インタビュー
SNKの第2創業期が目指すのは,グローバルTop10のパブリッシャ。そのキーマンとなる3名に,新・SNKの今とこれからを聞いてみる
しかしそんなSNKは,最近大いなる変革期を迎えている。
2020年11月にサウジアラビアのMiSK財団がSNKの株式を取得したことで訪れたこの“変革期”は,ここへきてさらに大きな動きを見せている。東京に巨大なオフィスを構え(SNKの本社は大阪だ),規模を急速に拡大しているのだ。しかも,その中心になっているのが業界で名の通った面々とあれば,ちょっと話を聞かずにはいられない。
拡大途中で,まだまだスペースに余裕のある東京オフィスで行われたインタビューの模様をお届けしよう。
SNK第二ソフトウェア開発事業部長。コーエーテクモ時代は,長年にわたってネットワーク事業を統括し,シブサワ・コウブランド長も務めた。セガでは主にスマホタイトルに従事。プロダクション長として「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」を立ち上げた。
・市川智一(いちかわ ともかず)
SNK第二ソフトウェア開発事業部 副事業部長。コーエーテクモ時代は,シブサワ・コウブランド長も務めた人物で,4Gamerでも「大航海時代 Online」でさんざんお世話になった。ちなみに「大航海時代V」も市川氏なので,個人的には市川氏(竹田氏)といえば帆船のイメージ。
・齋藤裕司(さいとう ゆうじ)
SNK第二ソフトウェア開発事業部 リードアーティスト。泣く子も黙る(?)セガの「龍が如く」や,「バイナリードメイン」のカットシーンのリードを経験。スマホ事業では,デザインリードとアーティスト部門を部長として統括。「教えあう,成長しあう!」をモットーにチーム作りに邁進中!
4Gamer:
本日はお時間ありがとうございます。なんかもう見知った顔が多くて※逆にやりづらいといいますか……。
※藤重氏と市川氏が元コーエーテクモで,齋藤氏は元セガ
(一同笑)
4Gamer:
とはいえ新メンバーが続々増えてるSNKの動きがちょっと怪しいぞということで,本日こうしてお時間をいただいたわけです。最初はちゃんとSNKの歴史から紐解いていこうかなと思ったんですが……。
藤重氏:
そこからですか?(笑)
4Gamer:
いえ諦めました。正直なところ複雑に入り組んでいて,インタビューの冒頭で話すには向きませんでした。
ですので視点を変えて,やっぱり僕みたいな古い……古いというか,昔からゲームに慣れ親しんでいるような人達,もちろん今の業界の中心となっている人達なんかもそれにあたると思いますが。
市川氏:
そうですね。
そういう人達……とくに古いプレイヤーさんなんかもそうかもしれませんが,「SNK」というと特定のイメージがあるわけです。それはNEOGEOであったり,サムスピであったり,KOFであったり……メタルスラッグとかもそうですが,やはり格ゲーのイメージは強いですね。
そのSNKが,東京に大きいオフィスを構えて人を増やして,結構なメンバーを揃えて何か始めようとしているので,これはもう話を聞かねばなるまいと。
市川氏:
ありがとうございます(笑)。
4Gamer:
さて,そもそも現在のSNKさんは,サウジアラビア資本のわけでして。
藤重氏:
はい,MiSK財団※ですね。
※サウジアラビアのムハンマド皇太子殿下によって設立された財団。実質買収を行ったのは財団傘下のElectronic Gaming Development Companyとなる(関連記事)
4Gamer:
はい。サウジの資本が入ってるわけですが,何か財団から「こうしてほしい,ああしてほしい」みたいなオーダーは来るんですか?
あまりないんですよ。
SNKは韓国市場に上場していたんですが,2月中旬にTOBが成立して,持ち分が96.18%になりました。このあと上場廃止に向かって手続きをしていく感じです。
サウジの方はボードメンバーに一人入っていますが,ほかはそれこそいろんな業界の経験者……例えば元EAの方だったり,元Activision Blizzardの方だったり,あと元SIEの盛田さんだったり※,そういった方達と同様に,いろいろな意見をいただくといった感じです。
※2021年4月に,MiSK 財団 CEO の Badr Hamoud A AlBadr(バドル バムード ア アルバドル)氏が,SNK 取締役会の役員に正式に任命された。またMiSK 財団が指名した,ロンドンを拠点とする元Activision Blizzard, Inc. (アクティビジョン・ブリザード)エグゼクティブ・バイス・プレジデントの Philip Alan Earl(フィリップ アラン アール)氏と,国際的なデジタルゲーミング専門家で元Electronic Arts Inc. (エレクトロニック・アーツ)スタジオディレクター兼エグゼクティブ・プロデューサーの Jeffrey Brooke Peters(ジェフリー ブルック ピーターズ)氏も,SNKの役員に任命された。
同年10月,元SIE取締役の盛田 厚氏が社外取締役に就任することを発表した。盛田氏の社外取締役就任については,「当業界に精通した豊富な経験と企業経営に関する深い知見を当社の経営に活かしていただく」とし,グローバル展開の強化と事業拡大を目指すという。(関連記事)
さらに2022年4月14日,セガサミーホールディングス顧問の鶴見尚也氏,SAPジャパン代表取締役会長の内田士郎氏の社外取締役就任が発表された。
4Gamer:
なるほど。でも買った以上は何か意味があるんでしょうし,何かをしてほしい,またはしたいんだと思います。それは……なんでしょう?
