続編はアーケード版が登場するほか,「リズム天国」風のミニゲーム集を追加,さらにマルチプレイモードの実装も予定されている。
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待望の新作について,peroperoのCEO兼Muse Dashプロデューサーである好奇(ハオチー)氏に会場でインタビューを実施した。
※本記事に掲載しているスクリーンショットは,peroperoより提供された動画素材から作成しています。ゲームの内容は開発中のものです
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今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いできますか。
好奇氏:
好奇と申します。Muse Dashのプロデューサーで,peroperoのCEOを務めています。広州美術学院の出身です。
4Gamer:
美術系の出身ということですが,ゲームに近い専攻だったんですか。
好奇氏:
大学ではアニメーションと映画を学んでいました。
4Gamer:
初代Muse Dashのイラストやビジュアルも,好奇さんが手がけていたんですよね。
好奇氏:
私は美術デザイナーとしてゲーム業界にデビューしました。Muse Dashの制作では,ゲーム制作のあらゆる領域に関わり,Muse Dashの開発制作を統括するような位置でした。
4Gamer:
現在のperoperoは,どれくらいの規模になっているんでしょうか。
好奇氏:
全体で120人ほどです。ただ,複数のプロジェクトを並行して動かしているので,全員がMuse Dash 2に関わっているわけではありません。
Muse Dash 2の開発チームは30人ちょっとですね。
Muse Dash 2は,やり残したことに挑戦する作品
4Gamer:
では,新作についてお聞きします。好奇さんにとって,Muse Dash 2はどんなゲームですか。
好奇氏:
私個人にとっては,過去の心残りを埋めていくゲームです。Muse Dashを作っていた頃は,チームの人数も予算も限られていました。最初に「こういうものを作りたい」と思い描いていたことを,すべては実現できなかったんですね。
だからMuse Dash 2には,当時やりたくてもできなかったことをできるだけ詰め込んでいます。
4Gamer:
リズムゲームパートは,前作からどう変わるんですか。
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好奇氏:
新しい譜面ギミックがいくつか入っています。すべての譜面にギミックは存在しますが,その中でも比較的高難度の譜面に多いですね。
新しい譜面ギミック,新しいスコアシステム,そして譜面分岐。この3つが大きな変更点です。
4Gamer:
高難度で見られる譜面ギミックは,具体的にはどういったものなんでしょうか。
好奇氏:
たとえばロングノーツに「変形する」ものがあります。一直線ではなく,軌道を描くようにする異形ロングノーツですね。プレイヤーは長押しを続けるだけで完了できます。
また,譜面の進行中にある段階で「テレポーター」が出現します。譜面分岐とは,それをプレイヤーが叩くと,隠された別の譜面ルートに飛べる仕組みです。
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4Gamer:
前作の操作はかなりシンプルでしたが,今回は難しくなっているのでしょうか。
好奇氏:
操作自体は前作と同じく,「叩く」「ホールド」といったシンプルな仕組みのままです。先ほどお話しした異形ロングノーツも,演出として複雑になっているだけで,操作そのものが複雑になったわけではありません。
ゲームの操作を必要以上に複雑にするのは好きじゃないんです。これは自分が貫いているゲームデザインの理念で,かなり個人的なこだわりかもしれません。
4Gamer:
その理念を長く貫いてきたわけですよね。
好奇氏:
そうですね。私の中では,Muse Dashは「太鼓の達人」に少し近いところがあります。何作続いても,プレイの根幹は大きく変えないものだと思っています。
4Gamer:
なるほど,確かに。メインの要素は同じでも,進化を感じられます。
新しく登場するミニゲームのモードも,前作にはなかったものですね。
好奇氏:
実は初代Muse Dashにも,試験的に1つか2つだけミニゲームを入れたことがあったんです。そのときのプレイヤーからの反応が良かったので,新作では本格的に展開しようと考えました。
幸い,私たちのチームはアート表現を強みにしているので,リズム天国タイプのミニゲームは能力を発揮しやすいジャンルだと感じています。
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4Gamer:
プレイしてみると,すごくちょうどいいふざけ加減というか,自然に楽しめる感じが良かったです。
好奇氏:
ありがとうございます。
新しく追加されるミニゲームについて
4Gamer:
ミニゲームのアイデアですが,リズム天国のオマージュやリスペクトとして,どれくらいの比率で意識していますか。
