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年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
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印刷2021/12/29 00:00

企画記事

年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意




ブシロード
プロデューサー
村上一馬

代表作:from ARGONAVIS

画像集 No.355のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「ウマ娘 プリティーダービー」
「推しのウマ娘を育成し、コミュニケーションを取りながら優勝を目指す」ゲーム性は、コロナ禍で希薄気味だった他者や社会との関わりを埋める一面があったように感じております。
このようなゲームは、カラオケブームから脈々と続き、ネットの普及により更に顕著になっている「コンテンツの中での自己の存在」を感じさせてくれます。
加え、1回(ターン)あたりのプレイ時間が短く、隙間時間などに気軽に触れる仕様だったことにより、アプリ起動ハードルを下げ継続してもらえる一因にもなっていたかと思います。
情勢の背景だけではなく、娯楽が溢れて可処分時間が少ない現代の時流に乗ったタイトルということで、選ばせていただきました。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「花束みたいな恋をした」
緻密に設計された脚本と演出だけでなく、予告映像も計算されていたこともありとても印象深かったです。
この映画の予告映像は「キラキラ青春感溢れる少女マンガ的恋愛映画」の雰囲気でして、サブカル趣味を持つ層が鼻で笑うような作品だと認識していました。ところが、いざ上映されると登場キャラクターたちはどちらかと言うと「キラキラ青春感溢れる少女マンガ的恋愛映画」を小馬鹿にするような、まさにサブカル趣味を持つ若者でした。この入念な下準備により、「キャラクター≒自分」と感情移入する準備が済んでおり、作中のこじれた恋愛と自分の過去を重ねることができます。
本編が始まる前から作品への導入が始まっているような、新しいアプローチを感じられて面白かったです。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

Yostar Pictures取締役 斉藤健吾(さいとう けんご)さん
既に有名なTVアニメ、劇場アニメの作画監督など作品の中核を担っている方ですが、キャラクターのデザインだけでなくキャラの表情や色使いが好きで、今更ながらお名前を挙げさせていただきました。
斉藤さんはご自身のTwitterアカウントにて趣味のゴルフを題材にしたオリジナル作品のキャラクターイラストを投稿し続け、最近は同作品のアニメ化を発表。
立場もありご多忙でありながらも、創造を継続して形にするクリエイターとしての熱狂さを感じられ、大変刺激を受けております。今後のご活躍も楽しみにしております。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

2021年のARGONAVISプロジェクはアプリゲームのリリース、舞台、野外ライブ、そして「劇場版アルゴナビス 流星のオブリガート」公開と様々なメディアを皆様にお届けできたかと思っております。
2022年も早々にライブがあり、キャラクターによるCGライブや劇場版2作目公開など既にお伝えしているものに加え、他にも皆様に楽しんでいただけるような企画も進行しております。
ぜひ、2022年も「from ARGONAVIS」にご期待いただければと思います。

「劇場版アルゴナビス 流星のオブリガート」
(C)ARGONAVIS MOVIE project.
画像集 No.356のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意 画像集 No.357のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意



ブシロードミュージック
音楽プロデューサー
北岡那之

代表作:from ARGONAVIS

画像集 No.358のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「リトルナイトメア2」
陰鬱な世界観と、何処を切り取っても絵になる映像は唯一無二のものだと思います!
ホラーゲームのスリルを感じながら、早くストーリーを知りたいという思いで一気にプレイしたのを覚えています。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

コミック「ブルーロック」
サッカーとバトルロイヤルを組み合わせたジャンルが新しく、ゴールを得るために繰り広げられるロジカルな視点と、迫力あるプレイシーンは衝撃でした。
あととにかくキャラクターの顔が良い!
中身もそれぞれ非常に個性的で、2022年のTVアニメで喋って動く姿を見るのが楽しみです。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

アーティスト「ヨルシカ」
ボーカルsuisさんのクリアな歌声と、曲毎のキャラクターやアプローチの多彩さが、n-bunaさんの作る楽曲の世界観や繊細なアレンジと相まって、出す曲全てに絵画的な衝撃を受けています。
音楽とストーリーと表現者の全てがハイクオリティで組み合わさっていると思います。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

2022年は自分が音楽周りを担当させて頂いている「from ARGONAVIS」プロジェクト再始動の年になります。
プロジェクトの主軸であるリアルライブが昨今の情勢で非常に苦難を強いられましたが、2022年こそはライブエンタメの活気を取り戻す一員になるべく積極的に活動していきたいと思います。
新作アプリゲームの制作も決定しています。
ボーイズバンドのメディアプロジェクトとして様々なアプローチで攻めの姿勢でリアルもデジタルも展開していきますのでよろしくお願いします!



プラチナゲームズ
代表取締役副社長 / スタジオヘッド
稲葉敦志

代表作:プロジェクト G.G.

画像集 No.432のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「Inscryption」
「すごくすごく面白いゲーム」としか人に伝えることができなかった、希有な作品。やってみるまでわからない面白さがめちゃくちゃに大きく、この全体構想力とデザイン力には本当に衝撃を受けましたし心の底から感心させられました。まだまだゲームの作り方って無限大の可能性があるんだなあ……と初心に帰らされた作品でもあります。いや本当に凄い。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「ヴィンチェンツォ」面白かったですね。馬鹿馬鹿しくもあり、かっこよくもあり、涙もあり。キャストも豪華だし、他のドラマへのオマージュなんかも面白い要素でした。次点は「地獄が呼んでいる」です。この世界観作りとストーリー展開はなかなか凄いと思いました。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

いま一番アツいのが宮本浩次さんGLIM SPANKYだと思います。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

今年は人生の中で一番忙しくてホットな年になりそうです。プラチナゲームズは、常に新たな驚きを提供すべく頑張り続けますので皆様の応援をよろしくお願いします。

画像集 No.433のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
「プロジェクト G.G.(仮題)」
(C)PlatinumGames Inc.
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プラチナゲームズ
チーフゲームデザイナー
神谷英樹

代表作:「バイオハザード2」「デビル メイ クライ」「ビューティフルジョー」「大神」「ベヨネッタ」「The Wonderful 101」「ソルクレスタ」

Twitterアカウント
Instagramアカウント
画像集 No.441のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「アーケードアーカイブス ゼビウス」
「アーケードアーカイブス パックマン」
「アーケードアーカイブス 源平討魔伝」
「アーケードアーカイブス ラリーX」
「アーケードアーカイブス マッピー」
「アーケードアーカイブス スカイキッド」
「アーケードアーカイブス リブルラブル」
「アーケードアーカイブス フォゾン」
「アーケードアーカイブス ドラゴンバスター」
「アーケードアーカイブス 未来忍者」


毎年こちらの企画では、簡素なコメントでお茶を濁して申し訳ない気持ちになっている僕ですが、流石に今回は本腰を入れて語らなくてはならなくなりました。皆さんも既にご存知のことと思いますが、ハムちゃん(株式会社ハムスター、業界ではこう書く)による歴史的アーケードゲームのアーカイブ(記録保存、未来への伝達)化プロジェクト、「アーケードアーカイブス」に、思いもよらなかったタイトル群が彗星のごとく登場して、ゲーム業界に激震が走りました。

そうです、あの80年代のアーケードゲーム黎明期において、独創性に富んだ名作ゲームを立て続けにリリースして、キング・オブ・アーケードの名をほしいままにし、当時のゲームキッズたちを夢中にさせたのはもちろん、この僕に至っては熱狂のあまり中学の文集で「俺はぜってーナムコに入る」と宣言し、然る後に入社試験を経て内定を勝ち取るも、「君の企画書は面白くないけど絵は面白いからデザイナーでどう?」との言葉に脳が変形するほど悩み抜き、結局は内定辞退して一方でプランナーとして内定を出してくれたカプコン入社を選んだ、そのような雑談はさておき、ゲームを趣味としない人々にまでその名を知らしめた、遊びをクリエイトするあのナムコが、信じられないことに他社プロジェクトである「アーケードアーカイブス」に電撃参入したのです!

ナムコと言えば、初代プレイステーションの時代に、当時としても既に“オールドゲーム” ……そう、巷ではよく「レトロゲーム」などという呼び名を耳にしますが、レトロとは復古“調”を意味し、例えば「ロックマン9」のような、前時代的味わいを復古したものを指す言葉であり、真に“歴史的に古いゲーム”は、紛れも無いオリジナルであって、「レトロ」などでは断じて無いので、ゲーム文化を正しく伝えていくべき側にいる僕としましては、歴史的名作たちへの尊崇の念も込めて「クラシック / オールドゲーム」と呼ぶわけですが、話を戻しますと、そのオールドゲームの範疇に入っていた、自社の80年代黄金期のタイトルを詰め込んだオムニバスソフト、「ナムコミュージアム」を発表して、「次世代機とは言うけど、いつになったらゲームセンターの業務用機のスペックに追いついて、アーケードゲームとまったく同じものが家庭で遊べるようになるんですかねぇ」と冷めた目で見ていた僕に、文句のつけようがない職人技を見せつけて絶頂へと導いてくれた、いわば“オールドゲーム復刻 / アーカイブのパイオニア”とも言える存在であり、長くその独自の路線を歩み続けていましたから、その後に立ち上がった「アーケードアーカイブス」が、如何に志を同じくして、確かな品質で実績を積み上げてきたプロジェクトだと言っても、まさかその両者がこのような形で手を取り合うことになるなんて、どうして予想することができたでしょうか? いや、予想できなかった。(反語)

僕は常日頃から、人類の共有財産と言っても過言ではない歴史的ビデオゲーム作品を保有するパブリッシャーは、それらを漫然と死蔵するのではなく、遊びたいと思った時に誰もが気軽に触れることができる環境を整えるべき、と訴え続けてきました。ただ、中々重い腰を上げてくれない老舗ゲームメーカーに対して、全国数千万人のオールドゲームファンがやるせない思いを悶々と募らせていた時でも、ナムコは特に古くから自社のコンテンツを大切にし、更にそれをユーザーと共有してくれる遊び心ある企業文化を持っていて、それを実際に「ナムコミュージアム」という形でアウトプットしてくれていました。

初期の「ナムコミュージアム」などは、正にナムコ愛に満ち溢れていて、単にゲームが遊べるだけでは終わらず、設定画面が基板のディップスイッチを模していたり、各作品をテーマに作られたバーチャル空間でゲーム筐体の前に立ってゲームをスタートさせたりと、“遊びをクリエイトする”ナムコらしいこだわりのギミックを備えていました。

ただ、近年はそうした活動にも陰りが見え、Wiiの「バーチャルコンソール・アーケード」で60タイトル以上もの作品を移植した勢いはどこへやら、現世代機での目立った復刻事業と言えば、よく分からない基準で選ばれた僅か11タイトルのゲームをやっつけ収録した「NAMCO MUSEUM(Nintendo Switch版)」をリリースした程度で、かつてオールドゲーム復刻の急先鋒と称された風格は、すっかり鳴りを潜めてしまっていました。去年は丁度、あのカプコンも「カプコンアーケードスタジアム」と銘打って、32作品ものオールドゲームを引っさげて復刻事業の世界に飛び込んできましたから、すっかりお株を奪われてしまった形になったのも、ナムコ凋落の印象に拍車をかけました。