藤重氏:
それはですね……いや待ってください,これってもう記事になるとこですか?
4Gamer:
なります(笑)。
藤重氏:
なるほど。これどこまで言っていいやつなんだろう。
4Gamer:
あとでヤバいと思ったら削除してもいいですよ。
藤重氏:
じゃあ……私たちは10年後に向けて動いています。
4Gamer:
10年後?
藤重氏:
はい。10年間でグローバルのトップ10パブリッシャになろう,というのがミッションです。
4Gamer:
それはSNK全体のミッションということですよね。
藤重氏:
そうです。これはもう松原※を始めとした会社全体のミッションなので,開発の私たちとしても,それにふさわしいコンテンツを作っていこうという。
※元コーエーテクモホールディングス社長の松原健二氏。セガ代表取締役なども歴任したあと,2021年10月28日付けでSNKの代表取締役社長CEOとなった
4Gamer:
それはつまり,私たちがよく知っている「今までのSNK」とは違う,別のSNKがもう一つできるような感じですか?
藤重氏:
いや,今のSNKの延長ですね。
4Gamer:
ということは,SNKという会社に新しい柱ができる感じ?
藤重氏:
そうですね。もちろん皆さんが思い浮かべる「対戦格闘ゲーム」というものが,SNKのコアなブランドIPとして認知されている状況ではありますが,それだけですべてがうまくいくものではないですし,Top10パブリッシャまでは結構遠いと思うのです。
4Gamer:
確かに格ゲーは,日本を筆頭に大人気のジャンルではありますが,ワールドワイドでのシェアとしては数%ですし。
藤重氏:
それをこの後,どのように広げていくのかは当然やるべきことですけど,それだけではなく,Top10になることを目指すのであれば,新しい柱であったり,新しい価値であったりというものを,業界に対して作っていかなければならないと思うのです。
4Gamer:
やはり,今までのSNKという会社に対してアドオンみたいに追加されていく感じなんですね。
そうですね。もともとSNKが持ってるDNAというものは,しっかり受け継いでいくことがマストだと思ってまして。
4Gamer:
それはもう,そのままきちんと継承される,と。
市川氏:
はい。そこをきちんと継承したうえで,いままで長くやってきた会社であるSNKが持っている業界での強みをちゃんと生かして,というかその延長線上というか……「SNKがやる意味」がなければと思っています。
なんにでも手を伸ばすわけではなく,SNKならではというところをもっと発展させたらどうなるのかと。
4Gamer:
なるほど。
市川氏:
業界での存在感を増していきたいですね。
3年でスタッフを150人にして,世界に通用するAAAタイトルを作る
4Gamer:
そうか。さっき「アドオン」とか言っちゃいましたけど違いますね。SNKそのものが今までの路線からさらに大きくなって伸びていくイメージなんですね。
市川氏:
ええ。ですのでそれは格闘ゲームというジャンルだけではないんです。
4Gamer:
それを担うのが,ここにいるお三方だと。
そもそも今,この新しい東京オフィスには何人ぐらいいるんですか。
藤重氏:
開発だけで12人ぐらい,バックオフィスとか全部含めて30人ぐらいですかね。
4Gamer:
30人……でもこのオフィス,かなり広いですよね。
藤重氏:
広いですよ! 120人くらい入りますし。
4Gamer:
ということは,これから90人募集する?
藤重氏:
そうなりますね。
市川氏:
もう絶賛大募集中です。
藤重氏:
このあと3年とか5年くらいかけて,東京も大阪も両方なんですけど,それぞれ150人から300人くらいまでまず拡大しようと。現状,東京はもちろんまだまだ少ないですし,実は大阪も130名ほどしかいないんですよね。
4Gamer:
あれ,思ってたより少ないんですね。
藤重氏:
はい。実はその人数で,あれらのブランドを頑張って維持しています。なので逆にすごいパワーが集結されているんですけど,そちらもちゃんと300人ぐらいまで持っていこうとしています。
東京の私たちはまあゼロからですけど,この3年で150人から300人くらいまで。そこがまず,開発の拡大プランのマイルストーンですね。
4Gamer:
今は東京にいるから東京だけのイメージで話しちゃいましたけど,そういえば大阪こそがSNKですよね。
藤重氏:
コアなところはそうですね。
4Gamer:
その大阪と,この新しい東京と,全体でトップ10のパブリッシャに向かって進んでいくわけですね。
藤重氏:
そうなります。実は中国にも,150人規模のモバイル開発のスタジオがあるんですが,そこも同じような規模に拡大する計画です。そしてそれぞれのスタジオが,本当に300人から500人ぐらいの規模になっていくと,会社全体で1000人から1500人になるわけです。まぁそれでもまだ足りないはずなんですけど,狙っていくための足がかりは整うと思うんですよね。
4Gamer:
にしても,かなりの急拡大ですよね。
日本ではあまり聞かないパターンですけど,中国とかでは普通にあるレベルの話ですし,まるでそれを見るかような急ピッチというか。
藤重氏:
そう思っていただけると逆に嬉しいですね。私達3人も,やっぱりそこにワクワクしてジョインしてるという部分もあるので。
4Gamer:
Top10パブリッシャという部分ですか?
