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Creative,「Sound BlasterAxx」発表。BT&USB接続対応のスピーカーとマイク,DSPを1本の“六角柱”にまとめた製品
上の写真を見てもなんだか分からないという意見はもっともだが,実のところ,SBAxxを一言で説明するのは非常に難しい。それでもあえてまとめるならば,「ステレオスピーカーセットとマイク,Creative独自のサウンド機能を,BluetoothあるいはUSB接続できる“六角柱”にまとめた製品」ということになるだろうか。
ラインナップは上位モデルから順に「Sound BlasterAxx SBX 20」「Sound BlasterAxx SBX 10」「Sound BlasterAxx SBX 8」(以下順にSBX 20,SBX 10,SBX 8)で,下に写真で示したとおりの外観をしているのが大きな特徴だ。「スタックスピーカー」と呼ばれるデザイン方式により,2基のフルレンジスピーカーユニットを縦に配置しているため,それぞれ,1本で2chステレオスピーカーとして機能する。
SBAxxはBluetooth接続のワイヤレススピーカーセットとして利用でき,PCやMac,iOSおよびAndroid端末から音楽再生を行ったり,後述するCreative独自機能を使って,ゲームやビデオの音をバーチャルサラウンド出力したりできるが,それだけではない。搭載される2基の無指向性マイクを指向性マイクとして活用し,部屋のどこからでもボイスチャットを行えるようにノイズ対策したり,iOSの音声認識システム「Siri」や,Android向けにリリースされている音声認識アプリのマイク部として利用したりすることもできるようになっているのである。
Sound Core3D搭載製品は,最終製品や映画館などの音響&映像品質評価を専門に行う米THXと,Creativeの米国法人であるCreative Labsの協業によるソフトウェアスイートで,各種オーディオプロセッサ(≒機能)を利用可能にする「THX TruStudio Pro」や,Creative独自の音声入力系プロセッサ群「Crystal Voice」を利用可能なのが大きな特徴だが,SB-Axx1(を搭載したSBAxx)では,出力系プロセッサ群の名称が「SBX Pro Studio」に変わっている。利用できるのは下にまとめた機能で,基本的にはTHX TruStudio Proから変わっていないが,高域と低域の音を弱める「Night Mode」が追加されていたりするので,そのあたりが理由という可能性はある。
●SB-Axx1で利用可能な出力系オーディオプロセッサ
- SBX Crystalizer:圧縮音声の再生に向けたダイナミックレンジ補正機能
- SBX Surround:いわゆるバーチャルサラウンド機能
- SBX Smart Volume:いわゆるAGC(Auto Gain Control)機能。音声の音量をなだらかにするもの。これを応用して,夜間のコンテンツ試聴時に,うるささの主因となる高域と低域の音を弱める「Night Mode」も利用可能
- SBX Dialog Plus:映画などでセリフを強調する機能
- SBX Bass:低域補正機能
一方,名称の変わっていないCrystal Voiceは,Sound Core3Dと機能的にも違いはないようだ。念のため,SB-Axx1で利用可能なものを下にまとめたので参考にしてほしい。
●SB-Axxで利用可能な入力系オーディオプロセッサ
- Acoustic Echo Cancellation:エコーやハウリングの発生を抑える機能
- Smart Volume:いわゆるAGC。小声でしゃべっても話し相手に聞こえるよう音量調整を行う機能で,これを応用し,SBAxxから離れたところの音声を拾えるような設定が行える
- Noise Reduction:ノイズ低減機能。室内のノイズを低減させる。Smart Volumeで遠く離れたところの音を拾うようなケースでは必須
- Voice Focus:2基の無指向性マイクを1つの単一指向性マイクとして動作させる機能。集音する範囲を狭めたり,広げたりできる
- VoiceFX:マイクに入力した声を変調させる機能
Creative CentralはPCとMacにも将来的に提供される予定で,それまでは,USB接続時に利用できる「Sound BlasterAxx Control Panel」(こちらも別途無償ダウンロードで提供)を使うことになる。
なお,出力サウンドに音声を重ねられる再生リダイレクト機能は,Windows,Mac,iOS,Androidのすべてで対応。もう1つ,Windows環境下のみに限定されるが,出力サウンドに音声を重ねるとき,自分の声のモニタリングを有効化するか無効化するか設定できる「WAVE/AUXマイク ミックス」機能も用意されるので,チャットや録音周りの機能が重視されているというわけだ。
面白いのはSBAxxの給電方式で,標準ではUSBのみ。別売りでACアダプタが用意されるそうだが,一方で5V/1Aを供給できるUSB−ACアダプタやUSB接続型バッテリーでも保証外ながら動作は可能とされているので,PCやMacでの利用時はともかく,モバイル端末と組み合わせる場合には,それらと組み合わせて使うのが一般的になるのではなかろうか。
そのほか主なスペックは表のとおり。ここまであえて説明してこなかったが,最下位モデルとなるSBX 8は,そもそもBluetooth接続に非対応であるため,Bluetoothに依存した機能がすべて利用できないほか,マイクも無指向性タイプが1基なので,ステレオマイクを用いて指向性を持たせるCrystal Voice Focusも利用不可なので注意してほしい。SBX 8はPC&Macの傍らに置いて使うデバイスで,SBAxxのフル機能はSBX 20とSBX 10でのみ提供されるわけだ。
いずれにせよ,iOSやAndroidのゲームで,アプリ側の仕様の問わずにバーチャルサラウンド出力などを行える製品というのは,筆者の記憶にある限りこれが初めて。使い方次第では面白い存在になりそうである。
Sound BlasterAxx SBX 20製品情報ページ
Sound BlasterAxx SBX 10製品情報ページ
Sound BlasterAxx SBX 8製品情報ページ
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