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アナログゲームメーカーとファンの懸け橋となるイベントを目指して。「CONNECT」実行委員会に聞く,イベント立ち上げの経緯と狙い
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印刷2023/08/04 13:00

イベント

アナログゲームメーカーとファンの懸け橋となるイベントを目指して。「CONNECT」実行委員会に聞く,イベント立ち上げの経緯と狙い

 2023年7月22日に浅草の東京都立産業貿易センター台東館で開催されたアナログゲームイベント「CONNECT」“初心者にも優しいボードゲーム&TRPGイベント”を謳い,初開催された同イベントだが,テーブルトークRPG関連の出展は意外にも少なく,会場の様子としては初期のゲームマーケットに近い雰囲気となっていた。

画像集 No.001のサムネイル画像 / アナログゲームメーカーとファンの懸け橋となるイベントを目指して。「CONNECT」実行委員会に聞く,イベント立ち上げの経緯と狙い

 そんな会場の様子は,先に掲載した記事でお伝えしているが,本稿では主催者であるCONNECT実行委員会へのインタビュー記事をお届けする。アナログゲームイベントの先達として春と秋に開催されるゲームマーケットがあるなかで,新たなイベントを立ち上げる意義とはなんなのか。CONNECT実行委員会でDistant Nova Japanマネージャーの李 杰剛氏,同じくCONNECT実行委員会でASH代表取締役の北條孝宏氏,さらに協力関係にあるFrogGames代表の渡辺 健氏に,閉会後の会場で話を聞いてみた。

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 2023年7月22日,ボードゲームとテーブルトークRPGなどのアナログゲームを扱うイベント「CONNECT」が,浅草の東京都立産業貿易センター台東館で開催された。本稿では注目のブースや新作などをピックアップしつつ,会場の雰囲気をお届けする。

[2023/07/26 16:16]
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 2023年7月22日,東京都立産業貿易センター台東館で開催されたアナログゲームイベント「CONNECT」から,Japon Brandによるトークセッションの模様をお届けする。今回のステージでは「世界に広がる日本のボードゲーム」をテーマに,健部伸明氏カナイセイジ氏佐藤雄介氏がトークを展開した。

[2023/07/31 14:00]
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 東京都立産業貿易センター台東館にて,2023年7月22日に開催されたアナログゲームイベント「CONNECT」内で実施されたステージイベントの中から,クラウドファンディングプラットフォーム・Kickstarterによるトークイベント「ゲーマーと制作者のためのKickstarter入門」の内容をお伝えする。

[2023/08/02 13:25]

ここではCONNECTの会場からテーブルトークRPG関連ブースを写真とともにピックアップして紹介していこう。こちらは「ウォーハンマーRPG」や「一つの指輪:指輪物語TRPG」「サンディ・ピーターセンの暗黒神話体系」などが並べられたホビージャパンブース
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こちらはフランスのイラストレーターFrançois Baranger(フランソワ・バランジェ)氏の筆によるストーリーブック「クトゥルフの呼び声」「狂気の山脈にて 上・下巻」。厳密にはテーブルトークRPGではないのだが,迫力のある大判のイラストは,ロールプレイ時の想像力をかき立てるのに役立つはずだ。なお「狂気の山脈にて」の翻訳は,かつて創元推理文庫版「ラヴクラフト全集4」で翻訳を担当した大瀧啓裕氏による新訳が採用されている
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テーブルトークRPGを中心に,アナログゲームの出版物を取り扱う専門店「コノス」のブースでは,朱鷺田祐介氏が制作した「信長の黒い城」ほか,「極楽艦隊・逆襲編」や「イット・ケイム・フロム・ザ・レイト・レイト・レイトショウJ―深夜三流俗悪アニメの逆襲!!」といったレアものが販売されていた。なお後者の2つは倉庫から発掘された在庫品とのことだ
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「信長の黒い城」はスウェーデン産のテーブルトークRPG「Mörk Borg」ベースに制作された,戦国時代が舞台のテーブルトークRPG。サプリメントの「黒の新選組 幕末鬼殺行」では地獄より召喚された無名の新選組隊士が,京都に蠢く魔性の鬼を討つ物語が展開される
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海外産テーブルトークRPGの翻訳・販売を手掛けるハロウ・ヒルのブース。共同体と言語の喪失をテーマとしたテーブルトークRPG「ダイアレクト」など,海外タイトルの中でも尖ったタイトルがラインナップされている
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漫画家・速水螺旋人氏の表紙が目を惹く「青灰のスカウト 〜シャレ・シェレギの物語〜」は,ナチス・ドイツ占領下のポーランドで起こったワルシャワ蜂起を体験するテーブルトークRPG。「フェアスコ」などで知られるアメリカの出版社・Bully Pulpit Gamesの作品だ
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CONNECT 公式サイト



実行委員会に聞く,「CONNECT」立ち上げの経緯とは


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。初開催となった「CONNECT」ですが,そもそもイベントを立ち上げたのは,どういった経緯だったのでしょうか。