それもありますが全体ですね。それを1年2年で目指せと言われると,やっぱりとんでもなく高い壁になっちゃうと思うんですけど,しっかりとモノを作る体制と組織,どうやってクオリティを上げていくかを含めて,10年かけて整えていこうというのが今回の話なので。
息の長いチャレンジをさせてもらえる環境というのは,ものすごくありがたい話ですよね。
4Gamer:
まぁ,たいがいショートスパンで見ますし。
藤重氏:
そうですね。3年でやれって言われたらちょっとさすがに……なんですけど,10年もらえるのなら,いいやり方がありそうだと思っています。
4Gamer:
しかし,そんなミッションになっていたわけですね。
藤重氏:
そうですね。
4Gamer:
そのミッションに向けて,具体的にはどんなアクションが起こされてるんですか?
市川氏:
まあ,まずは採用です!
4Gamer:
話が戻った(笑)。
藤重氏:
いやホントに採用なんです。……ただ,結局何を作るのか,どこを攻めていくかみたいなところは,しっかりと考えていかなきゃいけないので,そこは並行してやってます。
4Gamer:
どんなものを作るのかという部分は,現時点でなんとなくあったりするんですか?
藤重氏:
お題はいくつか決めてるんですよ。でも……なんて言うんですかね,「新しい価値」というものを,市場に対してもSNKに対しても作り出していかなきゃいけないと思っていまして。
じゃあ新しい価値を生み出すものって何だろうねとか,SNKの持っている強みを生かしながら私達ができることって何だろうとか,そういうことを毎週ブレストして落とし込んでますね。
4Gamer:
例えば,業界で転職しようかなーと思ってる人がこの記事を見て興味を持ったとして,そういう人達に「こういうものだよ」とこっそり知らせる内容はないですか? もちろん決まってないことはお知らせできないので,せめて方向性みたいなものでも。
例えば……今だったら,本当のワールドワイドを目指すならスマホプラットフォームは外せないでしょうし,バズワード化しちゃってる感もありますが,メタバースとかも外せない。
藤重氏:
はい。
4Gamer:
ブロックチェーンやNFTも外せないですよね。
逆に,いやいやそうじゃないんだ。俺達は本当にコンソールゲーム機で,ゲーム性で勝負するんだ,という方向に向かっているのかもしれません。どっちなんでしょう?
藤重氏:
そういう話でしたら,新しい色んなテクノロジーを取り入れることは,たぶんやると思うんです。ただまず,一番最初に取り組もうと思っているのは,コンソールでいわゆるAAAと言われる規模感と品質を持ったタイトルを作ることです。これをもって私達の柱にしようと。
4Gamer:
AAAですか! でもまぁTop10パブリッシャを目指すなら,避けては通れないですしね。
藤重氏:
新しい価値を生み出す中で,世の中にある新しく出てきた技術だったりソリューションだったりを取り入れながら作品を作るというのは,当然手法論としては取るんですけど,そこに向かって進むことが目的なのではなくて,やっぱり価値を作り出すことが重要なわけです。
4Gamer:
言い方がちょっと難しいんですけど「ベタなゲームメーカー」を地で行くわけですね。
藤重氏:
そんな感じですね。
10年後に,ゲームのブランドとかIPがどういう風に認められていくのかという過程はまだよく分かりませんが,コンソールでしっかりとお客様の心をつかんで認められて,そこから広がっていくというモデルはやはりあると思うんです。そこをまずやりたいんです。
4Gamer:
最近あまり聞かないタイプの話です。
藤重氏:
ベタですよね(笑)。かけていい時間が短いのであればやり方は変わると思うんですけど,10年をかけられるなら,逆に真正面から正攻法でやっていこうかなと。
4Gamer:
一歩ずつ。
藤重氏:
はい,奇をてらわずに。
SNK採用サイト
クオリティに対する妥協の言い訳が何もできない素晴らしい(?)環境
4Gamer:
にしても,いまからAAAを作るにしては,やり方が意外と正面突破でした。
藤重氏:
正攻法でいけば,足りないものって時間だったり経験値だったり,見えているものだけになるんじゃないかと思ってるんです。なのでその見えてるものを,チームの力でどう解決するか,会社全体の組織の力でどう解決するかということのほうが,結果として乗り越えやすいのではないかと。
4Gamer:
なるほど……ちょっと下世話な話をしてもいいですか?
