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可愛い動物モチーフのキャラクター「ネフェミー」たちがいる世界「ネフェルム」は,バグという異変にむしばまれていた。バグを解決するには,彼らをもっとバグらせて,ハッキングしてからデバッグする必要がある。
バグらせるときは,4つのミニゲームをプレイする必要がある。パズルやアクションをほぼ同時に行うので,結構大変だ。だが,このミニゲームにも作品の世界観を詰め込んでいるという。
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。デモ版をプレイしたときに「パリティ」という情報工学系の学生時代に勉強したニッチなワードが出てきて印象的でした。ノロマさんはもともとエンジニア系だったのでしょうか。
ノロマ氏:
はい,エンジニアの経験もありますし,私も情報系の大学に行ったのですが,大学1年生のときにゲームを作りたくなって辞めてしまって。それが10年ぐらい前なんですが,そこから今作っているDEBUG NEPHEMEEとは別のゲームの開発を始めました。
当時はゲーム開発の知識が全然なくて。プログラミングだけじゃなく作曲も絵も自分でやりたかったので,すべて一から勉強して開発していました。
4Gamer:
もともと絵を描いて発信するなど,そういう経験はなかったのですか。
ノロマ氏:
まったくないです。最初にゲームを作ろうとして,初めて絵を描いたり外向けにアカウントを作ったりしました。
4Gamer:
ゲーム開発の出発点は何だったのですか。
ノロマ氏:
高校2年生になる前の春休みに「洞窟物語」というフリーゲームを遊んだのがきっかけです。今はSwitchとかでも出ている作品ですね。
あれは制作者の天谷大輔さんがプログラム,BGM,グラフィックスなど,ほぼすべてを1人で作られているんですよ。それにめちゃくちゃ感動したんです。
当時はインディーゲームがまだあまりメジャーじゃなかったので「1人でこんなに作れるんだ」と衝撃を受けて,自分も作りたいと思ったのが始まりです。
耳が長いから,ミミガーです――「洞窟物語」は意外にも行き当たりばったりで,多くの人に助けられた作品だった。原作者の天谷大輔氏が語る制作秘話
日本一ソフトウェアから2012年7月26日に発売されるニンテンドー3DS用ソフト「洞窟物語3D」は,2004年にPC用フリーウェアとしてリリースされた「洞窟物語」をリメイクした作品だ。原作者の天谷大輔氏は,日本のインディーズゲーム制作者として初めてGDCで講演するという快挙を成し遂げた人物だが,実際の開発は意外と行き当たりばったりで,何より彼を支え続けた多くの人達の尽力があったようである。
4Gamer:
洞窟物語からインスパイアを受けている部分はありますか。
ノロマ氏:
いっぱいあります(笑)。まずキャラクターが好きなんですよ。洞窟物語って人間と動物っぽいキャラクターが出てきて,それがすごく可愛いんです。
ドット絵の立ち絵があるんですが,DEBUG NEPHEMEEの立ち絵も絶対同じ感じで作ろうと,真似して作っています。
最初に作った2D横スクロールアクションの反省点を踏まえて
4Gamer:
エンジニアの経験があるということは,大学を辞めてしばらくしたあと,就職をしているということでしょうか。
ノロマ氏:
はい。最初に作っていたゲームは4年ぐらい開発して,体験版までは出したものの完成させられなくて。
ちょっと社会に戻ろうと思って働き始めたんです。ゲーム開発って同じものをずっと作り続けるのが結構しんどくて。一回やめたほうがいいなと。
4Gamer:
就職活動はどうされたのですか。
ノロマ氏:
作っていたゲームを会社に見せて「こういうの作ってました」と。
4Gamer:
ちょうどいいポートフォリオになりますね。
ノロマ氏:
はい。それでシステムエンジニアとして就職できました。中小企業で,サーバーや自治体のシステムなどを担当していました。3年間働いて,今はまたゲーム開発の専業ですね。
4Gamer:
そのとき作っていたゲームはどんな内容だったんですか。
ノロマ氏:
「ネフェミーたちの夢」というゲームで,2D横スクロールのアクションです。今は公開していないのですが,検索すると取り上げていただいた記事などが出てくると思います。
かなり洞窟物語に似たものを作ろうとしていました。でもアクションって難しいんですよ。
4Gamer:
レベルデザインやデバッグが大変ということですか。
ノロマ氏:
全部ですね。レベルデザインも難しいし,物理挙動のプログラムも大変ですし,敵のAIを作るのも大変です。自分を追ってくるAIをちゃんと地形に合わせて動かさないといけないですから。
