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JP GAMESの創業者 田畑 端氏にインタビュー。FFの開発経験を生かし,RPGクリエーションの次なるステップに挑む
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印刷2023/12/04 12:00

インタビュー

JP GAMESの創業者 田畑 端氏にインタビュー。FFの開発経験を生かし,RPGクリエーションの次なるステップに挑む

下記の記事は,BahamutのGNN新聞(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部,画面写真などを変更したり,文化的な背景などで理解されづらいものについては日本向けに表現を変えたりしている箇所があります。(→元記事

 「FINAL FANTASY XV」を始め,数々のFFシリーズ作品の開発を率いた著名ゲームクリエイター田畑 端氏は,2018年に独立して開発スタジオJP GAMESを立ち上げた。今回は,NADA HOLDINGS(注:台湾でIPビジネスを手掛ける大手)の招待に応じ,台湾の文化内容策進院(Taiwan Creative Content Agency)が主催するアジアコンテンツ産業年次イベント「Taiwan Creative Content Fest 2023」(以下,TCCF2023)に参加した。
 田畑氏は,イベントでRPGのツールセットを含む開発ミドルウェア「Pegasus World Kit」を紹介,そして会期中にバハムートGNNのインタビューに応じ,FFシリーズでの経験や思い,独立してJP GAMESを立ち上げる理由と理念,そして「Pegasus World Kit」の開発成果などについて語ってくれた。

「Taiwan Creative Content Fest 2023」公式サイト


JP GAMES 代表取締役CEO 田畑 端氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / JP GAMESの創業者 田畑 端氏にインタビュー。FFの開発経験を生かし,RPGクリエーションの次なるステップに挑む

 田畑 端氏は1971年生まれの52歳で,30年近くゲーム業界に携わっている。業界に入った当初はテクモ(現コーエーテクモゲームス)で「ギャロップレーサー」「モンスターファーム」「蒼魔灯」などを手掛け,続くスクウェア・エニックス時代には「BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-」「Crisis Core -Final Fantasy VII-」「キングダム ハーツ コーデッド」「FINAL FANTASY 零式」「ザ・サード バースデイ」などの作品のディレクターを務め,開発を主導した。
 そして2014年9月に「FINAL FANTASY XV」のディレクターを引き継ぎ,初めてFFシリーズのナンバリング作を担当した。それまで10年にわたって開発されてきた作品を,2016年9月の発売にこぎつけたのだ。

写真2016年,「FINAL FANTASY XV」ディレクターとして「Taipei Game Show 2016」のPlayStationブースにで
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 鉄拳シリーズのプロデューサー・原田勝弘氏による対談企画「原田が斬る!」の第1回をお届けする。原田氏をホストに,毎回さまざまなクリエイターをゲストに迎えて話を聞いてみようというこの連載。今回はスクウェア・エニックスの田畑 端氏をゲストに,超大作「FINAL FANTASY XV」の裏側に迫ってみよう。

[2016/05/21 00:00]

 2018年11月,田畑氏はLuminous Productions代表を辞任してスクウェア・エニックスから退職し,同年12月,FFシリーズなど多くのヒット作を手掛けた開発メンバー15人を招集し,JP GAMES株式会社の活動をスタートした。
 2021年には,パラリンピック委員会初のオフィシャルスマートフォン向けゲーム「The Pegasus Dream Tour」をリリース。その後,このゲームにインスパイアされて開発したミドルウェアを「Pegasus World Kit」と命名し,現在はVer.1.5まで更新されている。

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PEGASUS WORLD KIT Ver.1.5新機能ハイライト動画公開(JP GAMES)


 田畑氏がTCCF2023の講演会で語るには,開発チームの長年のRPG開発経験をもとにして,Unreal Engine 5をベースにした「Pegasus World Kit」(以下,PWK)を生み出したとのこと。PWKは,あらゆるRPG開発において必要な技術を凝縮したツールキットで,RPGを作りたいゲームクリエイターがゼロから模索する必要がなく,開発をより手軽に始められるように作られている。ぜひそれらの機能を活用してほしいと紹介した。

