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Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
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印刷2016/11/05 00:00

レビュー

WD初となるSSD製品の実力を,PCMark 8の高負荷テストで洗い出してみた

Western Digital WD Blue SSD
(容量1TBモデル,512GBモデル)

Text by 米田 聡


WD Blue SSD(容量1TB,512GBモデル)
メーカー:Western Digital
問い合わせ先:公式サポートページ
実勢価格:1TBモデル 3万3000円前後,500GBモデル 1万7000円前後(税込,※2016年11月5日現在)
Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
 Western Digital(以下,WD)が自社ブランドで展開するSSD製品であるWD Blue SSDシリーズ(関連記事)。HDD業界の最大手が,フラッシュメモリ大手であるSanDiskを傘下に加えたことで生まれた最初の製品というだけに,その性能が気になる人もいるだろう。

 4Gamerではファーストインプレッションとして,WD Blue SSDの2.5インチHDD(7mm厚)互換タイプから,容量1TBモデル(型番:WDS100T1B0A)と容量500GBモデル(型番:WDS500G1B0A)の2製品による「CrystalDiskMark」のテスト結果を掲載している。このテストでは,カタログスペックに見合うスコアを確認でき,なかなか期待の持てる結果だった。
 そこで本稿では,WD Blue SSDの追加レポートとして,製品の詳細説明とPCMark 8におけるExpanded Storageテストの結果をまとめてみよう。ファーストインプレッションと合わせて参照してほしい。

1TBモデル(上)と500GBモデル(下)。外見上の違いは,表裏のシールに書かれた型番や容量くらいだ
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Western DigitalのデスクトップPC向けSSD「WD Blue SSD」が国内発売。速報的ファーストインプレッションをレポート



SanDiskの製品らしい内部構成を持つWD Blue SSD


WD Blue SSDでは,裏面シールを剥がして,シールで隠されていた4本のネジを外すと内部にアクセスできる
Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
 早速だが,WD Blue SSDを分解して,その中身がどうなっているのかを見ていこう。なお,以降では製品を分解して内部を分析しているが,言うまでもなく,エンドユーザーが製品を分解するとメーカー保証は失効してしまうので,くれぐれも真似しないでほしい。

 外観は違いがほとんどない1TBモデルと512GBモデルであるが,蓋を開けてみると,中身は大違いだった。ネジ孔の位置や開け方など,筐体自体が異なっているし,1TBモデルと比べて,500GBモデルは基板のサイズが半分以下なのである。

左は1TBモデル,右は500GBモデルの中身。1TBモデルの基板は2.5インチ筐体の全体を占めるサイズであるのに対して,500GBモデルの基板サイズは,3分の1程度しかない
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「SanDisk O5479 128G」と書かれたフラッシュメモリチップ。1枚あたり128GBの容量を持つTLCタイプだ
Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
 まずは,基板の小さな500GBモデルから見ていこう。
 500GBモデルは「SanDisk O5479 128G」というシルク印刷があるフラッシュメモリチップを,両面合わせて4枚実装していた。トータルの容量は512GBなので,残る12GB分は,予備領域に使っているのだろう。
 SanDiskはフラッシュメモリチップの詳細なデータシートをオンラインで公開していない。ただWDは,15nmプロセスで製造されたTLCタイプのフラッシュメモリをWD Blue SSDで採用したことを公表している。1枚あたり128GBという容量は,TLCの証といったところか。

500GBモデルの基板表面(左)と裏面(右)。「SanDisk」とシルク印刷されたチップが4枚と,Marvell Technologyのロゴ入りチップおよびキャッシュメモリチップが1つというシンプルな構成だ
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 SSDコントローラには,Marvell Technology(以下,Marvell)製の「88SS1074」を採用していた。「Low Density Parity Check」というエラー訂正アルゴリズムを採用した新世代のSSDコントローラで,TLC NANDを含むフラッシュメモリチップに対応するのが特徴だという。
 なお,キャッシュメモリとしては,Micron Technology(以下,Micron)製の4Gbit(=512MB)DDR3 SDRAMを1枚実装していた。

SSDコントローラはMarvell Technology製の88SS1074(左),キャッシュメモリMicron製の4Gbit DDR3 SDRAMチップ(右)。キャッシュ用だろう
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 一方の1TBモデルは,500GBモデルに比べて基板のサイズが大きくて,チップ数も多く,そのレイアウトも異なる。だが,細かく見ていくと,SSDを構成するチップは多くが共通であった。

1TBモデルの基板表面(左)と裏面(右)。チップがあるのは片面だけで,内訳は容量128GBのフラッシュメモリチップが8枚と,SSDコントローラが1基,そしてDDR3 SDRAMチップ×2枚という構成である
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1TBモデルのフラッシュメモリチップ。500GBモデルのチップとは,型番の数字が異なる
Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
 フラッシュメモリチップには「SanDisk O5478 128G」というシルク印刷があった。容量は500GBモデルが使っていたフラッシュメモリチップと同一だが,型番が違うということは,仕様に若干の違いがあるチップなのかもしれない。

