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インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく
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印刷2020/07/11 12:00

インタビュー

インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で,E3,gamescomなどのイベントが中止になる中,世界中でさまざまなオンラインによる代替イベントが開催されている。大規模なゲームショウだけでなく,インディーゲーム関係のイベントも中止を余儀なくされており,国内ではBitSummitがオンラインイベントとして実施されたことも記憶に新しい。

画像(001)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

 そんな中,2020年6月6日にインディーゲームの情報番組「INDIE Live Expo 2020」が開催された。「日本国内から世界へインディーゲームの情報を発信する」というコンセプトのもと,日本語,英語,中国語の3言語で配信された本配信は,新たに立ち上がったばかりの番組ながら,全世界で730万を超える視聴を達成。11月7日には第2回放送となる「INDIE Live Expo II」が行われることも発表された。

 今回4Gamerでは,「INDIE Live Expo」の仕掛け人であるリュウズオフィス代表の小沼竜太氏にインタビューを実施。第1回放送を終えての振り返りや,第2回に向けての課題・展望などを語ってもらった。



リュウズオフィス公式サイト

INDIE Live Expo公式サイト



INDIE Live Expoはコロナ禍と「日本から世界にゲームの情報を伝えたい!」という思いから生まれた


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,リュウズオフィスがどのような会社なのかを簡単に紹介していただけますか。

小沼竜太
画像(017)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく
リュウズオフィス代表 小沼竜太氏(以下,小沼氏):
 リュウズオフィスは2008年に立ち上げた当初から,ゲームメーカーのマーケティングや宣伝をお手伝いしてきました。代表的なところですと,アトラスのペルソナシリーズ,TYPE-MOONの「Fate/Grand Order」のプロモーションなどですね。
 もともとは私が個人でやっていた事業を法人化したものでしたが,ペルソナシリーズに携わったあたりから急激に仕事が増えて,徐々に社員を増やしながら現在は30名ほどに至っています。

4Gamer:
 お話を聞く限り,インディーゲームがメイン分野の会社というわけではなさそうですね。それがなぜ,インディーゲームのオンラインイベントを立ち上げることになったのでしょうか。

小沼氏:
 きっかけは2018年,ロサンゼルスでThe Game Awardsを見学したことです。「インターネット上で注目を集めるゲーム番組がアメリカにあるのに,なぜ日本にはないんだろう?」と思ったんです。
 ゲームの情報発信の場も日本ではなく,海外が中心となっています。この現状に対して,日本のゲームをプレイして育ち,それを仕事にしている日本人として,悔しさを感じて「いつかは日本から世界にゲームの情報を発信する番組をやりたい!」と思うようになりました。

画像(005)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

4Gamer:
 てっきりコロナ禍がきっかけかと思っていたのですが,そこではないんですね。

小沼氏:
 もう1つのきっかけがそれです。今年,海外とのつながりを作るべく,REBOOT Developやgamescomへ関わる方向で調整をしていたんですが,新型コロナウイルスの影響ですべてのリアルイベントが中止になってしまいました。
 そんなとき,毎週打ち合わせをしていたワイソーシリアスの斉藤大地さんから,「インディーゲームのための情報番組を立ち上げないか」という話を3月の半ばごろに持ちかけられたんです。斉藤さんとしては,これからインディーゲームのイベントも苦しくなるだろうし,情報発信の場は需要があるだろうと考えていたんですね。私も「日本から世界へ情報を発信する番組作り」の第一歩として,これは良い機会なのではないかと思いました。

4Gamer:
 本格的にINDIE Live Expoの企画が始まったのはいつ頃でしたか。

小沼氏:
 3月半ばに話を持ち掛けられ,3月末に本格始動したという感じです。

4Gamer:
 放送は6月6日でしたから,準備期間は2か月強だったということですか。この規模の番組としては十分だったのでしょうか。

小沼氏:
 一般的には,宣伝のための生番組を作るのに必要とされる準備期間は,2か月くらいだと考えています。ただ,これは小規模な番組を作る際の話ですので,今回はかなり無茶なことは把握していました。実際,当初は5月開催に向けて進めていましたが,6月6日に延期しています。