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 撮った写真をAIに読み込ませ,ゲーム世界の自動構築ができる「RIVテクノロジー」,コンセプトの検証を迅速に行える「RPGドラフトツール」,ChatGPTなどの大規模言語モデルを利用し,前後の文脈を汲んでNPCのセリフ生成ができる「シチュエーションAIトーク」,ゲーム内のコミュニケーションをライブ動画方式で行える「ライブ配信システム」,3Dゲームシーンの昼夜や天候,照明をリアルタイムに変化させられる「環境コントロール」,剣戟アクションをRPGに素早く追加できる「剣戟エンジン」など,RPG開発におけるあらゆる段階を,幅広くサポートしてくれる。

「RIVテクノロジー」は,撮った写真を簡単にゲームステージへと転換できる。画像は,田畑氏が撮った台湾松山空港
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会場では田畑氏が,PWKを使って講演会場をゲームステージにするのを実演した
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ChatGPTなどの大規模言語モデルを利用し,環境キーワードの提示によってリアルタイムにNPCのセリフを生成する「シチュエーションAIトーク」
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3Dシーンの昼夜,天候および照明を,リアルタイムに変化させられる「環境コントロール」
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RPGに剣戟アクションを素早く導入できる「剣戟エンジン」
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 なによりPWKでは,JP GAMESチームが持つ,RPG開発における経験と知識をパラメータとして作り上げた“AI”を多用している。個々のクリエイターの想像力を膨らませ,コンテンツをアウトプットすることをAIがサポートするようにしたのだ。クリエイターの思考や嗜好を,あまり時間をかけずにゲームの中に再現できるというわけだ。

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 田畑氏はまた,JP GAMESがすでに公開しているメタバースプロジェクト以外にも,RPGの開発が2タイトル進行していることも披露した。一つは外部パブリッシャーとの協業による家庭用RPGで,もう1つは,PWKを使った内部プロジェクト「リュウグウコク(仮)」だ。
 「リュウグウコク(仮)」の開発進捗については,着手してまだ3〜4か月しか経っておらずプロトタイプの段階ではあるが,PWKを使うことで開発期間を大幅に短縮できたという。

ジャパン・メタバース経済圏を実現へ。大手金融が共通基盤「リュウグウコク」(Impress Watch)


 「リュウグウコク(仮)」は七福神の秘宝を探すというテーマのRPGで,夢の中の世界を舞台にしている。プレイヤーはアバターの姿で様々なイベントを体験でき,現実世界の商品を仮想世界に持ち込むなどして,リアルとファンタジーが織り成す世界を楽しめる。

「リュウグウコク(仮)」イメージ画像
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 JP GAMESは,NADA HOLDINGS,文化内容策進院(Taiwan Creative Content Agency)と協業し,セルアニメーションジェネレータおよび新作RPGコンテンツを共同開発する予定だ。これまでのように日本国内で開発チームを作るというやり方を捨て,台湾を含むアジアの人たちとともに開発していくことを目指すという。

RPGの制作方法などシェア予定の内容が多くあったが,時間切れになってしまった。またの機会が楽しみだ
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JP GAMES代表取締役 田畑 端氏インタビュー


GNN:
 ご無沙汰しております。再び田畑さんにインタビューできるのは,光栄です。(2016年FFXV時,関連記事
 まずお聞きしたいのは,「FINAL FANTASY XV」を終えたタイミングで,会社から独立してJP GAMESを立ち上げた理由は何でしょうか。

田畑氏:
 すでに何年も経っているから,細かいところはもう覚えていません(笑)。でも大体のところは,当時スクウェア・エニックスの社長とは方針の違いがあったんですが,会社としては当然,社長の方針で進めることになりますので,僕がやるべきだと考えていたことは出来ませんでした。
 その状況で,その後何年も仕事を続けるのは無理があると思ったので,独立させてもらいました。独立当初はそこを正直には言いにくかったのですが,今はもう大丈夫でしょう。

GNN:
 JP GAMESのコアメンバーは「FINAL FANTASY XV」の開発チームから来ていると聞いています。田畑さんはどんな理念で,彼らを誘ったんですか。

田畑氏:
 初期メンバーには,僕が考える今後のゲームが向かう方向と,ゲームクリエイターとしてキャリア後半にいる自分たちに出来ることを説明して,これまでとは違うRPGづくりをしてみないかと誘いました。
 僕は,「FINAL FANTASY XV」の開発経験と蓄積した技術を生かして,これまでとは異なる方法で新しいRPGを作りたいと思っていました。RPGはすごくポテンシャルのあるジャンルだと思うし,僕もRPG開発歴が長いから,このジャンルにもっと踏み込んで,進化させながらいい作品を作りたいなと。
 そもそも,もっと自由に開発チームを作りたいという考えもありましたので,そのような考えに共感する人たちがだんだん集まってきた感じです。