 一方で,SSDコントローラは500GB版と同じ88SS1074だが,キャッシュメモリとして容量4GbitのDDR3 SDRAMチップが2枚,計1GB分取り付けられているのが500GB版との違いだ。
 DDR3 SDRAMチップの型番も500GBモデルと異なる。これは,500GBモデルのDDR3 SDRAMが16bitデータバスのチップで,1TBモデルのDDR3 SDRAMは8bitデータバスのチップを使っているためだ。

SSDコントローラは500GBモデルと同じ88SS1074(左)。キャッシュメモリ用のDDR3 SDRAMは4Gbit×2枚で,総容量は1GBとなる(右)
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 ちなみに,SanDiskブランドのSSDも,Marvell製のSSDコントローラを採用することが多かったので,フラッシュメモリチップとSSDコントローラの組み合わせは,いかにもSanDiskらしいSSD製品という印象を受ける。

 SanDiskらしさを感じさせるのは,SSDそのものだけではない。SanDiskは自社製SSD用に「SanDisk SSD Dashboard」という管理ソフトウェアを提供している。WDもSSD製品向けに「WD SSD Dashboard」というソフトウェアを提供しているのだが,画像データの違いを除けば,実際はほぼ同じものだった。

左がSanDisk SSD Dashboardで,右がWD SSD Dashboard。アイコンやロゴマークといった画像素材を除けば,機能的にも画面レイアウトもほぼ同じだ
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PCMark 8のExpanded Storageは厳しい結果に


 それでは,今回のメインであるPCMark 8(version 2.7.613)によるExpanded Storageを見ていこう。Expanded Storageとはどういうテストで,なぜ使用するかについては,「HyperX Savage Solid-State Drive」のレビュー記事で詳しく説明しているので,初見の人は,あらかじめ参照してほしい。

 今回のテスト環境はのとおり。比較対象としては,HyperX Savage Solid-State Driveのテストで比較対象にして,Expanded Storageで恐るべき安定性を見せつけたSanDiskブランドのSSD「SanDisk Extreme Pro Solid State Drive」(以下,Extreme Pro)の480GBモデル(型番:SDSSDXPS-480G-J25)を用意した。WD Blue SSDがExtreme Pro並の安定性を実現できているなら,価格帯性能比が高い製品であると評価できるだろう。


 というわけで,まずはExpanded Storageの「Adaptivity test」(適応性テスト)の結果から見ていきたい。
 Adaptivity testは,ストレージを初期化した状態で,適切な間隔を開けてPCMark 8のStorageワークロードを10回繰り返すテストである。SSDにとっては好条件でのテストとなるため,PCMark 8のStorageテストでこの程度のスコアが出るという目安になるものだ。

 Adaptivity testで実行した10回のワークロードの平均スコアをまとめたものがグラフ1で,10回のワークロードで記録した平均ストレージ帯域幅をまとめたものがグラフ2となる。

 スコアのほうは,3製品の差がほとんどなく,Serial ATA 6Gbps接続のSSDとしては,上限に近い妥当な値になっているのが分かるだろう。SSDが良好な状態なら,3製品に体感的な差はないと言っていい。
 一方で平均ストレージ帯域幅は,Extreme Proが約220MB/sであるのに比べて,WD Blue SSDは200MB/s前後と,約90〜93%の結果となっている。平均ストレージ帯域幅で1割程度の差だと,スコアにはほとんど影響を与えないが,Extreme Proのほうが,WD Blue SSDよりもやや性能は上といえそうだ。


 次に,「Consistency test v2」(一貫性テスト バージョン2)の結果を見ていこう。Consistency testは,「実使用環境でどれくらい性能は低下しうるか」を確認するためのテストで,SSDに大量のランダムデータを書き込んで,SSDコントローラの負荷を高めた状態で,PCMark 8のStorageワークロードを実行するというものだ。
 テストシーケンスは,ストレージを劣化させる「Degradation pass」(劣化フェーズ)を8回連続で実行したうえで,その処理を一定時間続ける「Steady state pass」(安定フェーズ)を5回連続,適切なインターバルを置くことでSSDの性能が回復していく「Recovery pass」(修復フェーズ)を5回実行という流れになっている。
 合計18回のスコアやステータスを記録しておくことで,高負荷によるストレージ性能の変化を観察できるテストというわけだ。

 グラフ3が,計18回のワークロードにおける平均ストレージ帯域幅の変化をグラフにまとめたものである。Extreme Proは,劣化させ続けるDegradation passでも200MB/s前後を記録するという安定ぶりを見せつけているが,それに対してWD Blue SSDは,平均ストレージ帯域幅の低下がかなり大きい。とくに初回のDegradation pass 1では,1TBモデル,500GBモデルのどちらも,約75MB/sというHDD並みのスコアまで落ち込んでしまっている。
 500GBモデルは,Degradation pass 2で約125MB/s前後まで回復したうえで,Steady state pass1にかけてわずかに帯域が落ち込みながら約110MB/sまで低下した。しかし,そのあとは約200MB/sまで回復している。
 一方の1TBモデルは,スコアの変動が極めて激しい。Steady state pass 2以降で回復を見せるものの,そこまではグラフが鋭い山谷を描き,約100MB/sを割り込むことも珍しくない。
 こうしてみるとWD Blue SSDは,Extreme Proとはまったく別物であることが良く分かる。