リュウズオフィス公式サイトに掲載されているゲーム系生放送の制作実績。アトラス関係のものを中心にさまざまな番組に携わっている
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4Gamer:
 会場を押さえているわけではないので,スケジュールに多少融通が利くというのは,オンラインイベントならではと言えそうですね。

小沼氏:
 そうですね。あとは打ち合わせがオンラインに切り替わったことで,普段よりも話を早く進められました。「1社あたりの打ち合わせが1時間として,1日10社くらいはいける」といった感じで(笑)。

4Gamer:
 1日10社ですか(笑)。直接会って話ができない分,マイナスに働く面が大きいのかと思っていました。

小沼氏:
 海外の会社とのミーティングもありましたが,最初のうちは「Zoomでお金のやり取りや情報の取り扱いに関する約束ができるのか」という懸念はありました。
 ただ,実際にやってみると,ちゃんとコミュニケーションが取れることが分かってきました。オンラインの打ち合わせでも,しっかりと信頼関係が築けるという確信が持てましたね。

4Gamer:
 インディーゲームを仕事として扱うのは今回が初ということですが,最初はどのようにして声をかけたのでしょうか。

小沼氏:
 斉藤さん経由で声を掛けられるところから掛けていこうということで,PLAYISMの名前が挙がったのと,精神的支柱になるような存在として,ZUNさんとToby Foxさんには何らかの形で出演していただきたいというのは,最初から思っていました。
 なのでまず,PLAYISMさんを起点に世界中のデベロッパに声をかけてもらった形です。

画像(004)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

4Gamer:
 最初にZUNさんとTobyさんの出演を考えるというのは,マーケティングや宣伝を手がけてきた方らしい発想だと思いました。番組のメインターゲットとしては,どの層を狙っていたのでしょうか。

小沼氏:
 もちろん,メインターゲットは「インディーゲームが好きな人」です。そのうえで,オンラインイベントはリアルイベントより参加のハードルが低いので,「ゲームが好きな人はすべてターゲット」という考えもありました。
 あと,中には,それをインディーゲームとして特別に意識していない人がいると思います。こうした人にも興味を持ってもらえるような立て付けを目指しました。

4Gamer:
 視聴数の目標として100万再生を掲げていましたが,これはどのようにして算出した数字でしょうか。

小沼氏:
 弊社は年間40〜50本の生放送を手がけているので,どの程度の規模なら最低どれくらいの数字になるだろうという経験則を持っています。ここ最近私が担当していた番組は,200万以上の視聴数という数字が続いていましたが,いずれもが強力なIPのタイトルを扱ったものでした。
 INDIE Live Expoはそういったものではないので,まず国内の視聴数はその1/3程度だろうという予想を立てましたが,今回はそこに英語,中国語での放送が加わり,複数のプラットフォームでの配信を予定していたので,100万は少なくともいけるという見立ててで算出しました。裏を返せばこれを下回るならやる意味がない。宣伝の手段になり得る最低限の数字だと思っていました。

4Gamer:
 おっしゃる通り,今回は英語だけでなく,中国語の配信も行われました。中国語専用のMCを用意して,同時放送をするというのは珍しい試みですよね。

小沼氏:
 インディーゲームの重要なプラットフォームの1つ,Steamの公式レポートによると,ゲームの使用言語の中で簡体字のシェアが非常に多く,一時期は英語を超えるほどだったというデータがあります。英語と中国語で全体の6割〜7割程度を占めるそうですから,中国語を外すことはあり得ないという考えでした。

英語配信(左)と中国語配信(右)の様子。MCが日本語の配信を見ながら同時通訳を行う形で進行した
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4Gamer:
 「日本発のインディーゲーム番組」という触れ込みに,中国語圏の人が興味を持ってくれるという見通しはありましたか。

