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room6といえば,イベントごとにブースのテーマをしっかり作り込んでくる印象がある。今回もそのこだわりはかなりのもの。落ち着いた色合いのテーブルやイス,本棚や小物の装飾などが置かれ,ゲームの試遊ブースでありながら,ちょっと腰を落ち着けたくなるような空気があった。
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そんな“ひみつの喫茶店”の中には,room6やヨカゼの初期作品から最新作まで,さまざまなタイトルがラインナップされていた。その中で,今回大きく展開されていたタイトルのひとつが,GoatGoatStudioが開発する「Thunder of the DemonKing」だ。
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本作は,シンプルな操作で楽しめるディフェンスアクションゲーム。プレイヤーは,長い眠りから復活した大魔王となり,かつて自分を倒した王国に仕返しするため,押し寄せる王国軍の兵士たちを雷の魔法で迎え撃っていく。
「Thunder of the DemonKing」は,以前からゲームイベントへの出展やSteamでの体験版配信などを通して注目を集めていたタイトルだ。room6はBitSummit PUNCHにあわせ,本作が同社のパブリッシングタイトルに加わったことを発表。ブースではその最新ビルドを,時間制で2ステージプレイできた。
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ゲームが始まると,ひつじの執事に案内される形で魔王が登場する。長い眠りから目覚め,久しぶりに世界へ帰ってきた魔王さまに対して,執事は「魔王さまといえばカミナリ!」といった調子で,雷攻撃の使い方を教えてくれる。
攻撃を試すと,「さすがです! しびれます!」と褒めてくれるし,そのまま「では,このあたりに立って,やってくる敵を倒しちゃってくださいね」くらいの軽いノリで戦いが始まる。
この導入がなかなかいい。ちゃんと操作説明になっているのはもちろん,ひつじの執事のゆるい語り口によって,本作のちょっと気の抜けた居心地のいい空気がすぐにつかめるのだ。
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ゲーム中,魔王は基本的に移動しない。画面下の中央あたりにどっしり構え,四方八方から襲ってくる兵士たちを雷で倒していく。
操作はかなりシンプルだ。左クリックで雷を落とし,右クリックで木などのオブジェクトをつかんで配置する。左クリック長押しでは,敵が落とした魔石などを回収できる。
敵を倒して魔石を集めると,魔王がパワーアップする。表示される3つから何を選択するかはプレイヤー次第。攻撃範囲を広げたり,新しい技を追加したり,ステータスを上げたりしながら,どんどん激しくなる戦況に対応していく。
また,ステージ上の木に雷を落として倒し,それをバリケードとして配置することもできる。さらに,チャージがたまると広範囲を攻撃できる強力な技も使えるので,押し寄せる大群を一気に吹き飛ばす爽快感もある。兵士たちがかわいいので,ちょっとだけ「ごめんね」という気持ちも混ざるけれどっ。
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これはけっして筆者がかわい子ぶっているというわけではない。画面の中で,小さな兵士たちが本当に「ワーワーワー!」と言いながら向かってくるのだ。魔王もかわいい。ひつじの執事もかわいい。襲ってくる兵士たちもかわいい。なんなら,やられ方もちょっとかわいい。
では,ゆるく気軽に遊べるゲームなのかな……と思っていたら,ノンノンである。
魔王には体力ゲージがあり,敵に接近を許して攻撃を受けると削られていく。すべて削られれば負けだ。
しかも兵士たちは,いろいろな方向からかなりの大群でやってくる。クリックで雷を落とすだけでもけっこう忙しく,敵の数が増えてくると,目の前の兵士を倒すのに精いっぱい。バリケードの配置や,敵の遠距離攻撃への対処まで,なかなか手が回らない。
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このあたりは,ディフェンスゲームやアクションゲームに慣れているかどうかで,けっこう印象が変わりそうだ。
慣れている人なら,敵の進行ルートを見て,どこに雷を落とし,どこで足止めし,どのタイミングで強化を取るかを考えるのが楽しいはず。かわいさに惹かれて遊び始めた人は,「あれ,けっこう難しいぞ」と感じるかもしれない。
でも,この忙しさがだんだん楽しくなってくる。最初はわたわたしていても,少しずつ「なるほど,こうすればいいのか」が見えてくるのだ。
最初は,とにかく敵を倒すだけで手いっぱい。しかし,遊んでいるうちに,「この木をこう置くと,兵士たちはあっちに進み始めるのか」「このパワーアップは,こういうふうに敵が集まった場所に効果的だな」といったことが分かってくる。
