イベント
VRイベント「バーチャルマーケット5」が本日開幕! モデルの販売などで多数のゲーム企業も参加する,新たなイベントの形を体験してきた
また,個人サークルだけでなく企業も多数出展しており,今年(2020年)の春に開催された「バーチャルマーケット4」では,ソフトバンクやセブン&アイ・ホールディングスなど,誰もが知っているような有名企業も参加していた。
そして本日(12月19日)11時から2021年1月10日まで,第5回となる「バーチャルマーケット5」が開催される。今回の参加企業にはスクウェア・エニックスやアークシステムワークスなど,4Gamerではおなじみのゲーム会社も名を連ねており,読者の中には興味を持つ人もいるだろう。
今回,4Gamerは「バーチャルマーケット5」を先行体験する機会を得た。現実の世界では絶対に体験できない,まさに“時代の先端”を感じられるイベントの様子をお伝えしよう。
※記事内で使用している画像は,開催前に撮影された開発中のものです。実際の会場とは異なる部分があります。
「バーチャルマーケット5」公式サイト
バーチャル空間に用意された個性豊かな会場
さて,まずはVRChatについて簡単に説明しておこう。前述の通り,Steamにて無料プレイ可能なゲームで,バーチャル空間でアバターを介したボイスチャットを楽しめる。タイトルにVRとある通り,VR機器を使用したプレイが売りとなるが,デスクトップでもプレイ可能だ(視点と操作はFPSゲームのようになる)。
基本的に,VRChatでは「ワールド」と呼ばれる空間に入る機能しかない。ワールドには,ただ風景が広がるものからゲームで遊べるものまでさまざまな場所があり,そこに集まった人たちで会話やゲームを楽しむというのが,本作の遊び方だ。
バーチャルマーケットは,このワールドを展示会場として作成している。ユーザーはVRChatからそのワールドに訪れることで,イベントを楽しめるというわけだ。
会場は,企業向けのワールドと,6種類のコンセプトからなる個人サークル向けのワールドが用意されており,その総数は41にもなるという。本稿ではそのうち,企業ブースが展示されたワールド「World Beyond DAY」「World Beyond EVENING」「World Beyond NIGHT」を中心に紹介する。
「ビビッドアーミー」のミニゲームや「GUILTY GEAR」の対戦再現など,遊びも豊富な「World Beyond EVENING」
まず訪れたのは,ファンタジックな夕暮れの都市「World Beyond EVENING」だ。3つの企業ワールドの中でもゲーム関係の企業が多数展示されているという。入口をくぐるとまず,DMM GAMESでサービス中のブラウザゲーム「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」のブースが出迎えてくれた。
このブースでは中央のゲートから汽車に乗り込んで,ワールド内をぐるっと一周することができる。車内では,車窓からの景色を楽しむだけでなく,ゲームのキャラクター「パディントン」に話しかけたり「カジノルーレット」に挑戦したりと,見どころが多い。ちなみに,ルーレットに挑戦するとゲーム内で使用できるシリアルコードがもらえるそうだ。
いくつかのブースを見ながら進んで行くと,同じくDMM GAMESで配信中の「マジカミ」のブースが現れた。マジカミでは,ゲームに登場するキャラクターをモデルにしたアバターが販売される予定で,その数はなんと12体にもなるという。
ブースでは「遊部いろは」「東山陽彩」「槍水りり」などのアバターが実際に展示されているほか,その他の販売アバターも試着できるようになっている。
さらに奥へ進むと,G123でサービス中のHTML5ゲーム「ビビッドアーミー」のブースが登場した。ここではビビッドアーミーに登場する戦車や戦闘機を標的に,シューティングゲームを楽しめる。スコアアタック要素も盛り込まれており,ゲーマーとしてはハイスコアを狙わざるを得ないだろう。
ゲームの横には,その場でゲームを始めるともらえる「アリア」の青いヘルメットの3Dモデルや,無料で読める立ち読み漫画,ゲーム内の戦車の移動を再現したギミックなどが展示されていた。ゲームが遊べるブースは珍しいので,そちらに目が行きがちだが,展示品にもちゃんと目を通しておこう。