小沼氏:
 日本から発信された情報に対して,たとえそれが日本語で配信されたものだったとしても,中国のユーザーはしっかりと反応してくれるということは過去に行った生放送の経験から知っていました。
 また,パブリッシャの方にヒアリングを行ったところ,「中国でウケる/ウケないというのは,極めて重要である」という発言が多々ありました。弊社にも中国人のスタッフがいますが,実際に中国のユーザーがどのようにゲームを遊んでいるのかというのは聞いていましたね。

4Gamer:
 結果的に第1回は730万再生(公式発表。全プラットフォーム,全言語の合計)という視聴数を達成したわけですが,目標を大きく上回ることになった要因は何だと思われますか。

小沼氏:
 1つは予想以上に応募タイトル数が多くなったため,関わる人が多くなり,応援してくれる人が増えたことだと思います。また,第1回の開催に合わせてプレスリリースを発信したところ,世界中で取り上げていただき,ポジティブな捉え方をされたということも要因だと思います。
 国内では同時期にAmazonが「Nintendo Switch インディーゲームセール」というキャンペーンを行っていたんですが,担当者から「Amazon ストアページで番組を流したい」という問い合わせをいただきました。そうやって大きく取り上げていただいたことも,視聴数を大きく伸ばした要因です。

4Gamer:
 海外の視聴数は全体のどれくらいを占めたのでしょうか。

小沼氏:
 全体の割合は日本語が59.35%,英語が9.99%,中国語30.66%でした。これは放送前の予想に近い数字でしたが,全体の母数は私達の予想を大きく上回っています。
 とくに中国向けの放送は,bilibiliが人気の実況者を立てて応援放送をしたりといった,強力なバックアップをしてくれたことが視聴数の増加につながったと思います。彼らの言葉をそのまま引用するなら,「The Game Awardsに次ぐ扱い」をしてくれたということです。

4Gamer:
 中国の視聴者の反応はいかがでしたか。

小沼氏:
 番組に寄せられたコメントを見る限りですが,ZUNさんが出演し,Tobyさんがコメントを出すということで,東方Projectと「UNDERTALE」のファンが多かった印象です。また,TYPE-MOON studio BBの新納一哉さんがコメントを出すことを予告していたため,TYPE-MOONファンも多かったようですね。

4Gamer:
 SNSやチャットのコメントを見ていると,日本にもそういった視聴者の方はいらっしゃいましたね。

小沼氏:
 ただ,反省すべき点もありました。Tobyさんがコメントを出すという予告から,「『DELTARUNE』の発表があるのでは?」という噂が広がりました。TobyさんのTwitterにも「出るのか?」とコメントが殺到していたので,公式に「発表はありません」と否定したのですが,中国はとくにその情報が伝わっておらず,発表を期待したままの人がいたようです。

4Gamer:
 噂が先行してしまったと。

小沼氏:
 番組内でも告知をしたのですが,どうしてもそこを見ていない人はいますから……なかなか難しいですね(苦笑)。

4Gamer:
 中国ではZUNさんやTobyさんのパートに注目が集まったということでしたが,視聴数のピークもそのあたりだったのでしょうか。

小沼氏:
 bilibiliは同時視聴数が出ないのですが,日本語と英語の放送におけるピークは,序盤の新情報コーナー「INDIE Live Premiere」でしたね。「クラフトピア」が発表されたあたりから,thatgamecompanyのJenova Chen氏のコメントにかけての時間帯が最も視聴数が多い状態でした。
 とくにお知らせしたい情報を集めたのが,INDIE Live Premiereのコーナーでしたので,そこがピークだったというのは嬉しく思っています。

