2026年3月12日にグランゼーラから発売される
「R-TYPE TACTICS I・II COSMOS」(
PS5 /
Switch2 /
Xbox Series X|S /
PS4 /
Switch /
PC)は,アイレムが2007年に発売したPSP用ソフト
「R-TYPE TACTICS」と,2009年の続編
「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-」を最新の技術で現代に甦らせ,さらに新たに制作された後日談
「コスモス編」を追加収録したタイトルだ。
1987年に稼動を開始したアーケード用の横スクロールシューティングゲーム
「R-TYPE」とその後継作の世界観をベースとし,戦略シミュレーションゲームとして再構築した「R-TYPE TACTICS」シリーズは,シリーズにおけるSFミリタリーとしての側面を掘り下げることを目指したスピンオフ作品であった。
シューティングの「R-TYPE」は,その人気を背景として多くの続編が作られたが,中でも2003年の
「R-TYPE FINAL」は,その可能性を大きく広げたタイトルだった。同作では自機である
「R戦闘機」の開発史などが細かに設定され,条件を満たすことで装備や性能が異なる派生機体が使用できるようになるシステムが採り入れられていた。
こうした設定を背景として生まれた「R-TYPE TACTICS」シリーズは,初代「R-TYPE」から続く人類とバイド帝国の戦いをより大きなスケールで描き,また戦略シミュレーションゲームとしての完成度の高さと相まって,ファンからも高い評価を獲得。今回こうしてリメイクが叶った形となっている。
今回4Gamerでは,この最新作「R-TYPE TACTICS I・II COSMOS」をいち早くプレイする機会が得られたのでインプレッションをお届けしていく。なお,掲載しているスクリーンショットなどは開発中のPC版ものであり,製品版とは異なる可能性がある。あらかじめご了承いただきたい。
追加ミッションの「コスモス編」はゲームを進めることで開放される
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名作SLGが遊びやすくなって復活。STGを再現する一風変わったプレイが楽しめる
戦略シミュレーションゲームとなった本作におけるプレイヤーの役割は,パイロットではなく軍の指揮官だ。R戦闘機だけでなく,これを支援する輸送艦や補給機も含めた全軍に指示を出し,敵対するバイド帝国軍との戦いに臨むことになる。シューティングゲームで体験した激戦を,より引いた視点から体験できるのだ。
プレイヤーの分身たる指揮官は,名前や性別を自由に決められる
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プレイヤーをサポートしてくれる,「副官」のユウキ・イングラハム少尉(左)とエレノア・クライアント中尉(右)。「R-TYPE TACTICS II」で追加された要素だが,本作では「R-TYPE TACTICS」相当のパートでも選択できるようになった
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「R-TYPE TACTICS II」の副官も,もちろん登場する。こちらはヒロコ・F・ガザロフ中尉(左)とエマ・クロフォード中尉(右)
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面白いのは,シューティングゲームとしての「R-TYPE」の要素が,戦略シミュレーションとうまく融合しているところだ。
例えば真横視点のマップには,歴代のステージをフィーチャーしたものが多くあり,見覚えのある地形に懐かしい雑魚キャラたちが配置されている。そして,最奥にはお馴染みのボスが鎮座しているわけだ。
初代「R-TYPE」のステージ1のようなマップ。もちろん最後は「ドプケラドプス」が待ち受けている。画面下部の緑色の部分は,次のターンに尻尾が動く位置。ここに留まっていると,一発でユニットが破壊されてしまう
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こちらは「R-Type Dimensions EX」より,初代「R-TYPE」のドプケラドプス
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ボスの弱点も過去作を踏襲しており,初代「R-TYPE」を象徴する1面ボス
「ドプケラドプス」なら,腹部に生えた顔が弱点となる。自然,プレイヤー側も尻尾の動きを読みながら真正面に飛び込んで波動砲を放つという立ち回りになり,攻略法までそれっぽくなるのが楽しいところ。
このほか歴代の印象深い大物ボスたちが再登場しているので,往年のファンは期待してほしい。