それに比べると,DEBUG NEPHEMEEは技術的にはむしろ簡単になっています。地形がなく,四角の中で完結しますから。前作の反省を生かして,作りやすいものを選んだ面もあります。
4Gamer:
ネフェミーたちの夢を実際に出してみて,どういう反応があったとか,思ったことをお聞かせください。
ノロマ氏:
一番反省しているのは,難しすぎたところです。1人で作って,誰にもテストプレイしてもらわずに出してしまったので。遊んでもらったフォロワーさんには,楽しんではくれたものの「難しい」と言われました。
開発者って自分のゲームに慣れすぎて簡単に感じてしまうので,どうしても難しく作りすぎてしまうんです。
4Gamer:
かなりあるあるだと思います。
ノロマ氏:
それを反省して,DEBUG NEPHEMEEは,めっちゃ難しいんですけど,自分の中ではかなり抑えて作っているつもりです。
4Gamer:
ネフェミーたちの夢とDEBUG NEPHEMEEで,世界観として継承している部分はありますか。
ノロマ氏:
うーん,基本はキャラクターだけだと思います。
4つのミニゲームを同時に操作する戦闘
4Gamer:
4つのゲームを同時にプレイするマルチタスク仕様は,いつごろ固まったんですか。
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ノロマ氏:
コンセプト自体は2024年の夏ごろから考え始めていて,2025年1月あたりに固まった気がします。
4Gamer:
そのコンセプトとしては世界観寄りでしたか,ゲームシステム寄りでしたか。
ノロマ氏:
両方ですね。普段からゲームのアイデアをノートにためているんですよ。そのなかからバグった世界のゲームっていいかなと選んで。
ただ最初はこういうマルチタスクの形になるとは考えていなくて。アクション性を入れたい,そしてストーリーが伝わるゲームにしたい,というのがあって。
最初に思い浮かんだのが「UNDERTALE」でした。なのでUNDERTALEみたいに,マップと戦闘画面が分かれているシステムにしようと考えました。
4Gamer:
そこから戦闘画面が増えていったと。
ノロマ氏:
はい。戦闘は絶対にちょっと変わったものにしたかったので,試行錯誤してあの形になりました。
4Gamer:
同時に操作する4つのミニゲームのうち,右下は,デバッグということで,パリティを使った少しITチックなパズルですよね。ほかのミニゲームはどういったコンセプトなのでしょうか。
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ノロマ氏:
上の2つはアクション性を入れたかったので,UNDERTALEにかなり影響を受けたものになっています。弾幕を避けるような感じですね。これは割と最初から決まっていました。
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左下は一番悩んで作ったところで,「相手を攻撃する」というゲームなんですが,攻撃にちゃんと意味を持たせたかったんです。
攻撃って「殴る」「たたく」などいろいろありますが,意味のないものにしたくなくて。バグと戦闘相手のキャラクター性が表現されるものにしたいとずっと考えていた結果,「相手が嫌いなものを使って攻撃する」というアイデアにたどり着きました。
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4Gamer:
精神攻撃的な感じですか。
ノロマ氏:
そうですね。たとえば,ちょっと鬱っぽい感じのネフェミーがいるんですが,その子の嫌いなものは「起きること」。だから「起きる」というアイコンのオブジェクトを使って攻撃する,といった具合です。
4Gamer:
デモ版で,虫っぽいオブジェクトが出てきたとき「あ,これ嫌いなのかな」と思って投げたんですが,逆でした(笑)。
ノロマ氏:
(笑)。あの相手は,ワトというキャラクターで,ワトは虫を「可愛い」と思っているんですよ。ワトの攻撃も,ワトのペットの虫が出てきて,キャラクター性を反映しています。
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4Gamer:
では,左下に出てくるアイコンは,好きなものと嫌いなものが出るんですね。
ノロマ氏:
そうです。
4Gamer:
右下は逆にシステマチックな印象ですが,どういう順番で作っていったんですか。
ノロマ氏:
右下が一番最初にできました。情報系の国家試験を受けているときに,これゲームに使えるかなと。
4Gamer:
これらの4つ以外にも何かゲームを入れようと考えていたものはありますか。
ノロマ氏:
いっぱいありましたね。言葉で説明するのは難しいんですけど,もうちょっとコマンド形式寄りで,ボタンを押したら技が出るものとか。