画像(010)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

4Gamer:
 ZUNさんとTobyさんの出演が非常に注目されていたので,てっきりそちらがピークかと思っていました。

小沼氏:
 もちろん,ZUNさんとTobyさんのコメントは素晴らしく,心を打つものでした。お二人は,私達の考える「独立不羈(どくりつふき)」)の精神を体現しているクリエイターだと思いますし,今回の放送でもそれを象徴してくれました。
 Tobyさんの原稿はかなり早い段階にいただいていたのですが,私達が番組を通して表現したいことが丸ごと詰まっていたので,最後に「まとめ」という形で流させていただきました。

※他に縛られることなく,自らの考えで行動すること

4Gamer:
 ZUNさんのコメントも良かったですね。「インディーゲームは作る人のためにある」というのは,核心を突く言葉なのかもしれません。

小沼氏:
 「自分はどうしてゲームを作ってるんだっけ?」という答えの1つとして,クリエイターの視点から素晴らしい言葉をいただいたと思います。

画像(011)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく


寄せられたゲームを極力すべて紹介していく姿勢は続けていきたい


4Gamer:
 INDIE Live Premiereのほかには,番組が選んだゲームを紹介する「INDIE Picks」,応募があったタイトルを紹介する「INDIE Waves」というコーナーがありました。とくにINDIE Wavesは応募タイトルが多くなったため,放送時間を1時間以上延長することになりましたが,当初はどれくらい集まると見込んでいたのでしょうか。

小沼氏:
 最初は「20〜30本の応募があれば,とりあえず初回としてはギリギリセーフかな」という気持ちでいました。それが5月下旬の締め切りが近づくにつれて,どんどん増えていったんです。資料を作成するスタッフは,5月中旬には「このままでは間に合わないんじゃないか」と大慌てでした。

4Gamer:
 基本的には,応募があったタイトルは全部紹介するのが番組のスタンスということでした。

小沼氏:
 そうですね。公序良俗や番組の趣旨にあまりにも反した内容のタイトルはお断りするしかないのですが,「応募していただいたからには,何らかの形で紹介しなければ」と考えています。

画像(012)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

4Gamer:
 番組の趣旨というのは,具体的にどういったものなのでしょうか。

小沼氏:
 「インディ魂」がある作品かどうか,ということですね。幸い,応募していただいたタイトルは,ほとんどがインディ魂にあふれる作品ばかりだったので,INDIE Wavesでは153本のタイトルを紹介することができました。
 最初は3〜4名で作業していたんですが,とても間に合わず,最終的には20人が徹夜作業をしてやっと終わったという感じで……スタッフからは悲鳴があがっていました(苦笑)。

4Gamer:
 そのスタンスを継続するとなると,2回目以降は大変なことになりそうです。今回は1時間の延長で収まりましたが……。

小沼氏:
 覚悟は決めています(笑)。公式サイトにも掲載していますが,「独立不羈」の精神があるゲームであれば,何らかの形で紹介するという姿勢は崩さずにやっていこうと思います。
 ただ,生放送なので尺には限界があります。今後は構成を工夫して,説明は入らないけれども動画を流す,といったコーナーを設けたいですね。

4Gamer:
 放送のどこでタイトルが紹介されるのかは,事前にデベロッパやパブリッシャに伝えられているのでしょうか。

小沼氏:
 第1回のときは,オンエア寸前のタイミングになって協力会社の皆さんに伝えたという感じでした。ギリギリまでゲーム情報を受け付けた結果,最後の最後まで調整が続いてしまったのが原因です。
 結果的に多くのゲームをご紹介できましたが,次回はもっと改善していくべきですし,制作フローの見直しが必要かと思います。

4Gamer:
 番組ではTwitterのハッシュタグ「#INDIELiveExpo」を使って,視聴者に感想や要望を募っていましたが,どういったものが寄せられましたか。

小沼氏:
 応募があったものは可能な限り紹介していくという番組のコンセプトに対して,ポジティブにとらえてくれるメッセージが多かったです。「色々なゲームをいっぱい知れた」「こんなに紹介してくれるのか」という感想をたくさんいただきました。
 日本語以外の放送では「この量の同時通訳を出演者にやらせるのは,ちょっとおかしいんじゃないか」というツッコミがありました(苦笑)。次回は同時通訳の身体的負担を減らしたいと思っています。
 3時間の放送枠が4時間になった時点で不安はあったはずなので,同時通訳をつとめていただいた出演者には感謝しかありません。

