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アナログゲームメーカーとファンの懸け橋となるイベントを目指して。「CONNECT」実行委員会に聞く,イベント立ち上げの経緯と狙い
そんな会場の様子は,先に掲載した記事でお伝えしているが,本稿では主催者であるCONNECT実行委員会へのインタビュー記事をお届けする。アナログゲームイベントの先達として春と秋に開催されるゲームマーケットがあるなかで,新たなイベントを立ち上げる意義とはなんなのか。CONNECT実行委員会でDistant Nova Japanマネージャーの李 杰剛氏,同じくCONNECT実行委員会でASH代表取締役の北條孝宏氏,さらに協力関係にあるFrogGames代表の渡辺 健氏に,閉会後の会場で話を聞いてみた。
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- ライター:蒼之スギウラ
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CONNECT 公式サイト
実行委員会に聞く,「CONNECT」立ち上げの経緯とは
4Gamer:
お時間をいただきありがとうございます。初開催となった「CONNECT」ですが,そもそもイベントを立ち上げたのは,どういった経緯だったのでしょうか。
渡辺 健氏(以下,渡辺氏):
私達メーカーからすると,イベントというのはお客さんと直接話すことができる,貴重な機会なんですよ。とはいえ,参加できる人はどうしても限られてしまうものですから,もっともっとハードルが低い,参加しやすいイベントがあったらいいのに,とはずっと考えていました。そこに今回,北條さんと李さんから声をかけていただいて,「じゃあ一緒にやりましょう」となったのが,そもそもの切っ掛けになります。
北條孝宏氏(以下,北條氏):
ASHは「博麗神社例大祭」を初めとした,さまざまな同人イベントの運営を手がけている会社なのですが,ここ最近は李さんと一緒に経営している別会社で,ボードゲームに関わることが増えてきました。
そして渡辺さんをはじめ,ボードゲーム業界のさまざまな人達と話をしていくなかで,事業としてイベントを開催するのは面白いんじゃないかと思い,それが今回の開催につながりました。
4Gamer:
では「CONNECT」の発案は北條さんなんですか。
渡辺氏:
いえ,発案は李さんですね。
李 杰剛氏(以下,李氏)
自分は台湾人なんですが,10年前の,まだ小規模だったころからゲームマーケットに参加してきました。海外からの出展はまだ珍しい時代で,自分達が初だったんじゃないでしょうか。ですがゲームマーケットはどんどん規模が大きくなって,あの頃とは雰囲気もかなり違いますね。
4Gamer:
ゲームマーケットがまさにこの場所,都産貿台東館で開催されていた時代の話ですね。
李氏:
ええ。なので渡辺さんの言うように,お客さんとの距離が近いイベントを自分でもやってみたいと思ったんです。それでイベントの運営経験が豊富な北條さんと,日本のボードゲーム業界に詳しい渡辺さんに提案したというわけです。
4Gamer:
なるほど,事情が分かってきました。実際に開催してみて,手ごたえはいかがですか。
渡辺氏:
反省するところが多いというのがまず第一の感想です。出展いただいた人や来場してくださったファンの皆さんには感謝しかありません。
4Gamer:
反省というと?
渡辺氏:
準備不足が否めないところです。私個人としても,準備の途中に体調が悪くなってしまい,告知が乏しくなってしまいました。言い訳でしかありませんが。
北條氏:
事務局としてもプロモーションが足りていなかったと感じています。会場を回って出展者の皆さんからにお話を聞きましたが,この点は多くのご指摘をいただいています。もっとPRしておけば参加者を増やせたんじゃないか,というのが一番の後悔ですね。
李氏:
今回は準備期間が短かったのもあり,いろいろと準備不足だったのは否めません。次回はこの反省を活かして,皆さんが満足できるイベントにしたいと考えています。
4Gamer:
第2回は2024年3月開催とのこと,会場配布のパンフレットにて告知がありました。個人的には,次回はテーブルトークRPG関連の出展が増えてほしいですね。
渡辺氏:
テーブルトークRPGでは,実は今回も色々企画を考えてはいたんです。ですが体調を崩してしまったこともあって,準備が間に合いませんでした。ゲームマスターを用意して体験スペースを作りたかったので,次は実現したいと思っています。
4Gamer:
期待しています。
渡辺氏:
今回の参加者の皆さんからは,「こうあってほしい」というご意見をたくさんいただきました。現状のイベントシーンにもの足りなさを感じている人が,出展者と来場者の双方に少なからずいるというのが肌で感じられたので,多くの人にアプローチして,皆さんに満足してもらえるイベントに育てていきたいと思っています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
話を聞いた三者が話していたように,CONNECTの会場では大きなスペースが取られた試遊卓は常に人が埋まっている状況で,購入したゲームをその場で遊んでいる光景も珍しくなかった。その意味では,李氏の語る“お客さんとの距離が近いイベント”という狙いは成功したといっていいだろう。
インタビュー中でも話題に上ったように,第2回の「CONNECT」は2024年3月に開催される。今や巨大イベントに成長したゲームマーケットとは異なる道を模索する同イベントが,これからどんな成長をしていくのか。今から楽しみだ。
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