加えて、“存在しなかった「ギャプラス」のファミコン版を再現”と、ご大層な謳い文句を喚き散らして鳴り物入りで登場した、ナムコのファミコン用作品を集めた「ナムコットコレクション」では、あろうことかキーコンフィグが実装されておらず、ファミコン全盛期の熱狂を思い出させてくれるはずのオムニバスソフトであるにもかかわらず、ボタン配置がファミコンとはかけ離れたレイアウトで見苦しく固定されているという、まるで極上のワインの樽にわざわざコップで汚水をぶちまけたかのような、あるいは代々受け継がれた歴史的名画をドブに投げ捨てたかのような、いったい自社作品への愛やこだわりはどこへ行ってしまったのかと、「ギャプラス」作ってはしゃぐ前にやることあるだろうと、お前ゲーム作りのシロウトかと、怒りを通り越して呆れを禁じえないぞんざいな作りな上、2021年12月現在においても、まるでバスが一時間に一本しか来ない寂れた田舎の空き地に打ち捨てられ、朽ち果ててノスタルジックな背景の一部と化したスバル360のように、発売したことすら忘れられてアップデートも無しに見窄らしく放置されているありさまで、嗚呼、かつて一時代を築いたキング・オブ・アーケードはもはや遥か彼方に過ぎ去った遠い過去の栄光であり、当時のナムコ魂を受け継ぐ人間などバンダイナムコ社内にはもう存在しないのだ、俺たちが憧れたナムコは終わったんだ、と全世界数十億人のオールドゲームファンは深い絶望に打ちひしがれてさえいたわけです。

そんなバンダイナムコを尻目に、ハムちゃんは「アーケードアーカイブス」で我が道をまっすぐひた走りに走り続け、誰もが知る有名タイトルから、「こんなゲームがあったんだ」と驚かせてくれるようなレアタイトルまで、数多くのメーカーの、数多くの資産を、広く深くひたすらく復刻し続けるという、まさに“ゲーム文化そのもののアーカイブプロジェクト”にふさわしい取り組みを重ね、今もなお我々オールドゲーム愛好家の喝采を浴びながらその信頼と実績を富士山より高く積み上げているのは、皆さんも御存知の通りです。

そんな対象的な両社の姿を目の当たりにして、それでも尚ナムコの底力を信じたい僕としては、起て、起ってくれ俺たちのナムコ! と、ナムコにかける絶大なる信頼と溢れる想いを丁寧な言葉でしたためて、あんなツイートこんなツイートで心からのエールを送り続けていたわけですが、まさか同業他社のプロジェクトに、たとえ多くのユーザーがそれを望んでいたとは言え、垣根を超えて電撃参入するという英断に打って出るなんて、良かった、俺たちのナムコ先輩ならやってくれると、最初から微塵も疑うことなく、一点の曇りもない心でナムコを信じ続けて本当に良かった! と、喜びに打ち震えているところです。

実は、ナムコタイトルの「『アーケードアーカイブス』参入」大発表の直前には、その前兆とも言える出来事がありました。「アーケードアーカイブス」のタイトル配信は、通常毎週木曜日と決まっています。日付が変わった午前0時には配信が始まるので、僕は水曜日の日中から配信を心待ちにし、深夜に日付が変わると同時にニンテンドーeショップにアクセスし、ソフトを購入、ダウンロードするというのが毎週の習慣でした。

また、ゲームが配信された日の夜7時からは、全ゲーム業界人およびユーザーが「ハムちゃん放送」と呼んで敬愛する、皆さんもご存知の「アーケードアーカイバー」という情報番組の生配信が行われ、「アーケードアーカイブス」のプロデューサーにして、ハムちゃんの社長でもある濱田 倫氏自ら出演されて、配信タイトルをゲーム芸人フジタ氏との軽妙な掛け合いで紹介するその放送を、ユーザーに混じってコメントしながら、開発フロアに残って深夜まで視聴するのも、僕の楽しみのひとつでした。

ところが、2021年9月23日木曜日の配信日は、いつも前日の水曜日に行われるはずのアケアカ配信タイトルの告知がなく、午前0時になってニンテンドーeショップを覗いても配信が始まっていませんでした。それどころか、ゲーム配信と同日に行われるはずのハムちゃん放送さえも、なんの事前告知もなく、配信が行われなかったのです。

丁度この23日は「秋分の日」でした。そのため、僕は「おやおや、ハムちゃんもウドンテンニの皆さんも休日たっぷりオヤスミされて配信は延期ですか? いいご身分ですなァ」とブツブツ悪態を垂れ、ツイッターで「音沙汰ないのは、もしかしたらニンテンドーダイレクトで何かニュースがあるからかも?」とわざわざコメントをくれたユーザーを「今夜(配信)来るでしょ」と突き放して、ひとりイラ立っておりました。いま思えば、ユーザーの言葉通り、いつも通り配信が行われなかったことに、何か理由があるはずだと思考を巡らせるべきでした。

そう、「アーケードアーカイブス」が配信されるはずだった日の翌日の9月24日の金曜日は、午前7時から任天堂の新作情報番組「ニンテンドーダイレクト 2021.9.24」の配信が予定されている日だったのです。大きな話題になるような新作情報がサプライズで公開されることも多い番組ですから、もしかしたらそこで「アーケードアーカイブス」の新しい情報が公開されるのでは? という期待の声がSNS上で上がるのも当然です。

そして実は、その「ニンテンドーダイレクト 2021.9.24」は、弊社プラチナゲームズが僭越ながら開発させていただいている「ベヨネッタ3」が、そのサプライズ発表を行う正にその場でもありました。2017年の開発決定の第一報から長らく音沙汰なかったこのタイトルの続報をようやく公開できるこの日に備え、ゲーム業界で情報漏えい危険度ナンバー1と褒め称えられるこの僕も、柄にもなく口を閉ざしてSNSで平静を装い続け、陰湿にもその裏では新プロモーションビデオをシコシコ編集していたのです。

ついに向かえた9月24日金曜日、僕は任天堂に提出済みのプロモーションビデオの出来栄えにも満足し、放送前の深夜には「フォルダー機能実装のニュースが来たら起こして」などとツイートして嘯きつつ、準備万端整えて、実は狡猾にも朝の6時半に目覚ましをかけて起床し、布団の中でニンテンドーダイレクトの放送開始を待っていました。
そして午前7時、アイパット(僕の敬愛する元タカラジェンヌの花影アリスちゃんがブログでこう書いていたのでApple社のタブレットの名称はこれが正解)を立ち上げて任天堂のサイトにアクセスし、スマホを片手に「『ベヨネッタ3』の新情報に沸くユーザーにSNSでどうドヤってやろうか」とタイミングを伺う中、ついにニンテンドーダイレクトが始まりました。
我々の「ベヨネッタ3」の映像が流れるのは番組の一番最後だと分かっていたので、僕はダルダルのシャツにパンツ一丁という貴族スタイルで布団に寝転がったまま、眠気に耐えながらスマホをいじって、その時が来るのを今か今かと待ちました。そしてふと、そういや結局アケアカ配信来なかったじゃねえかよ何やってんだ? などと思い返していた丁度その時。誰もが知るナムコのタイトル、それも「パックマン」と「ゼビウス」という2つの作品が、同時に、「アーケードアーカイブス」のタイトルとして、このニンテンドーダイレクトの放送終了直後から配信開始という、情報が大渋滞した驚愕の映像が流れたではないですか。

衝撃で、僕の眠気は一瞬で吹き飛びました。そしてもつれる手でスマホを握り直し、すぐさまツイートだ! ……というところで……ハタと固まる僕。そう、僕はニンテンドーダイレクトなど興味ないというテイで寝ている設定で、且つ放送の最後に控えている「ベヨネッタ3」の最新映像公開のタイミングで、ドヤりツイートをしようと息を潜めている身。こんな歴史的瞬間に立ち会いながら、ツイッターを生業とする人間であるにも関わらず、それをツイートすることが出来ないなんて……! 僕はこの時ほど、自分の生まれの不幸を呪ったことはありません。

付け加えるなら、この放送では更に「アクトレイザー・ルネサンス」のサプライズ発表もありました。僕が学生の頃から何度も何度も繰り返しプレイして、しゃぶり尽くすように遊んでいるゲームのリメイク作品で、こちらも僕にとっては驚きのニュースでした。
胸躍る情報の連続で、しかしそれを成すすべもなくただ傍観しながら、「ユーザーの利便性をまるで考えていない独りよがりなNintendo Switchのホーム画面にいつまでもフォルダー機能が実装されないことを毒づいてやろう」と息巻いていたことさえすっかり忘れて、僕はひとり布団の上で身悶え、その後公開された「ベヨネッタ3」関連のツイートをやっつけた後、ようやくこれらのニュースへの喜びを表明することができたのでした。

……というわけで、ナムコの「アーケードアーカイブス」はビデオゲームの未来に非常に明るいニュースであり、「パックマン」、「ゼビウス」の後もハイペースでリリースが続き、早くも10タイトルもの作品が堂々とラインナップされていて、非常に頼もしい限りです。
どれもゲームセンターで多くのゲームキッズたちに支持された歴史的な作品ですから、皆さんも各タイトル毎にそれぞれ思い出があることと思いますが、僕が「ドラゴンバスター」を例にとって短く語らせて頂くならば、僕が初めてゲームセンターに足を踏み入れることになった、青春時代のある思い出が鮮明に蘇ります。

それは、忘れもしない中学2年のある日のこと。学校の休み時間に仲間と集まっていると、バッティングセンターの近くに住むカンベ君が、「『ドラゴンバスター』というナムコの新作がバッティングセンターのゲームコーナーに入荷した」と興奮気味に話し始めました。

当時、アーケードゲームと言えばデパートのゲームコーナーで遊ぶのが常でしたが、デパートは学校で定められた“学区”の外、つまり駅前などの繁華街にあり、中学生の僕たちが自由に行ける場所ではなかったので、親の買い物について行くなどして、ようやくアーケードゲームにありつくことができました。
学校にきちんと「外出届け」を提出して、許可を得て学区外へ出かけることも出来ましたが、街中では生活指導の先生がウロウロして監視の目を光らせており、僕はイトーヨーカドーのゲームコーナーで「グラディウス」をプレイしている最中、2P側にずっと生活指導の先生にへばりつかれて、全ステージクリアまで延々説教され続けるという拷問を受けたこともあったので、いずれにしてもそう簡単に遊べるものではありませんでした。

そんな中、学校のすぐ近く、つまり“学区内”にあった小さなバッティングセンターは、店内にひっそりと数台のゲーム筐体が置かれていて、僕たちの間で隠れたアーケードゲームのプレイスポットになっていたのです。

話は少し脱線しますが、「ドラゴンバスター」のリリース日を調べると「1985年1月」とあります。それは丁度、あの「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」が空前の大ヒットを記録していた時期でもあり、ファミコン本体はどこへ行っても売り切れで、お正月にイトーヨーカドーの初売りで限定10台売り出されるというチラシを見て朝4時に起きて猛然とチャリを飛ばしてイトーヨーカドーへ行ったら既に10人並んでいてすごすごと帰ってきたという、こちらにも書かれているような悲劇が日本の至る所で起きていました。

幸い僕は、従兄弟の真ちゃんの知り合いづてに、まだ中古販売店も存在せず、ゲームソフトを手に入れるには定価で買うしかなかった時代に、中古のファミコンをカートリッジ15本付きで30,000円という破格の条件で入手することができたのですが、実は先ほど登場したカンベ君は、この前年に当たる1984年の年末に、当時ファミコンが買えずに泣きを見た子が妥協して手を出す禁断の“ジェネリックファミコン”、セガの「SG-1000」を買ってしまい、ゲームに飢えた我々の間では一時的にアドバンテージを得たものの、実際彼の家に行って遊んでみると、およそファミコンとはかけ離れたクオリティに胸が切なさで一杯になり、我々は子供ながらに「やっぱり我慢って大切なんだな」という学びを得たという、そのような逸話はさておき、そんなゲームキッズ垂涎の的だったファミコンは、それまでの家庭用ゲーム機(エポック社の「カセットビジョン」など)とは一線を画すスペックで、ゲームキッズたちに「ゲームコーナーで100円入れて遊ぶゲームと同じものが家で好きなだけ遊べる」という“ファミコン神話”を信じさせてくれていましたが、それも暫くすると、遥かにハイスペックな業務用基板との差が次第に鮮明になっていって、彩り豊かなグラフィックや重厚なサウンドを誇るアーケードゲームへの神格化をかえって加速させることになるのでした。