渡辺 健氏(以下,渡辺氏):
 私達メーカーからすると,イベントというのはお客さんと直接話すことができる,貴重な機会なんですよ。とはいえ,参加できる人はどうしても限られてしまうものですから,もっともっとハードルが低い,参加しやすいイベントがあったらいいのに,とはずっと考えていました。そこに今回,北條さんと李さんから声をかけていただいて,「じゃあ一緒にやりましょう」となったのが,そもそもの切っ掛けになります。

北條孝宏氏(以下,北條氏):
 ASHは「博麗神社例大祭」を初めとした,さまざまな同人イベントの運営を手がけている会社なのですが,ここ最近は李さんと一緒に経営している別会社で,ボードゲームに関わることが増えてきました。
 そして渡辺さんをはじめ,ボードゲーム業界のさまざまな人達と話をしていくなかで,事業としてイベントを開催するのは面白いんじゃないかと思い,それが今回の開催につながりました。

4Gamer:
 では「CONNECT」の発案は北條さんなんですか。

渡辺氏:
 いえ,発案は李さんですね。

李 杰剛氏(以下,李氏)
 自分は台湾人なんですが,10年前の,まだ小規模だったころからゲームマーケットに参加してきました。海外からの出展はまだ珍しい時代で,自分達が初だったんじゃないでしょうか。ですがゲームマーケットはどんどん規模が大きくなって,あの頃とは雰囲気もかなり違いますね。

左からFrogGames代表の渡辺 健氏,CONNECT実行委員会でDistant Nova Japanマネージャーの李 杰剛氏,同じくCONNECT実行委員会でASH代表取締役の北條孝宏氏
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4Gamer:
 ゲームマーケットがまさにこの場所,都産貿台東館で開催されていた時代の話ですね。

李氏:
 ええ。なので渡辺さんの言うように,お客さんとの距離が近いイベントを自分でもやってみたいと思ったんです。それでイベントの運営経験が豊富な北條さんと,日本のボードゲーム業界に詳しい渡辺さんに提案したというわけです。

4Gamer:
 なるほど,事情が分かってきました。実際に開催してみて,手ごたえはいかがですか。

渡辺氏:
 反省するところが多いというのがまず第一の感想です。出展いただいた人や来場してくださったファンの皆さんには感謝しかありません。

4Gamer:
 反省というと?

渡辺氏:
 準備不足が否めないところです。私個人としても,準備の途中に体調が悪くなってしまい,告知が乏しくなってしまいました。言い訳でしかありませんが。

北條氏:
 事務局としてもプロモーションが足りていなかったと感じています。会場を回って出展者の皆さんからにお話を聞きましたが,この点は多くのご指摘をいただいています。もっとPRしておけば参加者を増やせたんじゃないか,というのが一番の後悔ですね。

李氏:
 今回は準備期間が短かったのもあり,いろいろと準備不足だったのは否めません。次回はこの反省を活かして,皆さんが満足できるイベントにしたいと考えています。

4Gamer:
 第2回は2024年3月開催とのこと,会場配布のパンフレットにて告知がありました。個人的には,次回はテーブルトークRPG関連の出展が増えてほしいですね。

渡辺氏:
 テーブルトークRPGでは,実は今回も色々企画を考えてはいたんです。ですが体調を崩してしまったこともあって,準備が間に合いませんでした。ゲームマスターを用意して体験スペースを作りたかったので,次は実現したいと思っています。

4Gamer:
 期待しています。

渡辺氏:
 今回の参加者の皆さんからは,「こうあってほしい」というご意見をたくさんいただきました。現状のイベントシーンにもの足りなさを感じている人が,出展者と来場者の双方に少なからずいるというのが肌で感じられたので,多くの人にアプローチして,皆さんに満足してもらえるイベントに育てていきたいと思っています。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。



 話を聞いた三者が話していたように,CONNECTの会場では大きなスペースが取られた試遊卓は常に人が埋まっている状況で,購入したゲームをその場で遊んでいる光景も珍しくなかった。その意味では,李氏の語る“お客さんとの距離が近いイベント”という狙いは成功したといっていいだろう。

 インタビュー中でも話題に上ったように,第2回の「CONNECT」は2024年3月に開催される。今や巨大イベントに成長したゲームマーケットとは異なる道を模索する同イベントが,これからどんな成長をしていくのか。今から楽しみだ。

会場に設けられたステージでは,さまざまなトークイベントも開催されていた。「小さく始める出版社の作り方、DTPのコツ」と題されたステージでは,卓ゲらぼの代表の千葉直貴氏(上写真右)とMalströmのMontro氏(下写真左),スタジオQNRのカズま氏(下写真右)が,渡辺氏(上写真左)の司会でテーブルトークRPGの出版事情についてのトークを繰り広げた
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CONNECT 公式サイト

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