4Gamer:
 11月7日に予定している第2回の開催に合わせて,「INDIE Live Expo Awards」の実施を発表されました。あらためて選考基準を教えてください。

小沼氏:
 特設サイトではアワード憲章として記載していますが,自らの表現したいことをプレイヤーに届けることを貫く「独立不羈」の精神があるタイトル,それをインディーゲームと位置づけています。
 作っている人数が何人以下であるとか,資本関係がどうなっているというような,インディーゲームを具体的に定義することは困難であると思っています。番組内でPLAYISMの水谷さんは「誰かの承認を得て作っているものではなく,作り手の作りたいものがそのまま表現されたもの」と表現されていましたが,それこそがまさに「独立不羈」の精神がある作品ということです。

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4Gamer:
 投票の対象となるのは「2019年10月1日から2020年9月30日の間にリリースされたタイトル」とありますが,これはオリジナル言語版のリリースされた時期ということでしょうか。海外あるいは国内で評価を受けたものがローカライズされ,のちにリリースされるというケースも珍しくなくなってきたので,気になります。

小沼氏:
 言語に関しては明記していませんが,公式のQ&Aでは「リメイクや移植はリリースに含まれますか」という問いに対し,「新作と言ってよいほどの変化があれば,それはリリースに含まれる」と定義しています。
 国内で日本語版がリリースされていなかったものがローカライズされてヒットするということは十分にありえますし,対象に入ると思います。

4Gamer:
 「ローカル文化賞」「さわりごこち賞」「テーマ・オブ・ザ・イヤー賞」といった少し変わった賞を設けていますね。一般的な「グラフィックス賞」「サウンド賞」のようなものにしなかった理由はありますか。

小沼氏:
 グラフィックスといった技術的なものは,必ずしもインディーゲームの中で競う必要はないと思っています。グラフィックスは資本力を生かして技術開発をし,最先端の設備を注ぎ込んで作られるべきだと思いますし,それこそインディーかそうでないかの境目をなくして競えばいいのではないかと。
 サウンドも著名な作曲家や歌手に協力してもらい,インパクトのあるものに仕上げることはインディーでもできるでしょうが,それもまた別の場所で競えばいいと思います。今回のアワードに設定した賞は,たとえ1人で作ったとしても成し遂げられるかもしれない,というものにしたつもりです。

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4Gamer:
 今回はPLAYISMを起点に世界中から参加を募ったということで,PLAYISMのカラーが強い番組だったように思います。

小沼氏:
 当初は,ここまで協力してもらえると思っていなかったんですよ。水谷さんをはじめ,PLAYISMの方々が面白がって,取り組みに乗ってくださったという感じです。「この取り組みは正しいと思うから協力したい」とおっしゃっていただきました。

4Gamer:
 では,制作側が意図してそうしたというわけではないと。

小沼氏:
 もちろんです。むしろ水谷さんは私達以上に“見え方”について,すごく気にしておられました。番組に出演することに対して,最後まで否定的でしたし,直前まで「いちパブリッシャが前面に出て,偉そうに語るのはいかがなものか」と断り続けておられたんです。ただ,私達の方から「今回の内容を整理して語れる人として,水谷さん以上の適任者はいない。ぜひお願いします」と頼み込んで,出演していただくことになりました。
 水谷さんは,生放送後もご自身の出演に関して気にしておられましたが,協賛いただいた会社や情報提供をしていただいた会社からは「水谷さんが解説してくれてよかった」という声が非常に多かったです。