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好奇氏:
正確な数字でお答えするのは難しいんですが,私自身,子供の頃からリズム天国シリーズの大ファンなんです。
今回,自分たちらしいアート表現でこういうタイプのゲームを作って,いろいろな国や地域のプレイヤーに遊んでもらえる機会を持てたことは,本当に光栄なことだと感じています。
4Gamer:
今回のミニゲーム集に,共通するテーマはありますか。
好奇氏:
テーマは決めていません。面白いと感じた断片的なアイデアがあったら,それをそのまま絵にしていく,という作り方をしています。私はこうした自由な表現の方法が好きなんです。
うちのチームはイラストレーターやデザイナーの比率が高いので,メンバー各自の個性をできるだけ保ってほしいと思っています。
だから,ゲームシステムは多様な発想を受け入れられるようなものでありたいんですね。
アーケード版は,日常生活の中に
4Gamer:
今回はアーケード版も開発されていますが,これはどういう形で展開する予定でしょうか。
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好奇氏:
人通りが多い場所に置きたいと考えています。ただ,従来のようなゲームセンターを主戦場にする予定ではありません。
想定しているのは,人気レストランの入口,バーの店先,ショッピングモールの中庭,それから映画館のロビーなどですね。
4Gamer:
なるほど,日常生活の中に置くということですね。料金システムはどのようになりますか。
好奇氏:
中国国内では,WeChat PayやAlipayで決済をしてもらってからプレイ,という仕組みを考えています。料金はまだ確定していません。
4Gamer:
ほかのプラットフォーム展開はいかがでしょう。
好奇氏:
スマホ版,PC版(Steam),そしてアーケード版が基本です。コンシューマ版も発売を検討しているのですが,新しくコントローラを作ろうと考えています。
4Gamer:
専用のコントローラですか。
好奇氏:
今のコンシューマ機の純正コントローラは,リズムゲーム,とくにMuse Dash 2をプレイするにはボタン配置が適していないと感じています。
だったら専用のコントローラを作ったほうがいいと思っていて。スマホ版にもPC版にも,この外付けコントローラで対応できるようにしたいと考えています。
4Gamer:
外付けコントローラは,アーケード筐体の4ボタンと同じ配置になるんでしょうか。
好奇氏:
今のアーケード版のボタン配置がそのまま採用される場合は,コントローラも同じ配置になるかもしれません。
ただ,このボタン配置がベストかどうかはまだ確定していないので,変わる可能性もあります。
4Gamer:
アーケード筐体のサイズも,まだ検討中ということですか。
好奇氏:
はい。これは試作機なので,今も最適化を続けています。ですが,ベースとなるのは,だいたいこのサイズです。
大きな筐体が必要な場所には,大型版を作る予定です。
4Gamer:
アーケード筐体の海外展開は考えていますか。
好奇氏:
海外展開も考えてはいます。ただ,私たちは海外の事情に詳しくないので,現地のパートナーと組んで進めていくことになると思います。
4Gamer:
新作はマルチプレイ対応とのことですが,これはどんな機能でしょうか。
好奇氏:
マルチプレイはスマホ版,PC版に実装される予定です。アーケード版では,専用の対戦モードを追加することも検討しています。
遊び方としては,「osu!」のマルチプレイモードに少し近いイメージです。基本はプレイヤーがそれぞれプレイするんですが,一部のモードでは,相手のプレイを邪魔するような妨害アイテムを投げ合えるようにする予定です。
最終的にスコアで競う形ですね。
4Gamer:
会場のデモ版でもマルチプレイを遊べますか。
好奇氏:
まだ対応していなくて,次のデモ版が公開されるタイミングではお見せできるかな,と思います。
言葉だけでは説明するのが難しい部分もあるので,実物を見ていただくのが一番です。
4Gamer:
次のデモ版の公開時期は決まっていますか。
好奇氏:
まだ決まっていません。
4Gamer:
Muse Dash 2のマネタイズはどんな形になりますか。ゲーム本編を売る形なのか,パスのような形になるのか。
好奇氏:
それも現段階では,まだ決まっていませんね。
4Gamer:
前作では,以降のコンテンツがすべて追加料金なしでアンロックされる買い切りパック「計画通り」を販売されていました。
その後,販売モデルを変更していますが,マネタイズが難しくなったという側面はあったのでしょうか。
※2023年10月,計画通りは販売停止となり,内容を一部変更した「Muse Plus」が登場している(公式Xアカウントのお知らせ)
好奇氏:
あの販売モデルは,確かにのちの収益を制限する形になりました。長期的なアップデートを続けていくには,あまり向いていなかったと,今は認識しています。
4Gamer:
会社の経営自体が立ちゆかなくなる,というところまではいかなかったんですか。
好奇氏:
長期運営には向いていない構造ではありましたが,会社自体が困難になるところまではいきませんでした。
実際,今も運営できていますし,120人のメンバーがしっかりと働けています。
4Gamer:
Muse Dash 2が出ることによって,初代Muse Dashはどういう立ち位置になるんでしょうか。
好奇氏:
現在,2つのプロジェクトはそれぞれ独立して開発・運営を進めています。Muse Dash 2のリリースが,初代Muse Dashのアップデートに影響することはありません。
4Gamer:
楽曲やモードも別々ということですね。
好奇氏:
はい,別の運営ラインで動かしていきます。
新作をお披露目した手ごたえ
4Gamer:
5月頭,中国の「COMICUP 32」で初めてプレイアブル展示をしています。会場の反応はどうでしたか。
好奇氏:
本当に素晴らしいものでした。来場者の方が非常に多く,ピーク時にはブースに100人近い行列ができていたんです。応援いただいて本当にありがたかったですね。
ただ,オンラインでは,いろいろな声があったのも事実です。
4Gamer:
良い反応から先にうかがってもいいですか。
好奇氏:
好意的なコメントは本当にたくさんあって,例を挙げるのが難しいですね(笑)。
4Gamer:
逆に,受け取った声の中で「ここを直したい」と感じた部分はありましたか。
好奇氏:
もちろんプレイヤーの皆さんからのご意見には,常に耳を傾けています。これからもプレイヤーの声を受け止めて,修正を続けていくつもりです。
ただ細かい修正点については,この場ではちょっとお答えしにくいですね。私たちはチームで動いているので,私だけの判断で「ここを変えます」とは言えないんです。
具体的な内容については,軽率にお答えできないところがあります。
4Gamer:
好奇さんは現在,開発チームではどのような立ち位置で動いているのでしょうか。
好奇氏:
私はプロデューサーとして,ゲームの全体的な表現を担当しています。基礎デザインを行い,その後はメンバーたちが協力して,それを完成させます。もしチームで解決できない問題があれば,私自身がそれを解決することもあります。
管理者として外向きに動くというより,ほぼ最前線にいると言っていいと思います。普段あまり外には出ないんです。ほとんどの時間を,開発の現場で過ごしています。
4Gamer:
120人を抱える会社のCEOというより,作り手として現場にいるほうが長いと。
好奇氏:
会社を管理するよりも,デザインやクリエイティブな仕事によりやりがいを感じます。もちろん,管理業務も頑張って取り組んでいます。
4Gamer:
会社の規模が大きくなって,難しくなったことや挑戦できるようになったことはありますか。
好奇氏:
コンテンツの制作に比べて,人との付き合いというのは,正直なところ苦手な部分です。
ただ,人数が少ないと,作れるものの上限も低くなる。やはり大きなことに挑戦したいという気持ちはあるので,条件が許す範囲で会社の規模を拡大しなければ,というイメージですね。
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Muse Dash 2の構想は,5〜6年前にスタート
4Gamer:
すっかり聞き忘れていたんですが,Muse Dash 2はいつ頃から作り始めましたか。
好奇氏:
2019年〜2020年頃には,構想として始まっていました。初代Muse Dashのリリースから1〜2年経ったくらいですね。
ただ,その時点で本格的な開発に取りかかれたわけではないんです。当時はチームが20人ほどしかいなくて,全員が初代Muse Dashの運営で手一杯でしたから。
だから「やりたい」と思っていたのは,本当に私個人の気持ちだけでした。
はっきりとした日付は覚えていないのですが,ある時期に私が構想を温めながら,手を動かし始めたんです。それなりに長い時間,初代を支えているメンバーとは別に,1人でMuse Dash 2を動かしていた時期がありました。
4Gamer:
最初は1人で開発を始めて,そこからチームを広げていったんですね。
好奇氏:
そうですね。まず私が全体の構想を考えて,自分の中で「これをどう作るべきか」が見えてきたところで,メンバーに入ってもらったという流れです。
4Gamer:
BitSummitの出展について,感想を聞かせてください。
※インタビューはBitSummitの初日の昼過ぎ,Muse Dash 2の出展エリア付近で実施した
好奇氏:
世界各地のいろいろな文化,いろいろな言語の開発者が1つの場所に集まる。この雰囲気,この空気感が本当に好きなんです。本当に素晴らしい場だと感じました。
言葉も文化も違うけれど,お互いの作品を通じて相手を知ることができる。これは本当に素晴らしいことです。
4Gamer:
プレイヤーの皆さんが本当に楽しそうに遊んでいますね。
好奇氏:
私もずっと見ていました。プレイヤーの皆さんが楽しそうにしているのを見ると,本当に感動します。これが,ゲームを作っていて一番うれしい瞬間です。
4Gamer:
本日はありがとうございました。


















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