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試遊時に本作を案内してくれたのは,ディレクターでアートも担当するにしかわけいすけ氏だ。プレイ後に,あらためて話を聞いた。
にしかわ氏によると,今回の出展では,まず見た目のポップさやかわいらしさに目を留める人が多かったという。そのうえで,実際に遊んだ人からは「楽しい」という反応も得られているそうだ。
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にしかわ氏が,これから整えていきたいところとして話していたのは,チュートリアルとバランスの部分だ。今回の試遊版では,まだ説明が足りない部分もあり,そこは今後,ひとつずつ丁寧に伝えられるようにしていくとのこと。
また,プレイヤーによって得意不得意の幅もかなり出ているそうで,このかわいらしい絵柄で遊びに来てくれた人に,どのくらいの難度で届けるのが気持ちいいのかを,いま探っているという。
ただ,難度を下げればそれで解決,というものでもなさそうだ。
にしかわ氏が意外だったと話していたのは,苦手そうに遊んでいた人でも最後までクリアしてくれたり,負けてしまっても「楽しかった」「もう一回やりたい」と言ってくれたりする人がいることだ。
だからこそ,ただ簡単にするのではなく,苦手な人と遊び慣れた人に向けて,難度別のステージを用意するような形も考えているという。
プレイしていて「初めて遊ぶ人には少し難しいかも」と感じるところはあった。でも,この歯ごたえがあるからこそ「次はこうしよう」と思えるタイプのゲームでもある。にしかわ氏の話を聞いて,そのあたりのバランスや“入口”を大事にしているのが伝わってきた。
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また本編をしっかり遊んでいくと,後半では意外と高度なことが要求される場面もあると話す。
ただそれを急に押し付けるのではなく,ゲームを進めながら少しずつつかんでいってほしいそうだ。
そして遊び終えたときに,「意外と自分,ゲーム得意だったのかも」と感じてもらえたらうれしいという。かわいい顔をしながら,実はプレイヤーをちょっとずつ上達させてくれるゲーム,というわけだ。
ゲームデザインについては,ローグライトやタワーディフェンス,2Dシューティングなど,いろいろなジャンルの要素をミックスしていると話していた。
基本は魔王を守るディフェンスゲーム。そこに,マウスを動かして雷を落とし,敵や攻撃を狙ってクリックしていくシューティングっぽさがあり,戦闘中のパワーアップにはローグライト的な楽しさ。いろいろなジャンルの面白さが混ざっているのだが,遊んでみると不思議とまとまりがいい。
かわいい魔王さまの世界の中で,忙しさも,強化の楽しさも,クリックの気持ちよさも,ちゃんとひとつの遊びになっている。
そしてにしかわ氏は,本作を見ているだけでも楽しいゲームにしたいという意識もあるようだ。
たとえば,兵士たちの「ワーワーワー!」というにぎやかさや,そのほかの効果音についても,現状では音の鳴り方にランダムな部分があるそうだ。今後はプレイヤーの操作やゲーム内の結果に対して,より自然に音が返ってくるようにブラッシュアップしていきたいとのこと。
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画面内で小さな兵士たちがわらわらと押し寄せ,それを雷でまとめて吹き飛ばす。そこに音の気持ちよさが加われば,遊んでいる人はもちろん,後ろで見ている人もつい笑ってしまうようなゲームになりそうだ。
操作方法について聞くと,もともとマウス操作を前提に作っているが,コントローラ対応も予定しているという。ゲームの性質上,マウスほどの気持ちよさをそのまま出すのは難しいが,それでもいろいろな環境で遊べるようにアクセシビリティは考えていきたいそうだ。
試遊していて思ったのは,この雰囲気とやりごたえは,ディフェンスゲームの入り口としてかなりよさそうだということだ。
現在発表されているのはPC向けのみだが,個人的にはコンシューマ機でも遊んでみたい。子どもと一緒に「ワーワーワー!」と言いながら遊んでも楽しそうだし,たとえばJoy-Con 2のマウス操作に対応したNintendo Switch 2版が出たらいいな,なんてことも思った。
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かわいいキャラクターと,ゆるい会話から始まる,なんとも居心地のいい魔王さまの世界。でも,いざ戦いが始まると,やることはけっこう多い。雷を落とし,敵を倒し,魔石を拾い,パワーアップを選び,バリケードを作る。やれることが分かってくるほど,もう一度挑みたくなる。
「Thunder of the DemonKing」は,かわいい入り口からすっと入れて,気づけばしっかり忙しくなっているディフェンスアクションだった。チュートリアルや難度の調整,音まわりのブラッシュアップが進んでいけば,もっと遊びやすく,でも手ごたえはしっかりあり,そしてさらににぎやかな作品になっていきそうだ。
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