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JP GAMESチーフデベロップメントオフィサー 岩田 亮氏。過去に,「FINAL FANTASY XV」の3Dグラフィックスなどを手掛けた JP GAMESチーフテクニカルオフィサー 今村哲矢氏。「NINJA GAIDEN」「FINAL FANTASY XV」のアクションエンジニアを担当した

GNN:
 田畑さんが開発した作品の中で,「FINAL FANTASY XV」の開発規模が一番大きく,そしてもっとも知られていると思います。田畑さんから見ると,その「FFXV」が成功している点と,ちょっと残念だと思っている点は,どんなところでしょうか。「FFXV」の開発で得られた貴重な経験は何でしょうか。

田畑氏:
 FFXV以前にも数作,FINAL FANTASYシリーズの開発に参加していました。僕からすると,「FFXV」の成功はFINAL FANTASYの進化系を作れたところでしょうか。あと,「FFXV」は日本先行ではなくグローバル同時発売だったところも,世界中のプレイヤーに同じタイミングでFFを届けることを実現できてとてもよかったと思います。
 残念だと思うところは……予定されたDLCがキャンセルになったことです。それはとても残念です。「FFXV」には多くの追加コンテンツを計画していましたが,最終的に一部キャンセルされることになりました。
 その当時は本当に仕方のないことではありましたが,今でもずっと心残りです。約束を守れなくて,楽しみにしてくれていたプレイヤーの皆さんに予定したすべてをコンテンツを提供できませんでした。


GNN:
 確かに。例えば「未来への夜明け」のストーリーは,ゲーム内で完結されてなかったですね。小説にしか書かれていなくて,その小説は台湾で出版されなかったから,多くのプレイヤーは触れられなかったです。ピースが何個か欠けたパズルのようで,すごく残念です。

「FFXV」の“未来への夜明け”DLC4本のうち,発売したのはアーデン編のみ。それ以外の3本は制作が中止された
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田畑氏:
 分かります。ごめんなさい。DLCのキャンセルは僕が下した決断ではないですが,それを止められなかったので,当時は余計に落ち込みました。
 しかし,僕が感じた挫折感は,自由な立場でより良いゲームを制作するモチベーションにもなりました。同じ思いを共有する仲間もいますので,このチームで新しいチャレンジがしたいし,当時がっかりさせたプレイヤーの皆さんには新たな面白いゲームを提供して挽回したいとも思います。

GNN:
 当時,番組中に読み上げた田畑さんからのお手紙では,すごく実現したい企画があると書いてありましたが,その企画内容をお聞きしてもよいでしょうか。また,それはいま実現できましたか。

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 スクウェア・エニックスは,本日配信した「FINAL FANTASY XV」に関する特別番組にて,DLCや制作体制に関する重要な発表を行った。「未来への夜明け」DLC4本のうち,アーデン編以外の制作中止が決定。また,田畑 端Dは,Luminous Productionsとスクウェア・エニックスグループから離れたという。

[2018/11/08 14:45]

田畑氏:
 そうですね……それは,企画というより取り組みたいこと,ですね。僕はやりたいことがいっぱいあるから,すべてを徐々に進めています。そのうちの1つが,今回の台北の旅に関わるものです。
 FFがきっかけとなって,台湾だけでなくアジア全域のゲームクリエイターや,バハムートを含む多くのゲームメディアの方と知り合う機会がありました。日本のコンテンツやFFシリーズが好きな人は,当時からたくさんいましたし,今の若い世代もそういう方がたくさんいます。僕のキャリアが既に後半にさしかかった今,そのアジアの若い人たちと一緒に新しいゲームを作ってみたいという気持ちが強いです。
 これは,スクウェア・エニックスに在籍していたらなかなか実現できないことです。僕を独立に導く,一つの大きな理由でした。自由にゲームを作る前に,自由にチームを作りたい。それは独立したからこそ出来ることですね。

「FINAL FANTASY XV」の開発で,田畑氏は台湾のXPEC Entertainmentと緊密な協力体制を取った
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関連記事:日本と欧米,双方で受け入れられるキャラクターを目指して――老舗デベロッパXPECとXACが挑戦する台湾発のアートスタイルとは