 続くグラフ4は,Adobe製写真編集ソフト「Photoshop CC」を利用した高負荷な作業でのストレージアクセスパターンを再現したワークロード「Photoshop Heavy」における,読み込み時平均アクセス時間の推移をまとめたものだ。
 筆者が今までにテストしたことのあるSSD製品の場合,読み込み時平均アクセス時間は劣化処理の悪影響をあまり受けないものが多かった。Extreme Proはその一例だ。ところがWD Blue SSDは,見事に悪影響が出てしまっている。
 とくに1TBモデルの悪化は目立ち,初回のDegradation pass 1では約3.7msを超えてしまうほど。その後も変動が激しく,Degradation pass 6で再び約3.7msを記録している。読み込み時平均アクセス時間の悪化は,体感的なパフォーマンスにかなり影響があるので,WD Blue SSDの1TBモデルは高負荷環境に弱い,と言ってしまっていいだろう。

 1TBモデルに比べると,500GBモデルの読み込み時平均アクセス時間はそれほど悪化はしないようだ。初回のDegradation pass 1で約3.3msを超えてしまうくらいで,それ以降は落ち着いて1.5〜1.7msで推移している。とはいえ,最初から最後まで約0.75ms前後という,恐るべき安定性を見せつけるExtreme Proに比べると,悪化が目立つことに違いはないのだが。


 グラフ5は,グラフ4と同じワークロードにおける書き込み時平均アクセス時間の推移を記録したものだ。
 書き込み時も読み込み時と傾向は変わらない。とくに1TBモデルの悪化は厳しく,Degradation pass 6では約13.66msと,HDD並のアクセス時間を記録してしまっている。これは体感的にも明らかな劣化を感じるレベルだ。


 Consistency test v2の最後は,合計18回のワークロードから,最良のスコア(Best score)と最悪のスコア(Worst score)を抜き出したものをグラフ6に示そう。Best scoreとWorst scoreの差が小さいほど,高負荷環境における性能の低下が少ない安定したSSDということになる。
 恐るべき安定性を見せたExtreme Proは,Best scoreとWorst scoreのスコア差が約0.5%しかない。それに対してWD Blue SSDの1TBモデルは,Best scoreに対してWorst scoreは約12%低下,500GBモデルでも約11%の低下と,1割以上もスコアが悪化していた。500GBモデルのほうが多少はマシではあるが,この結果からすると,WD Blue SSDは,高負荷環境ではかなりの性能低下を起こすはずだ。



PC向けの「Blue」クラスとしても価格対性能比に難あり


WD Blue SSDの製品ボックス
Western Digital初のSSD「WD Blue SSD」レビュー。PCMark 8の高負荷テストで真の実力を洗い出してみた
 Extreme ProとWD Blue SSDの結果が違いすぎたので,今回は念を入れて,WD Blue SSDをいったんセキュアイレースしたうえで,Expanded storageを2度実行してみた。それでも結果が変わらなかったのであるから,WD Blue SSDは高負荷環境に弱いという結論は,間違っていないと考えている。
 余談だが,WD Blue SSDの1TBは,Expanded storageを通して実行するだけで,丸2日もかかってしまった。それだけテスト中の性能劣化が激しいということだろう。

 SanDisk製フラッシュメモリとMarvell製コントローラを使う点は同じでありながら,Extreme Proとこれほどの大きな差が付いたのはなぜかと考えてみた。
 Extreme Proでは,フラッシュメモリの一部領域を高速なキャッシュとして使う「nCache 2.0」という技術が使われている。同種の技術は,ほかのSSDメーカーでも採用しており,たとえばSamsung Electronics(以下,Samsung)では,これを「TurboWrite Technology」と呼んでいることを覚えている人もいるだろう(関連記事)。WD Blue SSDは,こうした技術を採用していない点が大きなデメリットとなっているのではないだろうか。

 WD Blue SSDを長時間ゲームをプレイする過酷なPC環境で使った場合,体感できる程度の性能低下が見られるだろう。TLC NANDフラッシュメモリを使った低価格のSSDとしては,TurboWrite Technologyを採用するSamsung製の「SSD 750 EVO」がある。SSD 750 EVOには1TBモデルがないため,512GBモデルで比較すると,実勢価格が1万7000円前後のWD Blue SSDに対して,SSD 750 EVOは1万4000円前後と,価格もこなれていたりする。こうした状況を踏まえると,本稿執筆時点の価格では,WD Blue SSDは積極的にお勧めはできない製品であると結論せざるをえないようだ。

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Western Digital 日本語公式Webサイト

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