そんなわけで話を戻しますと、アーケードゲームに特別な思い入れを持っていた僕たちは、カンベ君の「ドラゴンバスター」入荷情報を得て、その週末の土曜日にみんなでバッティングセンターに行く計画を立てました。

丁度その頃、僕たちのクラスには、都会から引っ越してきたマッチというあだ名の転入生がいました。僕たちはマッチと打ち解けるいい機会だと思い、彼もバッティングセンターへ誘うことにしました。
「マッチ、土曜日にバッティングセンターに『ドラゴンバスター』やりに行くんだけど、一緒に行かない?」
一人でいたマッチに近寄り、秘密のプレイスポットを誇らしげに思いながら声をかける僕たち。きっと喜んでくれるに違いない、そう信じてマッチの返事を待っていると……マッチは平然と、耳を疑うような言葉を言い放ったのです。

「バッティングセンター? 1プレイ100円だろ? それなら50円で遊べるゲーセンに行こうぜ」

「ゲ、ゲーセン……?」 僕たち田舎中学生は、マッチの言葉に息を呑み、一斉に顔を見合わせました。「ゲームセンター」というのは、学区外にあるのはもちろん、変形学生服を着た悪者たちがタバコをふかしながらゲーム筐体を占拠し、不用意に立ち入る獲物から金品を巻き上げる場所です。そんなところへ行こうだなんて…こいつは一体何を言い出すんだ?

僕たちは言葉を失ったまま、マッチに畏怖の目を向けました。……が、マッチは涼しい顔で、逆に子犬のように震える僕たちを怪訝そうに見ています。そんなマッチの凛とした態度に、僕たちの中に憧れのような感情が猛然と湧き上がってきました。そして……
「マッチ、かっこいい……!」
僕たち田舎中学生は、みんなマッチにハートをガッチリ掴まれていました。もうどうなってもいい、マッチにすべてを、身も心も委ねよう。そんな気持ちに支配され、頭の中はマッチとゲーセンで一杯になっていました。

かくして、その週末の土曜日、僕たち田舎中学生一行は、マッチに引き連れられるようにして、決死の覚悟でゲームセンターへと向かうことになったのです。

国道沿いに立つ、古い喫茶店を改装したと思しき小さなゲームセンター 「パル」。マッチについて裏口へ回り、安い建て付けのアルミの扉を開けると、その奥の薄暗闇から、騒々しい電子音の波が溢れ出てきました。そして、マッチの肩越しに恐る恐る顔を出し、目を凝らして店内を覗き込むと…その先に広がる想像もしなかった光景に、僕は目を疑いました。

「忍者くん」「ソンソン」「ロードランナー」「スターフォース」「ぺったんピュー」「スパルタンX」「ピットフォールII」「イー・アル・カンフー」「ザ・ビッグプロレスリング」「1942」「ドルアーガの塔」……デパートのゲームコーナーで遊んだ馴染みのあるゲームはもちろん、全く見たこともない、未知のメーカーの未知のゲームまで、ズラリと並んだテーブル筐体。それはまるで、この世の全てのゲームが集められた、“ゲームの宝石箱”のようでした。その景色に圧倒され、僕の視界にはもう変形学生服の怖いお兄さんたちは映っていませんでした。

そして、目当ての「ドラゴンバスター」も、店内の真ん中に泰然と鎮座していました。真っ黒い背景の中、正方形に収まる小さなキャラクターが動き回るグラフィックが当たり前だったその時代に、「ドラゴンバスター」の佇まいは衝撃的でした。複数のオブジェクトで複合的に描かれた高い頭身の剣士。歩く、走る、しゃがむ、登る、ジャンプ、斬る、魔法を使う、という多彩なアクション。椅子に座ることすら怯ませる、おどろおどろしいサウンド。そして、まるで生命を宿したかのように躍動する、巨大なドラゴン。誇張抜きに、僕は言葉を失って筐体の前に立ち尽くしていました。

「こんなリアルな人間を、たった一本のレバーと2つのボタンだけで、どうやって操るんだ……?」
これが、「ドラゴンバスター」を目の当たりにして、真っ先に僕の頭に浮かんだ言葉です。

その日は、見るもの見るもの全てが目新しく、情報の洪水に僕はすっかり圧倒されてしまい、なけなしのお小遣いを握りしめたまま、右へ左へと店内をさまよいつづけ、陽が落ちて「そろそろ帰ろう」という仲間の声に、慌てて50円を投入したのは、一番ルールが簡単そうに見えた「ロードファイター」でした。

こんな気持ちは、ゲームがメジャーな娯楽として浸透している現代の皆さんには不思議に思えるかも知れません。でもビデオゲームの黎明期だったあの頃は、誰もがまだゲームというものには馴染みが薄く、更にそのゲーム自体も、ジャンルにとらわれずに様々なゲームメカニクスが試されていたので、プレイヤーたちは“初めて見る得体の知れないもの”を遊ぶことに一種の怖さのようなものを感じ、お金を投入することにためらいも覚えたのです。
「よく分からないままプレーしたら、ひどい目に遭わされて精神的にダメージを負うんじゃないか?」とさえ警戒し、僕はまず誰かがプレーしている様子を後ろから覗き込んだり、デモ画面のプレーを穴が空くほど見たりして、注意深く観察して十分にルールを理解した上で、満を持して大切なお小遣いを投入したものでした。知らないお兄さんが、アルファベットが表示された画面で英語を入力しているのを見て、「そんなこと、僕に出来るわけない」と立ち去り、後になってそれが実はネームエントリーだったことを知る、なんてこともありました。

結局、僕のゲームセンターデビューは、「ロードファイター」を一回遊んだだけで終わりを告げました。「ドラゴンバスター」は、ついに遊ばず終いでした。でも僕は、それまでに感じたこともないような衝撃と興奮を、確かに味わいました。

もちろん、後日別の機会に初プレーを果たし、剣士クロービスを操ってドラゴンを倒し、セリア姫を救出することに成功しました。また、金メッキされたカートリッジで有名なファミコン移植版もやり込みました。このファミコン版は、オリジナルのアーケード版に忠実……と言うには少し及ばない出来栄えでしたが、アイテム収集要素やマップの拡大など、家庭用ならではのアレンジが満載で、オリジナルとは違う新しい遊びが楽しめ、僕は今でも「バーチャルコンソール」として復刻されたものを遊んでいるほど好きな作品です(だからこそ、「ナムコットコレクション」のコンフィグ未実装の件が返す返すも残念です)。

先程、ゲーム黎明期の頃の話で、「様々なゲームメカニクスが試されていた」ということに触れましたが、「ドラゴンバスター」にも、“今では当たり前だけど、当時はまだ誰も見たことがなかった遊び”がたくさん詰まっています。
僕は正確にゲーム史を研究したわけではないので、僕個人の体験ベースの話になりますが、例えば、“二段ジャンプ”。「ドラゴンバスター」は、レバーを上に入力することで主人公がジャンプしますが、そのジャンプの頂点でもう一度レバーを上に入力することで、もう一段ジャンプをすることが出来ます。

みなさんはこれを「当たり前だ」と思うかも知れません。確かに、今では多くのゲームが二段ジャンプを採用していて(僕が手掛けた「デビルメイクライ」「ビューティフルジョー」「大神」「ベヨネッタ」「ザ・ワンダフル101」もそうですね)、皆さんは説明書を読まなくても、二段ジャンプが出来るかどうかを試すこともあるでしょう。しかし「ドラゴンバスター」がリリースされた1985年当時、少なくとも僕は、この“二段ジャンプ”を実装したゲームをほかに見たことがありませんでした。

また主人公のクロービスは、ジャンプ中および二段ジャンプ中に、レバーを下方向に入力しながら攻撃ボタンを押すことで、「兜割り」や「垂直斬り」といった、通常攻撃とは違う強力な攻撃を繰り出すことが出来ました。これは、今では当たり前に見られる“コマンド技”の走りと言えるでしょう。これもまた、当時はまだ珍しいものでした。

もうひとつ、“体力ゲージ”にも触れておきましょう。主人公キャラクターの体力(バイタリティ)を表すゲージですが、これも当時、僕の目にはとても斬新なものに映りました。
体力ゲージというもの自体は、当時既にほかにも採用している作品はあり、僕が知る範囲では、1983年に任天堂からリリースされた「パンチアウト!!」などがその例ですが、横スクロールアクションで採用されたものは見たことがありませんでした。一度でも敵の攻撃を受けるとミス、というゲームが主流で、複数回の被ダメージを許容するルールのゲームがほとんど存在しなかったために、バイタリティというもの自体が必要とされなかったのでしょう。

バイタリティの概念は、例えば「ドラゴンバスター」登場の前年、1984年に同ナムコからリリースされた「ドルアーガの塔」で、内部にパラメーターを持つ方式で存在しましたが、“ゲージ”という形で視覚化され、敵の攻撃を受けると減少し、減った分は赤くなり、回復アイテムを取ると増加する…などの、今では当たり前のように使われる表現は、それを初めて見る当時の僕にはとても新鮮で、それだけで何か奥深い戦略性のようなものを想像させてくれました。

上に挙げたメカニクスの本当の起源は、一体どのゲームまで遡るのか、あるいはどのような系譜で洗練されていったのか、その歴史を調べてみるのも面白いかも知れません。ともあれ、いま皆さんを楽しませているゲームの源流には、こうした数多くの試みの歴史があり、ゲーム業界の末席に身を置く僕自身も、無から有を生み出すことの大変さを身をもって味わっている今、偉大な先人たちの創造力がどれほどたくましかったのかを改めて思い知ると同時に、迷った時に僕を助けてくれるかけがえのない教えを示して頂いたことに、深く感謝せずにはいられません。

以上が、「ドラゴンバスター」に関連してお話できるショート・エピソードのひとつですが、他にも「パックマン」や「ゼビウス」、「マッピー」でも、この程度の話はいくらでも出てきます。それをここで一つ一つ披露させて頂いてもいいのですが、そろそろ話の主旨を見失いそうなので、「ナムコタイトルの『アーケードアーカイブス』電撃参入」の件に話を戻しますと、現在配信されている10タイトル以外にも、「海底宝探し」「ディグダグ」「ディグダグ2」「ニューラリーX」「ボスコニアン」「バラデューク」「爆突機銃艇」「ドルアーガの塔」「イシターの復活」「ミズ・パックマン」「パック&パル」「パックランド」「パックマニア」「メトロクロス」「モトス」「ホッピングマッピー」「トイポップ」「ピストル大名」「サンダーセプター」「ドラゴンスピリット」「アサルト」「メルヘンメイズ」「ガルディア」「ニュージグザグ」など、まだまだリリースが期待されるタイトルはありますし、来年早々1月6日には「スーパーパックマン」が配信されることが既にアナウンスされていますから、来年もナムコ作品の数々がゲーム業界を席巻してくれそうで、今からとても楽しみです。

……が、今回の「ナムコタイトルの『アーケードアーカイブス』電撃参入」がとても意義深いのは、単に「ナムコ作品がたくさん遊べるようになる」ということだけではありません。僕が本当に申し上げたい話は、むしろここからです。