市川氏:
どうぞどうぞ(笑)。
藤重氏:
お話できる範囲のことであれば。
4Gamer:
サウジのお金が入ったということは,普通に考えたらお金には余裕があると思うんです。
藤重氏:
個人的にもそう想像しています。
4Gamer:
そのうえで,10年でやれというオーダーです。オーダーというか……この場合はコンセンサスですかね。一年で時代が変わりかねないこのご時世に,10年です。
藤重氏:
はい。
4Gamer:
お金はあるから,10年かけてこれだけのことをやってごらんというのは……それって逆に逃げ道がないんじゃないかと思うんです(笑)。
藤重氏:
あぁ……おっしゃりたいことは分かります(笑)。でも,そこがまたいいんじゃないかなと思ってます。私達はこれまでずっとゲーム会社でゲームを作ってきて……なんて言うんですかね,クオリティを上げたいとか,こういうゲームにしたいよねとか,そういうことを思うときに,やっぱりいろんなところで何かを理由にしたりして……。
4Gamer:
横で齋藤さんがすごい勢いで頷いてます。
(一同笑)
藤重氏:
何かを理由にして,もう仕方がないと思って,うまいことバランスとって出してるっていうこともあるんですよね。
4Gamer:
それはそうですよね。納期……というか発売日もありますし,会社には決算も予算もありますし。
藤重氏:
そう。だから,そういう問題をほんとに全部取っ払って,クオリティだけを追求して,時間をかけていいからやるぞっていうのは,実は大変なことだと思うんです。おっしゃるとおり,言い訳ができないので。
4Gamer:
普通は,世の中で足りないものといったらお金と時間です。その両方があるってどういうことなんですか。
藤重氏:
(笑)
そういう環境で作れるって,ないじゃないですか。
4Gamer:
ないでしょうねえ。
藤重氏:
なので言ってしまえばすごく恵まれてるんですよ。確かに大変なことを引き受けてしまった感じはありますが,そういう戦いに身を投じるワクワク感はありますよね。
4Gamer:
さっき頷いていた齋藤さん的にもそこは同じですか?
そうですね,まさにこういう環境はなかなかないと思ってます。AAAを詰めていくにあたっては,これ以上ない環境じゃないですかね。
AAAを作るぞ,と言ったときに皆さんベストな環境を思い浮かべると思うんですけど,ここだとそれが実現できるわけです。まさにそれこそがここにジョインした理由ですね。
4Gamer:
なるほど。ゲーム開発に限った話ではないですが,「足りないから諦める」ものって結構ありますよね。お金や時間,人材……。
齋藤氏:
それで言うと,集まってきてるメンバーもハイレベルなんですよ。
さっき藤重が「足りないものが分かる」と言ってましたが,メンバーそれぞれのスキルがかなり高いので,その不足してる部分がお互いにきちんと分かっているんですね。分かったうえで,本当にワイワイガヤガヤ楽しみながらやってます。なので,アイデアの出てくるスピードと質がかなり高くて……。
4Gamer:
ブレストですか?
齋藤氏:
ええ。そこが本当にいいなと思ってます。
例えば普通は企画担当からアイデアが出てくることが多いと思うんですけど,ここでは職種に関係なく,デザイン担当がアイデアを出して,そのアイデアならもしかしてこういうゲームになるのでは? とかもよくあります。どんどんアイデアがマッシュアップしていくような感じで,昔だったらこういうのが当たり前だったのかなという……。
4Gamer:
あぁ……かなり昔ですね。いわゆる「古き良き時代」みたいなころの。
齋藤氏:
はい,そうです。
藤重氏:
30年前くらいには皆がやっていたような。
齋藤氏:
一長一短あるとは思いますが,やっぱりそういうやり方で新しいものが出てきたと思ってるんです,僕は。だから,その環境がまさに今僕の目の前に新しく出来たというのは,これももうチャンスとしか言いようがなくて。
4Gamer:
そういう観点からもワクワクしてるんですね。
齋藤氏:
はい。もう,毎日ワクワクしながら仕事できてます。
4Gamer:
クリエイター的にはたまらんですね。
齋藤氏:
いや本当にそうですよ。
藤重氏:
そんな中で,さっき言ったような「お題」をいくつか出して,その中から,SNKの代表というか将来の……。
4Gamer:
顔となる?
