamer:
 それでは,2012年度の展開について,そのほかに話してもらえることがあれば,ぜひ教えてください。

林氏:
 ゲーム本編は,基本的にクロニクルズを軸に展開していく予定です。エピソードは2,3と続きますが,まずはエピソード1の完結に向けた要素を投入していきます。

李氏:
 またクロニクルズのプログラムを応用して,初心者の方が戦争の手順を学べるというようなコンテンツを準備しています。これはプログラムの設計当初から検討していたもので,当初はクロニクルズと同時の実装を目指していたのですが,まずはクロニクルズ自体を楽しんでいただくほうが先だろうということで,今のところ実装時期は未定です。

4Gamer:
 新マップなどの予定はありますか?

李氏:
 2012年度は,マップ追加にも注力していく予定で,先日行ったマップに関するアンケートもその一環です。実はマップ追加はコンセプト作りから,実際の開発作業,実装後の調整に至るまで大変な労力を要するのですが,新しい遊び方を増やすべく,今年度は力を入れていきます。

林氏:
 FEZのメインはあくまでも通常戦争ですから,今後もきちんとしたアップデートや調整を図っていきます。マップ追加は,その方向性の現れです。また,ちょっとした利便性の向上も引き続き行っていきます。

李氏:
 細かいところでは,デザインコンテストで最も票を集めたフェンサー男性用の「マカジキ装備」が実装できる見込みとなりました。仕様的にも無理かな,と思っていたのですが,作ってみたら案外素敵な出来になりました。

ファンタジーアース ゼロ ファンタジーアース ゼロ
ファンタジーアース ゼロ ファンタジーアース ゼロ

林氏:
 最近は,こういったFEZのネタ的な部分を披露する機会が減っているという,お客様からの指摘も多いんですよね。実は2012年のエイプリルフールもネタは用意したのに披露できなくて。

4Gamer:
 何か理由があるんですか?

李氏:
 クロニクルズの実装と重なったため,そちらのほうに注力する判断をしました。

ファンタジーアース ゼロ
林氏:
 内容としては,ゲーム内でオベリスクを建てようとすると,「驚くようなこと」が発生するようなものでした。

李氏:
 ともあれ,2012年で3年連続エイプリルフール企画がないということになってしまいましたから,この場を借りて,期待していたお客様には申し訳ありませんと伝えさせてください。

4Gamer:
 なるほど。機会があれば,ぜひ別のイベントなどで披露してください。

林氏:
 あとはゲーム内の話ですと,召喚獣イベントに新たな試みを入れる予定です。今のところ,2012年4月中にお披露目できるかな,というところです。
 そのほか,コラボレーションにも力を入れていきます。もうすでにいくつか企画が進行しており,その第1弾が2012年初夏に登場する予定です。結構,老舗のゲームタイトルなので,FEZのお客様にもファンが多いんじゃないかと考えています。

4Gamer:
 それでは最後に,FEZプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

林氏:
 お話してきたように,2012年度はさまざまなチャレンジをしていくと同時に,ゲーム内での環境をしっかり整えていきます。その二つの両立を目指し,一方に注力したら,もう一方がダメということにならないようやっていきます。
 また,このインタビューのような機会を設けて,可能な限りお客様に向けて情報発信や発生した事象の説明を行っていきます。2012年度もFEZをよろしくお願いします。

李氏:
 FEZも2011年末に6周年を迎えました。2012年度はゲームポットさんがオフラインイベントに力を入れてくださるのに合わせ,弊社でも半歩への対応や大会専用サーバーなど,システム構築/改善に注力していきます。同じ体制だった2011年度は非常にFEZを盛り上げられたと考えていますし,私達自身もこれまで以上にお客様の疑問や質問に答えるよう務めてきました。
 2012年度は,2011年度の盛り上がりをさらに大きくして,「オンラインゲームはまだまだ元気だよ」というところを見せていきたいと考えています。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 インタビュー中でも触れられているとおり,オンラインゲームは長年サービスを続けていくにつれ,プレイヤー数が減少していくものである。その理由はシステムやグラフィックスが時代遅れになったり,メインコンテンツが陳腐化したり,新規コンテンツがなかなか追加されなかったりとさまざまだが,大きな理由の一つに「発生した問題がいつまで経っても改善されない」というものがある。

 とはいえ運営/開発チームが本当に何もしていないかというと決してそんなことはなく,プレイヤーから見えないところでアレコレ検討したり,実際に試行錯誤したりしているケースも少なくない。しかしビジネスとして展開する以上,施策に要する人的/資産的リソースをどうするか,施策後に問題が発生しないかといった事項をすべて検討する必要があるわけだ。そして林氏と李氏が大成功と評価するFEZのワールド統合も,そういった過程を,長い時間をかけてクリアした結果である。
 今回,発表された半歩問題も同様で,長い年月をかけて検討され,ようやく取り締まることが決まった案件だ。システム的に問題が解消されるまでには,さらに時間を要するかもしれないが,ぜひ実現してほしいというのが多くのFEZプレイヤーの願いではないだろうか。それに応えるようなFEZプロジェクトチームの頑張りに,今後も期待したいところである。

「ファンタジーアース ゼロ」公式サイト

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    ファンタジーアース ゼロ

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