ハムちゃんが取り組んでいる「アーケードアーカイブス」というプロジェクトでは、ハムちゃんが権利を保有するタイトルはもちろん、様々なゲームメーカーと提携することで、メーカーの垣根を超えて、様々なオールドゲームが復刻されています。これは、ハムちゃんの「過去の貴重な作品をそのまま現代に蘇らせ、それを懐かしむ旧来のファンはもちろん、現在のユーザーに対しても、ゲーム史に残る名作、奇作に触れてもらって、当時の空気感や、人類が生み出した“ビデオゲーム”という娯楽の素晴らしさ、人間の創造力の偉大さを体感して欲しい」という理念に、各メーカーが共感し、協力してくれたからこそ実現したのだと思います。

そこに今回、ナムコ作品が加わったわけですが、先に申し上げたように、ナムコは「アーケードアーカイブス」に先んじて、「ナムコミュージアム」という独自のブランドで、自社のオールドゲームの復刻に取り組んでいました。そんな独自色の強いナムコ(バンダイナムコ)が、「ナムコミュージアム」を(事実上)休止し、他社のプロジェクトにライセンスアウトするという英断を下したわけです。

そこにどれほどの障壁があったのか、僕には分かりません。でも、決して簡単な判断ではなかったことは想像できます。そしてこれも僕の想像に過ぎないことではありますが、地道に積み重ねてきたハムちゃんの信頼と実績、遊びをクリエイトするナムコの企業文化、そしてそこに関わった関係者の情熱が結実したからこそ、この夢のような話が現実のものとなったのだと僕は信じています。

ユーザーにとって、ゲームセンターで遊んだアーケードゲームに垣根はありません。「アーケードアーカイブス」をプラットフォームとして、パブリッシャー各社が垣根を取り払って結束し、全てのオールドゲームがそこに集まれば、ユーザーインターフェイスなどの仕様、規格が統一されて、名実ともに“アーカイブ”となるでしょう。

ゲームは点ではなく、線で繋がっています。ゲーム史の“線”を繋げるためにも、どうかメーカー各社には、ユーザーファーストの判断をして頂きたいと、切に願います。

最後に、ハムちゃんがニコニコ生放送で配信している番組「アーケードアーカイバー」の、「第336回 アーケードアーカイバー フォゾンスペシャル!」にて、「フォゾン」をはじめ、「ドラゴンバスター」「ゼビウス」「ディグダグ」「おかし大作戦」など、数々のナムコ作品で心に残る名曲を生み出してその黄金期を支えた稀代のコンポーザー、慶野由利子さんがご出演され、「ナムコが『アーケードアーカイブス』に参入したことへの感想は?」という質問への回答で、素晴らしいお話をされていたので、これはユーザーであれ製作者であれ、ゲームに関わる全ての人が聞いておくべき言葉だと思い、ここに勝手にご紹介させて頂きます。

「“アーカイブ”っていう考え方が、これは本当に大事なことで。私はゲームに関するアーカイブっていうのは、現代の民俗学だと思ってますんで、面白いから取っとくとかじゃなくて、おしなべて鳥観的に扱っていくっていう、すごく大事な視点だと思います。」

「歴史っていうのは、名もなき人々が作るものであって、為政者ひとりが作ってるものじゃないわけで。民芸品とか、誰が作ったか分からないとか、ありますよね。そういうものがあって、そういうものが愛されて、その時代があったわけじゃないですか。だからゲームの、1980年代には、こういうものをみんなが好きだったんだよ、こういうものを楽しく遊んでたんだよ、っていうことをよく知ること、それを伝えていくことが、その時代を……その当時の総理大臣が誰だったかとかそういうことではなくて、日本なら日本という世の中を、より良く知ることであると思うんです。」

「ひとりの飛び抜けた天才が作った作品とか、そういうことじゃなくて、作り手だけじゃなくて、プレイヤーを含めての文化ですよね。プレイヤーがあってこそのゲームだから、どんなふうに楽しまれてたか、ということ含めて記録していくってことが大事だと思います。」

なんという素敵な言葉でしょう。この言葉が心に刺さらない人などいるのでしょうか? いや、いない。(反語)

こうした理念が脈々と息づいていたからなのか、バンダイナムコでは最近、かつて販促等に使われた、オールドゲームのポスターの復刻、販売を始めたというところにも注目したいです。同社が運営するECサイト「アソビストア」では、「NAMCO MUSEUM OF ART 復刻ナムコレジェンダリーポスターシリーズ」と銘打って、「パックマン」「ゼビウス」「源平討魔伝」を皮切りに、「マッピー」「スカイキッド」「リブルラブル」「ドラゴンバスター」「リブルラブル」と、昔ゲームセンターで見た懐かしいポスターが続々と復刻、販売されています(もちろん僕は全て購入しています)。

今後もラインナップが増えていくことは間違いないでしょうから、僕が中学時代に提出用の白文帳の裏に描き写して、担任の先生に「続きが読みたい」と言わしめた、ミニチュア撮影した写真をコミック調にレイアウトした「ドルアーガの塔」のポスターや、ゲームの舞台となる島の全景が描かれ、プーカァやトプカプ、マッピーといったお馴染みのナムコキャラクターたちが隠れているのを見つけるのも楽しい「パックランド」のポスターなど、全てのポスターをコレクションして、部屋にズラリと飾るのが今から楽しみです。

こういう“分かってる”グッズ展開というのは、ユーザーとして本当にありがたい限りです。ゲームの思い出はゲームそのものだけではなく、それを取り巻くグッズもその大切なピースなんだという我々の気持ちを汲み、ユーザー目線になってこんな取り組みをしてくれるところに、“遊びをクリエイトする”往年のナムコの姿が重なって見える気がします。

でも、僕たちの思い出のピースはナムコだけではありません。いつまでもダンマリを決め込んでる、セガやコナミやカプコンにも我々の気持ちを“分かって”いただいて、「スペースハリアー」や「アフターバーナー」や「アウトラン」や「グラディウス」や「グラディウスII」や「ギャラクティックウォーリアーズ」や「1942」や「ソンソン」や「戦場の狼」といった、当時僕たちをワクワクさせてくれた素晴らしいポスターを、是非復刻して頂きたいです。

そしてもちろんゲームそのものの方も、先に挙げた慶野さんのような考え方が業界全体に広まって、「ペンゴ」「ジャンプバグ」「モナコGP」「ターボ」「スタージャッカー」「ピットフォールII」「ごんべえのあいむそ〜り〜」「フォートレス」「ファンタジーゾーン」「ハングオン」「アフターバーナーII」「パワードリフト」「ギャラクシーフォースII」「エンデューロレーサー」「SDI」「ブロックギャル」「モンスターランド」「ガルディア」「クラッシュローラー」「ミサイルコマンド」「マーブルマッドネス」「ビーストバスターズ」「ザ・グレイト・ラグタイムショー」「シスコヒート」「ピンボ」「フィールドコンバット」「ニューヨークニューヨーク」「QIX」「リバーパトロール」「ガルディア」「シェリフ」「スペースフィーバー」「スペースファイアバード」「ポパイ」「B-WINGS」「マッドエイリアン」「ファイティングファンタジー」「ガルディア」「ミスタージャン」「スパルタンX」「ロットロット」「R-TYPE」「バスター」「ギャラクティックウォーリアーズ」「ガルディア」「RF-2」「新入社員とおる君」「急降下爆撃隊」「ブラックパンサー」「WECル・マン24」「チェッカーフラッグ」「タイムギャル」「ガルディア」「アルカノイド」「プランプポップ」「スカイデストロイヤー」「オペレーションウルフ」「レインボーアイランド」「スラップファイト」「ワイバーンF-0」「ガルディア」「ビューポイント」「TX-1」「ロックオン」「ザインドスリーナ」「平安京エイリアン」「麻雀狂時代」「リアル麻雀 牌牌」「麻雀CLUB90's」「華の舞」「ガルディア」など、まだまだ歴史に埋もれたままの作品たちがひとつでも多く日の目を見ることを、願って止みません。

……と、話はここで終わるはずだったのですが、先ほど非常に興味深い情報が飛び込んできたので、最後の最後に軽く触れておきましょう。90年代にゲームセンターを彩ったセガの名機「アストロシティ」を1/6サイズで再現して、実際に遊べるセガの往年の名作36タイトルを収録したミニチュアアーケード筐体「アストロシティミニ」の第二弾となる、縦画面ディスプレイを搭載した最新型、「アストロシティミニ V」が発表されたのです。

自宅にブラストシティ2台を並べている僕としては、「ブラストシティミニ」でも良かったんじゃないか、とも思うのですが、まぁ開発コスト的な大人の事情もあるでしょうし、「ブラストシティミニ」は来年リリース予定かな、「スペースハリアーミニ」や「アフターバーナーミニ」も来るのかな、「T-13ミニ」の方が先かな、と色々妄想を膨らませることが出来るので、これはこれで純粋に喜ぶべきことでしょう。

第一弾の「アストロシティミニ」は、紳士の嗜みとしてもちろん購入しましたし、今回の「アストロシティミニ V」も当然予約しました。……が、このニュースで特に注目すべきは、「縦画面モニター搭載」でも「初移植タイトルを多数収録」でもなく(もちろんそれも嬉しい驚きですが)、「セガ以外のメーカーのタイトルが多数収録されている」という点、更に言えば、「ハムちゃん(株式会社ハムスター、業界ではこう書く)が権利を持つニチブツのタイトルが収録されている」というところです。

なぜそれが“特に注目すべき”ことなのか、皆さんは分かりますか? 収録タイトルを見ると、縦画面ディスプレイ搭載にふさわしく、縦スクロールシューティングが、それも宣伝文句の通り、初移植となるタイトルが多数名を連ねています。でも、この中にニチブツタイトルが並んでいることに、皆さんは不自然さを感じませんか……?

収録されているニチブツタイトルは、シューティングゲームの「ムーンクレスタ」「テラクレスタ」の2本と、サイドビューアクションゲームの「コスモポリス ギャリバン」1本の計3本で、特にシューティングゲームの2本は、我々プラチナゲームズが満を持して発売を延期した、「ネオ-クラシック・アーケード」第一弾となる自在合体シューティングゲーム「ソルクレスタ」の誕生を運命づけた、“クレスタ・サーガ”の偉大なる開祖ではありますが、他に並ぶアッパー系のシューティングラインナップと比較すると、少々毛色が違う印象を持つのもまた、事実です。

……回りくどい言い方はやめましょう。これが一体何を意味するのか? 僕が導き出した推測はズバリ、「セガの『アーケードアーカイブス』電撃参入への伏線」。これに尽きます。

ニチブツタイトルは、すなわち、ハムちゃんが所有するコンテンツです。つまり、今回の「アストロシティミニ V」におけるニチブツタイトルの収録は、ハムちゃんがセガにライセンスアウトしたことによって実現したわけです。「アーケードアーカイブス」でオールドゲームの復刻事業をコツコツ進めるハムちゃんと、それを冷めた目で傍観しつつ(神谷イメージ)、孤高を気取って(神谷イメージ)自社ブランド「セガエイジス」で自社タイトル復刻を行うも、「スペースハリアー」および「アウトラン」の3DS版で実装して大好評を得た、セガ黄金期の象徴とも言うべき「体感ゲーム」の可動筐体をバーチャルに再現したモード「ムービング筐体」を、Nintendo Switch版で不可解かつ無残にもカットするという、“アーカイブ”から逆行する奇行に打って出て、我々ゲームキッズのひんしゅくを買ったセガの二社が、太いパイプで繋がったのです……!