藤重氏:
そう,顔となるようなIPを作っていこうというのが今のモードで。それってどういうものだろう,みたいなものを皆がそれぞれ持ち寄ってる感じです。
市川氏:
先ほども話題にちょっと出ましたけど,SNKって大阪にはちゃんと顔があるじゃないですか。
4Gamer:
そうですね。
市川氏:
大阪には顔があるけど,東京の我々にはまだ“顔”がないんです。大阪のIPって世界中の人に愛されてますけど,ああいうものを作っていきたいですね。
藤重氏:
こないだ齋藤が出してくれたアイデアなんて面白かったですね。
齋藤氏:
あぁ……出したら「あれ?これ齋藤さん,このままいけそうじゃないですか」みたいな話になって,あれよあれよとみんながアイデアを足してくれて(笑)。
藤重氏:
このままいっちゃう? じゃあこれはこれで。次,いきましょう。みたいなのありましたねこの間。
市川氏:
毎日そんな感じなんです。
4Gamer:
ちょっと楽しそうですね……。
齋藤氏:
そういうサイクルを楽しんでます。
藤重氏:
いやあ,でもああいうブレストやってると思うけど,絵が描けるのはいいなと思いますね,ホント。
4Gamer:
いいですよねえ……。
藤重氏:
テキストだけとは全然違う(笑)。
なにしろ今回はお題がすごく大きいので,ただの思い付きレベルじゃダメじゃないですか。そういう意味では,1人のアイデアだけだとなかなかうまく進まないわけです。ポンとアイデアを出して,そこにみんなが乗せていってくれる……みたいなことがないと厳しいですよね。
藤重氏:
そういう話で言うならば,私の中でちょっと決めてることがあって,これから組織を150人とか300人とか,もしかしたらそれ以上に大きくしていくことを考えたときに,いわゆるヒエラルキー的な組織というのはあまり好ましくないと思っていて。
4Gamer:
でも現実には,そうしないとなかなかうまく回らない部分もありますよね。
藤重氏:
そうですね。そういう側面があることも否定しません。
例えば,1人のクリエイターのセンスで全部勝負するぞ,というのも一つの答えとは思っているんですけど,私達はまだこれからの組織なので,カルチャーもこれから築いていくわけです。となるとやっぱり,集まってくれる人達のそれぞれの専門性だったりスキルというのを生かしてモノづくりをしてくということを,企業のカルチャーとして作っておいたほうがいいかなと。
4Gamer:
単に人材募集だけじゃなくて,企業カルチャーも同時に作り出そうとしているわけですか。
藤重氏:
齋藤なんかはもう20年以上この世界でずっとやってきて,アートとかデザインのところの専門性がとても高いわけです。であれば,彼の今までの経験値をどうやって物作りに……しかもコンセプトワークのところから生かせるんだろう,そういうことができる組織とはどういうものだろう……そういうとこから今作ってる感じです。
市川氏:
でもそのカルチャーって,実はすでに大阪のほうにあるんですよね。
4Gamer:
あれ,そうなんですね。
市川氏:
組織の垣根がないですし,妙にフラットなんですよ。普通,組織には何かいろいろほら,主任とかいるじゃないですか。そういうのもなくて。一人リーダーがいて,あとはみんなフラット。職種の壁もあんまりなくて。
部とか課とか,そういうのがないんです。
藤重氏:
役割ごとに,セクションになってたり部門になってたり。
4Gamer:
あぁじゃあアメーバ的な組織なんですかね。出来たり,分かれたり,分離したり。
藤重氏:
そうですね。なのでディスカッションとかも日常的に行われていて,だからこそ今の規模感でもちゃんとタイトルを作っていけるのかなとは思いました。
4Gamer:
それで動くのであれば理想的ですよねえ。
齋藤氏:
普通の会社の組織だと,課題が上がってから対応するんだと思うんですけど。
4Gamer:
はい,そうでしょうね。
そうじゃなくて,定常的にそこも潰しながら……というか作りながら? やっていく雰囲気なんです。特に課題になりそうな部分とか問題になりそうな部分をきちんと把握して調べてくれる人もいて,GDCの発表などを引っ張ってきてくれて「こういうチーム構成でいくとAAAでも滞りなく進むようですよ」みたいなアプローチをしてくれたり。
そういう仕組みで今進んでいるのでチームの雰囲気もいいですし,出てくるアイデアの質が高いというのは,たぶんそこの理由も大きいんじゃないかなと思います。
4Gamer:
そういうのやってくれるのってバックオフィス系ですか?