ビビッドアーミーブースの向かいは,「BLAZBLUE」シリーズや「GUILTY GEAR」シリーズなどで知られるアークシステムワークスのブースだ。ここではアバターとして販売される予定の,GUILTY GEARのキャラクター「蔵土縁紗夢」「梅喧」「ディズィー」「エルフェルト=ヴァレンタイン」が展示されている。
また,ブースの奥にはGUILTY GEARの対戦ステージを再現したコーナーもあり,手前のスイッチやオブジェクトを配置することで,さまざまな戦闘シーンを再現して遊べるようになっていた。販売アバターを使用して,実際の戦闘を再現してみるのも面白いだろう。
ディズニーにゴジラ,人気キャラクターたちも参加する「World Beyond DAY」「World Beyond NIGHT」
続いて日本の夜景をイメージしたワールド「World Beyond NIGHT」へ。ここでは,スクウェア・エニックスがBeamsブースに「NieR:Automata」のコラボ出展をしている。スクウェア・エニックスは,前回「バーチャルマーケット4」にも出展しており,「2B」「9S」「エミールショップ」のゲーム内モデルをアバターとして販売するという珍しい試みで多くの人の興味を引いた。
今回は,前回販売したモデルの再販に加え「A2」のモデルが販売されるそうだ。主にアバターとしての使用が想定されているが,フィギュアとはまた違う,新たなファングッズの形として購入するのも一興だろう。
このほかには,新キャラクター「ヒラナ」と「アト」のモデルを展示する「WIXOSS」のブースや,「ドールズフロントライン」とのコラボとして,鉄血ユニット「DINERGATE(ダイナーゲート)」のモデルを展示している東京マルイのブースもこちらのワールドで見ることができる。
「World Beyond EVENING」ほどではないが,こちらにも多数のゲームタイトルが出展しており,ゲーマーとしてなかなか見どころのあるワールドになっていた。
最後は「World Beyond DAY」だ。こちらは取材時にはまだ作成中の部分も多く,ブースはそれほど設置されていなかった。しかし「World Beyond EVENING」「World Beyond NIGHT」とうってかわって,明るい印象の本ワールドは“写真映え”を意識しているそうで,街並みの作り込みはとても凝っている印象を受けた。
なお,こちらのワールドには,リリース発表時に多くの人が驚いたであろう「ディズニーストア」のブースが展示されている。スマホアプリの「ディズニー ツイステッドワンダーランド」や「マーベル」に関するエリアも用意されるとのこと。
いつでも,どこからでも楽しめるバーチャルならではのイベント
ここまでゲーム関係の企業ブースをメインに紹介してきたが,本イベントにはまだまだ見どころがたっぷりある。ゲーム関係以外の企業ブースはもちろん,個人サークルのブースがメインとなる会場では,個性豊かなアバターモデルや,アクセサリー等の3Dモデルが数え切れないほど展示されている。もちろん,そのほとんどがオンラインですぐに購入できるものだ。
VRChatプレイヤーでない人は,アバターなどにはあまり興味がないかもしれないが,会場やブースの作り込みは,企業ワールドに負けず劣らずの出来となっている。現実のイベントと違い,PCさえあれば深夜だろうと早朝だろうと,いつでも参加可能なのがバーチャルマーケットの特徴だ。ぜひ一般サークルのワールドも訪れてみることをおすすめする。
また,これまで開催されたバーチャルマーケット1から4までの会場は,バーチャルマーケット5と同じ手順でワールドを検索することで,(一部見られないコンテンツはあるものの)ほとんどが当時の状態で見ることが可能だ。
イベントが終わっても当時の様子をいつでも見られる。これもバーチャルイベントならではのメリットだろう。今回のイベントをきっかけにバーチャルマーケットに興味を持った人は,これまでのイベントの変遷を見てみるのも面白いかもしれない。
バーチャルマーケット5は,本日から2021年1月10日までの開催だ。とくに今回は「NieR:Automata」や「GUILTY GEAR」「ファンタシースターオンライン2」など,ゲームタイトルの出展も多い。取材時には見られなかったが,「魔界戦記ディスガイア」から「エトナ」や「プリニー」のモデルも販売されるそうだ。これはゲーマーとして見逃せない人も少なからずいるだろう。
今年は外出がしづらかったが,家に引きこもりがちな年末年始の楽しみのひとつとして,まさに“時代の先端”を感じられるイベントをぜひ楽しんでみてほしい。
「バーチャルマーケット5」公式サイト
- この記事のURL:
キーワード