僕が冒頭で申し上げた話を覚えていますか?(……というかここまで読んでる人いるんですか?) “自社ブランドでオールドゲームの復刻をし続けてきたメーカーが「アーケードアーカイブス」に電撃参入”という尊い前例、それをあのナムコが実践してくれたではないですか。…そう、つまり「ナムコ参入」は、その後の「セガ参入」、そして再来年の「カプコン参入」へと続く、ゲーム業界を転覆させるビッグウェーブのほんの序章に過ぎなかったのです!

……となると、次は「一体セガはどのタイトルで『アーケードアーカイブス』に参入するのか?」という話になります。ナムコが2タイトル同時配信で電撃参入したことを考えると、負けず嫌いのセガ(神谷イメージ)が一挙3タイトルで参入すると考えても不思議ではないでしょう。そして、ナムコの「パックマン」「ゼビウス」というセレクトの傾向から導き出されるセガ作品ラインナップは、ただ一つ。「ペンゴ」「ガルディア」、そして「モンスターランド」、これに間違いありません。

まず「ペンゴ」ですが、「ドットイート」というジャンルで「パックマン」と共通するというところで「ヘッドオン」の可能性もありますが、ここは「固定画面ゲーム」の古典という共通性で「ペンゴ」をセレクトし、且つライセンス料でコストがかかると思われるBGM「ポップコーン」の使用を、別売りの「こだわりDLC」という新規格の投入で対応する、というところまで僕は読んでいます。コアなユーザーは、少々値が張っても「当時と同じもの」を欲するもの。そんなニーズに応えるため、新たな試みが行われるのは必然と言えます。

次に皆さんもよく知る「ガルディア」ですが、これはセガが販売を行い、コアランドというディベロッパーが開発を行った作品です。ちなみに「ペンゴ」も同様にセガ販売、コアランド開発で、両タイトルの権利が今どこに帰属しているのか僕は分かりませんが、「ペンゴ」に関しては、メガドライブやゲームギア、サターン時代にセガによって移植が行われており、近年になっても続編が製作されているので、扱いに深刻な問題が生じる類のものではないと思われます。

ただ、一方で「ガルディア」はと言うと、“空中と地上の敵を撃ち分けて進む縦スクロールシューティング”ということで、「ゼビウス」の対抗馬として申し分ない作品なのですが、実は今に至るまで一度も移植された実績がありません。これを、「『ガルディア』は何か権利問題が複雑なのだろうか?」と捉えるのは短絡的でネガティブな発想かも知れませんが(一部権利的に甘カスリしてる部分もないわけではないですが神谷ジャッジではセーフ案件)、仮にそうだとしても、コアランドと言えば株式会社バンプレストの前身ですし、バンプレストと言えば要するに大体バンダイナムコですから、ユーザーの利益のためなら自社の不利益など微塵も顧みない、ユーザーファーストと評判のセガとバンナム両社が絡む案件となれば、移植に際しては何の障壁もないでしょう。何より、両社とも「アーケードアーカイブス」に参入すれば、どちらも“ハムちゃんファミリー”になるわけですから、むしろ「ジャンプバグ」の移植だって期待のラインナップに急浮上するわけです。

最後に「モンスターランド」ですが、これはナムコの「アーケードアーカイブス」参入第3弾が「源平討魔伝」だったことから、剣士を操る横スクロールアクションと言えば、いうことで間違いなくセレクトされるでしょう。ちなみにこの作品も、セガ開発ではなくウエストンというディベロッパーが開発を行ったものです。

この「モンスターランド」、実は「セガエイジス」で既にリリースされていて、現在Nintendo Switchでプレーすることが可能です。……となると、「アーケードアーカイブス」と「セガエイジス」でバッティングするのでは? と案じる方もいるかも知れません。しかしこれまでに何度も説明しているように、「アーケードアーカイブス」の方針は「当時のものをそのままに」ですし、「セガエイジス」の方は、オリジナルにはない要素やアップグレードを実装して、「付加価値で遊びを拡大する」という路線ですから、両者全くの別物です。ターゲットの中心と思われる僕のようなコアユーザーはどちらも両方買いますから、セガは自社展開の「セガエイジス」と、ライセンスアウトした「アーケードアーカイブス」とでダブルで儲かるわけです。こんなおいしいビジネスを、貪欲なセガ(神谷イメージ)が放っておくわけがないのです。

以上、如何だったでしょうか? 改めて説明してみると、セガが開発したタイトルが一つもないので、このラインナップの信憑性に疑問を禁じ得なくなってきました。ここは断腸の思いで「ガルディア」を取り下げて、同様に空中地上撃ち分けシステムを持った、「ゼビウス」のフォロワーの一つである縦スクロールシューティング、「スタージャッカー」をセレクトするのもやぶさかではありません。単にリリースの順番が変わるというだけで、最終的にはセガの全てのアーケード作品が揃うことになるでしょうから、「ガルディア」がリリースされた1986年からもう35年待っている僕には、あと1、2年待つことなど苦ではないのです。

というわけで、来年はセガにも期待出来そうですね。この流れで「スペースハリアー」「アウトラン」のムービング筐体実装アップデートと、バンナムの方にも「ナムコットコレクション」のコンフィグ実装アップデートを期待しておきましょう。……質問なんでしたっけ?

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

宝塚歌劇団花組公演
忠臣蔵ファンタジー 「元禄バロックロック」


2020年は、宝塚歌劇の公演をひとつも観劇せず仕舞いという、エンターテイナーとしてあるまじき体たらくだった僕ですが、こちらで「エンターテイメントの灯を消してはならない」、「来年はしっかりと劇場に足を運ぶ」と鼻息荒く意気込みを表明した通り、今年2021年は花組公演を中心に、宝塚観劇を大いに満喫させて頂きました。

花組以外の公演も観てみたくなり、久しぶりに……恐らく2015年の朝夏まなとさんのトップお披露目公演「王家に捧ぐ歌」以来6年ぶりとなるでしょうか、宙組公演の「シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−」も観劇しました。
「実咲凜音ちゃんも純矢ちとせさんも、もういないのか……」、「桜音れいちゃんの退団公演に間に合わなかったか……」などと心に浮かんでは消える切なさや寂しさを、「でもこの儚さがまたタカラヅカの魅力でもあるんだよなぁ」と受け止めて一人悦に入りつつ、見慣れない組子さんたちの中に可愛らしい娘役さんを目ざとく発見して即座に双眼鏡でロックオンし、幕間の休憩時間に「さっきの誰!?」とパンフを開いてくまなく探すも、結局誰なのか判明せずに悶々としたりと、至福の時間を心ゆくまで堪能しました。

贔屓にさせて頂いている花組の方も、4月2日より宝塚大劇場で公演が始まった「アウグストゥス−尊厳ある者−」で、トップ娘役の華優希ちゃん、実力派の男役の瀬戸かずやさんの退団を見送り、9月2日より梅田芸術劇場で始まった水美舞斗さん主演の「銀ちゃんの恋 〜銀ちゃん、本日も反省の色なし〜」では、かつての大空祐飛さん版銀ちゃんと北翔海莉さん版ヤスの軽妙な掛け合いや、野々すみ花さん版小夏の甲斐甲斐しさの記憶を思い返して感傷に浸りつつ、水美舞斗さんが紡ぎ出す新たな銀ちゃん像を楽しみ、そして11月6日より始まった「元禄バロックロック」では、柚香 光さんと星風まどかちゃんの大劇場新トップコンビお披露目を目に焼き付けて新時代の到来を確信するなどして、充実した宝塚ライフを過ごさせて頂くことが出来ました。

そうそう、4月には「エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート」にも足を運びました。既に退団された元花組トップスター明日海りおさんや元星組トップスター北翔海莉さんが、今となっては貴重な男役姿を披露し、蘭乃はなちゃん、芽吹幸奈さんや天真みちるさんといった懐かしい元花組の面々、更には元宙組の純矢ちとせさんも出演されて、宝塚の舞台では味わえない豪華な共演のひとときに、夢心地で身を委ねました。

天真みちるさん、芽吹幸奈さんと言えば、11月にホテル阪神大阪で開かれたディナーショー、「天真爛漫ショー大阪出張リベンジ〜もう延期はしたくない……たっそ生誕祭編〜」にも行って参りました。元花組のお二方に、同じく元花組の鳳 真由さんも加わり、歌とお芝居、自由奔放なトークがギュッと詰め込まれたおもちゃ箱のようなショーで、まるで天真みちるさんの人柄をそのまま表しているかのようでした。

さて、冒頭に挙げた宝塚大劇場公演、「元禄バロックロック」ですが、“忠臣蔵ファンタジー”のサブタイトルが表す通り、「忠臣蔵」をベースとしつつファンタジー色の強い娯楽作品に仕上がっていて、 “時を少し巻き戻すことが出来る時計”を発明した、柚香 光さん演じる元赤穂藩士の時計職人クロノスケが、天下掌握を目論むコウズノスケと、主君の無念を晴らすために執念を燃やすクラノスケの争いに巻き込まれる中、妖艶な魅力を放つ謎めいた少女キラと出会い、“時”に刻まれた真の物語を解き明かしていく……と、本来の「忠臣蔵」に流れる重く殺伐とした雰囲気とはガラリと変わった、キラキラしたポップな世界観で「赤穂事件」のパワレルワールドが展開していきます。

登場人物が身を包む衣装は、どれもビビッドな色使いでデザインもスタイリッシュ。「百花繚乱のバロック文化が形成された、花咲き乱れる国際都市エド」という舞台の設定からも、作品の雰囲気が伝わるでしょうか。
この物語の中で度々登場する、“不思議な時計の力で時を戻す” というギミックがまるでゲームの世界のようで、色んな場面で「この表現はゲームの中でも使えそうだな」などと想像を膨らませながら、最後まで観劇を楽しみました。宝塚歌劇におカタいイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、宝塚未体験の方はこんな作品から入ってみるのもいいんじゃないかと思います。

“時”といえば、同時に上演されたレビュー、「The Fascination(ザ ファシネイション)!」は、“花組誕生100周年 そして未来へ”というサブタイトルが添えられた、花組誕生100周年という節目を記念するショー作品です。花組の100年の歴史を振り返りながら、柚香 光さん、星風まどかちゃんの新トップコンビを中心とした花組オールスターが、これからの花組の未来を華やかに、そして堂々と紡ぎ上げる構成で、とても頼もしさを感じました。

中盤で歌われた「EXCITER!!」は、2009年に初演された同名の花組レビューの代表曲なのですが、僕は2010年に再演されて真飛 聖さん、蘭乃はなちゃんのトップコンビで歌われたのを初めて聴き、それが更に僕にとって初めての花組公演だったので、今でも強く思い出に残っており、天真みちるさんが扮するふくよかな女性が“チェンジボックス”と書かれた大きな箱に入って、芽吹幸奈さんがスイッチオンすると、月野姫花ちゃん扮するスッキリスリムな美女が出てくるという、笑っていいのかときめいていいのか困る名場面など、当時の記憶が走馬灯のように蘇って、こみ上げるものがありました。

余談ですが、「EXCITER!!」は2017年には「EXCITER!! 2017」として、明日海りおさん、仙名彩世さんのトップコンビで再々上演され、それもまた違った味わいが楽しめました。是非また2022バージョンも観てみたいと願う、僕のお気に入りのレビューです。

……というわけで、こうしてまとめてみると、たっぷり宝塚を楽しんだ一年でしたね。来年は、是非星組や雪組や月組の公演にも足を運びたいと思います……と書いたところで、一つ封印したはずの記憶の箱が開いてしまいました。そう、8月7日から上演された雪組公演、「『CITY HUNTER』 −盗まれたXYZ−」にまつわる悲しいエピソードです。