藤重氏:
いやいや,開発部門です。
市川氏:
もともと海外のプラットフォームに10年以上勤めてたような人なので,そういう情報をどんどん掘り起こしてきてくれるんですよ。
制約があって出来なかったようなこともすべて出来るという幸せ
4Gamer:
それにしても,想像以上にゼロからのフルスクラッチなんですね。
そうですね。会社という箱はありますけど,これからグローバルのTop10を目指す中で,それにふさわしいガバナンスってどういう形なんだろうねというあたりから……。いろんな部分をいま再点検していて,いろんな部署がいろんなことやってますよ。開発だけじゃなくて。
市川氏:
でもそういう中で悪い意味での“垣根”を感じないというか,皆さん「部署が違うから他人事」じゃなくて,すごく自分の事のようにやってくれるので,とてもありがたいです。いい文化だと思うし,そこはやっぱり継承したいなと思います。
4Gamer:
大きくなるに連れて消えていきがちですよね。
齋藤氏:
そうなんです。
市川氏:
ですので,今のこのいい状態を我々がキチンと心に刻んで,それが失われないようにちゃんと作っていこうという。
4Gamer:
でもその状態で,150人を入れようとしているのも結構すごいですよ。
市川氏:
そうですね(笑)。
4Gamer:
しかし,今から東京のSNKにジョインする人は,そういう部分も含めて参加できるわけですね。
藤重氏:
そうです。当たり前ですけど,私達を含めて皆さん,それぞれの歩んできた場所とか培ってきた知見とかは違うわけじゃないですか。それを発揮するためには,その人のスキルセットが生きやすい組織が必要なんじゃないかなということを考えながら,これから構築していきたいと思うんです。
4Gamer:
なるほど。
藤重氏:
ここにいるメンバーで言うならば,組織の中で部長をやったり,事業部長やったり,役員やったり,そういうことをしています。でもプロダクトはチームで作るわけですから,いろんなスペシャリストが働きやすいカルチャーとか,モノづくりのクオリティが上がりやすいやり方っていうのは,早い段階でいろんな人の意見があったほうがいいと思ってるんですよね。
4Gamer:
おっしゃることは分かりますし,そこに水を差すつもりはないんですけど,その状態でAAA作るのってすごく大変じゃないですか。
市川氏:
はい,大変だと思います(笑)。
藤重氏:
でも10年ありますから!
齋藤氏:
一点じゃなく多面的に進めることも可能ですし。
藤重氏:
そもそも1本だけで勝負するわけでもないですしね。
4Gamer:
それはそうですよね……。何本ぐらい想定しているんですか。
藤重氏:
最低3本ですよね。
4Gamer:
AAAで?
藤重氏:
そうです。まぁさすがに大小組み合わせたりもするかもしれませんけど,最低3本。
4Gamer:
10年ちょっとで3本って,結構大変じゃないですか……?
市川氏:
結構大変だと思うんですよねえ。
「3本作って3本出す」わけではなくて,もっと多く作らないと,世に3本は出せないですから。
4Gamer:
それもそうか……。
市川氏:
はい。アイデアレベルならもっともっと,ものすごい数のアイデアを出して,モック作って,その中から選ばれて……。
藤重氏:
ただ,今ある程度取締役メンバーとのコンセンサスが取れているのは,その作り方の部分なんです。まさに今,市川が述べたように,もう本当に山ほどのアイデアの中から最初の段階でキチンと選んで,そこからプロトに行くわけですけど,ここで何本捨ててもいいと思うんですよね。
4Gamer:
まずクオリティである,と。
選んでその次にそのまま進めればいいですけど,駄目だなと思ったら一歩手前に戻る。よかったら次に行く。そうやってマイルストーンごとに,ある種の通過率歩留まり的なものを試算しながら進んでいって,どのくらいのものでどれくらい進めば,最終的には一番効率よくAAAを作れると思います……みたいな作り方。
その“作り方の開発”じゃないですが,それを含めた全体で私達は勝負しますというところが理解されているんです。
4Gamer:
それはなかなかすごいですね。タイトルだけの話には留まらないと。
藤重氏:
なので試行錯誤しながら……前半でできるだけ試行錯誤しながら,最後の最後に「あれなんか違うぞ」ということがないような作り方をしていこうと。それでも何か出てくるとは思いますけど(笑)。
4Gamer:
やっぱり結構あるものなんですか。
藤重氏:
あるかなしかで言ったらあるんじゃないですか。
齋藤氏:
ありますねえ。
藤重氏:
ただ経験則からすると,最後そういう風になっちゃったときって,やっぱり最初の練り込みが足りないんですよね,振り返ってみると。
4Gamer:
なんかほかのお二人も,すごい勢いで頷いてます。
齋藤氏:
いやまったくそうなんですよ。
藤重氏:
開発あるあるなんですけど,一番もったいないのって,一生懸命作り込んだアセット類とかモデルのモーションとか,いろんなもののクオリティを上げた状態で,なんかゲームの仕様が変わったとか,改めてバランス調整をしてみたとか,そういう理由で使わなくなったり作り直したりするんですよ。なんかすごくもったいないじゃないですか。そういうことがないように,前半でしっかり煮詰めたいですね。
4Gamer:
いろんなことをちゃんと決めて。
藤重氏:
決めて,そして点検して。
4Gamer:
前半が順当に済んだとして,最後のほうは何に気をつけるんでしょう。
藤重氏:
リリース候補版みたいなものが出来たら,ちゃんとバランス調整したりデバッグしたりという期間を……そうですね,1年くらいかけてやろうとしています。全体予算も2割くらいは,そこに使う前提で。
今までは,いろんな制約があってできなかったことがありますが,今回はその制約がないので,「じゃあ当然あったほうがいいよね?」みたいなものも入ってる感じです。
4Gamer:
なるほど。今までだったらなんとなく見ないフリしてたものとか,時間がなくて捨ててきたようなものも。
市川氏:
序盤のほうで,なんかちょっと問題あるけど,まぁ,とりあえず進めて……って言ってたようなところを,いやいやダメでしょって止めることが大事というか。
あと,そのときに,みんなが同じレベルで意見が言えることがすごく大事で,偉い人がこう言ってるからもうこれでいいじゃん,みたいなことにならないようにしたい。
4Gamer:
開発の現場でもありがちなんですね。
市川氏:
はい。疑問があったらちゃんと言ってもらって,それが本当にそうなのか違うのかを議論するというのは,とくに開発の前半がすごく大事になると思います。そういう意味でもフラットな企業文化はすごく重要ですね。
新しい企業文化を,そして新しいチームを,一緒に創ってほしい
4Gamer:
この手の夢のある楽しい話を聞いていて,いつも不安になるんですが,最初の1本を出して万が一それがうまくいかなかったときに,急にシュリンクしたりしない……ですよね?