今は技術的すぎないデザインになっていると思います。右下のパリティコマンドはITっぽいですが,上の2つはわりとカジュアルです。
最初はバリバリのIT知識を入れようかと考えたこともあったんですが,それだとネフェミーのキャラクター性を反映しづらいなと思って,今の形になりました。
4Gamer:
分かる人にはあの技術だなと分かるけれど,そうじゃない人にも「ゼロイチでプログラムっぽいな」という雰囲気が伝わる,ちょうどいいラインですね。
ノロマ氏:
そうなんです。
東映ゲームズとの出会い
4Gamer:
東映ゲームズさんとの話はいつごろから始まったのでしょうか。
岩川日和氏(東映ゲームズ DEBUG NEPHEMEE担当者):
東映としてゲーム事業の準備を始めたのが昨年の3月くらいで,私が携わるようになったのが昨年の10月でした。タイトルの選定はそこから年末ぐらいにかけて行い,まずは今年のBitSummitに出展者として出ることを目標にしていました。
4Gamer:
ノロマさんとお話しされたのはいつからですか。
岩川氏:
私は異動前だったのですが、東映として最初にご挨拶させていただいたのは昨年秋に大阪で開かれたイベントです。ビジネスデイにお声がけして,後日メールでご連絡しました。
4Gamer:
ノロマさんとしては,東映さんから声をかけられたときはどんな印象でしたか。
ノロマ氏:
実は,最初は偽物だと思ったんですよ(笑)。名刺を渡されたとき,まさか東映さんがゲームをやるとは思わず,なんで自分に名刺をくださったのか分からなくて「宣伝かな」ぐらいに思っていました。
その後にメールをいただいたときも「これ詐欺かも」と(笑)。
4Gamer:
たしかにそう思っても仕方ないかもしれません(笑)。詐欺じゃないと気づいたのはいつですか。
ノロマ氏:
メールアドレスがtoei.co.jpだったので,公式ホームページのドメインと一致するか一文字ずつ確認しました(笑)。
よく考えればco.jpは法人しか取れないので,その時点で気づいてもよかったんですけど,ちょっとパニックになっていて。
4Gamer:
もちろん東映さん自体はご存じだったと。
ノロマ氏:
もちろんです。ただ,やはり映画のイメージが強かったので,メールを頂いたあと,めちゃくちゃホームページを見ました。だけど,どこにもゲームなんて書いてない(笑)。
4Gamer:
本物だとわかったとき,どんな期待感がありましたか。
ノロマ氏:
まず,大きく知名度のある企業にお声がけいただいたというのが単純に嬉しかったです。ただ,正直なところイメージが湧かなすぎて「いったいこのゲームをどうするんだろう」と思い,少し不安もありましたね。
今はホームページに大きく載せていただいていますが,まさかここまでしていただけるとは思わずびっくりしています。
東映ゲームズが加わって変わったこと
4Gamer:
1人で作っていて困っていたこと,自分ではできなかった部分で解決したことはありますか。
ノロマ氏:
いっぱいありますね。まずテストプレイです。1人の時はどうやってテストプレイをしてもらえばいいのかわからなくて。
でも東映さんにデモ版を出すとすぐに遊んでもらえるんです。しかも東映ゲームズの方だけでなく,DEBUG NEPHEMEEを知らない他部署の方にもプレイしてもらえて。新鮮な感想をもらえてめちゃくちゃ助かっています。
4Gamer:
どういうフローでテストプレイされているんですか。
岩川氏:
まず,私自身は担当として遊び続けているので,どうしても上達してしまいます。でもノロマさんは「難しすぎるのではないか」というのをすごく真剣に考えて,初めてプレイする方がどう感じるかを,非常に大事にしています。
なので,デモをいただくたびに後輩やほかの社員を捕まえて「15分でいいからプレイして。後ろから録画するけど気にしないで」と頼んでいます(笑)。
4Gamer:
とても楽しそうな現場です。
岩川氏:
また,今度お付き合いのある専門学校にお邪魔して,学生さんたちにテストプレイしてもらおうと考えています。
DEBUG NEPHEMEEは10代から20代前半のプレイヤーにすごく響くのではないかと考えているのですが,会社にいるのは20代以上ばかりですし,ゲームショウに10代の方は少ないので。
4Gamer:
普段周りに少ない人たちからの意見は重要そうですね。
ところで,東映ゲームズは東映さんのなかでどういう部署として位置づけられているのですか。
岩川氏:
東映ゲームズは新規事業開発部という部署が運営しています。「東映にまだないビジネスを形にする」というミッションです。
今はワンフロアで,全部署が同じ階にいます。フリーアドレスにしていることもあって,社内では何でも屋さんのような立ち位置でもありますね(笑)。
4Gamer:
だから「ちょっと遊んでみて」なんてこともできるんですね。少し気になったのですが,マーケターは別にいらっしゃるんですか。
岩川氏:
ゲームを専門とするマーケターの方をパートナーとして,アドバイスをいただいています。
4Gamer:
ノロマさんは,マーケターの方ともやりとりされていますか。
ノロマ氏:
いえ,すべて岩川さんを通してやりとりしています。助かったことの2つ目がそこですね。マーケティングの能力や技術が私にはまったくないので,ほぼ丸投げさせてもらっています。
4Gamer:
ほかのインディー開発者でも「ゲーム本体じゃなくてマーケティングのメンターが欲しい」とおっしゃる方がいますね。
ノロマ氏:
ゲーム開発のほうに注力できるので,本当に助かります。
4Gamer:
東映ゲームズさんが入ってから直した部分は,具体的にどんなところですか。
ノロマ氏:
一番修正を重ねてきたのがパリティコマンドです。最初は「パリティ」や「ビット」といった技術用語を,そのまま説明書に載せていました。
でも,それだとうまく伝わらないことが多くて,今は「ビット」を「数字」という言葉に置き換えています。それだけで認識率が全然違いました。今のほうがすんなり理解できる方がかなり増えた印象です。
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4Gamer:
絶対「排他的論理和」とか書いちゃダメですね。
ノロマ氏:
絶対ダメですね(笑)。
4Gamer:
それでもIT寄りの雰囲気を残しているのは,世界観のためですか。
ノロマ氏:
はい,世界観的に技術っぽさは入れておきたいんです。あとは4つのゲームのバランスとして,右下でちょっと論理的に頭を働かせて落ち着ける時間があるといいかなと。
4Gamer:
確かに,4画面の操作にメリハリが出ますね。
ストーリーとキャラクター
4Gamer:
現在試遊できる範囲は本編とは別のところですが,本編はどんな感じになるのでしょう。
ノロマ氏:
ストーリーはもう最後まで書き上げています。
4Gamer:
膨大なエクセルがあるという話をちょっと小耳に挟みました(笑)。
ノロマ氏:
あります(笑)。
岩川氏:
「こんなところまで決めているの?」というところまで,すごく緻密で重厚で深いストーリーが用意されています。
4Gamer:
ストーリーだけじゃなく,世界の細かい設定もまとめられているんですか。
ノロマ氏:
はい,ネフェルムという世界の設定がびっしりと。
4Gamer:
分厚い旅行ガイドみたいな。
ノロマ氏:
そうですね(笑)。
4Gamer:
この作品を通じて伝えたい思いやテーマはありますか。
ノロマ氏:
私は自身のことにあまり関心がないので,自分の考えを主張したいというよりは,ネフェミーを見てもらいたいですね。ネフェミーがどれだけ可愛いか,それを伝えたいというのが一番です。
4Gamer:
バグらせて変な姿になっていくのも,可愛さのひとつですか。
ノロマ氏:
はい。最初からそれを意識していました。バグらせて,グロいというわけじゃないですけど,ちょっと不思議で不気味な感じを出したかったのです。
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岩川氏:
作品のテーマとしては,ネフェミーの可愛さはもちろんですが「使命」や「存在」というキーワードもあります。
ノロマ氏:
そうなんです。ネフェミーに「使命」というキーワードを持たせていて,使命を持っているネフェミーはそれをやらないといけないという,強迫観念のようなものを抱えています。
4Gamer:
ネフェミーごとに使命があるんですか。
ノロマ氏:
すべてのネフェミーが持っているわけではないですが,メインキャラクターには使命があります。
例えば公開している範囲だと,学者のガロイ博士は「世界を解き明かす」ことが使命なので,世界の探求で頭がいっぱいになるタイプのキャラクターです。
4Gamer:
主人公については……。
ノロマ氏:
主人公のコファの使命は「ネフェミーを救うこと」ですが,それがどういうものなのかは…まだちょっと言えないですね(笑)。
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4Gamer:
そこは今後の楽しみですね。ストーリーは全部できているんですよね。
ノロマ氏:
はい。あとは開発を進めていく段階です。
4Gamer:
頑張ってください。最後に,一言お願いします。
ノロマ氏:
「ネフェミー」という言葉を覚えていただけたら嬉しいです!
4Gamer:
本日はありがとうございました!


















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