それは、「BitSummit THE 8th BIT」を数週間後に控えたある日のこと。この「BitSummit」は、日本最大級のインディーゲームイベントで、実は我々プラチナゲームズも、ここ何年も様々な形で参加しており、時に稲葉がトークショーに出演して「いつかゲームを持ってきて参加したい」と夢を語ったり、時に僕がトークショーに出演して突然「パシフィックリム2」のワルクチを垂れたり、時に物販ブースを構えてスタッフ総出でプラチナグッズを手売りしたりと、長期に渡ってこのイベントとは深く関わっているのですが、今年は、「ソルクレスタ」をアーケード筐体に仕込んでプレイアブル出典することが決まり、「いつかゲームを持って参加したい」という夢をようやく叶えることが出来る、プラチナ史に残るアニバーサリーイヤーということで、我々にも一層の気合いが入っていました。

更に僕は、初日に行われるステージイベント、「吉田修平のインディーズゲーム紹介」に出演させて頂けることになり、そこで「ソルクレスタ」を遺憾なく宣伝しようと、発奮して社内で着々と準備を進めていたのです。ところが……。

忘れもしない、そのステージイベントの打ち合わせを社内スタッフと行っていた時のことです。いつも当日か翌日の予定くらいしか見ない社用携帯のスケジュール帳を、話の合間にふと確認してみると……あろうことか、僕が「CITY HUNTER」のチケットを取っている9月2日の欄に、非情なプラチナ広報スタッフによって無造作にぶち込まれた、あってはならない「BitSummit」の文字が悠然と横たわってるではないですか。しかも、その9日2日は「BitSummit」の初日で、「吉田修平のインディーズゲーム紹介」のステージイベントが行われる、正にその日です。
「え、ちょっと待って……これ修ちゃんに頼んで予定ずらせない?」
広報スタッフによるあまりの仕打ちに錯乱し、品行方正、温厚ディレクターで通っているさすがの僕も、なに言ってるのかよく分からないことを口走る始末。そして、そんなことは不可能だという重い事実をようやく受け入れると、僕は深い絶望に打ちひしがれ、音もなくその場に崩れ落ちました。

この時ほど、顎をクイとやるだけで、ゲームイベントの一つや二つ簡単に動かせるような、業界のフィクサーになりたいと思ったことはありません。しかし、既にチーフゲームデザイナーとツイッターマスターという二足のわらじを履いている僕が、更に宝塚までも望むのは流石に強欲だと、ゲームの神様が罰をお与えになったのでしょうか。
ともあれ、仕事は仕事、趣味は趣味という、弱肉強食の非情な世界に生きていることを実感した、これからも決して忘れることはないであろう、あまりにも辛いエピソードでした。

もう既に質問が何だったのか見失っていますが、最後にもう一つ。ここまで長く続くコロナ禍に身を置いて、改めて思ったことがあります。

今から10年前、日本が東日本大震災に見舞われた時のこと。今でも思い出すと心が重くなる痛ましい出来事でしたが、当時まだ日本全国で震災の混乱が続く中、3月8日(火)から3月20日(日)までの間、大阪の梅田芸術劇場で、宙組公演「ヴァレンチノ」が上演されました。

この公演の千秋楽で、当時のトップスターの大空祐飛さんがお話された言葉を、僕はこの一年に何度も思い出しました。

「震災の惨状を見て、このまま舞台に立っていいのか、葛藤しない日は一日もありませんでした」
「でも、“こんな時だから笑顔をもらいにきました”、“久しぶりに劇場に来て、自分がどれだけ恐怖に凝り固まっていたのかに気付きました”という声に、改めて舞台に立つ意味を教えられました」
「“夢をお届けする”という言葉の本当の意味を、夢を見ることの大切さを、初めて知りました」

おおよそ、このような内容だったと思います。この時、僕もその場にいたのですが、客席の至るところからすすり泣く声が聞こえてきました。僕自身も、大空祐飛さんの言葉に、知らずのうちに涙ぐんでいました。そして、心が少し楽になったのを覚えています。

僕も、ゲームを作ることを生業としていて、衣食住や人の生命に関わるところから離れた仕事で暮らしを立てている者として、自分のやっていることは、必ずしも人間社会に必要だと言えるんだろうか? と、ぼんやりと考えることがありました。でも、「ベヨネッタ3」の新情報を公開して暫く経った頃、自分の気持ちに少し変化が生まれる出来事がありました。それは、YouTubeで偶然、「ベヨネッタ3 リアクション」という、「ベヨネッタ3」のPVを見た世界中のユーザーたちの反応を集めた動画を見たことです。

そこには、突然の4年ぶりの新情報に、驚き、興奮し、歓喜するユーザーたちの姿がありました。飛び上がって喜んだり、手で顔を覆って呆然としたり、感極まって涙ぐんだり。……その様子を見た時、本当にありがたいと思う気持ちと同時に、僕は大空祐飛さんの言葉と、それによって自分自身も癒やされた時の気持ちを思い出しました。
僕のやっていることは無駄ではなかったんだ、僕が宝塚歌劇を観て元気をもらっているように、僕たちのゲームで元気になってくれる人もいるんだと、ゲームデザイナーとしての自分の存在意義をようやく認めてもらえたような安心感を覚えたのです。

去年も申し上げたように、エンターテイメントは、人々に生きる活力を与えてくれる、人間が生み出した素晴らしい財産です。その偉大なる歩みを止めてはなりません。僕は来年も、目一杯宝塚を楽しんで、その応援をしたいと思います。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

「小豆島の漁師はまゆう」のはまゆうさん
「クーピーチャンネル」のクーピーさん

昨年ご紹介した「【素潜り漁師】マサル Masaru.」と「タイピー日記/taipi」に続いて、僕のお気に入りのYouTubeチャンネルがまた増えました。
前回もお話したように、僕のYouTubeでの好みの傾向は、「この人友達になりたいなぁと思えるような“ええ人”」というところにあるようで、今回のはまゆうさんもクーピーさんも例に漏れず、とても前向きで柔和な人柄の“ええ人”たちです。

「小豆島の漁師はまゆう」は、その名の通り、小豆島で漁師をされているはまゆうさんが、実際の漁の様子や、捕れた魚を調理して食べるところを撮影した動画を配信されているチャンネルで、登録者数は約46万人を誇ります。
「【素潜り漁師】マサル Masaru.」のマサルさんともよくコラボされていて、二人で無人島へキャンプに行って、現地調達した魚を食べながら酒宴を開いたりと、プラチナきっての超インドア派である僕の好奇心をグサグサと刺激してくれます。

そして何より魅力なのが、はまゆうさんからにじみ出る人柄の良さ。漁師は重労働でしょうし、不漁で辛い時もあると思うのですが、動画の中ではいつも前向きでニコニコされていて、その笑顔に心が癒やされます。時折はさむつまらない親父ギャグ(はまゆうさんはまだ20代だと思いますが)さえ愛おしく感じます。僕が女性だったらはまゆうさんみたいな旦那さんが欲しいです。……残念ながらはまゆうさんは既婚者ですが。

はまゆうさんが飼ってらっしゃるスタッフォードシャー・ブル・テリアの「まだら」ちゃんもカワイイので、皆さんも是非ご覧になって下さい。

「クーピーチャンネル」の方は、クーピーさんが軽キャンピングカーで旅に出掛け、簡単に作れる車中飯でお腹を満たし、キャンピングカーで車中泊をするという、男の冒険心をくすぐる動画を配信されているチャンネルで、登録者数は約27万人です。

誰しも子供の頃にキャンピングカーに憧れたことがあると思いますが、クーピーさんの乗る「インディ727」は、軽自動車のダイハツハイゼットをベースとした、“キャブコン”に分類されるキャンピングカーで、小さいながらも運転席の後ろに箱型の大きな居住スペースがあるのが特徴です。
軽自動車がベースですから小回りが利く上に、十分な広さの居住スペースの中にはテーブルやソファー、キッチンシンク(ギャレー)まで備えていて、“秘密基地感”溢れるポテンシャルが魅力の車両です。

僕は、この星でも五本の指に入るインドア派のボス格で、マジカルバナナで「キャンプと言えば“めんどくさい”」と即答出来るほどの逸材ですが、そんな僕でもキャンピングカーなら、煩わしいテント設営などもナシに就寝出来ますし、車種によっては電子レンジを搭載して旅先でいつでもコンビニ弁当にありつけたりと、この非の打ち所のない最高のインドアアイテムに心躍らないはずがありません。

クーピーさんは車中泊をより快適に楽しめる方法を日々研究されていて、車載アイテムや、新しいキャンピングカーの車両レビューなどもされていますので、キャンピングカーに興味のある方は必見のチャンネルだと思います。
クーピーさんが美味しそうな車中飯を調理して、車載冷蔵庫でキンキンに冷やしたビールをグイッとやるのを見ながら、汚部屋でぬるい缶ハイボールを独りチビチビやってると、得も言われぬ切なさが押し寄せてくるので、ぜひ皆さんにも僕と同じ気持ちを味わって頂きたいです。

言うまでもないですが、このクーピーさんも“ええ人”オーラを纏う選ばれし者の一人で、穏やかな語り口調と柔らかい声に、ハートをグッと掴まれること間違いなしです。僕が女性ならクーピーさんと結婚したいとさえ思うのですが、残念ながらクーピーさんも既婚者です。
ちなみにクーピーさんの奥さんのクピ子さんもたまに動画に登場するのですが、このクピ子さんも穏健でとても魅力的な女性で、こんなお嫁さん欲しかったなぁと思わずにはいられません。でも念のため、クピ子さんも既婚者です。

キャンピングカーと言えば、「うめののたび」も好きなチャンネルです。理由はうめのさんが天真爛漫でカワイイからです。

カワイイと言えば、最後にお気に入りのジェンヌさんたちの名前を挙げるのが常だったのですが、やはり日本は一夫多妻制ではないということもありますので、来年も真帆ネッタことマイワイフ橋本真帆たんを全力で応援するという決意表明をもちまして、結びの言葉に代えさせて頂きます。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

読んでませんが稲葉と同じです。

「ソルクレスタ」(PC / PS4 / Switch
SOL CRESTA (C)PlatinumGames Inc. / (C)HAMSTER Co.
MOON CRESTA / TERRA CRESTA (C)HAMSTER Co.
画像集 No.442のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意



プラチナゲームズ
ゲームデザイナー
齋藤健治

代表作:「BABYLON' S FALL」

画像集 No.436のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

今年の後半はバタバタと忙しくあまりゲームができていないので、前半部分にガッとやりこんだ「モンスターハンターライズ」

前作の「MONSTER HUNTER: WORLD」でも大きくゲームが変わったと感じ、新たなモンハン感を体験できたのに、ライズでは、さらに「翔虫」「ガルク」で新たなアクションを追加し、プレイのしやすさなども格段に良くなったのがすごく印象的でした。
モンハン無印からやっている自分としては少し寂しい部分もあったりしましたが、気にならなくなるくらい短期間の間に集中的にやりこんでいました。

拡張コンテンツの「サンブレイク」も楽しみにしています!