藤重氏:
冒頭で申し上げたように,絶対に10年は勝負します。
4Gamer:
よかったです。そこはもうコミットされてるんですね。
話がちょっと戻っちゃうんですが,そこに向けてどんな人材が欲しいとか,いまそういうものはあるんですか。
藤重氏:
たぶん一番大事なのは,私達と一緒にこの「10年のチャレンジ」というのを一緒に歩み続けようと思ってもらえることだと思うんです。
ゲーム開発って本当に大人数でやるものなので,入ってくれるメンバーそれぞれが持つ良さっていうのは,絶対に生かせる場所はあると思うんです。でも思いだけは一緒じゃないと,同じベクトルに向かって進めないと思うんですよね。
4Gamer:
確かにそうですねえ……。10年で3本。
藤重氏:
いやまぁもうちょっとやるかもしれないですけど……というか,もうちょっと立ち上げますけど,はい(笑)。
市川氏:
実際にはもっといっぱい立ち上がると思います(笑)。
藤重氏:
それなりの大きさのものがそのぐらいで,小さいものを含めるともうちょっとやろうという話に。
4Gamer:
でもプロジェクトごとに人を集める海外とは違うので,やっぱり日本的ですね。
藤重氏:
そうですね。日本的な組織として会社としての成長を続けるので,しっかりと人を集めて,その人に育ってもらって,5年後10年後には,新入社員で入った人もリーダーとして活躍していけるような……。昔のゲーム会社ってみんなそうだったと思うんです。
4Gamer:
そうですね。
はい。私が新卒だったときもそうでした。
組織がどんどん大きくなっていく中で,任されるものも大きくなっていって,私もいろいろな経験を積ませてもらって,任されることもどんどん増えていって……という経験ができたわけです。
これからの若い子達にも,私達があのころ味わった経験をさせてあげたいと思うし,そういう活躍してくれたら,ちょっと嬉しいじゃないですか。
4Gamer:
新卒だった時代は遠い遠い昔のことですが,おっしゃることよく分かります。
ただの人材募集じゃないですね,これは。なんというか……「一緒にチームを作ろう」みたいな?
(一同が大きく頷く)
4Gamer:
一緒に新しい会社を作ろう,というのも違う気がする。
齋藤氏:
チームを作ろうのほうが,合ってる気がしますね。
4Gamer:
聞いてる感じそんなイメージですよね。
いやあ……大変そうです。
藤重氏:
でもワクワクはしますよ。
市川氏:
そうですね。なかなかこんな環境ないので。
齋藤氏:
大変だと思うのは僕も同じですけど,クオリティに対してこれだけ正面から向かい合っていい機会なんて,なかなかないと思うんで。
4Gamer:
それはそうですよね。
しかも聞いていると,たぶんワントップで下に落ちていくタイプの組織じゃなさそうなので,例えばこのお三方クラスの人がジョインしても,やることは山ほどあるわけですよね。
藤重氏:
そうです。今は本当に,先ほど齋藤もお伝えしましたけど,モノ作りのリテラシーがみんな同じレベルなので,細かいことを言わなくてもどんどん進んで行くんですよね。そういうのはやっててすごく楽しいなと思います。1日があっという間に過ぎてるんですよ。ホントに。
4Gamer:
本物のブレストだ……。
ブレストって同じレベルじゃないとうまくいかないですしね。
市川氏:
しかもそのブレストは,何を言っても誰も否定しないんです。
齋藤氏:
うん,そうですね。
市川氏:
広げる方向にどんどんどんどん……。こういうのもありますよ,みたいな感じでプラスに持っていく感がすごいです。
齋藤氏:
話しやすい空気がどんどん醸造されます。
ユーザーの体験を実際に一番作り出しているのは,やっぱり現場で直接手を動かしてるスタッフだと思うので,そこのメンバーが「お客様がどう体験したいのか」を話し合えるような体制じゃないと,いいものはできないと思うんです。上から落とすだけだと届かないと思いますね。
4Gamer:
AAAというと結構な大人数で作るイメージがあるので,どうしたって分業しなきゃ成り立たないんじゃないかと思ってたんですが,ここではそうじゃないやり方を。
藤重氏:
そうですね。でも,もちろんそういうフェーズも当然必要だと思うんですよ。後半のフェーズですけど。
4Gamer:
だいぶ後半のフェーズですね。
藤重氏:
前半はやはりどれだけ広げるかというところを重視して進んだほうがいいかなと。