GNN:
 JP GAMESの「Pegasus World Kit」の内容を見ると,家庭用ゲーム向けというより,主にメタバースの開発に使われるツールに見えます。ミドルウェア開発に方向転換した理由は何でしょうか。

田畑氏:
 JP GAMESはさっき言ったように,RPGをもっと進化させ,発展させていくための会社で,そこが変わったことはありません。しかし,創業直後にCOVID-19が発生し,業界にもライフスタイルにも大きな変化が訪れました。
 その結果,我々は独立当初の計画を大きく変更しなくてはならなくなりました。コロナ禍にどんどん人を増やして無理に大きなゲームプロジェクトを始めるよりは,新しい会社でまだ土台もない自分たちの実力を,しっかり積もうと思ったんです。それで,自分たちの経験や技術を活かしてPWKというミドルウェアを開発しました。


 当時はちょうど「メタバース」がすごく注目されていた時期だったので,メタバースを開発したい会社さんにPWKを提供しました。RPGエンジンとして作ったんですが,先にメタバース開発の需要が出てきたから,そちらに合わせました。
 その後も,何度か人を増やしてプロジェクトを増やそうかと考えたタイミングもありましたが,やはり技術開発を優先しました。
 現在は企業向けだけでなくて,個人向けにも提供できる準備を進めています。PWKはこれから作られる新しいRPGをイメージして開発しているんですが,それがメタバースとも共通しているところが多いのだなと思いました。


GNN:
 近年の大きな話題の一つはメタバースで,Metaのような大手も積極的に乗り込んでいます。田畑さんにとって,メタバースはどんな存在でしょうか。

田畑氏:
 今のメタバースはまだ,僕が想像しているメタバースと少し距離がありますね。というのも,今体験できるメタバースは,まだ現実世界に及ばない世界だと思うからです。
 ゲームを作るのも同じですが,現実に劣る体験を作っても,それはユーザーにとっては価値がありません。現実を超える体験にこそ投資価値があります。映画「レディ・プレイヤー1」のように,仮想空間でしか体験できない,現実を超えた楽しみがある。そこにまだ到達できないことがメタバースの課題だと思います。

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GNN:
 JP GAMESは家庭用ゲームの開発計画がありますか。

田畑氏:
 あります。いまPWKを使って,2つのRPGを開発しています。一つは他社との案件なので言えませんが,家庭用ゲーム機向けのRPGです。もう一つは自社開発のオープンワールドRPG(注:「リュウグウコク(仮)」を指している)で,通常とはちょっと違うMMORPGです。どちらかと言うとゲームプレイはシングルRPGに近いですが,ワールド内にはほかのプレイヤーも多くいます。
 いまPWKが公開しているのは,PWK開発のベースとなったパラリンピック公式アプリの名残りで,アニメ調の世界になっていますが,元々ハイクオリティなゲーム開発が得意なチームなので,PWKもハイクオリティゲームを作れるツールにしています。もちろん,どのクオリティを目指すかは利用者の需要次第ですが。

GNN:
 最後に,台湾の読者にコメントいただけますか。

田畑氏:
 僕が台湾にきてTCCFに参加したのは,NADA HOLDINGSの友人とゲーム技術やコンテンツ開発における協力の話をして,台湾政府機関の文化内容策進院の蔡嘉駿CEOともお話する機会があり,三社で連携していくことになったからです。
 この具体的な連携の最初の一歩が,今回のTCCFでのワークショップです。これから,国や地域の障壁を超えたゲーム開発チームを作れたらと思っています。それは簡単なことではないですが,僕のゲーム作りはチーム作りから始めるので,頑張っていこうと思います。
 コロナ禍ではあまり無理せずというか,頑張らなかった部分がありましたが,最近は積極的に動いています。台湾のゲームクリエイターや,これからゲームクリエイターになりたい人,ほかにもアジア各地の同様の人たちを募りながら,これからの時代の新しいチームを作っていきます。
 過去のものとは異なる,新しいRPGを一緒に作って,なるべくたくさんの皆さんに遊んでもらいましょう。

文化内容策進院CEO 蔡嘉駿氏(左)
株式会社ナダ・ホールディングス 代表取締役CEO 鄧橋 (右)
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GNN:
 本日はお忙しい中,インタビューを受けていただき,ありがとうございました。(著者:バハムートGNN Sam)

セミナーでは,多くの台湾ゲーム業界関係者が,田畑氏たちと意見交換を行った
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