これは「R-TYPE TACTICS II」に登場する巨大戦艦「グリーン・インフェルノ」。初代「R-TYPE」の3面に登場し,のちのシューティングゲームに大きな影響を与えたボスである
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原作の
波動砲や
フォース,
レーザーも,戦略シミュレーションゲームに落とし込まれ,再現が行われている。
波動砲は,原作ではショットボタンを長押してから放つ貫通弾だったが,本作では
“ターン経過で溜まる「チャージ」を使って発射する”形になり,貫通性能は“効果範囲内に存在する敵味方すべてにダメージを与えられる”ものに置き換えられた。
うまく使えば複数体の敵を一気に殲滅できるので破格の性能だが,攻撃を受けるとチャージが失われ,また溜め直しになるリスクもある。なので波動砲を溜めている機体は後方に下げておき,そのあいだはほかの機体で前線を支えるといった運用が必要になるだろう。
波動砲の性能は機体によって異なる。より強力な半面,溜めの時間がほかより長いものなど,原作ファンならニヤリとできるものも
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敵味方を問わず,射線上の相手をすべて巻き込むので,使い方はよくよく考える必要がある。なお敵側も波動砲を持っており,奴らは味方を巻き込もうと何のためらいなく撃ってくるので気をつけよう
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「R-TYPE」の代名詞であるフォースは,R戦闘機の前後に合体させることで,頼れる盾となる。さすがに原作のように無敵ではないものの耐久力はかなり高く,また合体中はR戦闘機の武装を各種レーザーに変更する効果もある。分離させると単体のユニットとなり,体当たりさせられるのも原作そのままだ。波動砲ほどではないが,いずれも強力な攻撃なので,うまく活用したいところだ。
フォースは1種類ではなく,原作同様さまざまな種類がある。画像は「ディフェンシヴ・フォース」で,合体すると敵の攻撃を迎撃する「ディフェンスレーザー」を放てる
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螺旋のような軌道を描く「対空レーザー」。初代「R-TYPE」でプレイヤーを魅了したその美しさは,本作でも健在だ
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一方で原作にはない,戦略シミュレーションならではの要素も存在する。その代表例が
「索敵」だ。
本作ではマップのあちこちに敵が潜んでおり,味方の「索敵範囲」外にいる敵は見えないし,攻撃もできない。なので,思わぬ場所で待ち構えていた敵に奇襲される,なんてことも起こりえるわけだ。
ここで役立つのが
「早期警戒機」だ。これは武装は弱いものの索敵範囲が広いうえに足が速い機体で,主力部隊に先行して偵察させることで,奇襲を防ぐことができる。このように,特性の異なる機体を組み合わせて運用していくのは,戦略シミュレーションたる本作の本領が発揮される部分だろう。同時に「R-TYPE」シリーズの世界観を深く窺い知れる,ファンにとっては垂涎の要素となっている。
マップは地形こそ明らかなものの,敵がどこに潜んでいるかは分からない
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早期警戒機を先行させておくと,広い索敵範囲で敵をあぶり出せる
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「R-TYPE FINAL」で初登場した「ミッドナイト・アイ」。同作では,早期警戒機といいつつ戦闘機のような振る舞いだったが,本作ではその名に恥じない性能を見せてくれる
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このほかにも,本作には骨太な戦略シミュレーションならではの,さまざまなフィーチャーが存在する。
「旗艦」を落とされないようにしっかり陣形を組み,損傷した味方は艦船やドックに収容して修理する。装弾数が少ない爆撃機には補給機を随伴させ,毎ターン大型ミサイルを撃ちまくれる布陣を整える。敵の波動砲は,細かく攻撃を仕掛けてチャージをキャンセルすることで対応し,隕石があれば工作機を差し向けて鉱石を採掘させる。そして,部隊に経験を積ませて育成し,より強大な敵に立ち向かっていくのだ。
さらにマップに置かれた
「トレジャー」を回収し,鉱石などの素材を消費すれば新機体の生産も可能になる。いずれもシリーズお馴染みの機体なので,どれにしようかと目移りすること請け合いだ。