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

Disney+で配信されているマーベルのドラマシリーズがどれもクオリティが高く、なかでも「What If...?」の出来が頭一つ抜けている。

「What If...?」はマーベル映画の過去作品を基盤に「実際には起こらなかった“もしもの展開”が描かれる」というのが大枠の流れになっている作品です。

「3Dアニメで、“もしも”の展開のストーリーだし、あまり面白くないだろう」と思っていたのに、実際に観てみると映像のクオリティ、1話ごとのストーリーや設定、シリーズとしてのまとめ方が素晴らしくて、気付けば「次の話、はよぉみせろや!!」となっていました。
MCUについては今後の展開についてもとても楽しみ。
ヴェノムやデップーも合流してほしいと願っています。

それと去年から箱推しの「ホロライブ」
今年も相変わらず視聴し続けています。
あまり推しが変わっているわけではないですが、メインで見るメンバーがちょっと増えたのと、纏まった時間が取れないので切り抜きを見ることが増えてしまった。

メインで視聴しているのは、兎田ぺこら、大空スバル、桃鈴ねね、獅白ぼたん、大神ミオ。
好きなコラボは、スバちょこるなたん、ねぽらぼ。
作業中には、船長、わため、ころね、みこち、ラミィ……
個人的に注目しているのは、風真いろは。
イノナカのAZKiさんの歌にもハマる。

ホロライブじゃないけど
周防パトラ、おめがシスターズ
もずっと見ています。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

総合格闘家の矢地祐介
格闘技が好きで、数年前からちょこちょこ追いかけていた選手ではあります。
2年ほど前からYouTubeも始められていて、様々な流派の達人ともコラボして、いろいろな技術に触れたり、所属していたジムもやめフリーになり、自ら考え行動しながら自分のスタイルを新たに模索していたりと、ひとつのことに固執せず幅を広げ、自分の力に繋げていこうとしているのが注目している理由です。

ここ最近は少し負けが多かったですが、直近の2試合では連勝されている(2021年12月16日現在)ので、このまま勢いに乗って勝ち続けてほしい!
大みそかに「RIZINライト級タイトルマッチ」で、現RIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザ選手と戦うので応援しています!!

あとはやはり田浦貴久ですね。
僕はもう田浦先生の次回作を待ち望んでいるファンの一人になっています。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

「BABYLON' S FALL」の発売日が2022年3月3日に決定しました!!
クローズドβテストも何度も行い、たくさんの方にご参加いただきました。
参加された皆さん本当にありがとうございます!
長く開発しているタイトルではありますが、運営タイトルなので、発売してからも皆さんのご意見を頂いてより良いものに仕上げ、走り続けられるよう頑張っていきたいと思います。

「BABYLON' S FALL」(PC / PS5 / PS4
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Developed by PlatinumGames Inc.
画像集 No.437のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意



プラチナゲームズ
シニアゲームデザイナー
田浦貴久

代表作:「ASTRAL CHAIN」「NieR:Automata」

Twitterアカウント
画像集 No.438のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「ファイナルファンタジーXIV」(PS5版)
PS3、4版と(途中何度かの長いお休みを挟みつつ)プレイさせていただいていましたが、PS5版の快適さに感涙し、一つの完成形を目の当たりにしています。今年はほぼこれだけをして生きていた気がします。ちなみにずっとソロプレイです。それでも気が狂うほどに楽しいのだから凄い。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「Arcane」(ドラマ)
絵画を思わせる美しいグラフィックのタッチが素晴らしく、こういう絵のゲームが作りたいなと思わせられました。もちろん絵以外もとても良かったです。

「葬送のフリーレン」(漫画)
1巻の発売自体は去年ですが、今年に入ってから読み始め、ドハマりした漫画。のんびり楽しめる雰囲気が心地よくて好きです。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

一緒にゲームを作っているプロジェクトチームの人達です。
今、まさに試行錯誤の渦の中にいますが、チームの中心にいることで各々のセンスや努力を余すことなく感じ取ることができ、刺激を受け続けています。発表、発売できるその日まで、ガンバリマス。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

昨年の抱負で「PS5の抽選に当選する!」と記載させていただいた結果、2021年元日早々に購入することができたので、今年も何かしら欲しいものを手に入れる切っ掛けにさせていただこうと思います。
年末ジャンボ、当たりますように……ッ!

「ASTRAL CHAIN」(Switch
(C) 2019 Nintendo / PlatinumGames Inc.
Main Character Design (C)桂正和/集英社
画像集 No.439のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意



フランスパン
ディレクター / バトルプランナー / バトルプログラマー
芹沢鴨音

代表作:「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]」

画像集 No.359のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「月姫 -A piece of blue glass moon-」
「……10年間も 待たせやがって……」と心の中のメガネ君もいい顔になっておりますので、やはりこのタイトルでしょう。(以下ネタバレなし)
20年前、同人版「月姫」を初めてプレイしたときの衝撃は、それはもう凄まじいものがありました。一度こういった強めの体験をしてしまうと、以降はどうしても比較してしまうというか、以前ほど作品に感動したり感情移入できなかったりするもの。リメイク版の発表に対しても「月姫は昔プレイしたしなぁ」みたいな気持ちがどこかしらあったのも事実。
ですが、リメイク版「月姫」はとんでもなかった。プレイ初日、マジ半端ない衝撃と感情の揺さぶりで10:0を付けられてフルボッコにされました。もうちょっと手加減して?
よくある表現として「記憶を消してもう一度プレイしたい」みたいな気持ち。これが月姫に対してもあったのですが、ある意味でそれを越えるプレイ体験ができたというか。そこが、リメイク版で一番凄いなぁと感じたところです。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「無職転生 〜異世界行ったら本気だす」(アニメ、ライトノベル)
現在進行系でアニメがオンエアされていますが、めちゃくちゃ面白いです。長いことゆるいアニオタをやっているのですが、この作品は間違いなくお勧めできます。
私にとってアニメは癒しなので、バランスの良さからくる安定感を最も重要視しています。キャラデザやアニメーションの作画はもちろん、声優さんの演技であったり、シナリオや構成、劇伴の雰囲気であったりとか、そういった要素をレーダーチャート的に見て、どっしりとした安定感があると心が落ち着くんです。(ここまで一息)
無職転生に関しては、このバランスのがとても良いのはもちろん、全部が高水準なんですよね。丁寧にしっかりと、時間をかけて丹精込めて作っている感じがします。お勧めです。

「NEW GAME!」(アニメ、コミック)
原作コミックが、ついに完結しました。
素敵なイラストと、心にくるストーリー。最後まで本当に楽しませていただきました。
8年間にも及ぶ長期連載、本当にお疲れさまでした。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

プロゲーマーの深空さんです。さんとか付けるの初めてで自分でも笑った。
彼とは元々同人格ゲーのオフ会とかで知り合った仲なのですが、いろんな格ゲーで遊びつつ、闘劇のパートナーとしてメルブラを一緒に走ったり、かつては騎空士の団長として頼りにしていたりと、20年以上の付き合いがあります。
なんですが、いつの間にかプロゲーマー的な存在になっていて驚きました。相変わらず楽しそうにゲームをプレイするので、今後の活躍も期待しております。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

2021年は、ついにメルブラの新作である「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」をリリースすることができました。
2022年も皆様からのご期待にお応えできるよう、より一層努力していきたいと思います。抱負はエンジョイです。

「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」(PC / PS4 / Xbox One / Switch
(C)TYPE-MOON / Project LUMINA
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「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]」(PC / PS4 / Switch / AC
(C)FRENCH-BREAD/ARC SYSTEM WORKS
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Bokeh Game Studio
取締役社長 / プロデューサー
佐藤一信

代表作:SIRENシリーズ,「パペッティア」「人喰いの大鷲トリコ」

Twitterアカウント
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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「真・女神転生V」
女神転生シリーズに初めて触れたのはファミコン版「デジタル・デビル物語 女神転生」でした。友人宅で初めてプレイしたのですが、夕暮れの薄暗い市営住宅だったのも相まって、悪魔合体など怪しげな儀式をしているような感覚が印象的でした。それから数十年経ってもコンセプトは色褪せず現代のプレイヤーにも受け入れられるよう進化を続けているのは素晴らしいです。これからも独特なハードRPGを期待しております!

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「浅草キッド」
Netflixにて12月9日に公開された劇団ひとり監督の浅草キッドが印象的でした。
原作を読了済でも、独特な演出や鬼気迫る映像に仕上げられているので十二分に楽しめました。また出演者の演技も素晴らしく引き込まれました。
大泉 洋さんの粋さや柳楽優弥さんの放つ緊張感は素晴らしかったです。
全裸監督シリーズもですが、Netflixで展開されるオリジナル作品には今後も注目しております。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

「JUNK HEAD」の堀 貴秀監督に注目しております。
コロナ禍だったこともあり、公開当初は見れずにいたのですが、先日目黒シネマで再上映すると知りギリギリで鑑賞し、見事に圧倒されました……。
長い制作期間やお一人で制作された事などが話題になっておりますが、私はエンターテインメント作品として非常に高水準である事に驚きました。
グロテスクでありながらも可愛らしさも併せ持つ、おバカなキャラクター達は本当に魅力的です。全3部作という事で2作目も大変楽しみにしております!

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

先日12月10日に行われた「The Game Awards 2021」で、スタジオ初作品「野狗子: Slitterhead」のトレーラーを公開させて頂きました。全世界のゲームファンの方から沢山の反響を頂きスタッフ一同、士気も上がり引き締まっております!ゲーム内容をお伝えさせて頂くのは、まだ先になってしまうのですが、弊社SNSやYouTubeで情報発信していきたいと考えておりますので、ご注目下さいませ!

株式会社ボーカゲームスタジオ(Bokeh Game Studio lnc.)
HP
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「野狗子: Slitterhead」
(C)2021 Bokeh Game Studio Inc.
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Bokeh Game Studio
代表 / クリエイター
外山圭一郎

代表作:「SILENT HILL」,SIRENシリーズ,GRAVITY DAZEシリーズ

Twitterアカウント
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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「Puzzling Places」
元々ジグソーパズル(アプリですが)好きなので、必然的個人的キラータイトルです。VRが好きで、Oculus Quest 2も発売以来様々なゲームを楽しんできましたが、アクション系はどうしてもPC用VRだったらもっと凄い臨場感なんだろうな……という思いが拭えないもののマーケットの問題から数は減る一方。そんな状況下で、リズムゲーと並ぶ、「こういうのでいいんだよVR」という感じです。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「ハコヅメ」
コミックの方です。近所のGEOでドラマ化コーナーに並んでいたので手に取って、リアリズムの隙間を付いてくるギャグがかなりツボで好きだなーとか、割と普通にそう思ってたのですが、あれこれ違和感のように感じていた伏線が一気に昇華する12巻のカタルシス。意外性に唸りました。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

藤本タツキ先生
もはや息子とかの世代に入っている若手からの発信は気になるところですが、「ファイアパンチ」で久しぶりに規格外の鮮烈な才能を見せつけ、「チェンソーマン」「ルックバック」と、大衆性を取り込みながら先鋭的であり続ける姿に打ちのめされる思いでした。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

独立にまつわる喧騒も落ち着き、夏には目黒に拠点を構え、いよいよ制作に集中する体制が整いました。コロナ情勢は変われど基本スタイルはテレワーク中心ですが、拠点には月に一度集まってのレビュー会からの打ち上げ飲み会といった試行錯誤で、トラブルは絶えないですが楽しい日々です。今後もよりオープンな場に出来たらと思案しています。直近では、スタジオの初回作品となる「野狗子: Slitterhead」のトレーラーを公開しました。まだまだゲームの詳細は明かせませんし、発売まで相応にお時間いただきますが、短い映像の中からもあれこれと想像していただけると幸いです。是非ご期待ください!

