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GMOアプリクラウド主催のセミナー「ブラウザゲーム勉強会」レポート。各プラットフォーマーが語ったブラウザゲームの展望
ゲームはネイティブからブラウザへ回帰する?
同社が運営するゲソてんでは,PCとスマートフォン向けにさまざまなゲームを提供しているが,そのウリはGMOグループの各種サービスで用いられる「GMO ID」はもちろんのこと,@niftyやSo-net,セゾンカードといった各種IDサービスとの連携にあるという。例えば各社が提供しているポイントサービスなどをゲソてん内で利用も可能なのだとか。
また佐藤氏は,スマホのネイティブアプリゲームが抱える問題点――開発コストの増加や,ストアごとのレギュレーションによる締め付け――に対し,ダウンロードが不要でURL一つクリックすればプレイを開始できる手軽さ,またプラットフォームごとの集客支援を柔軟に展開できることをブラウザゲームの長所として挙げ,ブラウザゲームが再び注目される未来を予測していた。
さらにゲソてんでは集客の支援のみならず,広告モデルでの収益サポートやプレイヤーにポイントを付与するAPIの提供,またHTML5やWebGLといった開発者支援も行っている。佐藤氏は「ブラウザゲームは一つの選択肢」と言いつつも,同社ではブラウザを共通基盤としたさまざまなビジネスモデルのゲームを支援していくと語り,自身のレクチャーを終えた。
続いて登壇したのは,BXD 管理部GMの小俣 潤氏と,ドリコム enza事業本部の大原常徳氏だ。BXDはバンダイナムコエンターテインメントとドリコムによるジョイントベンチャーであり,HTML5プラットフォーム「enza(エンザ)」をこの4月より提供している。
BXD 管理部GMの小俣 潤氏 |
ドリコム enza事業本部開発部 部長の大原常徳氏 |
このレクチャーでは,BXDがバンダイナムコグループの所属と言うこともあり,ライセンスホルダーとの提携によるIPを重視したゲームについて,そのマネタイズの優位性を説くものとなった。
同社では,現在「アイドルマスター シャイニーカラーズ」と「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」のサービスを行っており,いずれもネイティブアプリと遜色のない完成度が高く評価されているとのこと。またenzaは,そのプラットフォームの独自性として「リアルとゲームの連携」を掲げている。これは,シリアルコードや二次元コードを活用することで,さまざまなリアル商材やイベントとの相互集客を見込むというもの。enzaがデベロッパに提供しているenzaプラットフォームAPIやSDKは,enza内でのあらゆる機能と連携することで,シリアルコードの発行や招待,チャット,決済などをカバーし,さらに同社では導入のための技術サポートも提供しているとのことだった。
なお同社では前述のタイトルを含め,2018年にIP関連の4タイトルを,また将来的には10数タイトルをリリース予定とのことである。
3番目のレクチャーを担当したエイシス事業促進部オンラインゲームチーム吉岡 崇氏は,なんと同社がサービスする「DLsite.com にじよめ」のマスコットキャラクター“にじよめちゃん”とともに登場。会場の雰囲気は一気に和やかなものに。
エイシス 事業推進部 オンラインゲームチームの吉岡 崇氏 |
身長215cmと,かなり大きなにじよめちゃんが登場 |
佐藤氏と同じく,吉岡氏も「ネイティブアプリが行き着く先=ブラウザへの回帰」というビジョンを提示しながら,ここでは各社が競合するのではなく,異なる特性を持つ大きな市場になると自身の予測を述べている。曰く,コンテンツはリッチ化する流れと,手軽さを追い求める流れに二極化する方向にあり,この両方を追い求めることで幅広いプレイヤーを獲得できるのだとか。
さらにネイティブアプリでは,ほぼリジェクトとなるR18コンテンツの需要に応えられることがにじよめの強みとし,二次元総合ダウンロード販売サイトの「DLsite.com」との連携と合わせ,相互流入と多岐にわたる収益化か可能とアピールしていた。
このエンジンを使用して制作したゲームを公開する方法としては,「PlayCanvas」が管理する専用のサーバーへとデプロイする「パブリッシュ」(無料プラン)と,プロジェクトをZipファイルでまるごとダウンロードして自前のサーバーにセルフポストする「ダウンロード」(有料プラン)の二つが用意されているという。シンプルな設計で組み込みも容易とのことで,無料プランからぜひ試してみてほしいと参加者に呼びかけていた。
「GMOアプリクラウド」公式サイト
ゲソてん by GMO
enza
DLsite.com にじよめ
「PlayCanvas」公式サイト(英語)
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