プレイを進めれば,バイド帝国をはじめとしたさまざまな勢力でもプレイできるようにもなり,どんなユニットが登場してくるのか,ますます楽しみになるだろう。
隕石から採集した鉱物は機体を生産する材料になる。工作機は戦闘力が低いので,ほかの機体で守りながら作業させたい
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トレジャーを回収すれば,新機体が開発できるように
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リメイクにあたって改良されたポイントも見逃せない。
最も恩恵を感じるのは,
ロード時間だろう。PSPの「R-TYPE TACTICS」はとくにロード時間が長く,これが評価を下げていた部分があった。続編である「R-TYPE TACTICS II」では改善されていたものの,本作では戦闘アニメをオフにするなどの対策を取らずとも,快適にプレイできるのがありがたい。
グラフィックスも強化されているので,往年のプレイヤーも戦闘アニメはオンのままでプレイしてほしい。
流れるマグマが美しい溶岩ステージ。ステージ開始時はロード時間があるものの,気になるほどではない
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「ウートガルザ・ロキ」がビームを放つ。ステージ中の演出も迫力満点だ
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戦闘アニメはいつでもスキップ可能だ
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細かな点だが,ユニットの中には性能が調整されたものもあるようだ。
「R-TYPE TACTICS」で猛威を振った爆撃機
「ストライダー」の長射程ミサイル
「バルムンク」は,「R-TYPE TACTICS II」に登場した
「バルムンク試作型」に置き換えられている。しかし,その性能は「R-TYPE TACTICS II」のものより向上していて,結果的に両作を折衷的した調整となっていた。
バルムンクは長射程と高威力を兼ね備えた殲滅兵器だ。1発しか装備できないものの,補給機「POWアーマー」を随伴させれば毎ターン使用すること不可能ではない。旧作でお世話になったプレイヤーも多いはず
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「II」で威力と命中率が下方修正されてしまったバルムンクだが,本作では命中率が1%アップしている
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お馴染みの機体やボスたちが次々と登場し,それらが美麗なグラフィックスで戦いを繰り広げる本作は,シリーズファンであれば間違いなく楽しめるタイトルといえる。
印象的だったフィーチャーの数々が,戦略シミュレーションのメカニクスに落とし込まれていて,それがまた独特のプレイフィールを形作っている。
今ならシューティングゲームの過去作も復刻や移植が進んでいるので,ここからシリーズ全体に手を広げてみるのもアリだろう。
初代「R-TYPE」当時は単なる異星人だったバイドにも,さまざまな設定が付加されたことで世界観は大きく広がった。そのため最終作との触れ込みでリリースされた「R-TYPE FINAL」のあとにも,さまざまな形で系列作品が生まれ続けている。
本作をプレイしてその歴史に思いを馳せてみるのも,おつな楽しみ方ではないだろうか。
バイド機の「ゴンドランレーザー」は,初代「R-TYPE」に登場した「ゴンドラン」の形状を模した光線であることに由来する。ファンはニヤリとできるネーミングだ
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こちらは「R-TYPE FINAL」に登場したボス「Xelf-24」。迫力のビーム攻撃も再現されている
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とにかくカッコいいR戦闘機。本作をプレイすれば,それを再確認できること請け合いである
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ミッションの合間に差し挟まれる「航海日誌」では,司令官の行動を決める選択肢も。発売当時ネットミームにもなった拷問の選択肢もそのままとなっていた
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エンブレムを貼り付けた機体のカスタマイズも可能。戦艦にドクロのエンブレムを付ければ,海賊風に早変わりする
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