画像集 No.369のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
「野狗子: Slitterhead」
(C)2021 Bokeh Game Studio Inc.
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White Owls
ディレクター / ゲームデザイナー / シナリオライター / 小説家
SWERY(末弘秀孝)代表作:「Deadly Premonition」「The Good Life」「The MISSING -J.J.マクフィールドと追憶島-」「ディア・アンビバレンス: 口髭と〈魔女〉と吊られた遺体」ほか多数


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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「Superliminal」
錯視や遠近法を使ったゲームはこれまでも存在していましたが(無限回廊、Monument Valleyなど)、遠近法にとことんこだわった作りや、物理挙動などが感覚的にとても新鮮でした。また、パズルを失敗してチェックポイントに戻される仕様でも流行のデスループもののテイストをうまく組み込んでいたり、ホラーっぽい仕掛けがあったりと演出面でも色々と楽しませてもらいました。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「Sweet Home −俺と世界の絶望−」(Netflix)
韓国ドラマですが、まるで日本の漫画のような設定をうまく映像化しており、なぜこれが日本からは出てこないんだ? と歯噛みするくらいに面白かったです。
アクション性、ホラー、人間ドラマ、すべてが上手く絡み合っているエンタメでした。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

ウェス・アンダーソン(映画監督)
日本ではまだ未公開ですが、新作「フレンチ・ディスパッチ」のキャスト発表時からずっと楽しみにしています。ポスターもすごく色使いが綺麗で、いかにもウェス・アンダーソンらしい可愛らしさと個性が詰まっていてワクワクが止まりません。
まだ、日本公開は未定のようですが次回作「Asteroid City」も楽しみです。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

2021年はクラウドファンディングで立ち上がったプロジェクトの「The Good Life」がようやく発売となり、また、数年間書き続けていた小説「ディア・アンビバレンス: 口髭と〈魔女〉と吊られた遺体」も無事に発売することができました。
来年は、White Owlsを立ち上げてから5周年の節目です。
ゲームファンの皆様に、「おおお!」と驚いていただけるような発表ができるよう頑張ります!
引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。
I Love You All!!

「The Good Life」(PC / PS4 / Xbox One / Switch
(C)2021 White Owls Inc. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
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マーベラス
第4スタジオ スタジオ長
石田健博

代表作:「幕末Rock」 プロデューサー,「千銃士:Rhodoknight」プロダクトマネージャー

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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「ウマ娘 プリティーダービー」です。
久しぶりに競馬ブームが到来し、一つのヒット作が社会に影響を与えた素晴らしい事例だと思います。
自分自身、オグリキャップなどが活躍した第二次競馬ブーム時には、毎週末競馬場に通い、大井競馬場の食堂でアルバイトするくらい、どっぷりハマっていました。やがて熱はおさまり、ここ数年は競馬から離れていましたが、久しぶりにWINSに足を運ぶくらいには興味関心が戻りました。
これだけ社会に影響を与えるタイトルを開発した皆様には尊敬の念を覚えます。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」です。
映画を観た人それぞれにいろんな感情があると思います。
自分にとっては、ただただ「本当に良かった」これだけです。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

2021年はスポーツ界での日本人選手の活躍が凄まじかったと思います。
大坂なおみ選手の全豪オープン優勝、松山英樹選手のマスターズ優勝、大谷翔平選手のア・リーグMVP、そしてオリンピックではたくさんの選手が活躍し、スポーツが熱い1年でした。その中でも、国枝慎吾選手のパラリンピック金メダルはグッとくるものがありました。国枝選手は自分が障害者スポーツの存在を知ったきっかけの選手であり、その前向きな姿勢や思考に共感し、それ以来ずっと応援しています。リオ五輪で銅だった時は、失礼ながら時代の終焉を感じてしまいました。しかし、東京五輪では見事に金に輝き感動をもらいました。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

2021年は「千銃士:Rhodoknight」をリリースいたしました。
スタッフ一同、時に【高貴】に時に【非道】に開発してきました。
2022年も引き続き応援よろしくお願いいたします。

「千銃士:Rhodoknight」(iOS / Android
(C)Marvelous Inc.
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マーベラス
Marvelous Global Games Studio スタジオ長
佃 健一郎

代表作:「DAEMON X MACHINA」

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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

自分は批評家ではありませんので、他社様が作った物に対して、どんな物でも関わっている人がいて、その苦労も嬉しさも共感できますので、同業種の物に関しましては差し控えさせていただきます。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

伊坂幸太郎先生の「マリアビートル」の映画公開が発表されていますが、これは楽しみです!!
でも、日本人で実写化して欲しかったなあ……。締めの二人を笹野高史さんと、樹木希林さんで観たかった……。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

徳弘正也先生
現在、もっこリ半兵衛という漫画を書かれておりますが、ご苦労されている点も書かれており、素晴らしい漫画家の方なので、是非作品に触れたことの無い年齢の方も、是非、徳弘正也先生の作品を読んで頂ければと思っております!!!

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

抱負等、他社様と同じになってしまいますので、ちょっと変わった趣向を。

アニメ化すると、人気爆発すると固く信じている漫画三選(あいうえお順)

・アヤシモン
・宇宙検閲官
・超人X

しっかりハリウッド映画化すると、人気爆発すると固く信じている漫画三選(あいうえお順)

・神の獣
・ジョジョの奇妙な冒険、第一部、第二部
・スモーキング・サベージ

Netflixで実写ドラマ化(海外)すると、人気爆発すると固く信じている漫画三選(あいうえお順)

・ジャガーン
・バイオメガ
・ベルセルク

次回作は現在制作中です。また、スタジオ長でもありますのでスタッフが作っている物も見ているわけですが、彼らが挑戦しているタイトルが、2022年以降いろいろと発表、発売されていきますので、苦労はしますが、楽しみな新年です。

「DAEMON X MACHINA」(PC / Switch
(C)2018 Marvelous Inc.
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ミストウォーカー
代表
坂口博信

代表作:「FANTASIAN」

Twitterアカウント
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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「ファイナルファンタジーXIV」
ファイナルファンタジーのテーマパークです。どっぷり浸かっています。「最後の幻想」は仮想世界で「最高の実在」となりました。制作スタッフに感謝です。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「FOUNDATION」(AppleTV+)
アイザック・アシモフの同名の小説シリーズを原作としたドラマシリーズ。数学をベースとした心理歴史学というのが新鮮かつ面白い。次シーズンが待ちきれない。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

松野泰己
シナリオを執筆中らしいが、それがどんな作品になるのか楽しみ。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

「FANTASIAN」が一段落し、2022年は休暇の年となる予定。
なので、FF14にどっぷり浸かれるはず。たぶん…… もしかしたらであるが……w
最近は「クロノ・トリガー」の衣装になったりして楽しんでいる。

画像集 No.377のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意

「FANTASIAN」(iOS
(C)MISTWALKER
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Rabbit&Bear Studios
代表
村山吉隆

代表作:「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」「アライアンス・アライブ」

Twitterアカウント
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<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「Medieval Dynasty」
3D世界の中でサバイバルをして、建物を建てられるだけではなく
そこに新たな住人を住まわせ役割を与えて生活のための生産体制を作ることができる。
村人たちが畑を耕し、種を撒いて夜にはたき火の側に集まっているのを見るのが好き。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

「コブラ会」シーズン3
1984年に作られたベスト・キッドという映画の34年後を描いたドラマシリーズ。
ベスト・キッドは好きな映画だったが、それがまたこんな形で戻ってくるとは思わなかった。
ドラマ自体も出来が良いが、昔の映画との対比や、いろんな要素でくすぐってくるのが楽しい。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

都市ボーイズ
都市伝説、オカルト系を扱うユニット。
この手の話が好きなのだが、ビリーバーになりすぎず、しかしそんな話があったら良いなというアプローチが好き。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

現在開発中の「百英雄伝」を、JRPGとして満足度の高い作品に仕上げるよう日々、奮戦中。スタッフと話し合いながら、ユーザーへのあんな仕掛け、こんな仕掛けを考え想像するのが楽しい日々です。

「百英雄伝」(PC / PS5 / Xbox X / PS4 / Xbox One
2020 Copyright(C)Rabbit&Bear Studios Inc. All Rights Reserved.
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Rejet
取締役副社長,イラストレーター,イラストレーション統括,アートディレクター)
前田浩孝

代表作:Vitaminシリーズ,影牢シリーズ,「Fate/Grand Order」「プレカトゥスの天秤」など

画像集 No.160のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

今年もコール オブ デューティシリーズのマルチ対戦ばかりしていました。
シリーズを遊び始めてから15年、楽しみつつも反応速度や疲れ方で日々の自分の体調確認をしています。

<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

ジャンプ+の無料作品です。クオリティの高さや作品の多様性に毎日驚かされ続けました。
衝撃を受けた作品はたくさんあるのですが、恋愛モノに関わっている職業柄、「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は毎週衝撃もらっています。 私自身、漫画を仕事にできた時があったのですが、どうやったら毎週この作品が作れるのか全くわかりません。毎回どんなネタが来るのか楽しみにしています。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

ヘンリー・ディヴィッド・ソロー
コロナ禍で家に籠もる中で読書数が増えましたが、久々に本と向き合っていると感じたので。
趣味のハイキングができない中で、自然に関する本を探していてみつけた、「森の生活」。
180年前に思想家でもある筆者が2年間自給自足生活したときの回想録です。
内容に難しい部分があり、まだ理解しきれない部分も多々ありますが、解説や、わかりやすく編集された本や漫画もあるので合わせてゆっくり読んでいます。
共感できることできないことを「なるほどねぇ……」と読みつつ、まだ自分には分からないと感じることを調べたり想像することが楽しく、生活に変化を与えてくれました。
コロナ禍が明けて、テント泊しながら読むのを楽しみにしています。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

来年も色々なイラストを世の中に出していければと思います。
ファビュラスナイトもよろしくお願いいたします!



Rayark
CEO / Executive Producer
游名揚 / Yu, Ming-Yang / ユウ・ミンヤン

代表作:「Cytus」「DEEMO」「インプロージョン」「VOEZ」「Cytus II」「Sdorica」「ソウル・オブ・エデン」「DEEMO II」

画像集 No.025のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意
<質問1>2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトル

「Axie Infinity」というNFT(非代替性トークン)ゲームです。カジュアルなゲーム性ですが、「play to earn(ゲームをしてお金を稼ぐ)」という概念をマス市場にもたらした、という点で指標となる作品だと思います。私も非代替性トークンの技術が将来的に様々なゲームに取り入れられることになると確信しています。
<質問2>2021年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品

アニメシリーズの「Arcane」です。この作品はヴィジュアル表現が極めて美しく、まるで1カット1カットが絵画のようで、コンセプトアートがそのままアニメーションになったような印象を受けました。人物の動きや表情、シーンなどあらゆるものが細部に至るまで細かく描写されていて、これが次世代のアニメーションなんだと実感しました。この作品は音楽やストーリーも素晴らしく、間違いなく私が今年最も衝撃を受けた作品と言えるでしょう。

<質問3>2021年に、個人的に注目した(している)人物

イーロン・マスクさんです。彼はすでに世界的に有名な人物ですが、今年非常に積極的に仮想通貨に関する話題をとりあげ、公開の場で仮想通貨市場に影響を及ぼすような様々な発言をしました。私自身も仮想通貨市場の動向に注視しているので、彼のニュースには非常に注目しています。

<質問4>2022年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。

「DEEMO II」が2022年の初頭にリリースされます。この作品はRayarkが心血を注いで開発した弊社の10周年記念タイトルとなりますので、プレイヤーの皆様にも是非喜んでいただけたらと思います。

「DEEMO II」(iOS / Android
(C) 2021 Rayark Inc. All Rights Reserved.
画像集 No.026のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意 画像集 No.027のサムネイル画像 / 年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意

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