自分達も若いころ作品を作ってて,言いたいことがいっぱいあったんですよね。こうしたほうが面白いのに……と。でもなんか結局うやむやにされたり,説得されたりして(笑)。
齋藤氏:
当時こうならいいのになって思っていたことを,結局お客さんから言われる場合がかなりあると思うんですよ。
4Gamer:
当時自分が思ったことはプレイヤーも思っていたことだと。
齋藤氏:
結局それって,現場がそれを組み込めればお客さんにもっといい体験をしていただけたのにと思うわけで,それがかなう組織だと思います。
4Gamer:
でもやっぱりあるんですねそういうこと。
齋藤氏:
たぶん,そういう思いをしたメンバーがここに集まってきてて(全員笑)。そうならないように……という考えが自然と頭にあって,だからツーカーなんでしょうし,これから入ってくる方もそこは苦労せずに一緒に楽しく働けると思います。
藤重氏:
お客さんもそうですが,ユーザーテスターさんがくれた意見とか,発売後にお客様からいただくご意見とかには,結構本質をついてるものがあって。
モノ作りの中の結構最初の段階で捨てちゃってたことが,もし生かされてたらこの意見も吸収できたかもね……みたいなことは何度も思っていて。そういうのはちょっと苦々しい思い出として,自分の中にもずっと残ってるんですよね。
4Gamer:
なんか理想的な開発会社になってますね。
藤重氏:
コンソールとかPCとか含めての勝負なので,ワールドワイドでガンガンいきたいですね。
市川氏:
日本の老舗のSNKから世界へ……というのが思いとしては一番強くて。ご存じのように,この会社のIPって海外のファンがすごく多いので,そこをちゃんと継承していきたいというのもあります。
体制的にもそういう部分が整ってきてますし,社長の松原も,これまで海外向けの実績を残してきたというのもありますし。
藤重氏:
ボードメンバーも,とてもグローバルですからね。
4Gamer:
そうですよね。ちょっと見ましたけど。※
※冒頭で触れたとおりボードメンバーは,MiSK財団 CEOのBadr Hamoud A AlBadr(バドル バムード ア アルバドル)氏,元Activision BlizzardのPhilip Alan Earl(フィリップ アラン アール)氏,元Electronic ArtsのJeffrey Brooke Peters(ジェフリー ブルック ピーターズ)氏,元SIE取締役の盛田 厚氏,セガサミーホールディングス顧問の鶴見尚也氏,SAPジャパン代表取締役会長の内田士郎氏など,そうそうたる顔ぶれとなっている。
藤重氏:
すごいですよね。ここまで参画いただける会社もなかなかないんじゃないかという。
4Gamer:
一人一人がCEOクラス。
藤重氏:
そうなんです(笑)。
市川氏:
日本市場は今はモバイルが大きいですけど,なんだかんだいってコンソールで海外市場にちゃんと受け入れられて……みたいなことは絶対に必要だと思ってます。私たちが目指すスタジオ規模の会社さんでも1200万本売ったみたいな素敵な話も聞こえてきますし,日本発でそういう存在感をもっともっと広げていきたいのが,我々クリエイターが一番目指すところですかね。
フロム・ソフトウェア新作「ELDEN RING」,世界累計出荷本数1200万本,国内累計出荷本数100万本を突破
バンダイナムコエンターテインメントとフロム・ソフトウェアは本日,アクションRPG「ELDEN RING」(エルデンリング)の世界累計出荷本数が1200万本,国内累計出荷本数が100万本を突破したことを発表した。2022年2月25日の発売から,1か月足らずで達成した数字だ。
4Gamer:
そうですよね。ここのお三方はそもそもそういうタイトルをやってきた人達だし。
SNKという会社は,昔のアーケードの時代からめちゃめちゃすごいことやってたわけじゃないですか。ハードウェアのプラットフォームまで作っちゃったり。すごいチャレンジをしてきた会社なので,やっぱりそういうDNAがあるんですよね。いまは「第2創業期」として,あのころの何かみたいなことが始まるのかな……と。
4Gamer:
では,これから10年かけて,この目黒から。大きなことを。
藤重氏:
はい。発信していきたいですね。
4Gamer:
期待しています!
SNK採用サイト
――2022年3月31日
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