4Gamer:
 第2回に向けて,今回参加できなかったパブリッシャやデベロッパに対しては,どのようにアプローチしていくのでしょうか。

小沼氏:
 “インディーゲームの情報番組”が誕生したこと,予想以上に盛り上がったことをアピールしていきたいですね。今回協力していただいた企業につきましては,弊社がインディーゲーム界隈で活動するのは今回が初だったにもかかわらず,賛同していただけて感謝しています。
 とはいえ,まだまだ大多数のデベロッパやパブリッシャにとっては,面識がない会社ですから,まずは実績を見ていただければと思います。実際,第1回の放送で初報を出していただいたパブリッシャは「良いスタートが切れた」と喜んでくださっています。そういったことを,これから伝えていきたいですね。

4Gamer:
 3言語の同時通訳の生放送を続けていくとなるとコストはかなり気になります。

小沼氏:
 はい。下世話な話になりますが,今回は利益がまったく出ないギリギリの状態でした。これから規模を拡大していくためには,さらなる企業の参画や協賛が必要不可欠です。第2回の開催までには時間がありますので,広く宣伝してたくさんの人に知っていただき,ゲームを発表する場としての選択肢として,興味を持っていただけるようにしていきます。


オンライン配信だからこそ,国境や言語を越えられる


4Gamer:
 第2回放送のプログラムでは,どのような企画を予定していますか。

小沼氏:
 第1回では「エヴァゲーム大喜利」を発表しましたが,こうしたコンテストは他社を巻き込みながら,趣向を変えて継続していきたいと考えています。ゲームを作っても,発表する場や仲間がいないという人はいると思うんです。そういう方にとって,コンテストは必要な場だと思います。
 もちろん,INDIE Live Expo Awardsの発表も予定しています,現在,投票を受け付けていますが,これからどうなるかは正直なところ,私達にも分かりません。「こんなゲームがあったのか!」「このゲーム,面白そう」といった発見をしてもらう機会にしたいですね。いずれにせよ,第2回はさらにゲームの情報や発表に比重を置くことになると思います。

画像(016)インディーゲーム番組「INDIE Live Expo」の仕掛け人に聞く初回を終えた総括と展望。応募タイトルを可能な限り紹介する姿勢は続けていく

4Gamer:
 インディーシーンはこれまで,対面でのコミュニケーションを非常に重視していて,BitSummitをはじめとするイベントが盛り上がりを見せていました。既存のイベントに対して,差別化は意識していますか。

小沼氏:
 INDIE Live Expoはオンラインイベントですから,生い立ちが違うと思っています。私達はオンラインだからこそ,国境や言語を越えられると考えていますし,とくに差別化といった意識はありません。リアルイベントの展開も考えていないので,やれることをやるだけです。

4Gamer:
 今後はどのくらいの頻度での開催を想定しているのでしょうか。

小沼氏:
 現状では年2回くらいの実施を予定しています。「もっとやってほしい」という要望もいただいていますが,これくらいが限界かなと。
 INDIE Live Expoの存在意義として,クリエイターにとって目標となる締め切りを作れたことが挙げられるかもしれません。もちろん,納得がいくまで作っていただいてもいいのですが,「ここまでに作って,イベントで出すぞ!」といった張り合いになれば嬉しいですね。
 第1回も「今回は無理でしたが,次は間に合わせます」という方が多くいらっしゃいました。INDIE Live Expoをモチベーションにして,リリースまでの全体像を描いていただけたら,やった意味があると思いますね。

4Gamer:
 コロナ禍がきっかけで立ち上がったINDIE Live Expoですが,収束後も継続していく意向があるのでしょうか。

小沼氏:
 第1回で「こんなの要らないよ」と言われたら止めるつもりでしたが,「ぜひ続けてほしい」という声をいただいているので,それに応えたいと思っています。
 国や言語を越えてオンラインイベントを行うことは相当ハードルが高いのですが,そこに需要がある限り,やり続けたいと考えていますので,今後もどうぞよろしくお願いします。

4Gamer:
 今後の放送を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

リュウズオフィス公式サイト

INDIE Live Expo公式サイト

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